【中学1年生】期末テストで悪かった人はこうすれば良い!
カテゴリー:私立中学生2024.07.07
中学一年生のみなさんはようやく新しい学校生活に慣れたころでしょうか。私立中学に通っている人は、なんとか中学受験で合格したのだから、もうしばらくは勉強したくないと保護者の方を含めて思っている人は多いでしょう。小学4年生、場合によってはもっと前から塾に入り、勉強を最優先してきた日々。私立中学に入った以上、しばらくはのんびりと過ごしたいと思うのも、むべなるかなと言えるでしょう。
ところが、そういった思いとは裏腹に学校の学習は容赦なく進んでいきます。のんびりしている暇もありません。特に進学校の場合は、速く進むだけではなく難しさも加わります。
とはいえ、一学期の中間テストは、公立中学であっても私立中学であってもさすがにそこまで学習進度が進んでいないこともあり、壊滅的な点数をとる人はそこまで多くありません。問題は一学期の期末と二学期の定期テストです。数学で言えば「一次方程式の利用」、英語で言うと「三単現」の単元が出題されるときが、一気に平均点が下がるときです。
一度悪い成績をとった場合に、すぐに修正ができれば良いのですが、多くの場合は「次頑張る」と言ってあまり変化がないまま進みます。これはすでに一歩、負のスパイラルに足を踏み入れています。
科目の中でも、理科や社会であれば、各単元に必ずしもつながりがあるわけではないので、次のテストの範囲のみを少し頑張れば、点数に結びつくことも多いのですが、英語や数学はそうはいきません。be動詞と一般動詞の区別がつかないままですと、どこまでいっても英語が苦手なままです。
私立中学に進学した人にとって、中学1年生と2年生で大事なことは学習習慣がついているかどうかです。公立中学生は、中1で習慣をつけないと中3の時点で受験態勢に入っていくのは難しくなります。
英語・数学は
予習をする⇒授業を聞いて復習をする⇒定期テスト前に復習をする
という流れを作るのです。これができれば、無理することなく一つの単元を三回学習することになるので、結果として学んだことが身につくのです。
反対に
授業でよく理解できなかった⇒テスト前に慌てる⇒テストで点数がとれない⇒改善されない
という流れに乗ってしまうと、完全に負のスパイラルにはまってしまいます。その最初の分岐点が中1の一学期期末、もしくは二学期の中間なのです。ここで思ったほどの点数がとれていなければ、学習スケジュールを見直したほうが良いでしょう。この時点であれば間に合います。特に夏休み前に気づけば、塾に入るなり、夏の課題を与えるなどして、取り戻せるでしょう。学習スケジュールをつくっていくポイントはまず、数か月単位で作ることです。
新学期であれば4月~7月といった一学期すべて、次は7月~8月の夏休み。その次は、二学期といった感じです。
その数か月でどこまで進めるかの予定を立てて、それを月割りにし、さらに週単位に落としていくのです。そうすれば、毎週何をしなければいけないのかが分かってきます。
しかし、流れに乗れていないことにも気づいていないまま進んでしまいますと、次に手を打つ時期はだいたい中3になってからになってしまいます。
中1に成績が悪い⇒叱るけど改善されず⇒中2も同じ状況⇒中3で「なんとかしなければ大変」と家族みんなが気づく
このような流れになってしまう人が一定数います。ここから流れを作り直すことができないとは言いません。頑張れば何とかなるからです。しかし、大変であることは強調しても強調しきれません。
たとえば、九九でつまずいた人が小3、小4の算数でうまくいくと思いますか?小4の段階で九九を覚え直しながら、学校で学んでいることも同時並行で進めなければいけない状況を想像すればその大変さは理解してもらえるのではないでしょうか。
すべての科目を頑張るというのは、一部の人を除いて現実的ではありません。ある程度の流れに乗るために、英語と数学の先取り学習をできるような学習スケジュールを作りましょう。
もう一度言いますが、一学期の期末、もしくは二学期の中間が分かれ目になりますので、そのときの点数を見て、手を打たなければならないのであれば、すぐに手を打つようにしましょう。
【小学生】英語学習の落とし穴
カテゴリー:勉強方法2024.06.23
英語教育の重要性がますます高まり、いつの頃からか、英語ができれば大学受験でも高校受験でも、そして中学受験でさえも有利であるようになりました。そのため、小学生から英語を学ぶ人も増えています。そしてそれに伴い、英検を早いうちから取得する人も多いのではないでしょうか。
早いうちから学習したほうが語学の習得は良いとされていますから、当然早い段階から始めることは良いことです。実際、小学生のうちから英語を学んでいる人は、中学時代に良い成績をとることができ、英語が得意科目になることもめずらしくありません。ただし、ここに落とし穴があるので、その落とし穴について今日は話をしていきます。
小さいときから英語を学習する最大のメリットは、「自然に学ぶことができる」ことです。それはちょうどわれわれが日本語を自然に学んだように英語を学ぶという考え方です。この「自然に学ぶことができる」というのは、感覚的に英語が分かることとも言えます。
ですから、小学生のうちから英語に触れることで、大人が学ぶのとは違った方法で学べます。自然に学ぶことができることで、特にスピーキングやリスニングはかなり上達すると言えるでしょう。もちろん、週に1度程度の学習ではネイティブスピーカーのようになれませんが、それでも英検でいえば3級程度の単語や言い回しは自然に覚えられると思います。中学に入っても英語が得意科目となり、中学時代はうまく進みます。
こんな良いことばかりありそうな小学生からの英語教育ですが、弱点がないわけではありません。というのも、このような学習をしてきた人の多くが、高校の勉強が始まったくらいから、「あれ、何かうまくいかない」と思うことが多くなり、覚える単語が多くなり、しだいに良い成績をとることが難しくなってくるからです。
というのも高校英語あたりから、文法事項が細かくなってくるので、基本的な文法が頭に入っていないと、次のステップにうまく進められないのです。感覚的に分かっていた人は、理屈が分かっていないので、自分の感覚外にあるものが理解できなくなります。たとえば、日本語の助詞の「が」と「は」の違いを説明できる人はあまり多くないでしょう。しかし、その違いを説明できなくても、我々は自然に区別できます。
「机の上にペンがある。そのペンは私のものだ」と
「机の上にペンはある。そのペンが私のものだ」
では明らかに後者がおかしいのに、おかしい理由を説明するのは、我々にとって難しいものです。こうしたことからもお分かりいただけるように、いったん感覚で身についたものをレベルアップされるために、後付けで理屈を入れるのは難しいことです。
もちろん、ネイティブのように生まれたときから毎日英語を浴びていれば、理屈抜きでも習得できるのでしょう。ちょうど我々が「が」と「は」の使い分けを間違えないように。が、小学生くらいから週に何度か英語を習うくらいですと同じようには習得できるはずがありません。
たとえば、次のような英語の違いが分かるかどうかが一つの指標です。
I found the book easy.
I found the book easily.
単語そのものは中1・中2で学習する簡単なものです。感覚的に英語を身につけたひとは、この違いが分からないことが多いのです。しかし、文法事項をしっかりと身につければ、何も難しいことはありません。
I / found / the book / easy.
S V O C
これはⅤ文型と呼ばれるもので、O=C となり、その本=簡単 となります。要するに、「私はその本が簡単であることが分かった」となります。一方の文は次のようになります。
I / found / the book / easily.
S V O M
最後のeasilyは副詞です。この文ではfoundという動詞を修飾するので、「私は、その本を簡単に見つけた」となります。
つまり、二つの文は最後の単語の語尾が違うだけなのですが、意味としてはまったく異なるものとなります。感覚で英語を捉えている人は、下記のことを理解していません。
・「easy」、「easily」のそれぞれの品詞を分かっていない。
・「find」は三文型と五文型を作ることができる動詞。
文法を学んだ人は、単語を品詞で考え、また文型を考えるため文の構造が見えるのです。もちろんこの文は、中学一年で学ぶ単語しか入っていないので、感覚的に分かってしまう人もいるでしょう。ただし、単語がより難しくなったり、関係詞が入った複雑な構造になったりすると、感覚だけでは捉えられなくなってきます。
要は、単語を単に覚えていくような勉強法では限界がくるのです。文章の構造を読み解くには、文の要素を分けて構造を読み取れなければなりません。
何度でも強調したいのは、小学生のときに英語が得意な人ほど、後に英語で伸び悩み苦しむことになることが多いのです。
とはいえ、小学生のときから文法事項をしっかりと学ぶのは楽しいことではありません。嫌いになってしまえば元も子もありませんから、楽しみながら進めていくことも小学生にとっては重要です。
最良の方法は、そうした感覚的に英語を捉えることから始めつつも、いずれそれでは通用しなくなることを保護者の方が分かっており、そのことを踏まえたうえでどこかの段階で、きちんと文法事項も学ばせることです。
【中学受験国語 】 記述問題が苦手な人
カテゴリー:国語2024.06.16
国語が苦手という人の中でも、もっとも多いのは記述問題が苦手という人です。物語や説明文、随筆など長文の種類を問わず、とにかく記述が苦手という人は一定数います。
仮に、選択問題はできているのに記述問題だけいつも空白であるといった場合は、その根本的な理由は簡単です。
それは、書き方が分からないからです。
要は、選択問題ができていれば、読解はある程度できているということになります。読解はできてはいるが、設問で聞かれたことに、自分の言葉で書こうとするとそれがうまくいかないのです。
では、なぜ書き方が分からないのでしょうか。その答えもいたってシンプルです。書かなければならない文が長すぎるからと言えます。
たとえば、
「何々をしたのはだれですか?」という問いであれば、人名を書けば良いだけですから書けないということはないはずです。
しかし、これが次のようになれば難しくなってくるはずです。
「何某さんは私にとってどういう存在でしたか?」という問題で、模範解答が
「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれ、将来私の進む道に強い影響を与えてくれた、今の私にとってもかけがえのない存在」
であったとします。これで65字ありますからわりと量があると言えるでしょう。記述が苦手な人にとっては、強敵な問題です。これをいきなり書かせようとするから書けなくなるのです。
こうした問題に対して白紙で答案を出したり、完全にズレている解答を書いている人に、模範解答を見せたり、教えたりしてもあまり意味はありません。
こうした問題の場合、
「~の存在」の「~」に入る部分が最重要なわけです。上記であれば「かけがえのない存在」ということになります。そこから「なぜかけがえのない存在といえるのか」を考えていき、次に、「将来私の進む道に強い影響を与えてくれたから今の私にとってもかけがえのない存在」となっていくのです。
ただし、まだ字数が足りないのでその他の理由も探します。「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれた存在」となり、それらを合わせて解答をつくっていきます。
こうしたプロセスで解答を作っていくのですが、何も書けない人に、これをいきなりしようと思ってもできません。
こういう場合の訓練は、国語の読解問題をするよりも、むしろ作文の練習のほうが効果的です。
例を挙げてみましょう。
「おじいさんは毎朝畑に行きます」
という文があれば、これに修飾語をつけていくのです。そのときに問いをつけると良いでしょう。
「どのようなおじいさんですか?」
「いつは畑にいきますか?」
そうすると、
「来年90歳になるぼくの隣に住んでいるおじいさんは、毎朝日の出とともに、畑に行きます」
といった文ができます。前半は「おじいさん」を修飾する言葉、後半は「行きます」を修飾する言葉を追加しています。まずは、こうした訓練をしていきます。ここからさらに増やしていく方法としては、因果関係や比較する対象を追加するというのがあります。
比較の文
「おばあさんが毎日お昼まで寝ているのに対し、一方のおじいさんは毎朝畑に行きます。」
因果関係の文
「若いときは夜型人間でそういう生活はもう嫌だと思ったために、おじいさんは毎朝畑に行きます」
これらすべては核となる「おじいさんは毎朝畑に行きます」というところを変えていません。国語の記述問題も基本的に考え方は同じで良く、まずは最短の答えを考え、そこに追加していくのです。それが因果関係なのか、比較なのか、あるいは体言止めとなるものなのかといった違いはありますが、基本的な考え方は同じです。
ということは、そもそも最短の答えが分かっていなければなりません。そこの箇所が分かっていない人はおそらく選択問題もできていないはずです。その場合は、読む文章を短いものから始めると良いでしょう。もっと簡単に言うと、今使用しているテキストが難しすぎるのです。もちろん、通っている塾の方針もあるでしょうから、テキストを変更することは難しいかもしれません。ただ、簡単な読解ができていない場合、難しい問題をしても学力アップにはつながらないので、短くて内容が分かる文から始めることを強く勧めます。
さて、こうした短文を書く訓練をしていくことで、書き方がわかっていき、その結果として長い文章、記述問題も書けるようになります。
【上智大学公募推薦】課題レポートの書き方のヒント 応用編
カテゴリー:小論文2024.06.11
上智大学の公募推薦には、基本的に課題レポートを課せられます。合格に近づくため、その課題レポートで、ライバルたちと差をつけることも一つの方法です。
今日は、そのレポートの効果的な書き方を紹介します。
①読み手を意識するために、意外性を入れる
たとえば、「キリンの首の骨は7つ」ということを伝える場合、以下の二つでどちらのほうが効果的でしょうか。
A「キリンの首の長さは約2メートルあり、その骨の数は七つだ」
B「キリンの首の長さは約2メートルもあるのに、その骨の数は人間と同じ 七つしかない」
どちらも「キリンの首の骨は七つ」という事実が書かれていますが、「骨の数が七つ」であることをより効果的に伝えているのはBであることは分かると思います。骨の数が七つというのは多いのか少ないのかは一般の人には判断ができないと思いますが、「2メートルもあるのに」骨の数が「人間と同じ」と書くことで意外性が伝わるのです。他にも例を挙げてみましょう。以前、中3生に作文の授業で50字の自己PRを書かせたことがありました。その中の一人の生徒が書いてきたのは以下のような文章でした。
数学が得意で学年トップを2回とりました。それは長所である諦めないことがいかされていると思います。
50字のPRにおいて最大のポイントはたった50字しか書けないことです。ですから工夫しなければ伝えたいことは伝わりません。ここでは、「数学が得意」「学年トップ」「諦めない性格」などのアピールがされています。自己PRとして形は整っていますが、少し一本調子なのが否めません。こうした場合に、少し意外性を入れると一気に読み手の好奇心が揺さぶられます。
粘り強い思考を武器に得意な数学は学年トップ。でも、机に積まれているのは、数学の本ではなくワンピース。
「ワンピース」というのは中学生に人気のある漫画です。数学が好きというアピールだけですと、だたの「ガリ勉」に思われかねません。せっかくのPRですから、そこに数学とまったく関係のない漫画の話を入れることで、実際に書かれていること(この場合、数学が得意で漫画も好きであるということ)以上のことが伝わります。読み手は、書き手のことに興味をもつようになります。
ちなみに、書き出しに意外性を入れるのがもっとも効果的であり、そのため多くの小説の書き出しはそのような工夫が施されています。たとえば日本でおそらくもっとも有名な書き出しであるのは、
「吾輩は猫である。名前はまだない」ではないでしょうか。まず、「吾輩」という格式ばった言い方と「猫」というのがちぐはぐない組み合わせです。そのうえ、名前がないとくるのですから、この後どういう展開に続くのか気になるところです。
②ネタを逆張りで考えてみる
「逆張り」というのは、他の人とあえて反対の意見を主張することです。たとえば、多くの人が
日本は今後、ますます就労人口が減っていくが反対に高齢者の数は増えるため、財政がひっ迫し、経済的にはジリ貧になっていく。
と主張しているとします。要するに少子高齢化によって、財政が悪化し、経済成長の足を引っ張るという主張です。現に多くの識者もこのようなことを言っています。しかし、「逆張り」の発想では、他の人とあえて反対のことを言うので以下のような主張になります。
日本は今後、就労人口が減り高齢者の数は増えるが、大きなチャンスだと言える。というのも、少子高齢化が進むというのは、ほとんどの先進国に見られる現象であるため、その良いモデルを作ることができれば、多くの国が日本を見習うことになる。
ポイントは、多くの人が述べそうなことをまずは考える。もちろん、その意見の良い点も悪い点も含めて。そのうえで、その意見とはまったく違う、あるいはまったく反対の意見を理屈付けできる形で述べるのです。
③海外の視点を入れてみる
みなさんは、オーストラリアで使用されている世界地図を見たことがありますか?
オーストラリアの世界地図は、オーストラリアが中心になっています。日本の世界地図は日本が中心です。誤解している人もいるのですが、日本の世界地図であるから日本が真ん中にくるように描かれているのです。
オーストラリアの世界地図は南北も反対になっており、見たことがない人も多いのではないでしょうか。世界地図というのは、基本的に自国を中心に作られています。オーストラリアは南半球の国ですから、当然われわれ北半球の国とは上下が反対です。こうした他国の世界地図を見ると見慣れた日本も少し違って見えないでしょうか?
反対にオーストラリア人にとっては、オーストラリアが真ん中に描かれた世界地図は、見慣れた世界地図です。こうして考えますと、「世界地図」と一口にいっても、なにを中心にするかによって見え方は変わってきます。そして、これは単に世界地図に留まらずあらゆる社会現象についても言えることです。日本で報道されるニュースは日本の視点です。当然、同じニュースが別の国では違って報道されています。
このことを敷衍(ふえん)しますと、あるグローバルイシュー(世界的に話題となっているような社会事象)について考える際に、「外国人(たとえばアメリカに住んでいるアメリカ人)であれば、この問題についてどのように考えるのだろう」と考える習慣をつければ、これまでとは違ったものの見方ができるかもしれないということです。こうした「視点」をレポートの中に入れることによってライバルたちに差をつけることができます。
以上の三点を意識して課題レポートを書くと他の人とは差別化できるものが書けると思います。
YouTubeの登録者数
カテゴリー:お知らせ2024.05.30
YouTubeの登録者数が2900になりました。ありがとうございます。
頑張ってこの夏に3000まで到達したいと思いますので、お友達にぜひご紹介ください。よろしくお願いします。
総合型選抜入試 本を探すヒント
カテゴリー:小論文2024.05.04
総合型選抜入試を考えていたり、志望したりする人は、自分の進みたい方向性を知るために本を読むことを薦められることも多いでしょう。まとまって情報を得るためには、本を読むのが最上の方法だからです。
ところが、実際本を買おうとなると難しい場合がすくなくありません。というのも、まずみなさんは本を買おうとするとどうやって調べますか?おそらくは、第一にインターネットを使って検索するでしょう。しかし、本を買いなれていない人が、良い本に巡り合うのは簡単なことではありません。
たとえば、あなたが将来、小学校や中学校の先生、あるいは学校に関わる職業に就きたいと考えているとします。その場合に知らなければならないこととして、
・学校教員とはどういう仕事なのか
・現在は学校でどういう問題が生じているのか
といった、これまでの学校のありかたが挙げられます。しかし、それだけではなく、今後の学校に求められることが何なのかということも当然必要になるでしょう。というのも、今後の学校は、多国籍・他民族化するはずです。そうすると、学校のありかたそのものが、これまでと大きく変わるわけですから、どうあるべきなのかと問われてくるはずです。また、少子化のスピードは行政予想よりも速いスピードで進んでいます。その影響も無視できません。
上記のようなことを学びたいと思って本を調べようと思っても探すのが難しいはずです。学校関係だけの本ではなく、少子化や、「外国人との共生」、あるいは「日本語を話せない生徒」など少し考えるだけでも、問題が多岐にわたるからです。ネットで検索するにしても、おそらくうまくいかないでしょう。
また、ネットだけではなく、本屋さんに行っても、ジャンル別に本棚が分かれていますが、「教育」のところなのか「社会」のところなのか、あるいはどこの棚を見れば良いのかで悩むうえに、そもそも高校生にとって手頃な本があるとは限りません。
こうしたことを踏まえて、本を探す良い方法を二つ紹介したいと思います。
一つ目は、新書です。塾では、本を買う際は基本的に「新書」を薦めています。値段が手頃なうえに、まとまった知識が入るからです。今から新書の魅力についていくつか話をしていきたいと思います。新書の最大の魅力は、自然科学から文芸、歴史に至るまで幅広い知識が手軽に入手できることです。
とはいえ、新書にも多くの出版社があり、大きな本屋さんに行っていざ棚を見ようと思うと、気が遠くなるはずです。また、新書は膨大な数の出版点数があり、しかもジャンル別に棚に並んでいるわけではありません。要するに本屋さんで探すのには向いていないのです。
新書を探すコツは、新書の目録に目を通すことです。ネットでも探せますので、四つの会社を紹介したいと思います。
- 岩波新書 https://www.iwanami.co.jp/sin/
- 岩波ジュニア新書 https://www.iwanami.co.jp/search/g8317.html
- 中公新書 https://www.chuko.co.jp/shinsho/
- 講談社現代新書 https://bookclub.kodansha.co.jp/product_list?code=gendai-shinsho
次にお薦めの方法は、図書館の司書さんに聞くのです。司書というのは、本に関するプロですから、自分が知りたいことを伝えることができれば良い本や、どこの棚を見ればよいかを教えてくれます。図書館で本を借りればお金もかかりません。自分でネット検索するよりも、プロの人に聞いた方が有益な情報を得られます。
このようにして必要な本を読んで、情報収集をしていきましょう。情報は多ければ多いほど使えるネタも増えますので、ぜひ早めに行動を起こしましょう!
なぜ塾のHPには授業料が掲載されていないのか?
カテゴリー:その他2024.04.28
多くの塾のHPには授業料が掲載されていません。なんとかそれを知ろうとページ内をサーフィンすると、最後には「お問合せフォーム」にたどり着き、結局のところ金額が分からないまま終わった経験をされた方も多いでしょう。また、電話で問い合わせてもほとんどの塾は、授業料を教えてくれず、「資料を配布します」と言われるか、「塾に直接来てください」と言われることがほとんどです。まるで時価で値段が決まってる昔のお寿司屋さんのようです。
これだけ塾の宣伝が溢れているのに、肝心の授業料が出ていないことに対して、多くの人が疑問に思っているはずです。
多くの塾が授業料を掲載しない理由は単純で、「問い合わせ」を欲しいからです。というのも、問い合わせとセットになるのが住所や電話番号だからです。
実は現在の大手塾のほとんどは、その経営母体が予備校になっています。たとえば、首都圏の大手進学塾であるサピックスの経営母体は代ゼミです。早稲田アカデミーの場合は、東進の経営母体であるナガセです。昔からそうだったわけではなく、2000年代から経営の統合が始まりました。名称が異なるのでそのことに気づいている人は少ないのが実情でしょう。
要するに、昔は別々の経営母体であった、中学受験、高校受験、大学受験の塾や予備校が、今は同じになったということです。
さて、賢明な方はすでに気づいているかもしれませんが、こうした経営統合が起こったことで、たとえば小学生の学年や住所や電話番号が分かれば、その人が大学受験をするまで、DMを送ったり電話をしたりといった営業がし続けられるのです。入塾に至る理由の一つが営業ですから、それを考えると喉から手が出るほど名簿が欲しいのもうなずけるはずです。
あまり知られていませんがひと昔前までは、役所に行けば名簿を見ることができました。塾に限らず、顧客リストを作りたい多くの会社は役所で名簿を手に入れていました。しかし、法律が変わり、そうした個人情報の入手が難しくなったために、新たな名簿の入手方法として出てきたのが、「連絡をさせる」というものです。「塾の資料を送るため」という名目で、氏名や住所、電話番を手に入れているのです。
ちなみに、塾の資料を比較するために、一斉に貰えるようなサイトもありますが、あれも同じです。あれをすると、そこと契約しているすべての塾に連絡先が渡るということです。ですから、たとえ入塾しなかったとしても、営業の連絡はその後も続きます。嫌な思いをされた方も多いと思うのですが、塾の営業がしつこいのや、学年にあった営業電話がかかってくるのもこうしたことが理由です。
反対に、数としては少ないですがHPに授業料や講習費などを掲載している塾もあります。うちもその一つです。掲載する理由は、載せない理由と正反対のもので問い合わせの数を減らすためです。
多くのご家庭にとって、塾に通うにあたって授業料がいくらなのかは重要事項です。ですから、色々と塾の特色を知る前に授業料がいくらなのかを知ることは、しぜんな流れです。そうすると塾を調べる場合にまずは授業料がいくらなのかを知りたいでしょう。そのため、塾に連絡をするのであれば、「資料をください」「授業料はいくらですか」という質問がどうしても多くなります。しかし、最低限の情報だけを貰い、そこから比較をして、そのうえで話を聞くつもりが、連絡先を教えてしまうことで反対に、永遠に営業の連絡が来つづけるという結果になってしまいます。
塾の立場に立ってみますと、こうした授業料に関する質問に毎回答えるためには、その人員が必要です。当然その分の経費がかかります。経費がかかれば、その分を当然授業料に上乗せしなければなりません。そのような事態を避けるには、そうした質問そのものを減らす必要があります。そのために、HPにすべてを掲載するのです。そうすることで、少なくとも授業料が予算と合わない方は、問い合わせをしなくなります。
もし、塾を探されている方がいるのであれば、こうしたことを知ったうえで、塾に連絡をするのが良いでしょう。具体的な対策としては以下のようなものがあります。
・捨てメールをつくってそこから連絡
・電話番号は携帯のものを書く(着信拒否設定ができるから)
ちなみに個人的にしつこい営業は好きではないため、Kip学伸では一度ご縁がなければ、以後営業の電話をすることはありません。
上智大学法学部地球環境法学科の学生に聞いてみた!【動画】
カテゴリー:学校紹介2024.04.23
現在Kip学伸で講師を務めているO先生に上智大学法学部地球環境法学科の実情について話を聞いてみました。
学習障害について
カテゴリー:その他2024.04.18
学習障害(Learning disabilities)とは、知的障害ではないが、読み書き計算などの特定の領域で学習の遅れが見られる状態のことを言い、昔はなかった用語です。しかし、一説によるとその数は増えているとも言われています。そういう人が実際に増えたからよく聞くようになったのか、それともそういう定義ができたから増えたのか因果関係は分かりませんが、一定数いることは間違いありません。ただ最近では、LDをlearning differences「学び方が異なる」といったLDに対する社会の理解が大切という考え方が出てきました。多様性の一環でしょう。
わが子がLDである。あるいは、LDかもしれないということで悩まれている保護者の方は多いでしょう。子どもにおいては、5パーセントから15%と言われていますが、教育の現場にいる肌感覚としては10%くらいではないかと思います。
LDに関しましては、もっとも重要なことは周りの理解です。そして、周りの人がが理解するには、まず保護者が理解を深めることが重要なのは言うまでもありません。たとえば、LDに人に対し、周りの人間は、その事実を知らないと単にサボっていると思います。さらに、本人もそう思うようになり、「できない」⇒「自己嫌悪」⇒「ますますできない」の負のスパイラルにはまってしまいます。
ですからまずは保護者の方の理解が必要なのです。理解することで対処の方法を考えることができるからです。中には、わが子がLDであることを認めたくないという理由で、検査などをされない方もいますが、ご両親が認められないと、結果的に本人が苦しむことになります。
LDは、大きく分けて三つの領域があります。
一つは、読字障害(ディスクレシア)です。その特徴は以下のものです。
・文字と音が紐づけできない⇒ひらがなは覚えられるが、英単語や漢字は苦手
・文字が歪んで見える
・鏡文字に見える
・行がまたがると間違える
・メモがとれない
ディスクレシアと言いましても、その程度は様々ですので周りのサポートで何とかなるものもあれば、専門家に定期的に相談に行かなければならないものもあります。
まずは、ご家庭や塾などでできることとしては、、下敷きなどをつかって、文字情報を抑えることです。文字情報が多すぎるために、理解が妨げられるわけですから、入ってくる情報そのものの量を減らすという方法です。その他に、タブレットをつかってフォントを大きくするというのも一つの方法でしょう。文字情報を減らすというよりは、見やすくするということです。その他に見やすくする方法としては、文は区切るなどがあります。英語でスラッシュリーディングというのがありますが、あれを行うのです。区切ることで、塊として現れる文を単語に分かることができるようになるのです。
次に挙げられるのが、書字障害(ディスグラフィア)です。その特徴は以下のものです。
・漢字の記憶が困難。⇒ゲシュタルト崩壊
・文字を単語のまとまりにできない
・文字の形を認識できない
・板書ができない
・鏡文字になる
・「ぬ」「め」、「わ」「れ」などの区別がつきづらい
・文字の大きさや空間が安定せずに、字がきたない
ディスクレシアと重なっていることが多いと思うのですが、こちらの特徴は書くことに対する困難が付随します。ご家庭でできる対処としては、細い鉛筆やシャーペンシルではなく太い鉛筆で、3Bや4Bといった芯が濃くて柔らかいものを使用することが挙げられます。
中には、お子様が書字障害であることに気づいていない保護者の方もいて、そうした場合は、上記のような対処が当然できず、結果として「字がきたない」の一言で片づけられてしまいます。
また、できる訓練としては、なぞる練習をする。お箸は右手で持って、茶碗は左手で持つ、のように左右に関する積極的な声掛けをする。許可をとって、板書は写真を撮る。などがあります。
勉強を始める前に、なぞる練習をすることは心が落ち着きますので非常に有効です。また、左右の概念が弱いというのもあってか、鏡文字になりやすいので、日常生活で「右」と「左」を意識させるように、指示を出すときに、「右、左」を入れるのです。細かな話ですが、こうしたことの積み重ねを小学校のときからするかしないかで大きく異なってまいります。
三つ目に挙げられるのが算数障害(ディスカリキュリア)です。その特徴は以下です。
・時計が読めない
・図形が理解できない⇒空間図形は苦手 イメージができない
・数の概念が理解できない ⇒序数と基数の区別がつきにくい。順番が分からない。
・数字を覚えるのが苦手
・単位換算が苦手
・文章題で何を問われているのか分からない
たとえば塾で指導をしているときにすぐに気づくこととしては、「図形問題が極端に苦手」ということが挙げられます。見えていない箇所を想像することに困難を伴うため、立体問題は苦手です。また、目盛りや数直線を読むのが苦手なのも特徴です。保護者の方の理解がないまま、進学塾に入ってしまうと大変苦しむことになってしまいます。
以上のようにLDにおける三つの特徴を挙げてきましたが、上記のような症状が見られるからといって、すぐに学習障害であるということではありません。重要なことは、学校生活(あるいは学習面で)が快適におくられているかどうかということです。
知的障害とは異なるため、気づかれにくく、そのため問題が保護者が把握できていないことに難しさがあります。しかし、今は昔と違ってインターネットであらゆる情報を収集できますので、少しでも悩まれたら、まずは保護者のかた自身で情報収集をすることが良いと思います。
保護者の方の理解がなければ、できないことに対して本人の「努力不足」と認識したり、本人も自分の能力不足と捉えたりするようになり、いずれは不当に叱られることに慣れてします。
相談先としては、各都道府県に設置されている教育センター、自治体の発達障碍者支援センターなどの公的機関がありますので、悩まれている方はまずはそういうところで相談されることが良いでしょう。ただし、診断は受けられません。診断は専門の医療機関に行くしかありません。
そして、診断が出たり、あるいは出ていなくてもそういう傾向が見られることが分かっていたりした場合は、その旨を学校の先生なり塾の先生に伝えることがお子さんを助けることにつながります。
新高3生【公募推薦を含む総合型選抜入試を検討の方】
カテゴリー:志望理由書の書き方2024.04.06
公募推薦を含む総合型選抜入試を考えている新高3生で、受講を悩んでいる方はお早めにご連絡お願いします。受験の概要を知りたい方でも結構です。
入試後だからこそできること
カテゴリー:中学受験2024.03.07
入試が終わりました。志望校に合格した人、残念ながらあと一歩届かなかった人、それぞれ結果を受けとめていると思います。
いつまでも喜びや悲しみにひたっていられませんから、気持ちを切り替えて次に進むことは重要ですが、せっかくですので、この時期に入試を含めた受験勉強の過程を一度振り返ることをしてみることをお勧めします。
その理由をいくつか挙げてみましょう。
- 入試というのは本気を出さなければならない。そのうえで結果が出る。だからこそ自分の性格、特に弱いところが出るので、そういう自分の弱点と向き合える良い機会。
- そもそも、人間というのは、失敗の原因を掘り下げていくと、およそ同じ原因にいきつく。ゆえに、その原因の根本と向き合うことができれば、同じ失敗はしないようになる。
要するに普段であればごまかせるような弱い部分があっても、勝負のときにはその弱さが全面的に出るのです。だからこそ、入試直後というのは、その弱さと向き合う良い機会ではないかと思うのです。
たとえば、入試がうまくいかなった人を考えてみましょう。その失敗の原因にはどういうものがあるのか、いくつか挙げてみます。
A 惜敗のケース
志望校に合格はできなかったものの、かなりおしいところでの勝負となった。あと少しで合格できたであろうケース。こうした場合は、受験態勢に入るのが遅かったことや、詰めの甘さなどが原因であることが多い。往々にして情報不足の状態で始めたということが原因になっていたことが多いので、次は情報収集を早い段階からすることで、同じ過ちをせずにすむ。
また、反省とともに自分の強みも分かったはずなので、何が自分の強みなのか(本番に強いとか、根性があるとか、スイッチが入ると別人になれるとか)を分析できているとなお、次の機会にいかせるようになる。
B 惨敗のケース
志望校に合格できず、滑り止めと思っていた学校にも落ちた場合。こういうケースの場合は、自分の学力を客観的に見ることができていないことが多い。「何とかなるだろう」「自分なら受かるだろう」と楽観的に考えている。「自分ならできる」と自分を信じることは重要だが、一方で自分の学力と志望校との距離を冷静に見ることのできる客観的な視点も重要。そもそも保護者のほうでも、志望校が高い方がモチベーションに繋がると思い込み、家族で暴走していなかったかどうかの確認が必要。
また、この惨敗のケースは、プライドの高さゆえに高めの学校ばかりを狙うということも多い。このケースの場合は、自分の性格を(つらいことではあるが)分析することが次につながる。学習の仕方や塾云々よりも、なぜ自分がこの志望校を選んだのかについて深く考えることが重要。現実の自分と、自分が思っている自分の乖離が大きいと、何をしてもいつも同じ失敗になりやすいので要注意。
C 学力が伸びなかったケース
受験期に猛勉強をしたにもかかわらず、思ったほど学力が伸びなった人は、何が原因で伸びなかったのかを考えるべき。
たとえば、
・学習の要領が悪い
要領の悪い学習方法の場合は、終わらせた参考書やテキストが少ない場合が多い。どれくらいの 量のテキストを終わらせたのかを数えてみて、他の受験生と比較をしてみれば良い。また、要領が悪い人の場合は、分からない問題の対処の仕方もよくないケースが多く、極端な例では、放置したり、あるいは反対にすべて先生に聞こうとしたりする。暗記系は、時間をかけずに自分ですぐに覚え、解答解説を見ても分からない問題のみを先生に聞くなどする。成績の良い人をまねると良い。
・心が弱い
途中で気持ちが折れていた。この場合は、自分が強くなるか、自分の弱さを受け入れ、弱いなりにできることを考える。最悪なのは、弱い自分という自覚がないこと。弱い自分が受け入れられないと言い訳ばかりを言うようになり、他責思考になる。
D 頼れる人がいなかったケース
受験は最後には一人になるとはいえ、一人で過酷な受験を乗り越えることは難しい。であるからこそ、周りの協力が重要。学校や塾の先生だれか一人でも良いので、本心から相談ができるようにしておく。あるいはその反対に、本当のことを言ってくれる人を探すこと。それができないと、自分のことが客観的に見られなくなることが多い。予備校や塾に通えない人は、今はYouTubeもあるので心の支えを見つけておく。頼れる人がいない状態で受験をし、うまくいかなかった人は、どうすれば人に頼れるのかを次の課題として考える。
分析をしていけばもっともっと出てくると思いますが、受験がうまくいった人もそうでなかった人も、受験というものを通して、自分の強みや弱みを冷静に見つめて次のときにその分析をいかせるようにすれば、次はもっと良い結果にめぐまれると思います。
【高校受験】都立三田高等学校合格!
カテゴリー:高校受験2024.03.01
小4からの生徒であるKさんから都立三田高校の合格通知が届きました!
おめでとう!最後の最後まで全力を出し続けたのが勝負の決めてになりましたね。
高校受験と大学受験の違い
カテゴリー:大学受験2024.02.29
2023年度の大学進学率は57.7パーセントで過去最高を記録しました。大学進学率は高まる一方です。2023年度現在、大学の数はおよそ800校あり、高3生の数が今のおよそ倍いた1990年には507校しかなかったことを考えると、大学の数の増え方が分かと思います。しかし、大学の数は増加の一方をたどっていますが、実はその半分以上は定員割れをしているのが現状です。
これが意味することは、人気大学はますます人気大学になるということです。実際、明確な志望校がない人であっても、どういう大学に行きたいのかを聞くと、返ってくる答えは難関有名私大が圧倒的に多いのです。そもそも、知っている大学が有名難関大学ばかりというのが現実でしょう。もちろん出てくる大学に地域差はあるでしょうが、都会の有名難関大学に進学したいという人が圧倒的に多いはずです。
一方、高校受験の場合は基本的には地元での選択となるので、全国区での勝負となりません。
こうした違いは、受験のありかたにも大きく影響していますから、大学受験を高校受験と同じノリで考えているとうまくいきません。
では、具体的に何が違うのでしょうか。
まずは大学受験が高校受験委比べて、大変な点を挙げてみましょう。
大変な点
- 高校受験に比べ、受験倍率が高くなる。
およそ、高校受験は1~4倍、大学受験が5倍から20倍ほど。
- 問われる知識の量が数倍。
英単語をとっても、高校受験は2500語覚えれば良いが、大学入試はその倍以上を覚えなければならない。その他の科目も同様に覚えるべき量や解くべき問題量が膨大なため、高校受験を一年で乗り越えた人も、大学受験は一年でこなすのはまず無理。
- 高校受験では見えてこなかった層がライバルとなる。
高校受験の際に受験していた模試はあくまでも高校受験用。中学受験で進学校に行った人はそもそもそういう模試を受験していない。こうした人たちが大学受験の際には登場してくる。
このような大変な点がありますが、大変な点ばかりではありません。高校受験よりも良い点も存在します。
良い点
- 大学入試は多様化しているので苦手な科目や受験方法を避け、得意科目や得意方法で受験することができる。
総合型選抜入試を始め、指定校推薦、公募推薦といった制度から、一般受験においても科目を選べたり、英語は民間試験のみでもOKだったりと多様化しているので自分の武器を活かせる。
- 頭の良しあしよりも、継続してきた努力が報われやすい。
覚える量が多いからこし、長い時間をかけてじっくりと取り組んできた人が報われやすい。その意味で、早い段階から準備をしておけば、優位に立てる。
こうしたことの他に、高校受験と大学受験にはもっと別の意味での違いが存在します。
最大の違い
- 将来への影響力が高校の何十倍、何百倍。
そうなのです。どこの大学を出たのかということはどこの高校を出たのかというよりもはるかに影響をもつのです。だからこそ真剣に考えるべきです。
結論として、高校受験に比べ大学受験は人生への影響の強さもあり、はるかに大変ではあありますが、自分の強みを活かせる受験方式もあるため、戦略を立てることが重要になってくると言えるでしょう。
戦略を立てる前提として、情報収集が重要になってくるため、できるだけ早くから興味のある大学の受験方式などを調べ、その受験方式に合った学習を進めることが重要です。