Kip学伸のブログ



八雲学園中学校高等学校

カテゴリー:学校紹介2024.11.17

所在地は、東横線都立大駅から徒歩10分弱の住宅地の真ん中にあります。1938年に女子校として創立されましたが、2018年度より女子校から共学になりました。

 

首都圏模試の偏差値は、2024年で男女ともに47です。これは国・算の二科受験での数字です。共学化前の2017年は、4科で54、2科で51でしたから、若干下がったということになります。150名いた卒業生も89名まで減っていますので、人気が下降気味と言えるでしょう。ただし、大学進学率は78%から87%に上がっています。

 

合格実績としては、以前に比べMARCHを始めとした日本の大学は下がっていますが、海外大学の合格者数は増えているようです。海外協定大学推薦制度(UPAA)というのもあり、高校の成績・英語力を基準として、アメリカ・イギリス・オーストラリアの協定大学に推薦入試で受験できるそうです。今後はもっと海外大学が増えるのではないでしょうか。

 

さて、八雲学園の最大かどうかは分かりませんが、大きな特徴の一つに初年度納入金の高さが挙げられます。女子校時代の2017年は初年度納入金が103万でしたが、2024年は179万になっています。そうなのです。これはかなり高額でして、八雲はお金がかなりかかります。首都圏の私立中学初年度納入金の高さランキングでいいますと、3位です。ただし、学費や入学金が高いわけではなく学費以外のものが高いようです。

 

納入金が高いこともあって設備は豪華なものが多く、たとえば、トイレは帝国ホテルのものと同じものを使用しているようで、ものすごく綺麗なようで音楽も流れているようです。学校のHPも拝見しましたが、本当にホテルのようです。また、陸上レーンは、国際大会が行われる陸上競技場と同様のタータンレーンが2本あり、本番さながらのスタート練習ができるようになっています。また、足元を照らすライトも設置され、暗くなっても練習に励むことができるようです。さらにすべての教室には毎月生花が生けられるようです。以前、私は八雲に住んでいたのですが、もっとも印象に残っているのは、クリスマスのときに学校に電飾がされていたことでした。建物全体がデコレーションされています。

 

学習カリキュラム最大の特徴は、英語に力を入れていることです。近年は、受験の段階で英語が得意な生徒を集め、あたかも英語が得意になるかのような印象をつくる学校もありますが、八雲はそうではなく、全員英語ができるように一から鍛えてくれるようです。

 

共学になった2018年より、世界50か国の私立校が交流する「ラウンドスクエア」のグローバルメンバー校の一つになりました。「ラウンドスクエア(Round Square)」は、世界50カ国から約200校が加盟している私立学校を結ぶ大きなネットワークです。国連の会議さながらに、世界中から加盟国の生徒たちが集まり、環境や国際問題などをテーマに、ディスカッションや研究発表、奉仕活動、アドベンチャーなど様々な活動をおこなっています。また、中3生になると全員がカリフォルニアにある「八雲レジデンス」という学校施設で研修を行います

 

こうしたグローバル教育以外にも文化体験にも力を入れているようで、月に一度文化体験の日を設け、美術鑑賞、ミュージカル、映画鑑賞をはじめ、さまざまな場所に出かけて文化や歴史を探求します。ただし、コロナ以降はその回数は減っているようです。また、部活動にも力を入れており、空手部は世界大会で金メダルをとったそうです。他にも女子バスケっと部が全国大会に出場しています。

 

さて、英語や文化体験に力を入れているという話からは近年の流行の学校のような印象を受けますが、そういった学校は人気が高くなり、年々偏差値が上がる傾向にあります。しかし、八雲は受験者数が減っており、偏差値も下がっています。なぜでしょうか。いくつか考えられることを挙げてみます。

 

一つは、校則が厳しいことです。髪型や服装に関してかなり厳しいらしいのですが、校則が厳しいことそのものよりも、英語や文化体験に力を入れているということと校則が厳しいことが、保護者や受験生にとって合わないのではないでしょうか。

 

また、在校生に話を聞きますと女子校時代からいる先生たちはずっと在籍されていても、新しい先生は出入りが激しいようです。そうしたことに加えて、朝礼などで話される先生たちの話もかなり昭和感があり、今の時代と合わないことが多いと言っていました。こうした学校の空気が、イメージとあまりにも合わないのだと思います。

 

おそらくこうしたイメージギャップが原因で、人気が下がっているのではないかと考えられます。学校の教育方針は、もっとも重要な要素ですから、人気をとるために方針を変えるということが良いことかどうかは分かりませんが、人気校にしていくには、自由な校風にしていくことかもしれません。

上智大学総合グローバル学部合格/学校の先生に反対されて

カテゴリー:合格体験記2024.11.09

先生とのご縁で合格をいただきました!

娘が通う中高一貫の女子校は数年前まで上智大学の指定校推薦があり、優秀な先輩方が上智大学に進学され卒業後も輝かれている姿に、娘も私も少なからず上智大学という憧れがありました。娘は2年生でアメリカ留学をして、帰国後すぐに上智大学や指定校のある大学を見学にいきました。そこでインターナショナルな雰囲気があり、英語を伸ばすことができて、そして、娘にとって最大の『もう女子だけは嫌だ!』という強い思いから(笑)上智を志望大学にしました。3年生になり必要な評定と英語資格が揃い、評定維持の勉強を中心に頑張っていましたが、学校の先生から『総合グローバル学部は難しいから避けて、他の学部優先したほうがいい』とアドバイスがありました。しかし、どうして難しいのか、という説明がなかったので親子で諦めることができませんでした

 

『もうここはプロにお任せるしかない!』と、以前よりYouTubeで拝見していた丁寧で穏やかな大沢先生の雰囲気が娘に合いそうだなと思い一度相談してみることしました。(地元には推薦に特化した塾はなく、あっても車で1時間以上かかるためオンラインの方が効率的だと思ったからです)最初のZOOM相談は娘との相性が大事だと思い娘一人で行うことにしました。すぐに『先生にする!』と、思いの外先生を気に入り(笑)早速入塾をお願いしました。最大の理由は、学校では「総合グローバル学部以外を受けるように」と言われたことに対し、先生が『大丈夫、しっかり準備をして臨めば合格できる』とはっきり言ってくださったことでした。娘は『この先生なら合格できる気がする!』となぜか思ったそうです!

 

オンラインでの授業が始まると、先ずは志望理由書作成のため自己紹介書の宿題がありました。オンライン授業は宿題→オンライン授業→宿題という感じで、オンライン授業の前日までに宿題を提出し、それを授業の際に解説をするという流れです。総合型受験なのに”外国と日本の架け橋に”とういう漠然とした将来の希望はあるが、特にこれを仕事にしたいということがなく悩んでいました。しかしそこはプロの先生、自己紹介書や対話の中から娘の強みや志望理由に使えることを上手に引き出してくださり、将来に繋がることを毎週書いては直し、書いては直しを繰り返し進めてくださいました。

 

ここで、私が大沢先生に1番驚いたこと!それは授業後すぐにその日の授業内容や改善点・課題を私にもわかりやすく丁寧に書き、LINEで送ってくださることでした。これはオンライン授業、Kip学伸おすすめのポイントです。きっと子どもは普通に通っている塾ですと面倒がって教えてくれないと思います。

 

こうして志望理由書を仕上げていきながら、同時に小論文を上智の過去問を中心に練習が始まりました。これまで小論文をほとんどやってこなかったので、学部に添った知識も興味も薄く最初は書くこと自体が難しかったようですが、難しい問題にもこういう場合にはこのような考えで、こう繋げることが大事で、そうすると上智の求める小論になる、とわかりやすく教えてくださいました。小論文についても文を書く際の原則や細かな表現、注意点、訂正になった箇所を授業後のLINEで再度確認できるので受験直前にも大変役に立っていたようです。それから、娘はよく授業後とても気分が良さそうでした。それは良かった点をきちんと先生が褒めてくださっていたからでした。今日はこう褒めてもらった、こんな話をしたと嬉しそうでした。親や学校の先生以外の大人の人との助言や話はスッと入っていくようで、先生とのちょっとした会話がリフレッシュにもなっていたように思います。また、先生のアドバイスを受け、毎日夜遅くまで熱心に頑張る姿は親としてとても誇らしく思ったものです。

 

そして出願直前まで先生と志望理由書を丁寧に仕上げ学校に提出しました。最終の3者面談でも担任の先生に他の学部に・・・と提案されましたが、娘は迷うことなく希望するグローバル学部と書き提出しました。受験間近には塾の講師の先生とオンラインでの面接練習、そして先生のご厚意で受験前日時間があれば塾においで、と言ってくださり、私も YouTubeで拝見していた先生にお会いしたかったので主人と3人で世田谷に。娘はこれまで練習した面接で伝えたいことをしっかりと先生の前でも行い、握手をして帰りました。帰り際『なんかもう終わった気がしてスッキリしたね!』と本番は明日なのにスッキリしていた娘です。

 

受験当日はやはり朝から緊張していましたが、小論文は書けたけど、面接は思っていたよりあっさり終わってしまったと落ち込んでいました。それでも『大丈夫、小論文が書けたならOK』と先生の言葉の1ヶ月後、無事合格をいただくことができました!受験前の面接練習、先生との握手でパワーをいただき当日力を発揮する自信となりました。第一志望の総合グローバル学部を諦めることなく最後まで全力で挑戦できたのは先生のお陰です!!本当にありがとうございました。

 

*通塾受験生は夏休みは毎日勉強しに通っていいとHPに書いてあり、通える子はいいなぁと正直思いましたが、オンラインはオンラインで塾に通う時間もいらないし、先生を独り占めできるので効率がよく、娘にはとても合っていたと思います。娘も上智を目指す子にお勧めしたいと言っておりました☺︎

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失敗しない塾選び!

カテゴリー:中学受験2024.11.03

 塾で年間に100ほどの面談をおこなっていますので、これまで多くの保護者の悩みを聞いてきました。そうした中には次のような事例がわりとあり、不思議に思っていました。

 

 一つは、小学生の低学年からずっと塾には通っているものの、転々と塾を換えている人が意外に多いこと。次に、転塾されてきた方の中には、転塾前の塾が明らかにお子さんに合っていないというケースが意外に多いこと。

 

 都市部に住まわれていれば、どこかの段階でお子さんを塾に通わせることは一般的なことだと思います。もちろん通塾期間が短い人もいれば、小学生から高3までと長い期間に渡って塾に通い続ける人もいるでしょう。多くの人にとって身近な存在である塾ですが、どうやってわが子にあった塾を探すのかを知らない人も多いのではないでしょうか。だからこそ、冒頭に挙げたような事例が多いのだと思います。

 

まず、このような事例が多い理由は、塾が合っていないからだと言えるでしょう。そこで今日は、失敗しない塾選びをするためのポイントは三つ挙げていきます。

 

 1・家庭の教育方針

まず、重要なことはお子さんに対する保護者の方の教育方針と、塾の方針が合っているかどうかということです。たとえば、今日は家族でお寿司を食べに行こうとなり、近所の回転寿司か行きつけの寿司屋に行くつもりで家を出たのに、間違えて値段の書いていない時価のお寿司屋さんに入ってしまうというようなことはあまり起こりません。家族で行く寿司屋の方針(この場合は予算)がしっかりとしているからです。

 

同じように、塾に通う場合も、保護者の方の方針と、塾の方針が合っていることが重要です。そのためには、まずご家庭での教育方針がどういったものであるかを保護者の方が考えることが重要です。中学受験をするか、しないか。する場合はどういう学校があるのか。しない場合はどういう高校があるのか。どういった大学に行ってほしいのか等々。

 

もちろん、分からないことのほうが多いでしょうから、そういったことを含めて相談できる場所が塾です。ただし、目指すべき方向が分からなければ、塾のほうでもアドバイスすることは難しいのです。典型的なのは、「先生、お薦めの学校ありますか?」です。

学校の数が二つや三つしかない場合は判断材料が少ないわけですから、まだお薦めすることができるかもしれません。しかし、東京のように選択できる学校が膨大な数になると、何か条件を絞っていただかなければ、お薦めできるかどうかも分からないのが実情です。

 

そうはいっても、受験をするかどうかが今の段階で分からないという人もいるでしょう。その場合は、現時点で分からないが、どういった条件になるかによってするかどうかが決まるのかを考えておく必要があります。ただし、「うちの子がやる気になったら受験します」ということを言われる人もいるのですが、あまり良い方針だとは思えません。保護者の方の方針が見えづらいからです。

小学生というのは、受験をする意味が分かるには早すぎます。そもそも「やる気」という曖昧なものを根拠にすること自体が、教育上あまり良いとは思えません。もちろん、お子さんのほうから「受験をしたい」と言ったことがきっかけでも良いと思います。これは「やる気」という曖昧なものではなく、お子さんの意志だからです。上の二は、同じことのように思えるかもしれませんが、まったく異なることです。お子さんが「やる」と言ったからといって、実際に行動がついてくるかどうかは分かりません。保護者の方の多くは、「やる」と言った以上、お子さんが実際に勉強をみずからすることを望むのですが、そう簡単にいくものではないのです。お子さんが「やる」と言ったことがきっかけで、受験をするという方針をとるのであれば、本人のする、しないに関わらず、受験に向けて全力で応援をするというのが保護者の方針であるということです。

 

2・塾の方針

次に重要になってくるのが塾の方針です。どんなに素晴らしい合格実績を誇っている塾であったとしても、そうした学校に進学する気のない人にとっては合った塾とは言えないからです。反対に難関校の受験を目指しているのに補習塾に通っても意味がありません。ご家庭の教育方針が決まると、おのずと合う塾かどうかは見えてきますただし、塾の方針は必ずしも明確でないことがあります。

3・塾の方針を知ることができる面談

皆さんはどうやって塾を知るのでしょうか?近所のママ友でしょうか?チラシでしょうか?グーグルマップでしょうか?それとも検索エンジンで調べるのでしょうか?

 

何で知ったにせよ、HPがありSNSを発信している塾であれば、連絡をする前にどういう塾であるかある程度分かるはずです。大手の塾であれば、HPにあまり何も書かれていなかったとしても、進学塾であるのか、補習塾であるのかなどなんとなく分かるはずです。問題は個人塾です。個人塾の場合は、なんらかの発信をしていないところは情報が足りません。その際に重要になってくるのが面談です。

 

ほとんどの塾には、面談という制度があります。まずは、入塾するかどうかの判断材料として行かれることでしょう。また通塾中も定期的に面談があると思います。塾の面談がどのようなものなのかは、塾の面談に対する姿勢によって大きく異なると思います。自塾では、新規の場合でも内部生の場合でも平均で一時間程度の面談をおこなっています。塾のよっては10分くらいで終わるところもあるらしいので、人によっては一時間も何を話すのか?と疑問に思うかもしれません。自塾の話をしますと、何らかの悩みをもっていて、そうした悩みの解決方法を検索エンジンで調べていくうちに、自塾の存在を知ったという方が多くいます。たとえば、

 

現在大手の塾に行っているが、成績が伸び悩んでいる。やる気がないわけではなく、単純に学習内容が難しいうえに進度が速い。だからついていけずに、ますます成績が下がるという負のスパイラルにはまっている。どうすれば良いのか?

 

といったご相談です。こうしたご相談に対して、自塾であればこうした解決方法をもっていますというお話をするのです。どうしたって一時間はかかります。もちろん、面談時間が長いから良いという話でもありません。当然問題はどういう話をするかだと思います。しかし、大半のケースではしっかりと話ができる時間がまずは確保されているかどうかは重要だと思います。

 

こうして、わが家の教育方針と塾の教育方針が合うかどうかがある程度分かれば、不幸な出会いは減るでしょう。もちろん、長く通塾していると最初は見えなかったダメな部分もあるかもしれませんが、少なくともまったく合っていないことはないはずです。

 

要するに、塾探しをする前に「わが家の教育方針」について考えること。それがある程度決まれば、次にそれに合った塾を探し、面談で本当に合っているかどうかを話し合ってみることが重要だということになります。

武蔵野大学合格!

カテゴリー:大学受験2024.11.01

公募推薦で武蔵野大学人間科学部社会福祉学科に合格したと連絡がありました。

おめでとうございます!

大妻女子大文学部合格!

カテゴリー:大学受験2024.11.01

総合型選抜自己推薦型で大妻女子大の文学部に合格した報告をいただきました。

おめでとうございます!

上智大学総合グローバル学部【カトリック推薦合格】

カテゴリー:大学受験2024.11.01

今年度のKip学伸の合格第一号がでました!おめでとうございます!

カトリック推薦で、上智大学総合グローバル学部に合格されました。

長崎に在住の方で半年間、オンランで自己推薦書と小論文の授業を受講していただきました。

面接試験の前日は親子三人で塾に来られて、面接の練習もしました!

ほんとうにおめでとうございます!

 

中学生の残席

カテゴリー:お知らせ2024.10.24

私立中学1~3年生を募集しています。

数学や英語といった科目だけでなく、小論文や国語の勉強、今後の勉強方針などで悩まれている方は早めにご連絡をいただきますようよろしくお願いします。

 

小学生の残席

カテゴリー:お知らせ2024.10.23

小学5年生の募集は締め切りました。

現在の3年生、4年生で受験を検討されている方がいらっしゃれば、若干名追加で募集しておりますので、早めにご連絡いただきますようお願いいたします。

高2生の残席

カテゴリー:お知らせ2024.10.23

現在の高2生(来年受験生)はあと二人だけ募集します。

検討中の方はお早めにご連絡いただきますようよろしくお願いします。

東大附属推薦入試で合格を勝ち取る4つのポイント

カテゴリー:中学受験2024.10.09

東大附属は国立の小学校で、昔から入試の倍率が高く、推薦に至っては10倍を超えるのが当たり前とされている。さらに、合格基準も明確ではないため、一般的な学校と異なり対策がしづらく、塾業界からは疎まれてきた。確かにそういう一面はあるものの、ここ10年ほどで何名か推薦合格した生徒を思い返すと、それなりに合格へのヒントがあるのではないかと思い、そのことについて語ってみたい。

 

コロナの影響で、数年前より推薦入試は、二段階入試になった。流れは下記のとおり。

 

10月末より11月頭にかけて書類を提出

 

小学校と保護者とそれぞれに作成する書類がある。

 

学校の先生には、

・報告書

・推薦書

を書いてもらう

 

保護者は、

・志願理由書・誓約書

を350字程度で書く。

 

11月の下旬に上記の書類をもとに推薦第一次合格発表が行われる。

 

合格者は、

 

・適性検査

・面接

・書類審査

 

がある。

適性検査は科目横断的なものと、作文が出題される。面接は集団面接でおこなわれ、東大附属のHPによると「他者の意見に耳を傾け、自分の意見を述べる力を重視する」とある。

 

さて、上記のなかで合否が決まるのだから、合格のヒントはこのなかにあることになる。以下、合格のための四つのポイントを語っていくが、学校がそもそも合格の基準を発表していないので、すべて独断と偏見による見解になることをあらかじめ申し上げる。

 

まず、東大附属の教育目標は以下のようなものだ。

 

 

「未来にひらく自己の確立」を掲げ、そのために「ことばの力」「論理の力」「身体・表現の力」「関係の力」「情報の力」という《5つの力》を養おうとしています。

 こうした目標・能力の実現のために、「探究的・協働的な深い学びを通して豊かな市民性を育む」ということに重点を置いて実践を積み重ねています。

 

要するに「ことば」をつかって自らを表現する力をつけていくというのが教育目標である。実際、卒業時には16,000字以上の卒論が課せられる。16,000字というのは原稿用紙に換算すると40枚以上であり、受験をひかえた高3生にとっては相当ハードルが高い卒論であることが分かる。

こうしたことを踏まえると、「書く力」が重視されるのは当然のことと思わる。そのためには、作文の対策が必須である。出題される作文の形式も昔と比べると変わってきており、最近は二つの違う意見をまとめて、それを踏まえたうえで自分の意見を書く形式が多い。そうすると、作文だけではなく要約も重要になる。当然ながら私立の受験勉強とは異なるため、それ専用の学習をしたほうが良い。作文が上手になるコツは添削をしてもらうことである。書いて直すという作業をしなければ上達はしない。しかし、反対に丁寧に書いて直すという作業を続ければ必ず文章力はアップする。

 

次に、東大附属が東大の教育学部の研究機関であることも重要な要素として考えられる。研究機関であるため、わりと個性の強い受験生が合格する確率が高いように感じられる。一般的な学校であると「学力の高い受験生」が合格する確率が高いが、東大附属の場合は、研究対象として魅力のある「個性のある受験生」をとりたいのではないだろうか。これはどちらかというと、対策でどうにかなるものではなく、生まれついての性格や資質の問題である。とはいえ、護者があまり子どもを型にはめずに、その個性を伸ばすような教育方針をもつことはできるであろう。ちなみに去年自塾で合格した生徒は、メイキャップアーティストになりたい男の子であった。彼は面接にメッシュの入った髪形で受験をしに行った。

 

保護者の書く志願理由も重要な要素の一つであろう。ここでのポイントは、東大附属の方針とわが子がいかに合っているのかをアピールすることである。また、研究機関である東大附属をサポートするという姿勢もポイントにつながるだろう。コツは具体的に書くことである。学校のどういったところに魅力を感じ、またわが子のどういったところが学校に合うのかを具体的に書くのである。塾の先生が添削をしてくれればそれがいちばん良い方法ではあるが、無理であれば夫婦間で何度も確認するのが良い。文章は推敲を練ればその分だけ練られた文章になる。

 

最後に挙げるポイントとしては、学校の先生の書類である。もちろん、先生が書くことに対しては何もできないので、それ以外のこと、たとえば委員会や学校での活動、また出席日数などについて、何かできることはあるはずだ。特に欠席や遅刻が多いと、それだけでおそらく合格は遠のく。ということは、受験を考えるのであれば4年生くらいから小学校にどういう態度で臨むべきかについても親子で話し合うほうが良いだろう。

 

以上合格のための4つのポイントについて語ってみた。上記の四つのポイントを押さえることができれば合格へ近づくであろうと思われるが、実際のところは分からない。あくまでもヒントとして考えていただければ幸いである。

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【文学部】志望理由書の書き方

カテゴリー:志望理由書の書き方2024.10.02

総合型選抜入試で志望理由書を書く場合、以下のようなフォーマットを使う人は多いと思います。

 

①将来の夢

②そうおもったきっかけ

③大学で学びたいこと

④自分がその道に進むのにふさわしい理由

 

だいたいこのような流れで書く人が多いと思います。ところで、こうした流れで書く場合、最初に考えなければならないことは、将来の夢あとなります。あるいは将来進みたい方向と言っても良いでしょう。将来の夢が明確な人は書きやすいのですが、一方で大学で学ぶことと将来進みたい道との関連が明確でない人は書きづらいかもしれません。

 

たとえば、看護や福祉を目指す人にとって将来進むべき道を書くことは難しくありません。志望する学部・学科そのものが職業と結びついているからです。

 

反対に文学部の場合は、「好きな作家」や「好きな作品」などこれまでに読んできた文学については語れても、将来進むべき道についてはなかなか思いつかないと思います。そうすると上記のようなフォーマットでは書きづらくなってしまいます。

 

今日はそんな文学部系を目指す人にどうやったら上手に志望理由書が書けるか話していきたいと思います。

 

そもそも大学にも成果を求める声が大きくなっていくにつれて、成果の見えづらい文学部は何となく昔に比べ肩身が狭くっているように思えます。昔から景気が良いと人気が出て、不景気になると人気がなくなるとも言われていますが、ずっと日本が不景気だからというだけではなく、スマートフォンの出現によって、知へのアクセスそのものがまったく変わったために、文学部の存在の意義が問われることが多くなっているのでしょう。

 

しかし、それでも文学が好きな人は一定数います。文学部を志望する人はそういった人々だと思います。ただし、大学で学びたいということをアピールする志望理由書に、単に「好き」ということを書くだけでは、大学も納得してくれません

重要なのは、文学を学ぶ社会的な意義を考えることです。文学を大学で学ぶ社会的な意義が明確になれば、それを「将来進みたい道」の代わりに書けば良いのです。そうすると以下のようになります。

①文学を学ぶことでどういう形で社会に貢献したいのか

②そうおもったきっかけ

③大学で学びたいこと

④自分がその道に進むのにふさわしい理由

 

要するに、大学で文学を学ぶことには、個人の成長だけでなく、社会全体に対しても多くの意義があるということを訴えるのです。以下に、大学で文学を学ぶ社会的意義をいくつか挙げますのでヒントにしてみてください。

 

  1. 共感力と多様な視点の育成
  1. 文学作品は、異なる時代、文化、階層、性別などを通じた多様な人々の経験や感情を描いています。これに触れることで、他者の視点を理解し、共感する力が養われます。共感力は、社会における多様性の理解を深め、人種、性別、宗教などの違いを超えて他者を受け入れる寛容な社会を形成するために不可欠です。また、多様性といっても、文学ジャンルの多様性、文化・時代の多様性、思想・哲学の多様性、言語の多様性、テーマの多様性など一様でない多様性について学ぶこともできます。たとえば、あなたが外国人であり日本文学を学ぶことを想像してみてください。大学で「吾輩は猫である」を精読するにあたって、まず「吾輩」という一人称からして、日本語独自のニュアンスの壁にぶつかるはずです。この言葉にはどんなに英語が巧みであったとしても、英語には訳しきれない意味合いが含まれているからです。単に言語の意味の話に留まらず、なぜ日本語には一人称が多いのかを調べるだけで、日本人のコミュニケーションの取り方など文化的な側面まで分かるでしょう。

 

  1. 批判的思考の強化
  • みなさんが思っている以上に、文学の理論というのは精巧に組み立てられています。長い歴史の中で先人たちが作ってきたものです。たとえば、日本では令和になってくらいから、「ジェンダー」に対して社会が敏感になってきました。それ以前は「男らしさ」「女らしさ」といったことがふつうに言われていました。あるいは、平成の時代では、一般的にはあまりLGBTQといった言葉は使われていませんでしたが、文学の世界では「LGBTQと文学」といった批評が大昔からありました。あるいは、「クイア理論」という文学理論も存在します。文学作品には、時代に先駆けて問題提起をしているものがたくさんあり、そうした作品の読解や分析を通じて、あるいは文学理論を学ぶことで、これまで社会のなかでは当たり前だと思われていたことの中にある不条理なこと、あるいはおかしなことに気づくことができるようになるのです。

 

 

その他にも、当然歴史的・文化的知識の向上、言語力とコミュニケーション能力の向上などもあります。

 

また、現代のように社会のグローバル化が進むからこそ、 文化的・歴史的背景の理解の重要性と難しさ、社会的・宗教的な価値観の違いを知ることが重要です。みんなが同じではなく、みんなが違うという前提のものとで、どうやって人と人とが交わっていくかを探るには、その違いがどう違うのかを知らなくてはなりませんこれらの難しさを克服するためには、言語力の向上だけでなく、歴史、文化、哲学の知識を深める努力が必要です。たとえば、フランスで同棲婚が法律で認められるようになって女性の出生率が上がりました。そして、このことを理由に日本でも同棲婚を認めるべきだと主張する人が増えました。 もちろん同棲婚も良いでしょう。しかし、出生率を上げる手段としては、日本で機能するかどうかは不明です。そもそもフランスはカトリックであり、カトリックでは離婚が禁止されているのです。こうした文化的背景から同棲婚というものが生まれました。一方日本には離婚に対するハードルはフランスほど高いわけではありませんから、こうした政策で出生率が改善するかどうかは疑問です。要するに日仏では結婚に対する考え方が歴史的、宗教的に異なるので、何か政策を考えるにしても、それぞれの国にある前提を踏まえなければならないのです。

そして、ある国の歴史や宗教、習慣や文化を学ぶのに文学ほど適したものはありません。

 

そういった意味で、文学を学んだ人が社会に出ることで、多様性を尊重し、社会の不公正に対する意識を高め、社会の発展と調和に貢献できる人材を育成するという意義があるのです。要は、自分がそういった人材になるのだということを書けば、それがすなわち、社会的な意義に繋がります。

 

そして、特定の作家や作品を挙げることができれば、「~(作品や作家)の精読を通して、他者と共存することの難しさと大切さを学び、多様性ある社会をつくっていくのに尽力できる人材になる」といった夢を語る形で志望理由書を書いていくことができます。

都立中高一貫校 人気に陰り なぜ?

カテゴリー:中学受験2024.09.22

以前は非常に受検倍率の高かった都立中高一貫ですが、昨年度の受検ではほとんどの学校でその倍率が下がりました。その要因を探るために、都立中高一貫の受検者数推移をグーグルで調べてみました。するとAIによる概要が以下のように出てきます。

 

  • 2019年(コロナ禍以前)の一般枠の受検倍率は4.5~6.7倍でしたが、2024年は2.5~4.5倍に低下し、4倍以下の学校が増加しました。

 

  • 2024年の都立中高一貫校10校の一般枠募集では、募集人員1,574人に対して6,009人が受検し、平均倍率は前年度比0.4ポイント減の3.82倍となりました。

 

  • 男子で一番の高倍率は両国高校附属中の4.39倍、女子は三鷹中等教育学校の5.05倍でした。

 

三つのポイントが出てきましたが、最初のものが最大のポイントで、コロナ禍を挟んでそれまで5倍前後であった都立中高一貫の受験率3倍程度になったということです。そこにはいくつかの要因が考えられるので、本日はそのことについて話をしていきたいと考えています。

 

大きく分けて二つポイントがあると思います。一つは経済的な側面、もう一つが教育観です。詳細を見ていきましょう。

 

 

  • 経済的な側面

そもそも公立中高一貫の最大の魅力は学費が安いことです。これまで私立高校授業料無償化には年910万円未満の所得層に限られていましたが、この所得制限が24年よりなくなります。そうすると、学費が安いというのが魅力ではなくなり、無理に中学受検をする必要がなくなってしまったのです。私立の高校も無償化されるとなると、これまでライバルになかった私立校と天秤にかけられるようになり、結果として受検する人が減ってしまったということです。

蛇足となりますが、東京に住んでいるお子さんをお持ちの多くの方はもちろんこういう高校の授業料無償化を喜ばれているとは思いますが、個人的にはあまり良い政策だとは思えません。ほとんど義務教育に近いといえるような高校の授業料が住んでいる都道府県によって大きく異なるというのは、公平性の観点から首をかしげざるを得ないと思うからです。

 

  • 教育観

コロナ禍が始まったときに、これまで誰も経験しなかったことというのもあり、各学校がいかに対応するかはマチマチでした。しかし、かえってそういう状況であったからこそ、保護者の目線では、頼りになる学校であるかどうかが見えたのではないでしょうか。公立の学校は中高一貫校を含めて、対応が遅かったように感じます。それに比べると私立は、オンライン授業への切り替えが早かったように感じます。もちろん各学校によって異なるので一概には言えませんが、同様の感想をもたれた方も多いのではないでしょうか。わが子を6年預けるという選択で、やはり頼りになる学校というのは大きな魅力になったのだと思います。

 

また、コロナの対応だけでなく、ここ数年新しい教育観というものがしだいに保護者の間に広がってきています。たとえば、

 

・ICTの導入

・アクティブラーニングを始めとした新しい授業

・海外研修を含めたグローバル教育の拡大

・海外大学への進学

 

といったこれまでなかった教育観を打ち出す私立の学校が増えてきました。それに比べると都立中高一貫は公立の学校ですから古い教育観がそのまま残っているように映ります。どちらが良いかというのは分かりませんが、社会が多様化しているわけですから、価値観も当然多様化していきます。偏差値の高さだけが学校の魅力ではなくなり、これからの社会を生き抜くのに、大切な6年間にわが子に何を教育してくれるのか、これまでの教育になかったものを提供してくれるのかというところまでをも保護者の方は求めているのです。その結果、公立中高一貫の魅力が下がったのではないでしょうか。

 

その他にも、学校のHPの違いもあるかもしれません。インターネットで検索するのが当たり前の今、更新を頻繁にすることは当然のことですが、中には更新があまりされていない学校も散見されます。それに加え、説明会などの頻度も私立のほうが多く、保護者の方にとって学校を知る機会がしぜんと増えるのだと考えられます。当然、認知する機会が増えれば、その分親近感も増します。

 

このようなことが原因となって、昨年度は都立中高一貫校の受検率が下がったのではないでしょうか。特にこの数年は、保護者の方が学校に求めるものが以前とは変わってきたように感じます。こうした変化に敏感になることが、人気の秘密を保つ秘訣ではないでしょうか。

>> 合格を目指す方は「都立中高一貫受検対策コース」もご覧ください!

上智公募推薦受験者必見!自己推薦書に書ける上智ならではの魅力!

カテゴリー:志望理由書の書き方2024.09.19

 

 

上智大学には他の大学で志望理由書にあたる自己推薦書という提出書類があります。書くべきことは、基本的には志望理由書と同じで、なぜ上智大学を志望するのかを自分がしてきた活動や将来進みたい道とからめて書いていくものです。

たとえば、将来弁護士になりたい人は、その夢を叶えるために法学部に行くということを書きます。看護師になりたいから看護学科に進みたいということを書きます。ただし、全国には何百という法学部、あるいは看護学部・学科があるわけですから、「弁護士になりたいから」「看護師になりたいから」という理由だけでは上智大学を志望する理由として弱いと言わざるを得ません。

 

要するに「なぜ他ならぬ上智大学なのか」ということが含まれていないと志望理由として弱くなってしまうのです。こうした際に、ヒントとなるのが、上智大学そのものの魅力です。他の大学ではなく上智ならではの魅力を書くことで、上智大学で学びたいという理由と結び付けられるからです。

 

もちろん、そのためには徹底的に上智大学について調べることが最上の方法であると言えるでしょう。今日は、過去に合格した人が、どのような上智の魅力を書いたかを5つの観点から紹介したいと思います。参考にしてみてください。

 

  • 大学の施設に言及する

新聞学科に進学した人は、平和の理念としての桜の木について書きました。

 

新聞学科

北門のそばに佇むソメイヨシノは、『長崎の鐘』で知られる永井隆博士の「永井千本桜」の2世であるという永井博士の思いを受け継いだこの木は、「叡智が世界をつなぐ」という理念を体現しているかのようだ。

 

理工学部に合格したK君は、自分の進みたい再エネに絡めて上智の使用電力の占める再エネの率の高さを書きました。ちなみに、グーグルで調べてみると以下のようなものです。

 

上智大学四谷キャンパスでは、2020年6月に再生可能エネルギー100%の電力を導入し、その時点で95%の達成比率でしたが、本年3月には、すべての使用電力が再生可能エネルギー100%の電力となっています(真田濠グラウンドを除く)。 同リーグでは、今後、趣旨に賛同する大学や支援企業に加盟を呼びかけていきます。

  • キリスト教・カトリックであることに言及する

キリスト教、カトリックの大学であるというのは上智の大きな特徴ですのでこれまでもキリスト教について書く人はたくさんいました。キリスト教と絡めて書くからといって、必ずしもキリスト教徒である必要はありません。

 

哲学科

1年次からキリスト教人間学の授業があったり、神学部の授業も受講できたりするため、哲学だけでは補うことのできない「隣人愛」等のキリスト教精神の理解を深めることができる。

 

  • 上智の教育理念について言及する

上智のHPのほとんどのページに載っているともいえる「他者のために、他者とともに」を書く人はこれまでも多数いました。見てみましょう。

 

地球環境法学科

「他者のために、他者とともに」という教育理念に基づき、他者つまり他国や未来の人々のためにできる海洋保全のあり方を考え、・・・

 

社会学科

全国に社会学科は数多くある私は貴学を志望する。「Men and Women for Others, with Others」という教育方針は、尊厳が傷つけられている女性のために・・・

 

  • オープンキャンパスでの印象について書く

オープンキャンパスでのことを書くのも上智ならではの魅力となります。

 

総合グローバル学部

オープンキャンパスで、「アジアやアフリカにより目を向けるべきだ」という教授のお話しに共感し、「ここで学びたい」と強く思った・・・

 

社会学科

説明会の際に田渕先生から「社会学科は尊厳を傷つけられようとしている人を守り、具体的な行動をとれる人を育成する」、「この学部は『政策・運営の知』を身につける」ということを聞いて、ただ「学ぶ」だけでなくそれを「行動」に移せる人を育てる貴学の教育は私の将来に必ず活きてくると思った

 

 

  • 大学の授業・カリキュラム・先生について書く

この他にも授業や教授のことを調べて書くのも、大学の独自性を書く方法の一つとなります。

 

地球環境法学科

春期実践型プログラムの「東南アジアに学ぶ」を通し、多くの途上国が存在し多様な歴史や文化、少数民族を有する東南アジアで、経済課題や文化の差異を環境保全にどう反映するかを実践的に考えたい。

 

残席わずか

カテゴリー:お知らせ2024.09.13

下半期が始まって一週間ですが、ほぼ満席となってしまい残席僅かとなっています。

中学受験コース5年生は締め切っております。

また、年内はオンラインも満席になってしまいました。

高1生、高2生はわずかに募集しておりますので、ご検討されている方はお早めにご連絡ください。

お休みのお知らせ

カテゴリー:お知らせ2024.09.07

9月10日(火)は塾がお休みとなっております。お間違いのないようご注意ください。

YouTube登録者数が3千人!

カテゴリー:お知らせ2024.09.06

みなさまのお陰でYouTubeYouTube登録者数が3千人になりました!ありがとうございます。

毎週日曜日20時に更新しておりますので、引き続きよろしくお願いします。

 

小論 志望理由書 自分で気づかない変な日本語例

カテゴリー:志望理由書の書き方2024.08.31

 

夏期講習期間は、毎日高校生の文章を添削しています。大学受験に必要な課題レポートであったり、志望理由書だったり、あるいは小論文だったりの文章です。多くの文章を添削していくうちに、よくある「少しおかしな文」がどういうものであるのか分かってきたので、今日はそのことについて話をしたいと思います。実際に大学入試のために文章を書いている人は、参考にしてみてください。

 

 

まず、「少しおかしな文」とはどういう文なのかということを、いくつかの例を挙げて説明してみますがその前に、「少しおかしな文」は英作文でも頻出するので、まずは英語の話から始めてみます。

 

マーク・ピーターセンという方が書いた『日本人の英語』というベストセラーがあるのですが、そこによくある日本人の英作文に次のようなものを挙げていました。

 

彼は東京の大学で指導していたので、学生に英作を書かせると以下に似たような文を書く人が多いとのことです。

 

I’m from Shizuoka. So I live alone in an apartment.

 

ここで出てくるsoは「だから」という意味で使われています。訳すとこのような感じです。

 

私は静岡出身であるため、一人でアパートに住んでいる。

 

この段階で、これの何がおかしいか分からない人もいるでしょう。そういう人は、因果関係を反対に考えると分かりやすくなります

 

私は一人でアパートに住んでいる。なぜなら、静岡出身であるためだ。

 

これが変な文であることはお分かりいただけると思います。要するに、因果関係が低い二つの文を因果関係が明確なときに使うSoを使っているからです。本来であれば以下のような文の際に使用します。

 

The Italian restaurant was closed today, so I went to a sushi bar instead.

 

イタリアンレストランが閉まっていたため、私は寿司屋に行った。

 

こちらは因果関係がはっきりとしています。反対にしても文意が通じます。

 

私は寿司屋に行った。なぜなら、イタリアンレストランが閉まっていたためだ。

 

日本語は、英語ほどこうした因果関係を始めとして論理的なつながりに対してうるさくない言語だと言われていますが、それでも論理に飛躍があると違和感のある文章になります。それでは「少し変な日本語」を見てみましょう。

 

例文①

現在の日本の教育制度は、日本語を母語としない外国人児童に対して十分なサポートをしていると言いがたい。そこで、私はスクールソーシャルワーカーとなってこの問題を解決したい。

 

例文②

オープンキャンパスでフランス語の授業を受けた際、私の知的好奇心が騒いだ。そのため、二年次の秋に行われるパリ大学への交換留学に参加したい。

 

例文③

これから世界はますます多様化していくだろう。しかし、日本は協調性を重視するあまり寛容さが失われている。

 

 

上記すべてに共通して言えることは、一見すると何がおかしいのか気づきにくいのですが、よく読んでみると、接続詞の使い方が少しおかしいということです。

 

たとえば、一つ目の文章を見ると、一文目では日本の教育制度の不備を訴えています。そして次の文で自分がこの問題を解決したいと主張しています。その二つの文をつないでいるのが「そこで」という接続詞です。「そこで」というのは、「そういうわけで」という意味ですから、直訳すると、

 

日本の教育制度が充分に機能していないことが理由となって私はこの問題を解決したい。

 

ということになります。これだとおかしいということに気づくと思います。日本の教育制度というものと、私が対等の関係であたかも、日本の教育制度の機能不全を私が解決できる問題のように書かれているからです。接続詞云々の前に、根本的な原因は情報不足と言えそうですので、もう少し丁寧に説明をしなければならないのです。

 

現在の日本の教育制度は、日本語を母語としない外国人児童に対して十分なサポートをしていると言いがたい。たとえば、アメリカでは英語を話せない児童に対して、・・・・(略)。また、オーストラリアでは・・・・(略)。こうした他の先進諸国が、どういう制度で外国人児童の言語問題をサポートしているのかを貴学で学び、将来はスクールソーシャルワーカーとなって、日本にいる外国人児童をサポートできる存在になりたいと考えています。

 

日本の制度不足を伝えたあとに、比較対象としてアメリカとオーストラリアを加えました。特に最後は接続詞をいれなくても、流れが自然であれば十分に伝わるものになります。また解決するとせずに、サポートできる存在になりたい、と書けばあまりおかしな印象にはなりません。

 

次の文章を見てみましょう。

 

オープンキャンパスでフランス語の授業を受けた際、私の知的好奇心が騒いだ。そのため、二年次の秋に行われるパリ大学への交換留学に参加したい。

 

この文は、そもそも無理やりオープンキャンパスのことと、大学の留学制度をつないでいるような印象を受けます。まず、「そのため」というのは「それが原因(理由)となって」という意味です。直訳すると以下のようになります。

 

知的好奇心が騒いだことが理由となって、交換留学に参加したい。

 

論理展開だけ見ますと、何もおかしなことはありませんが、何か表現が大げさな印象を受けないでしょうか。その理由はおそらく、前文が単にフランス語の授業を受けて刺激を受けたということしか書かれていないからです。知的な刺激を受けたのであれば、具体的に書くべきです。授業を受けたことと交換留学をすることには大きな隔たりがありますから、その隔たりを埋める、何か説明がいるのです。

 

小さなころからバレーを習ってきた私にとって、フランス語は憧れの言語でした。オープンキャンパスでフランス語の授業を受けた際に、小さいころに誓った「必ずフランス語を話せるようになる!」という自分の夢を思い出しました。貴学に入学できれば二年次の秋に行われるパリ大学への交換留学に何としてでも参加したいと強い思いをもっています。

 

ここでも、説明を加えただけで流れが自然になり、最後に接続詞をいれなくても、十分に伝わることが分かると思います。

 

さて、最後の文は少し毛色が違います。

 

 

これから世界はますます多様化していくだろう。しかし、日本は協調性を重視するあまり寛容さが失われている。

 

これは一読しただけで、逆説になっていないことに気づくはずです。こういうミスを自分はしないと思っている人は多いかもしれませんが、逆説になっていない「しかし」を使用する人は思いのほか多いのです。自分で文を書くと、頭の中に論理展開ができているので、省略をしても何となく分かってしまうことが原因です。ただし、正しい逆説の使い方は簡単で、述部の部分が前文の述部に対して正しく逆説になっているかどうかだけに気をつかえば良いのです。

 

これから世界はますます多様化していくだろう。しかし、日本社会は協調性を重視するあまり、まだまだ多様化しているとは言いがたい。

 

このようにすれば、「多様化していく」と「多様化していない」という反対の意味する文をつなぐ言葉として「しかし」が機能します。

 

三つ「少しおかしな日本語例」を見ましたが、こうした接続詞の使い方をする人が多いのには理由があると思います。

 

もともと、日本語は英語をはじめとした西洋の言語と比べると論理よりも情緒を重視していると言われてきました。たとえば、文豪の谷崎はその著書のなかで接続詞を多用すると無駄な言葉が多くなり、文の重みがなくなるため、あまり使用しないことを薦めました。また若いころから美文家として有名だった三島由紀夫も接続詞を文頭に置くことで、文の格調が失われると、接続詞の使用を戒めています。

 

一方で、現代では文章の論理構造を明らかにするために、接続詞を頭にもってきて、読み手に分かりやすくすることは推奨される傾向があります。たとえば、「相手に伝わるメールの書き方」といったことをGoogleで検索してみると、おそらく接続詞を推奨しているサイトが多いと思います。こうした現代の流れを受けて、高校生が接続詞を多用しているのだと思います。接続詞は文と文の関係を論理的につなぐ役割を果たしますから、論理的な文章を書くことを目的とする場合、接続詞を分かりやすく使うことは重要ですが、文章というのは論理だけで説得力を増すものでもありません。

 

今回挙げた例も三つのうち二つは、もともとあった接続詞を削り、説明を増やしただけです。そのほうが読み手に伝わりやすいというのは実感できたのではないでしょうか。

青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科ってどんなところ?

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卒塾生の美咲さんが出演してくれました。青学の理工学部情報テクノロジー学科について色々と聞いてみました。

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9月7日(土)より通常授業となります。お間違いのないようご注意ください。