■一橋大学合格/「僕の大学受験」
三月十日午前十時。一橋大学前期日程合否発表日。僕は震える手でホームページを開きました。結果は合格。今までのすべてが報われたような気がしました。
振り返ってみると僕の大学受験は中学三年あたりから始まりました。中高一貫校に通っていた僕は学校の校風から完全に勉強習慣が抜けてしまったため、英語のスパルタ個人塾に通うことにしました。そこで英語を磨いたことでかなりの得意教科にすることができました。とはいえ中学三年から高校一年の間は英語以外にこれという勉強はしておらず、数学や社会から逃げる生活を送っていました。
高校二年になると周りの友達が受験ムードになっていったことで僕もそれに押されるように本格的に受験勉強に着手するようになりました。そこで本格的に志望校を決めることにしました。当初僕は北海道大学を志望していました。しかし学校の担任の熱烈な勧めからもう少しレベルが上の大学を目指すことにしました。文系だった僕は東大・京大・一橋大の中から第一志望を決めることにしました。東京に留まろうとした僕はキャンパスに一目ぼれしたことから一橋大学を目指すことにしました。とはいえ当時本当に一橋大学に入れるとは思っておらず、「一橋大学への勉強をしていれば北海道大学にも入れるだろう」という思いから一橋大学を目指しました。
志望校を決定した後数学は本格的に一橋大学の対策をし始めました。一橋大学の特徴は数学と社会(僕の場合は日本史)の難易度が非常に高く英語と国語の難易度は易しめという僕に最悪のスタイルの入学試験形式でした。そこでまずは数学をイチから鍛えることにしました。まずは基礎固めのために青チャートと面白い程よくわかるシリーズ(通称:黄色本)をひたすら解き続けました。すべての問題を完璧に理解するまで何回も解き直しました。社会に関しては共テ科目である倫理政経と日本史を共通テストレベルまで仕上げました。
高校三年になると勉強のスピードに一層拍車が掛かりました。最初のピークは高校三年の夏休みです。夏休みには共通テスト対策と二次対策を5:5くらいの配分でやっていました。共テ対策では古文単語や漢文のヤマのヤマ、理科基礎に関しても黄色本の内容をひたすら熟読しました。二次対策では一橋大学の過去問を5年分解き切りました。
夏休みが終わると数学の問題集を文系数学良問プラチカに乗り換えました。この問題集は文系数学の最高峰のレベルの問題が凝縮された本で、僕は最後までこの問題集を使い続けました。そしてこの頃から遂に日本史の二次対策を始めました。一橋大学の日本史はとにかく難易度が高く、初見の問題はほぼ解くのは不可能なのでひたすら過去問演習をして頻出問題に備えるのが定石でした。そこで学校の日本史の先生にお願いして添削指導をしてもらいました。
一方その頃、僕は二次対策をしながら密かに一橋の推薦を狙っていました。そのために僕は英検一級(推薦の出願要件)を取ろうとしていました。一橋の推薦では小論文があり、私大で慶應大学法学部を受けようとしていた僕はどちらにせよ小論文の対策が必要だと感じた為、KIPに入りました。残念ながら英検一級は不合格。一橋の推薦の道は途絶えてしまいました。しかし、慶應大学法学部は受験予定だったため小論文対策は受験の日まで続けました。
冬休みに入ると共テが近づいてきたため二次対策はしばらく止めて共通テストの対策に集中することにしました。今までやってきた参考書類を見直したり、河合塾や駿台が出版しているパックを解いたりしました。自分の場合は「私大対策は共テ対策の後で十分」とたかを括っていたので直前期は共テに集中しました。
共テの結果は700点ピッタリでした。自分としてはギリギリ及第点だったので志望校は結局変えずに一橋大学経済学部を前期で受けることにしました。なお、共通テスト利用に関しては全然ダメでした。
共テが終わると二次私大対策に集中するようになりました。前述の通り、僕は私大を甘く見ていました(特に早稲田)。過去問もほぼやらないまま突っ込んだ結果、早稲田は全落ちでかろうじて慶應大学法学部の合格を勝ち取ることができました。これに関しては慶應大学の受験スタイルが僕に合っていて、小論文の対策を長くやっていたことが勝因だと思います。早稲田に関しては完全に対策不足だったと思います。
私大が終わると二次対策の最終段階に入りました。この時期はひたすら今までやってきた数学の問題集や日本史の添削に加えて、一橋の過去問の演習を繰り返しました。最終的に数学と日本史は過去問22年分、英語と国語は10年分解き終えました。
試験では今までのことを振り返りながら全力でペンを走らせました。しかし、本番というものはやはり一筋縄ではなく何度も解いている間に不安が募りました。正直、受験直後は「これは落ちたかなぁ」と思いました。そのため自分の番号を見つけたときは心底嬉しかったしホッとしたのを覚えています。
これを読んでいる人の中には受験に対する恐怖や不安感で胸がいっぱいになっている人もいると思います。しかし、不安や恐怖の感情というのはあなたが真剣に物事に向き合っていることの裏返しとも言えます。受験期は長いようですぐに終わってしまいます。その短期間にどれだけ我慢して勉強したかがあなたの合否を分けます。結果はどうにせよあなたが受験を終えた時、それが満足できるようなものとなることを願っています。
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