Kip学伸のブログ



志望理由書の書きだしパターン5選!

カテゴリー:志望理由書の書き方2025.06.14

 

総合型選抜や推薦系に必須である志望理由書の書きだしの5選を紹介したいと思います。

 

社会福祉系

【原体験から始める】

特徴:自分の過去の出来事から志望動機に自然につなげる。


私が小学生のころ、祖母が認知症を患い、介護に携わる家族の姿を間近で見てきました。この経験を通して、「福祉」とは何かを考えるようになり、しだいに高齢者福祉の分野に関心を持つようになりました。

 

■ 良いところ:

  • 自分だけの経験をもとにしているため、オリジナリティが出る。
  • 感情のこもったリアルな語り口で、読み手の共感を呼びやすい。
  • 過去→現在→未来という流れで構成しやすく、文章に自然なつながりが生まれる。

■ 発展のさせ方:

  • その体験から「何を学び」「どう変わったか」を具体的に書く。
  • 原体験と進学後の学びやキャリアの方向性をつなげると説得力が増す。

■ 例(展開):

祖母の介護を通じて高齢者との関わりの難しさと大切さを感じた → 福祉分野の勉強に興味を持った → 大学でケアマネジメントや地域包括支援について学びたい。

 

【問題意識から入る】

特徴:社会の課題や自分が感じた疑問から書き始める。


日本では子どもの7人に1人が貧困状態にあるといわれています。この現実に衝撃を受けた私は、「すべての子どもが安心して学べる社会をつくりたい」と思い、教育福祉に関心を持つようになりました。

 

■ 良いところ:

  • 社会への視点をもっていることを示せる。
  • 社会問題を自分の問題としていることが伝われば、主体性の強い印象を与えられる。
  • 志望分野との接続がスムーズで、意欲が伝わりやすい。

■ 発展のさせ方:

  • 問題意識を持つようになった背景やきっかけを語ると具体性が出る。
  • 自分にできること・大学で学びたいことを結びつけると将来像が描ける。

■ 例(展開):

子どもの貧困に衝撃 → 教育や福祉の力で子どもたちを支えたい → 教育福祉・社会政策を学び、将来は現場にも関わりたい。

 

【将来の夢・目標から入る】

特徴:結論(将来の目標)を最初に伝え、その理由を展開していく。


私は将来、地域に根ざした児童福祉施設を立ち上げたいと考えています。その夢の実現に向けて、貴学で実践的な学びを深めたいと思い、志望いたしました。

 

■ 良いところ:

  • 志の高さやビジョンの明確さが伝わる。
  • ゴールがはっきりしていることで、読み手が「この人は本気だ」と感じやすい。
  • 「その夢を実現するために大学で何を学ぶか」という構成が取りやすい。

■ 発展のさせ方:

  • なぜその夢を持ったのかの背景(=体験や価値観)を語ると説得力アップ。
  • 大学での学びと夢を実現するためのステップを具体的に書けると良い。

■ 例(展開):

児童福祉施設を作りたい → なぜそう思ったか(子どもの頃の経験など) → 大学で必要な知識・実習を積みたい。

 

【好きな学問・関心のあるテーマから入る】

特徴:学問への興味を強調したいときに有効。


人と人との「つながり」が、困難を乗り越える力になる——私はこのテーマに強く関心を抱いています。家庭や地域、福祉制度といった多様な側面から「つながり」のあり方を学び、誰もが安心して暮らせる社会づくりに貢献したいと考え、貴学を志望しました。

 

■ 良いところ:

  • 学問への純粋な関心が出発点になるため、学びに対するモチベーションの高さが伝わる。
  •  社会課題を自分の言葉で捉えている印象を与えられる。
  •  興味と進路がつながっているため、学びへの意欲と将来像が自然に連携する。

 

■ 発展のさせ方:

  • 関心の芽生えたきっかけ(本・授業・体験)を示すと、読者が納得しやすい。
  •  単なる「好き」ではなく、「このテーマを深く学ぶことが、どんな社会的意義を持つのか」に触れられると◎。
  • 関心分野と大学での学び、卒業後の進路を論理的に結びつけると説得力が増す。

 

■ 例(展開):

「人とのつながり」に関心 → 家庭の中で孤立していた友人の姿に心を動かされた → 社会福祉の中でも家族支援や地域福祉に関心を持つ → 大学で家族福祉論や地域福祉論を学び、実践経験も積みたい → 将来は、地域の相談支援員として働きたい。

 

【印象的なエピソードや言葉から入る】

特徴:インパクトのある言葉で読み手を引き込む。


「人間は一人では生きていけない」——この言葉を、被災地でボランティアをしていた際、ある高齢者の方からかけられました。この一言が私の心に深く残り、人と人とをつなぐ社会福祉の道に進む決意を固めました。

 

■ 良いところ:

  • 感情に訴えたり、印象に残ったりする表現でインパクトを与えやすい。
  • 一言の力やその言葉が自分に与えた影響を通して、自分の人間性が伝わる。
  • 「物語性」があり、読み手の興味を引きやすい。

■ 発展のさせ方:

  • なぜその言葉が印象に残ったのか、自分のどんな価値観と結びついたのかを丁寧に書く。
  • その気づきが、進路や人生の目標にどうつながったかを説明する。

■ 例(展開):

「一人では生きられない」という言葉に感動 → 人とのつながりの大切さに気づく → 社会福祉や地域支援について学びたい。

 

いま注目!小中学生のマレーシア留学が増えている理由とは?

カテゴリー:その他2025.06.13

今日は「小中学生のマレーシア留学」についてお話しします。というのも最近、日本の親御さんの間でマレーシア留学が静かなブームになっているからです。「聞いたことがある」「という人もいれば、「え、ほんと?」と思う人もいるでしょう。今回は、マレーシア留学する人が増える理由・メリット・注意点まで、わかりやすくお伝えします!

 

【マレーシア留学の現状】

まず現状をお話しますと、2024年時点で、マレーシアには約3,000人の日本人留学生がいます。これは数年前より大幅に増えています。特に増えているのが、小学生・中学生の親子留学や、単身でのインターナショナルスクール留学。留学エージェントや現地の学校にも、「子どもをマレーシアに留学させたい」という相談が急増しているそうです。

 

【なぜマレーシア?4つの理由】

では、なぜマレーシアなのでしょう?理由は大きく4つあります。

【1つ目】 インターナショナルスクールが豊富!

マレーシアには150校以上のインター校があります。
英国式・米国式・国際バカロレア(IB)など、カリキュラムも選べます。授業は英語中心で、多国籍の生徒と学べる環境が整っています。

 

【2つ目】 費用が手ごろ!

欧米に比べて留学コストがかなり安いというのが特徴です。たとえば、年間授業料+寮費で約50万円〜200万円程度で、イギリスやアメリカだと、この数倍はかかります。

生活費も日本より低めで、親御さんにとっては現実的な選択肢になっています。

 

【3つ目】 生活環境が快適!

マレーシアは治安が良く、日本人も多く住んでいます。医療レベルも高く、日本語が通じる病院もあります。時差はたった1時間ですので、日本との行き来もしやすいと言えるでしょう。

 

【4つ目】 世界の大学への進学ルートがある!

マレーシアのインター校から、イギリス・オーストラリア・カナダなどの世界的な大学に進学する生徒が増えています。「日本の受験戦争にこだわらず、グローバルな進学を目指したい」という家庭にも選ばれています。

 

【どんな留学スタイルがある?】

マレーシア留学には、主に2つのスタイルがあります。

 

親子留学】

お母さんと子どもで一緒に現地へ移住するパターンで、特に学生低学年のうちから始める家庭が多いです。お父さんは日本に残って働きつつ、生活費を送るというスタイルが一般的です。

 

単身留学】

もう一つは、寮付きの学校に単身で留学するパターン。だいたい小学校高学年〜中学生くらいからチャレンジする子が多いようです。最近は、「年間44万円から留学できる寮付き校」なども登場していて、ハードルがグッと下がってきています。

 

【親の声・動機】

実際の親御さんの声としては、こんなものがあります。

日本の教育に不安がある
子どもに英語力と国際感覚をつけさせたい
日本の受験競争に縛られたくない
将来は海外の大学や企業も視野に入れている

こうした理由で、新しい選択肢としてマレーシア留学を考える家庭が増えているのでしょう。

 

【注意点・現実面】

もちろん、メリットだけではありません。

■ 親子の準備が必要
ビザ取得、住居の手配、現地生活への適応など、事前準備は大切です。

■ 英語力は?
入学時に英語が話せなくてもOKな学校もありますが、最初はかなり努力が必要。

■ 親の覚悟
特に単身留学の場合、子どものメンタルサポートも考えておく必要があります。

 

というわけで、今日は「小中学生のマレーシア留学についてご紹介しました!今はまさに「知る人ぞ知る」穴場の留学先ではないでしょうか。興味がある方は、こちらに、「マレーシア留学サイト」を貼っておきますので、確認してみてください。

 

 

【中学受験】共学校のメリット・デメリット!

カテゴリー:中学受験2025.06.11

 以前に男子校・女子校に通うメリットとデメリットについて話をしたことがありました。今回はその流れで、中学受験で共学を選ぶメリットとデメリットについて、受験生の保護者の視点で分かりやすく説明します。

まず、近年の傾向として、共学校の人気が高まっています。AIを使って調べたところ東京都の男子校、女子校、共学校の2010年と2020年の割合は以下のようになっています。

 

 

年度 総数 男子校 女子校 共学校
2010年 435校 41校 (9.4%) 90校 (20.7%) 302校 (69.4%)
2020年 428校 33校 (7.7%) 81校 (18.9%) 310校 (72.4%)

(出典: サピックス

 

変化のポイント:

  • 男子校: 2010年の41校から2020年には33校へと、8校減少しています。
  • 女子校: 2010年の90校から2020年には81校へと、9校減少しています。
  • 共学校: 2010年の302校から2020年には310校へと、8校増加しています。

 

上記のような傾向は東京だけではなく全国的にも同様です。男子校や女子校が共学化するケースが増加しており、その背景には少子化や男女平等意識の高まりによる共学へのニーズの増加が挙げられるでしょう。実際、共学化により受験者数が増加する傾向も見られます。あるいは共学化によって偏差値が上がる傾向も見られます。

 

メリット

  1. 自然な環境で成長できる

まず、最大のメリットとしては中高の六年間、自然な環境で成長ができることが挙げられると思います。社会に出れば、基本的には異性がいる環境に身を置くことになるため、男子だけ、あるいは女子だけという環境はそれだけ特殊であると言えます。男女が同じ空間で生活することで、偏りのない自然な社会性を育むことができ、当然、異性との接し方に慣れることで、中高時代を通じてバランスの取れた成長が期待できます。男子校や女子校よりも自然な形での恋愛が育まれやすいとも言えるでしょう。

2.バランスのとれた価値観が築ける

男子校や女子校であれば、良くも悪くも「男らしさ」や「女らしさ」が強調される環境になりやすいと言えますが、男女が一緒に学ぶことで、偏ったジェンダー観にならない環境と言えるでしょう。小学生のときとは異なり、中学、高校生になるにつれ男女差というものが身体的に顕著になっていきますが、そういうときに、異なる価値観や意見を交わすことで、異性に対する理解が深まり、将来の職場や社会生活で必要なコミュニケーション能力が養われます。グループ活動などをする際に、特に男子だけ、女子だけよりは男女が混じったほうが多くの意見が飛び交うのではないでしょうか。ただし、バランスをとるのが苦手な人にとっては、バランスのとれた価値観よりも、もっと「尖った価値観」のほうが良いと感じるでしょう。

3.受験や教育方針の選択肢が広がる

何といっても共学校の方が学校の数が多いですから、学校を選ぶ際の選択肢が豊富になります。最初にお伝えしたとおり、共学校は増加の傾向ですから、選択肢はさらに増えていくのではないでしょうか。また、学校の選択だけではなく、共学であるがゆえに特定の性別をターゲットにした教育ではなく、全体的にバランスの取れたカリキュラムとなる傾向が強いと言えるでしょう。たとえば女子校では、どうしても「女子教育」が良くも悪くも強調されることが多いですが、共学はそういう偏りは少ないと言えるでしょう。

 

要するに、メリットとして挙げられることは、偏りが少なくバランスのとれた環境に身を置けるということです。

 

デメリット

  1. 学校の特色が薄れる可能性

共学は男女どちらにも対応できる教育方針を取るため、男子校や女子校のように特色が際立たない場合もあります。男子だけだから、あるいは女子だけだからできる個性あるカリキュラムやイベントがどうしても共学の場合は作りづらいという側面があります。ただし、最近はそういうジェンダーとは関連しないことで学校の特色を出す学校が増えてきていますから、今後はあまりデメリットにならないかもしれません。

2.異性とのつながりが学校生活の充実度と結びつきやすい

学校での立場を表す「スクールカースト」という言葉があります。これはおそらく共学であろうが、男子校であろうが、女子校であろうが存在すると思うのですが、共学の場合はそれが「異性からの評価」という点が大きく加わるという点で、男子校や女子校とは異なると言えるでしょう。容姿や運動能力といったことだけでなく、異性とのコミュニケーション能力が高いとスクールカーストの上位に位置づけられる傾向が高いと言えるでしょう。ただし、これ自体がデメリットかどうかは分かりません。異性とのコミュニケーションが苦手な人にとってはデメリットに映るでしょうが、そうでない人にとってはメリットになるでしょう。このあたりはお子様の個性や性格とかかわってくる話です。

 

さて、今回は共学のメリット三つとデメリット二つを挙げました。ただし、公立小学校が共学であるため、共学はスタンダードな環境と言えることもあり、男子校や女子校ほど際立ったメリットやデメリットが挙げづらいというのが正直な感想です。特にデメリットは、あまりデメリットと言えないかもしれません。

前回や前々回の話を踏まえますと、学校を選ぶヒントとしては、まずは「男子校・女子校に通いたい(通っても良い)か否か」が重要かなと思います。共学よりも特徴が際立っている可能性が高いからです。

とはいえ、今回の話もあくまでも参考にしていただく程度に考えていただき、大事なのは、「お子さんの性格を考慮する」ということです。そのうえで志望校の候補となる学校に足を運び、説明会やイベントに参加をすることで実際の雰囲気が分かり、お子さんに合う学校かどうかが見えてくるのではないでしょうか。

 

 

 

フォームの始まり

 

【2025年 大学受験総括】高校生が知っておくべき3つの変化!

カテゴリー:大学受験2025.06.08

こんにちは、今回は2025年の大学受験の総括というテーマでお話しします。

昨年度の入試の動きをふり返ることで、これからの受験がどう変わっていくのかを予測できるようになります。とくに高校1・2年生のみなさんにとっては、「受験の常識」が数年前とは変わってきていることを知ることが、とても大事です。というのも、学校の先生が古い受験制度のイメージをもとに指導していることがけっこうあるからです。昔ながらの「一般入試一択」のような考え方だと、たくさんあるチャンスを逃してしまうことになってしまいます。

今日は、2025年の大学受験を総括することで見えてくる三大トレンドを以下の3つのテーマでお話ししていきます。

 

「推薦・総合型」が主流になりつつある

かつては「大学入試=一般入試(共通テスト+個別試験)」が当たり前でしたが、今や私立大学の約6割が推薦・総合型選抜で合格者を出している時代です。

とくにMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関学・同志社・立命館)といった人気校では、学部によっては推薦での募集定員の方が多いというケースもあります。

たとえば、上智大学の公募推薦では、「与えられたテーマについて数か月かけてレポートを作成し、プレゼンや面接、小論文で審査される」というかなり高度な選抜が行われています。明治大学の情報コミュニケーション学部や、立命館大学のグローバル教養学部も、総合型選抜で個性的な学生を積極的に受け入れています。

もちろん、私立大学だけでなく国立も最近は力を入れています。たとえば、旧帝国大学の中で、東北大学は総合型選抜の比率が約3割と、他の大学に比べて高い割合を占めています。特に注目すべきは、AO入試Ⅲ期です。この入試では、共通テストの結果がメインの評価軸として設定されており、一般入試との両立がしやすい形式となっています。また、出願要件として評定平均値の制限がないため、多くの受験生にとって挑戦しやすい入試となっています。

さらに、全学部で共通テストの配点が最も高く設定されており、学部によっては共通テストの比重が8割以上となっています。これにより、特別な活動や実績がなくても、学力を重視する受験生にとってもチャンスが広がっています。

総合型選抜入試で評価されるのは、単なる成績だけではなく、

  • 探究活動や課外活動の実績
  • プレゼン力や表現力
  • 自己分析力と志望理由の深さ

などです。高1・高2から「何をしてきたか」「何を考えているか」が問われる時代になっています。

 

「共通テスト」は難化傾向。思考力勝負に

昔のセンター試験は「知識をいかに正確に覚えているか」がポイントでしたが、今の共通テストでは「知識をどう使うか」が問われるようになっています。

特に数学IAでは「データから規則を推論する問題」や、国語では「複数の資料を読み比べて要点をまとめる問題」といったそれぞれの科目と日常生活をからめたような出題傾向が目立ちます。英語リーディングも、80分で2000語以上を読むという高負荷の内容です。リスニング重視・読解重視というのはすでに定着していて、パターン暗記では太刀打ちできません。つまり、共通テスト対策は「慣れ」と「読解力」が命と言えるでしょう。では、たとえば旧帝で共通テストの比率というのはどれくらいなのでしょうか?比率の低い順に簡単にまとめてみました。

 

東大 約20%、 京大 約25% 東北大・九大 約33% 名大 約40%

北大 約41%  阪大 約43%

 

私立大学も最近は共通テストを重視するところが増えています。

早稲田大学

  • 共通テスト利用方式(共通テストのみで合否を判定)を導入。
  • 特に政治経済学部は、独自入試を廃止して、英語4技能試験+共通テスト+独自小論文という形式に移行。
  • 一部の学部では共通テストの成績のみで合否を出す方式あり。

明治大学

  • 全学部で共通テスト利用入試を実施(A方式・B方式など複数)。
  • 学部によっては3教科で受験可能で、個別試験なしの方式も。
  • 併願しやすく、地方の受験生にも人気。

立教大学

  • 英語外部検定+共通テスト型を導入している学部あり(例:異文化コミュニケーション学部)。
  • 共通テスト利用方式は試験なしで出願できるパターンもあり、実質書類審査型に近いものも。

青山学院大学

  • 共通テスト利用入試(A方式、B方式など)を採用。
  • 英語外部試験との併用で多様な方式を提供。
  • 特に文・法・経済など主要学部で共通テスト型が人気。

同志社大学

  • 共通テスト利用方式(C方式・D方式など)を学部ごとに設定。
  • 関西圏の難関私大の中でも、共通テスト型での募集枠が比較的多い。

関西大学・関西学院大学

  • 両校とも共通テスト利用入試の枠が広く、合格者数も多い。
  • 「個別試験なし」「3教科で受験可能」といった方式が多く、受験生にとって負担が軽い。

 

「学部選び」がより重要に。人気集中と分散

最近の大きな傾向として、「情報系」「国際系」「経済・経営系」への人気集中があります。

たとえば、

  • 立命館大学では情報理工学部の偏差値が65前後まで上昇し、「文学部」とは10ポイント以上の差がついています。
  • 東京大学でも理科一類からAI・情報分野に進む学生が増えており、「工学部計数工学科」などが人気です。
  • 同志社大学のグローバル・コミュニケーション学部、明治大学の国際日本学部なども志望者が増えています。

 

背景には「将来の仕事を見据えて学部を選ぶ」流れがあり、

  • 情報系:AIやデータサイエンスの需要拡大
  • 国際系・経営系:企業での活躍、起業への関心

といった志向が強まっています。

 

こうした流れとは反対に、文学部や教育学部はやや志望者数が減少傾向です。

つまり、「どの大学」よりも「何を学ぶか」を重視する受験生が増えてきており、将来像から逆算して大学・学部を選ぶのが新しい常識になっています。

 

高校1年生へのメッセージ

1の今こそ、「自分はどう生きたいか」「何に興味があるか」をじっくり考えてください。大学受験はその延長にあるだけです。

「受かるための勉強」だけではなく、「自分の軸」を探す時間を大事にしてくださいね。

 

「塾に行かない中学受験」 ~本当に可能?戦略と注意点~

カテゴリー:中学受験2025.06.05

 

 

プライベートで私の職業が塾講師であることを伝えると、ときどき、「塾に行かずに中学受験ってできるんですか?」という質問を受けることがあります。本日はその話をしたいと思います。

結論から言えば、理屈のうえでは可能です。ただし、現実には越えなければならないハードルがいくつもあります。今日は塾に通わずに受験をすることのメリット・デメリットを整理しながら、実際のところはどうなのかについて一緒に考えてみたいと思います。お話は

①塾に行かないメリット

②家庭学習を支える道具は整っている

③ただし、現実はそう簡単ではない

④まとめ

 

の順で話をしていきます。

 

【1】塾に行かないメリット

まず、塾に行かないことのメリットについて見ていきましょう。一つ目は、経済的な負担が軽くなることです。中学受験塾は、年間で100万〜150万円ほどかかることもあります。それを自宅でまかなえるなら、大きな節約になります。塾の費用は、授業料だけではありません。以前に動画でも挙げましたが、教材費や模試代、さらには交通費や食費など思わぬ出費も多いのです。

二つ目は、家族の時間を犠牲にしなくてすむことです。
夜遅くまでの通塾、土日のテスト…塾通いは、どうしても家族全体が塾中心の生活になりますよね。それがないだけでも、生活リズムが安定します。夜遅くまでの塾通いなどさせたくない、と考えている保護者の方も意外と多いのではないでしょうか。

三つ目は、「100%自分たちの責任で進められる」という感覚が持てることです。
自分たちで計画を立てて、自分たちで子どもの理解を見ながら学習を進める。その過程自体に意味がある、と感じる方もいると思います。また、自分たちだけで受験勉強をしたのであれば、入試結果も受け入れやすいのではないでしょうか。

 

【2】家庭学習を支える道具は整っている

しかも今は、市販の教材が非常に充実しています。たとえば、みくに出版の『ウイニングステップ』など、塾に通わなくてもしっかりと中学受験対策ができるテキストも増えています。さらに、情報もネットで手に入る時代です。
学校説明会の動画、過去問、体験記、合格者インタビュー…。グーグルやYouTubeで検索すれば、たいていの情報は見つかるようになりました。

また、学習面においてもご夫婦で分担をすれば比較的楽になります。すべての科目をお母さんが見るとなるとお母さんの負担が大変ですが、たとえば、お母さんが国語や社会などの文系科目を、お父さんが算数や理科の理系科目を担当するという形で協力すれば、負担は大きく減ると思います。

 

【3】ただし、現実はそう簡単ではない

ここまで聞くと、「あ、意外とイケるんじゃない?」と思うかもしれませんが、実際はそう簡単ではありません。家庭で中学受験を完結させるのには、いくつかの大きなデメリットがあります。まずひとつ目は、情報不足です。学校ごとの出題傾向や、志望校の校風・文化は、塾に通っている子たちから自然に流れてくる情報も多く、それを家庭だけで拾うのは意外と難しいんです。あるいは、過去問も過去数年のものは手に入りますが、もっと古い物となると塾に行かないと手に入らないケースもあります。二つ目は、モチベーションの維持が難しいということ。塾に行っていれば「まわりの子ががんばっている」という空気のなかで自然とやる気が出るのですが、家庭学習ではその刺激がありません。

そして三つ目。これがいちばん大きいと思うのですが、親がイライラしがちになること。教える側にとって、子どもが分からないときに感情的になってしまう…これは本当によくあることです。特に高学年になると、思春期にも入り始めて、親子でぶつかりやすくなる時期。家庭がギスギスする危険性もあります。

また、子どもが自走できるタイプでない場合、常に親が隣で勉強を見ていなければならないことになります。これはかなり大変です。夏休みのような学校がない期間は一日中一緒にいなければなりません。

 

【4】まとめ:理屈では可能。でも、現実には難しい。

ということで、まとめです。「塾に行かずに中学受験は可能か?」と聞かれたら――理屈の上では可能。でも、現実には相当な覚悟と準備が必要、というのが正直なところです。どうしても塾の費用が厳しい…という場合は、塾と家庭学習をうまく組み合わせる方法(たとえば、必要な教科だけ通塾する、短期講習だけ参加するなど)も検討してみると良いかもしれません。大事なのは、「どのスタイルが子どもに合っているか」を見極めることです。塾に行く・行かないは、正解・不正解ではなく、その子に合うかどうかなんです。

 

ということで、今日は「塾に行かない中学受験は可能か?」というテーマでお話ししました。

 

【上智大学・公募推薦】今後必ず難化する理由!

カテゴリー:大学受験2025.05.29

 

上智大学には公募推薦という世間一般でいう総合型選抜入試に近い入試制度があります。この公募推薦の大きな特徴の一つとしては、課題レポートがあることが挙げられます。6月に課題が発表されるので、ほとんどの受験生は夏休みに課題の下調べをおこない、夏休み後半からまとめていき、10月に提出するという流れです。もちろん書く期間が数か月に渡るわけですから、受験生は様々な人から助言を受けながら書きすすめていくことになります。学部・学科によって課せられる内容はまったく異なりますが、今年度より、全学部・学科において間違いなく難化するであろうことが予想されます

 

試験が難しくなる理由は原理的には二つです。一つは、試験そのものが難しくなること。もう一つは、倍率が高くなることで難しくなることです。今回の上智の話で当てはまるのは、どちらでもありません。珍しいケースではありますが、ライバルたち(要するに他の受験生)のレベルが上がることで、入試のレベルが上がるというものです。

 

その理由は、「生成AI」の登場と普及です。

 

生成AIのなかでも有名なのはChatGPTですが、公開されたのは2022年です。2023年に当チャンネルでも動画にしたことがありますが、当時は話題にはなっていたものの、みんなが使っているということはありませんでした。しかし、去年の秋くらいから多くの人が普通に使っているツールとなっているように感じます。

実際、塾でも使っているという生徒もいて、生徒たちに話を聞くと、学校の対応も二通りあって、積極的に使っていく学校と、一切の使用を認めない学校です。

生成AIを認めるかどうかについては議論の余地がありますが、しかし、すでに学生や教育機関にとって不可欠な存在となりつつ、今後はその普及により、レポートや課題の質が全体的に向上することが予想されます。

 

要するに課題レポートにAIを使用する人が爆発的に増えることによって、今後はレポートの内容が格段に飛躍することが見込まれるということです。もちろん、生成AIの使用は認められていません。上智大学に限らず、原則的にはその使用はどこの大学も禁止しているでしょう。しかし、禁止をしても使用の有無がチェックできないのであれば有名無実になってしまいます。

 

【生成AI使用禁止と実態の乖離】

  • 多くの大学が「生成AI使用は禁止」と明記しているのは、教育の公平性や学習者の思考力の保証を守るためです。
  • しかし、現実にはAIを下書き作成や構成補助、文法チェック、参考資料探しなどの形で利用する受験生が増えています。
  • 特に家庭や学校からの監督が届かない「自宅課題型レポート」では、使用の有無を判定する決定的手段がありません。

 

多くの人が生成AIを使用するようになると、提出するべき書類の内容はより洗練されたものになるでしょう。

 

【結果としてのレベル上昇】

  • 生成AIを活用すれば、論理構成・文章表現・引用スタイルなどが自然に整い、「最低限破綻のないレポート」が誰にでも書けるようになります。
  • よって、審査する側は、従来よりも高水準の完成度を“平均レベル”として求めざるをえなくなる。
  • つまり、全体の相対的なハードルが上がる一方で、「真に思考した形跡があるかどうか」の見極めがより重視されるようになるでしょう。

 

さて、これだけを話すのであれば、あまり有益な話になりませんので、視聴者の皆さんの知りたい「だったら今後はどうすれば良い?」ということに絞って話をしていきたいと思います。

 

【今後の変化予測】

  1. 「なぜその問いを立てたのか」「自身の経験との接点」など、AIでは補いきれない“内面の論理”を問う設問が増える可能性
  2. レポート内容だけでなく、後の面接や口頭試問で“本当に自分で書いたのか”を探る流れの強化
  3. 評価軸が「正確さ」や「構成美」よりも、「独創性」「具体性」「知的誠実さ」へとシフト

 

【まとめ】

・内発的動機づけをすること!

・無難なものではなく、自分にしか書けないことを書くこと!

・「書き方」や「小論文の型」などに縛られないこと!

【津田塾の今】かつての憧れ女子大は、どう変わった?

カテゴリー:学校紹介2025.05.25

 

【1】偏差値の変化

 保護者の方々、あるいはその世代より上の方にとっては、おそらく津田塾といえば、女子大の最高峰といったイメージがあるのではないでしょうか。ひょっとすると今もそのイメージを持たれているかたも多いかもしれません。しかし、随分と前から昔とは世間的な評価がだいぶ異なるようになってきました。津田塾がどう変わったのかをまずは偏差値の変化を通して見てみましょう。

 

【約40年前(1980年代前半〜中盤)】

  • 津田塾大学(学芸学部・英文学科など)
    • 偏差値:65〜68
    • 旧帝大レベルの共学の難関学部に迫る高偏差値
    • 津田塾大学は、早慶(特に早稲田の文系)に次ぐ最上位の女子大という位置づけ
    • 共学が当たり前でない時代、「女性エリートの象徴」だった

【現在(2025年入試)】

  • 津田塾大学(学芸学部・英語英文学科など)
    • 偏差値:52〜56(河合塾・駿台・ベネッセなど各模試平均)
    • 偏差値はMARCHより明確に下がり、成蹊・成城・獨協あたりと並ぶ位置に。

※偏差値は目安です。模試や時代によって異なります

まとめると

偏差値で約10〜15ポイントダウン!
大学ランク感覚で言うと、旧帝大クラスから中堅私大上位クラスへ
→ 「かつては超難関、今は一般的な上位私大」という位置づけに変化

 

【2】昔の津田塾

津田塾大学は1900年、津田梅子によって設立されました。まだ女性が自由に教育を受けられない時代に英語とリベラルアーツを重視する超先進的な教育を行い、“女子の東大”とも呼ばれる存在になりました。そしてバブル期までは、『津田塾ならどこにでも就職できる』というような神話すらありました。

 

当時の津田塾の強み

  • 日本初の本格的女子英語学校(当時は「英語といえば津田塾」)
  • 海外留学者を多数輩出
  • 知性と品格の象徴だった
  • 就職にも直結していた(大手企業が津田塾女子を取り合った)
  • 女子の進学先自体が少なかった時代背景もある(東大や国立大学がまだ男子中心)

 

【3】人気低下の理由

ところが1990年代以降、時代は変わります。かつては偏差値65以上で早慶と並び称されるほどの超名門だった津田塾大学が、なぜ今、偏差値は50台になったのでしょうか?そして、本当に津田塾は衰退したのでしょうか?

 

 偏差値低下の理由

  • 共学志向の拡大

⇒女子だけの環境よりも、男女共学の大学を選ぶ受験生が増加。早慶、上智・ICU・MARCHの共学化された人気学部に流れる傾向が強まった。

 

  • 実学・キャリア志向の台頭

⇒ビジネス・国際・情報・看護などの実学系学部がある大学が人気に。津田塾は学芸学部中心で、学部の選択肢が少ないのが弱み。

  • 女子大人気の低下

⇒少子化とともに、女子大学全体のブランド力が低下。保護者世代と違い、「女子大安定・安心」のイメージが若年層では薄れている。

  • 入試方式の柔軟性の差

⇒MARCHや共立女子などは多様な入試方式(共テ利用・英検利用・総合型)で広く受験生を集めている一方、津田塾はやや保守的で受験の間口が狭い

 

上記のよう原因があてはまる津田塾をはじめとした多くの伝統女子大は、苦戦を強いられました。当然、それにともなって偏差値も、かつての『超エリート校』から、いわゆる“中堅校”の位置へと変わっていきます。

 

【4】そして、現状

しかし、このまま凋落が続くのでしょうか。津田塾はただ衰退していったわけではありません。今では時代に合わせて、大きな変革を進めています。

 

変革ポイント

  • 総合政策学部を新設(文理融合型)
  • データサイエンス教育の強化
  • ICT・英語教育のアップデート
  • キャリア支援の充実(少人数制・きめ細かいサポート)

 

もともとの英語教育の強みを生かしながら、現代のリーダーシップ教育に進化しようとしています。今、津田塾は“小さいけれど個性の強い女子大”へと生まれ変わっていると言えるでしょう。

 

5【まとめ・これから】

こうした変化を遂げた津田塾は、昔のブランドにしがみつくのではなく、“これからの時代に必要な女性”を育てる大学へと変わっています。背景には、大学選びは、単なる“偏差値”だけでなく、『どんな力をつけたいか』で選ぶ時代に変わってきたということもあるでしょう。
津田塾は、

  • 英語を伸ばしたい
  • 世界で活躍したい
  • 少人数できめ細かい教育を受けたい
    そんな人にとって、今も間違いなく魅力的な選択肢だと言えるでしょう。

 

満席のお知らせ

カテゴリー:お知らせ2025.05.24

塾が満席となりましたので、募集は締め切りました。

お申込みいただいても、お断りさせていただきますことをあらかじめご了承ください。

作文が書けるようになるためのたった一つのコツ

カテゴリー:国語2025.05.18

 

今日は作文が苦手な人のために、書けるようになるたった一つのコツを教えたいと思います!対象は小学生と中学生です。小学生と中学生では、書けるようになるコツが若干ことなるので、別々に話をしていきます。

 

小学生

まずは、小学生から話をしていきましょう。作文が書けることは、ズバリ、「具体的に書くこと」。これが、小学生が作文を書けるようになるたった一つのコツです!

 

なぜ「具体的に書くこと」が大事なのか?多くの小学生が作文でつまずく理由は、「楽しかったです」「うれしかったです」「すごかったです」のように、感想だけで終わってしまうことです。でも、「何が?」「どうして?」を具体的に書くことで、一気に作文がふくらみます。

 

【例1】「楽しかった」で終わらせない

✖️ 悪い例
「ぼくは家族で海に行きました。とても楽しかったです。」

これでは、何が楽しかったのか分かりません。いつ何をしているときに楽しかったのかかを詳しく書く。

 

良い例
「ぼくは家族で海に行きました。海では、妹とカニを探しました。石を持ち上げると、赤い小さなカニが急いで歩いていて、それをつかまえたとき、とても楽しかったです。」

「何をして」「どんな様子で」「どの瞬間が楽しかったか」がわかる!

 

【例2】「うれしかった」で終わらせない

✖️ 悪い例
「テストでいい点をとれてうれしかったです。」

ただの感想で、読んだ人に伝わりません。テスト前からの話を書くとうれしく思う理由も伝わりやすくなります。

 

良い例(具体的に書く)
「テストで100点をとりました。前の日に、むずかしかった漢字を何回もノートに書いて覚えたので、その漢字が出たときに『やった!』と思いました。先生が点数を発表したとき、思わずガッツポーズをしてしまうほどうれしかったです。」

努力したことやうれしかった場面の行動があるから、気持ちが伝わる!

小学生が作文を書けるようになる【魔法の質問】

 

「楽しかった」「うれしかった」などと書いたときに、こんなふうに声をかけると効果的です!

  • 「どんなときにそう思ったの?」
  • 「そのとき、何を見た?聞いた?どんなことをした?」
  • 「体はどう動いた?声は出た?」
  • 「ほかに誰かいた?どんな様子だった?」

 

これを繰り返すだけで、作文がぐんぐん具体的になります!

 

中学生

中学生の場合は、作文や文章が「小学生っぽい」ままで止まってしまい、それが悩みになってしまうことが多くあります。中学生が作文をしっかり書けるようになるたった一つのコツを挙げるとすれば「理由や根拠を示して書くこと」です。これが、中学生が作文・小論文でレベルアップするためのたった一つのコツです!

 

なぜ「理由や根拠」が大事なのか?それは中学生になると、単なる感想文ではなく、「自分の意見を述べる力」が求められるようになるからです。しかし、多くの生徒は感想は書けても意見が書けていません。

 

【よくある例】

✖️「私は読書が大切だと思います。なぜなら、読書は良いことだからです。」

「良いことだから」では説得力がありません。理由が曖昧で、読み手に納得感を与えられません。

 

良い例(理由・根拠を示す)

「私は読書が大切だと思います。なぜなら、読書を通じてさまざまな考え方や価値観にふれることができ、自分の視野が広がるからです。実際に、私も歴史小説を読んだことで、過去の人々の生き方に興味を持つようになり、社会の授業がより楽しく感じるようになりました。」

「なぜそう思うのか」+「自分の体験や具体例」 があることで、説得力のある文章になる!

 

中学生向けのポイント

  1. 意見を書くだけで終わらない!

⇒「なぜそう考えたのか」を必ず書く習慣をつける。

  1. 理由が弱い時は「たとえば」で具体例を加える

⇒「たとえば」「実際に」「具体的には」などを使うと根拠が強くなる。自分の経験を書くと説得力が増します。

  1. 読み手を納得させる意識を持つ

⇒「相手が『なるほど』と思うにはどう書けばいいか」を考えさせる。

 

例:

テーマ:「部活動は必要か」

✖️悪い例
「私は部活動をすることは必要だと思います。楽しいからです。」

➡ これでは小学生レベルで終わってしまう。

 

良い例
「私は部活動をすることは必要だと思います。なぜなら、部活動を通じて仲間との協力や努力することの大切さを学べるからです。実際に私はサッカー部で、試合に向けて毎日練習する中で、チームワークの重要さを実感しました。この経験は、将来社会に出たときにも役立つと思います。」

理由+具体例+少し先を見据えた考え まで書けると良い。

 

まとめ

小学生も中学生も作文を書くコツは一つです。読み手に伝わるように詳しく書く!ということです。そのために、小学生の場合は、「具体的に書く」こと、中学生は「理由や根拠を示して書くこと」を意識するだけで、作文が急によいものに変わります!

 

 

【2025年首都圏中学受験 総括】

カテゴリー:中学受験2025.05.14

2025年首都圏中学受験

 どう変わった?5つのポイント!

 

こんにちは!今日はちょっと時間が経ってしまいましたが、「2025年の首都圏中学受験の総括」についてお話しします。今年の中学受験には、例年とは違う動きがたくさんありました。今回は、特に注目すべき5つのポイントを、具体的な学校名も交えてご紹介します!

 

  少子化なのに、受験率は過去最高水準!

2025年の首都圏中学受験者数は約6万2,200人と減少しましたが、受験率は15.2%と非常に高い水準でした。東京ではここ数年20%前後の受験率で、「中学受験をするのが当たり前」という環境が続いています。

 

「御三家」信仰が変化!学校選びが多様化

これまで男子なら「開成」、女子なら「桜蔭」といった御三家が圧倒的な人気を誇っていましたが、最近は「偏差値だけでなく校風や教育内容で選ぶ」家庭が増えています。

 

例:

  • 広尾学園 や 三田国際 のような先進的なカリキュラムを持つ学校
  • かえつ有明 のように探究型学習を重視する学校
  • 渋谷教育学園渋谷(渋渋) のようなグローバル教育

 

こうした特徴をもった学校が注目されるようになり、必ずしも「御三家一択」ではなくなっています。実際、多くの面談をしていて感じるのは、新しいタイプにまず保護者の方が反応しているということです。

 

中堅校の人気が急上昇!現実的な選択へ

2025年は、いわゆる中堅校の人気がさらに高まりました。

 

例:

  • 世田谷学園(落ち着いた校風+安定した進学実績)
  • 東京都市大学付属(理系教育+自由度の高い校風)
  • 恵泉女学園(探究・国際教育に力)

 

こうした学校は、落ち着いた校風や、無理なく大学進学を目指せる環境が評価されています。「難関校にこだわらず、確実に合格できる学校を選びたい」という、現実的な受験戦略が広がっています。加えて、難関校にない「面倒見の良さ」や一人ひとりの生徒に寄り添う校風が評価されているという側面もあるようです。

 

英語入試の拡大!グローバル志向の学校が人気

2025年は英語入試を実施する学校が113校に達しました。

代表的なのは、

 

  • 広尾学園
  • 三田国際学園
  • 開智日本橋学園
  • 文京学院大学女子
  •  

これらの学校は、英語教育に力を入れており、帰国子女や英語が得意な子にとって人気の選択肢です。英語を武器に、偏差値とは違う軸でチャレンジする受験生が増えています。小学生から英語をしっかりと習わせるという家庭が増えていますので、今後も英語入試を導入する学校は増加すると思われます。

 

受験スケジュールがより戦略的に!

2月1日の午前から始まり、午後、2日の午前午後、3日・・・という連日受験のスタイルから、2月4日・5日受験を活用する家庭が増加しました。入気には、学校側が入試日程のかぶりを避けるために後ろにずらしたことが挙げられます。


たとえば

 

  • 広尾学園小石川 東京都市大学付属 の後半日程を狙うケースも目立ちました。

 

「第一志望がダメでも、次で確実に押さえる」という計画的な受験が浸透しています。

 

 

まとめ

2025年の中学受験は、


偏差値重視から“校風・教育内容重視”へ
中堅校や英語入試を活用した多様な受験戦略が進化

 

来年以降も同様の傾向は続くといっても良いでしょう。

「推薦?一般?」【高1から意識したい大学受験のルートとは】

カテゴリー:大学受験2025.05.07

今回は新高1年生の人、あるいはその保護者に向けて話をしていきたいと思います。新高1生といっても、高校受験が終わったばかりの人もいれば、中高一貫校に通っていてそのまま高校生になる人もいるでしょう。今回はどちらの人にも向けた動画となっております。というのも、大学受験に向けた話になるからです。

 

まず、新高1生にもっとも訴えたいこととしては、大学受験に向けて「高1」が非常に重要であるということです。高校受験が終わったばかりの人にとっては、「え、受験が終わったばかりなのに、もう次の受験を考えないといけないの??」と思うのも無理はないでしょう。しかし、よく考えてください。中学受験であれ高校受験であれ、基本的にはローカル戦です。大学受験は全国区での戦いとなりまるので、当然ライバルの数もけた違いに多く、また学習内容にしてもはるかに難しく、また出題範囲も広いのが現実です。

さらに言いますと、大学受験がもっとも多様な受験方法があります。だからこそ、早いうちから準備をすることが重要だと声を大にして言いたいのです。

 

今回は大きく四つの章に分けて以下のような話をしていきます。

 

 第1章:大学受験の主なルートとは?

 第2章:なぜ高1が重要なのか

 第3章:進路をどう考える?親としてのサポート

 第4章:塾選びのヒント

 

このような構成で話を進めてまいります。

 

 第1章:大学受験の主なルートとは?

 現在では、一般入試で大学に合格する人の割合は既に半分を以下となっています。そうしますと、当然その他の受験方法についてもある程度の知識をもっておいたほうが良いと言えるでしょう。基本的に大学受験には以下の四つの方法があります。

 

  • 一般入試:高3で本番に向けて勝負
  • 総合型選抜:活動実績+志望理由+面接+(小論)
  • 学校推薦型選抜:評定平均と学校内順位が命
  • その他の推薦(スポーツや宗教系など):活動実績+志望理由+面接+(小論)

 

合否を決める試験内容が異なるわけですから、当然どの受験方法を選択するかによって、高校時代に力を入れるべきことが変わってきます。

 

第2章:なぜ高1が重要なのか

1章で述べたように入試方法によって、求められるものが異なるわけですから、高校時代に頑張るべきことが、入試方法によって変わってくるのです。要するに、学校で出される課題の延長に必ずしも入試に出題されるものがあるとは限らないのです。だからこそ、ゴール(志望大学とその入試方法)を意識し、そこから逆算していくことが重要になってくるのです。

  • 自分の強みをいかすには、高1の時点で受験方法を知っておくこと!
  • 評定平均は高1から積み上がる!(推薦狙いなら必須)
  • 部活やボランティア、資格などの活動も1年生からカウントされる
  • 学習習慣がこの1年で固まる→高2・高3がラクに
  • 一般入試志望でも国立と私立では何に力を入れるかが変わる。

 

学校の進路指導が必ずしもすべての入試方式に対応しているとは限らないので、自分で調べていくことが重要です。高校時代はやるべきことが山ほどある。だからこそ、初めに優先順位をつけておくことが大切になると言えるでしょう。

 

第3章:進路をどう考える?親としてのサポート

 

このように大学入試が多様化していきますと、戦いが情報戦になってきます。昔のように一般入試がメインであれば、能力=学力と分かりやすかったのですが、現在のように受験方式が多様化していますと、持っている武器を最大限いかせる入試方法を探すことが重要です。そのためには、早い段階からの情報収集が重要です。

 

  • 志望校とその大学の入試方式を早くから調べておく
  • 早めに「どんな大学生活を送りたいか」の対話を
  • 文系・理系を意識し始めるタイミング
  • 推薦を狙うなら高1で何を積み上げるか決めておく
  • 将来進みたい道などを考えさせる機会をつくる

 

 第4章:塾選びのヒント

それでは、高1で塾を探す場合、何を基準にすれば良いのでしょうか?

 

  • とりあえずの塾選びをにせず、何に力を入れるのかを明確にしてから塾を探す
  • 推薦向け:内申対策・活動サポート
  • 一般向け:基礎からの先取りと習慣化
  • 自分に合ったスタイル(集団?個別?オンライン?)

 

たとえ、最初は補講のような形での授業が必要であったとしても、それだけでは大学受験を目指せないので、合格への道筋をキチンと示してくれる塾を選ぶこと

 

 

さて、本日お話したことをまとめると、高1は準備期ではありますが、ここをどう過ごすかで選択肢が増えると言えます。推薦入試であれ一般入試であれ、どちらを目指す場合でも、スタートの意識は同じです。まずは、“何を目指すか”を親子で話してみてください。

 

ゴールデンウィーク中の授業について

カテゴリー:お知らせ2025.04.29

4月29日、5月6日は祝日ですが、通常通り授業を行います。

5月1日(木)から5月5日(月)は、お休みさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

ゴールデンウィーク期間のお休み

カテゴリー:お知らせ2025.04.26

5月1日(木)~5月5日(月)までは塾がお休みとなっております。お間違いのないようご注意ください。

学校紹介【昭和女子大附属昭和中学校・高等学校】

カテゴリー:学校紹介2025.04.22

昭和女子大学附属昭和中学校は、東京都世田谷区太子堂に位置する私立の中高一貫の女子中学校です。 アクセスは、東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋駅」から徒歩7分と便利な立地にあります。学校の設立は、大正9年でもともと文京区にありました。

高校は募集をしていない完全な六年一貫教育となっています。

入試においては、2科目、4科目、3科目から選択でき、英語資格を持つ受験生には試験免除の制度も設けています。 英語資格が利用できる入試というのは、今のはやりにのっていると言えるでしょう。

 

昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校では、生徒の多様な興味や将来の目標に応じて、以下の3つのコースを設けています。

 

  1. 本科コース:基礎的な学力を養い、多様な進路に対応する一般的なカリキュラムを提供しています。
  2. グローバル留学コース:英語力やコミュニケーション能力を高めることを目的とし、高校2年次にカナダでの10か月間のホームステイと現地校への通学を通じて、国際的な視野を広げます。
  3. スーパーサイエンスコース:理数分野に興味を持つ生徒を対象に、STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育を推進し、高度なサイエンスプログラムを展開しています。

 

英語と数学に力を入れているという意味では今のはやりにしっかりと乗っていると言えるでしょう。また、昭和⼥⼦⼤学の推薦を得たまま、他⼤学受験の準備をし進学することもでき、そういったことが理由となってか、偏差値も12年前に比べると上がっているようです。

 

2013年

卒業生 226名

首都圏模試偏差値 53と53 四谷大塚偏差値 45と47

 

 

2025年

卒業生 179名

首都圏模試偏差値 59と61  四谷大塚偏差値 46と49

 

偏差値は上がっていますが、注意が必要です。首都圏模試では偏差値が6~8上がっていますが、四谷大塚模試ではそうでもありません。大学進学実績を見ても、2013年に比べて良くなっているわけではないなぜ、首都圏模試だけ偏差値が上がったのでしょうか?背景には「模試の特性」と「受験層の違い」が関係しています。ポイントを整理します。

 

首都圏模試の偏差値が上がった理由としては、中学受験率の上昇(地元人気)が最大の理由だと思います。要は昔であれば受験しなかった人も中学受験をするようになった結果、偏差値があがったのです。一方の四谷大塚は首都圏模試よりも難しい模試であるため、受験者の顔ぶれがあまり変わってないから偏差値は大きく動かないと言えるでしょう。

 

分かりやすく言うと、

四谷大塚の偏差値は →「御三家や早慶レベルを受ける子が併願で受けたときの昭和女子の立ち位置」

首都圏模試は →「地元の子・公立併願の子が本命で受けたときの昭和女子の立ち位置」

このズレが今回の現象の正体です。

 

 

また学校の最大の特徴として、五修⽣制度というものがあります。

 

「五修生制度」は、高校3年生(6年生)の1年間に、在籍を維持しながら昭和女子大学の授業を受講できる独自の制度です。​この制度により、高校卒業後に昭和女子大学へ進学する場合、受講した大学の授業が単位として認定され、大学生活を1年早く開始することが可能となります 。​

 

主な特徴とメリット

  • 中高一貫教育の早期修了:​中高の5年間で高校卒業に必要な単位をほぼ修得し、6年生で大学の授業に参加します 。
  • 大学単位の先取り:​昭和女子大学に進学した場合、6年生で受講した大学の授業が正式な単位として認定されます 。
  • 進路の多様性:​大学生活を1年早く始めることで、留学や研究、大学院進学、就職活動などに余裕を持って取り組むことができます 。​昭和女子大学附属学校
  • ダブルディグリー制度との併用:​五修生制度とダブルディグリー制度を組み合わせることで、5年間で昭和女子大学と海外協定大学の2つの学位を取得することも可能です

この制度は、昭和女子大学附属校ならではの特色であり、生徒にとって多様な進路選択や早期の専門的学習の機会を提供しています。

 

これで攻略!総合型選抜入試

カテゴリー:ブログ2025.04.13

 

 

総合型選抜入試を考えている人は、いったい何をどうやってスタートさせれば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。今日はそのような人のために、総合型選抜入試の攻略の仕方を簡単に説明したいと思います。

 

 

総合型選抜の全体戦略を考える

 まずは、志望校を絞っていく。そして、それらの大学を受験するにあたって、何が必要なのかを調査する。学校の成績や英語の検定試験以外には一般的には下記。

 

 ・志望理由書

 ・面接

 ・小論文

 

その他よくある必要事項

 

 ・課題レポート

 ・学修計画書

 ・活動報告書

 

上記すべてをバラバラの項目として考えず、将来進みたい道⇒そのために大学で学びたいことを考え、そこからそれぞれの書類に何を書くのかを考える。将来進みたい道や職業がどうしても分からない人は、とりあえず、大学で何を学びたいのかということと、その分野を学ぶことで社会にどう貢献できるのかを考えてみましょう。

 

志望理由書・自己PRの準備

志望理由書は、提出一か月前まで、書くべきネタを集めたり、志望理由書の書き方のテキストを進めたりして、セルフストーリーを作っていく。集めたネタが多ければ多いほど、ユニークなストーリーができあがり、合格が近づく。最後のひと月で、本番の書類を仕上げる。これも推敲を練れば練るほど良い物ができあがる。大事なことは「必ず合格する!」という気持ち。気持ちが弱いと、書類も弱いものになる。

 

小論文対策のスタート

小論文の学習をするのであれば下記の手順。

 

  1. 一般的な小論文の練習
  2. 新聞や本の要約、時事問題の整理などをして自分の進みたい道の知識を増やす
  3. 志望校の過去問あるいは類似問題の対策

 

小論文の上達のコツは、信頼できる先生に添削をしてもらうこと。先生との信頼関係が重要。多くの先生に見てもらうよりも、信頼できる先生だけにチェックしてもらえば良い。書きっぱなしはよくないので、必ず誰かに添削をしてもらうこと。

 

④ 面接対策の準備

 小論文とは違って、面接の練習は多くの人にしてもらおう。というのも、慣れることが重要だからだ!それだけでなく、多くの人に面接をしてもらうことで、どういうことが質問されやすいのかがしぜんと分かってくる。さらに面白いのは、一人ひとり質問することが微妙に、あるいは大きく異なることがある。多くの質問を受けておくことで、本番に備えることができるだろう。

また、多くの高校生は無意識に、「えーと」「なんか」といった口ぐせがある。こうした口ぐせを一つひとつ直していくために、スマホで録画をして自分の話す様子を観察すると良い。

どういったことが聞かれるのかは、ネットで調べれば良い。志望理由が聞かれることもあれば、直前にあった小論文についてのみ聞かれることもある。重要なことは何が聞かれても答えられるように準備をすること。

 

⑤その他の対策

 課題レポートが課せられるところは、数か月かけて準備をする。専門の塾に通って添削をしてもらうのがベストだが、それがかなわない場合は、学校でいちばん専門分野が近い先生に添削をしてもらえばよい。活動報告書や学修計画書は、志望理由書と同時に進めるのが良い。要は、将来進みたい道があるからこそ、そこに向かって大学で何を学ぶのか(学修計画書)や、そのためにこれまで頑張ってきたこと(活動報告書)となるからだ。

 

 

以上のようなことを準備していけば良いでしょう。直前になって慌てて書き始めないようにするためも、春からしっかりと準備を進めてください!

AI時代に必要な力 これからの教育の目的

カテゴリー:その他2025.04.09

AIがますます発展していくであろうことを鑑みれば、これからの子どもたちが受けるべき教育の内容も大きくかなわらなけばならないであろうことは、容易に想像がつくでしょう。どれだけのスピードで教育を変革することができるのかは、分かりませんが、教育そのものが大きく変わっていくことは明らかだと思います。これからの教育ではこういった三つの力を養成することが求められるということについて話をしていきたいと思っています。

①問いを立てる力

高度な生成AI(例:ChatGPT)の登場で、AIは人間のように自然な会話や回答を返せるようになりました。しかしAI自体は自発的に「問い」を生み出すことができません。AIは与えられた指示や質問に従って動くため、どんな問題を解決すべきか、どんな問いを立てるべきかを考えるのは人間の役割です​。社会が複雑化し**「正解がわからない時代」**になる中では、適切な問いを設定できるかどうかが答えを導く鍵になります​。たとえば、課題そのものを見誤れば永久に答えにたどり着けません。だからこそ、問題の本質を見抜き、新たな課題を発見する力としての「問いを立てる力」が重要性を増しています。また、AIによって日常的なルーティン作業から人間が解放される一方で、人間は好奇心や探究心に基づいて新しい価値を生み出すことが期待されています。自ら「何を知りたいか」「どんな問題を解決したいか」を問う力があれば、AIでは生み出せないアイデアやイノベーションにつながります。さらに、AI時代には適切な指示をAIに与える力、いわゆるプロンプト(命令文)を作成する力も求められますが、これも問いを立てる力と表裏一体です。人間ならではの創造性や問題発見力こそが、AIをただの便利な道具に終わらせずパートナーとして活用するための土台になります​。

 

また、AIを使用するにあたっても「新たな問い」をたてなければなりません。ひと昔前にハーバード大学のサンデル教授の「トロッコ問題」というのが流行りました。簡単に説明しますと、以下のような問題です。

あなたは線路の切り替えポイントに立っています。
目の前の線路を、暴走したトロッコが走ってきます。

このまま進むと、線路の先にいる5人の作業員に突っ込んでしまい、彼らは死んでしまいます。

でも、あなたがレバーを切り替えれば、トロッコは別の線路に進みます。
その先には1人の作業員がいて、その人が犠牲になります。

さて、レバーを引きますか? それともそのままにしますか?

さて、この問いが流行ったときは、あくまでも倫理・道徳の思考実験としての問題として考えられていました。ところが、現在ではこれは現実的な話と結びついています。自動運転がその典型です。自動運転をする車が事故を起こす際、どういう状況であればどういう処置をとるという指示は人間によってあらかじめなされます。ということは、サンデル教授の問うた倫理的な問題に答えをださなければならないということです。

こうした大きな問題に対して、たとえば一企業が答えを出して良いのでしょうか?どういう答えたが最良なのでしょうか?我々は現時点でその答えを知りませんが、今後自動運転を社会で普及させていくのであれば、ある程度の共通了解を得なければならないでしょう。そのためには、「問い」が重要です。

👉 教育ではどう反映される?

  • 探究学習・プロジェクト型学習(PBL)の拡充
  • 答えのない問いへの対話型授業

 

② 情報を活かす「説明する力」とコミュニケーション能力

 AIが膨大な知識を蓄え即座に回答を提示できる時代だからこそ、人間には独自の視点を持ち、それを効果的に伝える力が求められます。AIが生み出した情報であっても、それを取捨選択し、自分の考えと結びつけてわかりやすく表現する力が必要です​。特に、生成AIの活用が広がる中で「結果をそのまま受け取るだけでなく、その意味を解釈し人に説明できる」ことが重要になります。例えば、職場でAIが分析したデータを上司や顧客に報告する際、複雑な内容を平易な言葉で説明する能力が成果を左右します​。またAIにこちらの意図を伝える場合でも、質問や指示を明確に言語化する力が不可欠です​。コミュニケーション能力は単に話し方だけでなく、文章で論理的に伝える力やプレゼンテーション能力、そして相手に「伝わる」よう工夫する力を含みます。AI時代の人間の仕事では、専門知識以上にこうした伝える力・表現する力が土台になるとも指摘されています​。なぜなら、どんなに優れたアイデアや答えも、他者に理解され共感されなければ社会に影響を与えられないからです自分の考えを説明できる力は、深い理解の証拠でもあります。子どもたちが学んだことを自分の言葉で説明する過程で、知識は単なる暗記ではなく応用可能な知恵へと深化します。また、説明力があれば他者との対話を通じて誤解を解消し、協力を引き出すこともできるため、次に述べる協力する力とも密接に結びついています。

👉 教育ではどう反映される?

  • 哲学対話・倫理教育の重視
  • STEAM教育の中で「Art(人文知)」の位置づけが強まる

③  「他者と協働する力(Co-Creation)」

チームで協働する力や対人スキルは、AIが発達するほど相対的に重要性が増すとされています​AIは一人ひとりの業務を自動化・効率化できますが、多様な人が力を合わせて問題解決するプロセスそのものを代替することはできません。現実の課題の多くは複雑で、異なる強みを持つ人同士が意見を出し合い、役割分担しながら取り組むことで解決策が生まれます。こうした場面で必要なのが協力する力(チームワークやコラボレーション能力)です。AI時代の職場では、人間同士だけでなくAIと人間が協働するチームが登場するとも言われます​。その際、人間はAIが出した結果を正しく理解し、必要に応じて修正したり、他のメンバーと共有したりする役割を担います​

 コミュニケーション力と協調性はこうしたチーム運営に不可欠です。実際、AI技術の発展によって**「むしろコミュニケーションやチームワークが一層重要になる」**という指摘もあります​。デジタル時代のコミュニケーション手段を駆使し、国や文化の異なる人とも協働できる柔軟性も求められるでしょう。さらに、相手の立場を理解する力(共感力)やリーダーシップも協力する力の一部です。AIには相手の感情を汲み取ったり、メンバーを鼓舞したりすることはできないため、人間ならではの対人関係能力がチームの成果を大きく左右します​。総じて、AIにはない人間らしさである協力する力は、AI時代の様々な課題解決やプロジェクト推進において欠かせない基盤となります。

 

👉 教育ではどう反映される?

  • グループワーク、議論型授業、異文化理解の重視
  • 聴く力・言葉のニュアンスを扱う訓練

📝 まとめ:AI時代に教育が育てるべき力

 

 

 

 

春期講習終了

カテゴリー:お知らせ2025.04.08

4月10日(木)で春期講習が終了します。11日(金)以降は通常授業となっておりますので、お間違いのないようご注意ください。

【中学受験 国語・説明文の解き方】

カテゴリー:勉強方法2025.04.04

今日は中学受験の国語で説明文が苦手な人向けに、点数を上げるためのコツを解説します。説明文のカギは「筆者の主張」を正しく読み取ること。そのためのヒントを3つ紹介します。

 

ポイント1:選択問題は消去法で!

基本的に説明文の選択問題は筆者の主張の言い換え問題です。ですから、設問の大半が「下線部の説明として最も適切なものを次のア~オから選びなさい」というような問になっています。ここでのポイントは、選択肢問題は正しい物を選ぶのではなく、間違いのあるものを排除していく、と考えることです。

解き方のコツ

  • 選択肢をスラッシュで区切る

例:現在の日本人の食生活は / 日本と欧米の料理を組み合わせて理想的な栄養バランスを保っているが、/ 今後より欧米化すれば、栄養状態が悪化する可能性がある。

 

このようにすると文の内容が三つに分かれるため、何となく考えるのではなく、それぞれ分けたところのことが本文に書かれているかどうかのチェックとなります。細かく見ると、一つ目は何も言っていないに等しいので実質二つの文章を確認する選択肢問題となります。まず、日欧の組み合わせ料理が理想的な栄養バランである、ということが書かれているかどうかのチェックをします。書かれていればOK.書かれていなければ、その時点で×をつければ良いのです。次に、今後欧米化が進むと、栄養状態が悪化する可能性があると書かれているかどうかのチェックをすれば良いのです。

要するに、説明文の問題とは結局「つまり・・・筆者の主張」ということになります。

 

◆対策法

 使用しているテキストの段落要約をする。

 

ポイント2:対比を読みこめ!

説明文の文章には、必ず筆者の主張が書かれています。たとえば、「日本人の他者とのかかわり方」について書かれている文であれば、下記のようなことが書かれています。

 例:「日本人の他者とのかかわり方」についての説明文

・日本人は他人とこのようにつきあう傾向がある。

・その原因は~だ。

一方で、他のアジア圏の人々は~のように人とつきあう。

・今後は~のように人とかかわることが重要だ

 

ここで重要視したいのは、三番目の「一方で他の~」という箇所です。ここは、対比を使った文になっています。「日本人の他者とのかかわり方」がテーマである以上、「日本人以外は?」という疑問が生じるのはもっともなことですから、対比が使われるのです。こうした対比を読み解くことで、筆者の主張がより明確になります。そのためには、毎回「しかし」「一方で」「ところが」などといった対比を示す言葉を探す癖をつけることが重要です。接続詞にチェックするのが簡単な方法です。

 

◆対策法

文章を「A○○だが、B△△である」という対比の形で簡潔にまとめる。

 

ポイント3:接続詞に印をつけろ!

中学受験において説明文はある程度、難しい語彙が使用される文章が意図的に使われる傾向があります。当然、語彙力が高いことが望ましいのですが、それでも分からない語彙にぶつかることになるでしょう。そうした場合の対策としては、文全体の流れをつかむことが良いでしょう。語彙が難しかったとしても、文の流れが分かれば、筆者の主張に沿ったことが書かれているのか、あるいは反対意見が書かれているのがつかめるからです。そのために、重要なのが接続詞の使われ方です。接続詞を意識することで文の流れを把握できます。

 

例:文章に出てくる接続詞を種類ごとに記号を変えて印をつける。

 

    • 順接(だから、そこで)→
    • 逆接(しかし、だが)→ <  >
    • 並列・追加(また、さらに)→ __
    • 例示(たとえば、つまり)→

 

◆対策法

文章内の接続詞に印をつけ、種類ごとに整理する。さらに、接続詞を使った短文を作る練習をすると理解が深まります。

 

説明文の得点を上げるには、「筆者の主張をつかむ」ことが最も重要です。今回の3つのポイントを意識しながら、日々の学習に取り入れてみてください!

 

お休みのお知らせ

カテゴリー:お知らせ2025.03.28

3月29日~4月2日は塾がお休みとなっております。

ご不便をおかけして申し訳ございませんが、この間お問合せ・ご連絡をいただいた場合、ご返信が3日以降になりますので、あらかじめご了承ください。