■聖光学院中学/「中学受験を終えて」お父様より
息子の中学受験が終わった。小5の夏にアメリカ・ニューヨークから帰国してから一年半の受験勉強。出遅れていた分、本人は相当しんどい思いをしたと思う。それにもかかわらず、帰国生受験か、一般受験か、両にらみ、つまり英国算理社の5教科を勉強しながら半年間程度様子を見た上で、6年生の春になって、帰国生受験への一本化を決めた。本人が「英語の取り出し授業」を強く望んだからである。
Kip学伸には、息子が一番苦手とする国語のご指導を6年生の5月になってお願いした。それまで、国語と算数は、最寄り駅にある大手の進学塾に通っていた。教材、授業の質ともハイレベルで申し分なかったが、一つだけ気になっていたことがあった。それは、帰国生である息子が躓いているポイントと、集団授業で教わるポイントが噛み合っているか、ということであった。というのも、受験勉強を開始して半年ほどすると、算数、理科、社会はぐっと成績が上がったにもかかわらず、国語だけが伸び悩んでいたからである。
ある日、息子に算数を教えていた際に、「旅人算」の文章問題の表現が少し変わっただけで問題が解けなくなる場面に出くわした。算数の原理が分からないのではなく、問題で設定された前提条件が理解できていなかったのである。つまり、文章の理解力の問題であった。もっと早く気づいてやるべきであったが、帰国生が躓くポイントは、一般受験の集団授業で教わるポイントとは違っていたのである。
インターネットでKip学伸を見つけ、早速、大沢塾長に個人面談をしていただいた。大手進学塾での模試や問題演習の結果を踏まえ、息子の間違いの傾向や苦手分野をご説明したところ、それらに対する処方箋を一つ一つクリアにご説明頂いた。その的確なご指摘に驚くとともに、帰国生の指導経験が豊富なKipにお世話になることを決めた。
受験までわずか7か月という状況にもかかわらず息子を引き受けてくださり、聖光学院、海城、都市大付属(U類)の合格まで導いて下さったKipの先生方には大変感謝している。
中学受験は終わったが、国語が真に必要になるのは、むしろ「これから」であると考えている。帰国生の親となって痛感したことだが、知性や思考というものは、母語によって積み重ね、深められるものであり、国語の運用能力が脆いものであるならば、深い思考はままならない。そのような状態では、いくら英語が出来ても意味がない。
その重要性の割に、国語の学習というのはどういうわけか、他の科目に比べて軽んじられているのではなかろうか、と感じる。私自身を振り返って見ても、日本人だから、国語は特別な学習や訓練をしなくても出来て当たり前であるとして、特に英語や数学など他の科目に比べた場合に、しっかり取り組んで来たとは言い難い。だが、これは大きな間違いであった。
今、勤め先では、イギリスとアメリカの二度の海外駐在を経て、組織をリードする立場になった。また、次世代の人材育成プログラムの構築にも取り組ませてもらっている。周囲が、私自身の発する言葉に大きく影響を受けるようになった。何を、どのような言い方で語るのか、常に周囲からの視線を感じている。時には、会社の経営層のスピーチ原稿を書くこともある。グローバルビジネスの最前線に立って、また企業経営に触れてみて、分かることがある。どの国であっても、トップが語る言葉とトップが見せる姿勢で、人は動くものだ。この歳になって、この立場になって、国語、言葉の持つ力の大きさを、改めて実感している。
国語は、すべての学習の基礎となる最重要のもの。人の一生を支え、豊かにしてくれるものである。
息子には、受験が終わったからこそ、国語の真の力をじっくりと、身につけて欲しいと願っている。
Kip学伸にはこれからさらに助けて頂くことになるだろう。
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