合格体験記



■上智大学文学部哲学科/「大沢先生との哲学対話」

 私が哲学科に行きたいと思ったのは高校3年生の5月くらいでした。元々一つのことをじっくり考えることが好きな性格でもあり、大学で哲学を学んでみたらきっと楽しいに違いないと思ったことがきっかけです。そこで私は最初、一般受験で哲学科のある大学を受けようと考えました。しかし親が上智大学に哲学科の公募推薦があることを教えてくれたことがきっかけで、自分で上智の公募についての対策塾をインターネットで調べkipを見つけました。そしてkipのサイトに書いてあった上智の公募についての詳細を読んだり、大沢先生が挙げていた上智の公募に関するYouTubeを見たりしていくなかで、本気で上智に行きたいという強い思いを持っていれば上智の公募を目指すことができると考えるようになりました。そこで私も上智の公募を第一志望にして、本気で目指していこうと思いました。

 しかし、私は上智の公募を目指すためにKipに入塾することを決意したものの、ある一つの大きな不安がありました。それは哲学の知識がほとんどないという点です。私は自分の中で考えてみたいと思うテーマを漠然と持っていた一方で、学校で倫理の授業を取っていなかったり、独学で哲学書を読んでいた訳でもなかったりしたため哲学の基礎的な知識に欠けていました。実際、上智の公募で哲学科を目指すためには、4000字の課題レポートを書かないといけなかったり、当日も小論文と面接の試験があったりするため、哲学の知識がある程度頭に入っていないとそれらに対応することができません。ではなぜ私が哲学科を最後まで目指し続け、最後は合格を手にすることができたのか。それは大沢先生がいたからです。

 振り返るとKipに入塾した高3の6月からの日々は大沢先生との哲学的な対話の積み重ねでした。大沢先生は哲学の知識が豊富でした。そして大沢先生はその哲学の知識をただ私に一方的に教えるのではなく、対話を通して私に考える機会を与えてくれました。たとえば「道徳と倫理の違いって何だと思う?」「自我があるから可能になることってなんだと思う?」「アイデンティティって何によって成り立つものだと思う?」このように今まで気に留めることがなかった沢山の問いを私に投げかけてくれました。そのおかげで私は自分自身で考える思考力と、さらに対話の中で哲学の知識も自然と身につけることができました。また私は、先生の仰っていることで分からない部分があったり、哲学者の考え方で理解することができない部分があったりする場合は、すぐにその場で先生に質問しました。すると先生は私の疑問点がなくなるまで、さらに詳しく説明してくれました。しかし私は先生が詳しく説明してくれてもなお、まだ理解することができないこともあり、自分の中で先生が仰っている意味をしっかりと理解するのに3週間くらいかかったこともありました。そのような中でも先生は、私が完全に理解できるようになるまで私に呆れることなく毎回毎回、具体例を交えて詳しく説明してくれたり、ホワイトボードを使ってわかりやすく一からお話してくれたりしました。さらに先生は私が読んでおいた方がよい哲学の本を紹介してくれたり、先生が持っている哲学書を貸してくれたりしました。どんな時でも私に正面から向き合って、合格へと導いて下さった先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

 大沢先生との対話のおかげで、私は哲学というのは、考え続ける学問だということを発見しました。現に、対話の中で既存の考え方を理解することができたとしても、自分の中で新たな問いが芽生えるため、考えることに終わりはないのです。考え続けることは、時に辛いこともありますが、私にとっては楽しいと思えることの方が多かったです。自分自身で考えるという力を大沢先生の元で培うことができたおかげで、それは当日の小論文と面接の際の大きな自信となりました。どのようなことが問われるのかが予測不可能なため、しっかり答えられなかったらどうしようという不安も勿論ありました。しかし今の自分なら大沢先生と話してきたこと、そして自分自身が考えてきたことをフル活用すれば、どんな問いでも乗り越えていける、と思うことができました。

 そして迎えた当日の小論文の試験では、なんと大沢先生と長いこと話し合ってきた内容が課題文のテーマであったため、大沢先生との対話を思い出しながら自分の考えを解答用紙にぶつけることができたのです。また面接では想定外の質問が多く、鋭く突っ込まれた場面も沢山ありましたが、自分の哲学に対する思い、上智大学に対する思い、自分が考えてきたことを語ることで無事に乗り切ることができました。

 Kipはただ受験のテクニックを教えるだけでなく、生きていく上で大切な力、すなわち自分自身で考えていくという力を私に教えてくれた場所であったと思っています。Kipに通っていた約半年間、私は自分の人生についても見つめ直すことができました。「自分は将来どんな人間になりたいのか」「自分の強みは何か」などの自分自身に関することをこんなにも真剣に考えたのは生まれて初めてでした。それを経験できたのは大沢先生、そして小論文対策や面接対策をして下さったKipの先生方のお陰であり、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。Kipで得られた自分自身で考えていく力は哲学という学問のみならず、今後の人生においてもとても大切になってくるものです。大学生活、そしてその先の人生の中には無数の選択肢があり、常に自分自身で決断して、自分の未来を決めていく必要があります。その際、私は自分がどのように生きていけばよいのか、どんな人間になりたいのかを自分自身に問いかけ、自分自身で考え、周りに流されることなく、自分を見失わないで生きていけるような人であり続けたいです。

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>> 受講していた「上智大学 公募推薦コース」ページ

塾長 大澤 歩

塾長からのメッセージ

Yさんはお父様と一緒に最初の塾の面談に来ました。上智の哲学科に行って、「神様は存在するのかどうか」ということについて神学の立場ではなく哲学の立場から考えたいと言ったことがとても印象に残っています。入塾当初の彼女の文章力や基本的な哲学知識は正直に言うと、上智に合格できるレベルではありませんでしたが、私自身が学生時代に哲学が好きだったというのもあり、自分の知っていること、考えてきたことを彼女に伝えたいという思いはあり、それを彼女が吸収できれば彼女の希望に沿った形で合格することができると信じていました。

彼女の最大の強みは「めげずに書く力」でした。最後のひと月は毎日毎日三千字を超える文を書いては、添削という日々でした。合格への強い信念がなければできるものではありません。小論と面接があった日に彼女は報告に来て、テスト前日まで話していたことが小論のテーマとして出たこと、面接が比較的「圧迫」であったことを聞き、彼女の合格を確信しました。そして、10日ほど後の合格発表の日に、自分の足で合格を伝えに来てくれました。

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