Kip学伸のブログ



お休みのお知らせ

カテゴリー:お知らせ2024.09.07

9月10日(火)は塾がお休みとなっております。お間違いのないようご注意ください。

YouTube登録者数が3千人!

カテゴリー:お知らせ2024.09.06

みなさまのお陰でYouTubeYouTube登録者数が3千人になりました!ありがとうございます。

毎週日曜日20時に更新しておりますので、引き続きよろしくお願いします。

 

小論 志望理由書 自分で気づかない変な日本語例

カテゴリー:志望理由書の書き方2024.08.31

 

夏期講習期間は、毎日高校生の文章を添削しています。大学受験に必要な課題レポートであったり、志望理由書だったり、あるいは小論文だったりの文章です。多くの文章を添削していくうちに、よくある「少しおかしな文」がどういうものであるのか分かってきたので、今日はそのことについて話をしたいと思います。実際に大学入試のために文章を書いている人は、参考にしてみてください。

 

 

まず、「少しおかしな文」とはどういう文なのかということを、いくつかの例を挙げて説明してみますがその前に、「少しおかしな文」は英作文でも頻出するので、まずは英語の話から始めてみます。

 

マーク・ピーターセンという方が書いた『日本人の英語』というベストセラーがあるのですが、そこによくある日本人の英作文に次のようなものを挙げていました。

 

彼は東京の大学で指導していたので、学生に英作を書かせると以下に似たような文を書く人が多いとのことです。

 

I’m from Shizuoka. So I live alone in an apartment.

 

ここで出てくるsoは「だから」という意味で使われています。訳すとこのような感じです。

 

私は静岡出身であるため、一人でアパートに住んでいる。

 

この段階で、これの何がおかしいか分からない人もいるでしょう。そういう人は、因果関係を反対に考えると分かりやすくなります

 

私は一人でアパートに住んでいる。なぜなら、静岡出身であるためだ。

 

これが変な文であることはお分かりいただけると思います。要するに、因果関係が低い二つの文を因果関係が明確なときに使うSoを使っているからです。本来であれば以下のような文の際に使用します。

 

The Italian restaurant was closed today, so I went to a sushi bar instead.

 

イタリアンレストランが閉まっていたため、私は寿司屋に行った。

 

こちらは因果関係がはっきりとしています。反対にしても文意が通じます。

 

私は寿司屋に行った。なぜなら、イタリアンレストランが閉まっていたためだ。

 

日本語は、英語ほどこうした因果関係を始めとして論理的なつながりに対してうるさくない言語だと言われていますが、それでも論理に飛躍があると違和感のある文章になります。それでは「少し変な日本語」を見てみましょう。

 

例文①

現在の日本の教育制度は、日本語を母語としない外国人児童に対して十分なサポートをしていると言いがたい。そこで、私はスクールソーシャルワーカーとなってこの問題を解決したい。

 

例文②

オープンキャンパスでフランス語の授業を受けた際、私の知的好奇心が騒いだ。そのため、二年次の秋に行われるパリ大学への交換留学に参加したい。

 

例文③

これから世界はますます多様化していくだろう。しかし、日本は協調性を重視するあまり寛容さが失われている。

 

 

上記すべてに共通して言えることは、一見すると何がおかしいのか気づきにくいのですが、よく読んでみると、接続詞の使い方が少しおかしいということです。

 

たとえば、一つ目の文章を見ると、一文目では日本の教育制度の不備を訴えています。そして次の文で自分がこの問題を解決したいと主張しています。その二つの文をつないでいるのが「そこで」という接続詞です。「そこで」というのは、「そういうわけで」という意味ですから、直訳すると、

 

日本の教育制度が充分に機能していないことが理由となって私はこの問題を解決したい。

 

ということになります。これだとおかしいということに気づくと思います。日本の教育制度というものと、私が対等の関係であたかも、日本の教育制度の機能不全を私が解決できる問題のように書かれているからです。接続詞云々の前に、根本的な原因は情報不足と言えそうですので、もう少し丁寧に説明をしなければならないのです。

 

現在の日本の教育制度は、日本語を母語としない外国人児童に対して十分なサポートをしていると言いがたい。たとえば、アメリカでは英語を話せない児童に対して、・・・・(略)。また、オーストラリアでは・・・・(略)。こうした他の先進諸国が、どういう制度で外国人児童の言語問題をサポートしているのかを貴学で学び、将来はスクールソーシャルワーカーとなって、日本にいる外国人児童をサポートできる存在になりたいと考えています。

 

日本の制度不足を伝えたあとに、比較対象としてアメリカとオーストラリアを加えました。特に最後は接続詞をいれなくても、流れが自然であれば十分に伝わるものになります。また解決するとせずに、サポートできる存在になりたい、と書けばあまりおかしな印象にはなりません。

 

次の文章を見てみましょう。

 

オープンキャンパスでフランス語の授業を受けた際、私の知的好奇心が騒いだ。そのため、二年次の秋に行われるパリ大学への交換留学に参加したい。

 

この文は、そもそも無理やりオープンキャンパスのことと、大学の留学制度をつないでいるような印象を受けます。まず、「そのため」というのは「それが原因(理由)となって」という意味です。直訳すると以下のようになります。

 

知的好奇心が騒いだことが理由となって、交換留学に参加したい。

 

論理展開だけ見ますと、何もおかしなことはありませんが、何か表現が大げさな印象を受けないでしょうか。その理由はおそらく、前文が単にフランス語の授業を受けて刺激を受けたということしか書かれていないからです。知的な刺激を受けたのであれば、具体的に書くべきです。授業を受けたことと交換留学をすることには大きな隔たりがありますから、その隔たりを埋める、何か説明がいるのです。

 

小さなころからバレーを習ってきた私にとって、フランス語は憧れの言語でした。オープンキャンパスでフランス語の授業を受けた際に、小さいころに誓った「必ずフランス語を話せるようになる!」という自分の夢を思い出しました。貴学に入学できれば二年次の秋に行われるパリ大学への交換留学に何としてでも参加したいと強い思いをもっています。

 

ここでも、説明を加えただけで流れが自然になり、最後に接続詞をいれなくても、十分に伝わることが分かると思います。

 

さて、最後の文は少し毛色が違います。

 

 

これから世界はますます多様化していくだろう。しかし、日本は協調性を重視するあまり寛容さが失われている。

 

これは一読しただけで、逆説になっていないことに気づくはずです。こういうミスを自分はしないと思っている人は多いかもしれませんが、逆説になっていない「しかし」を使用する人は思いのほか多いのです。自分で文を書くと、頭の中に論理展開ができているので、省略をしても何となく分かってしまうことが原因です。ただし、正しい逆説の使い方は簡単で、述部の部分が前文の述部に対して正しく逆説になっているかどうかだけに気をつかえば良いのです。

 

これから世界はますます多様化していくだろう。しかし、日本社会は協調性を重視するあまり、まだまだ多様化しているとは言いがたい。

 

このようにすれば、「多様化していく」と「多様化していない」という反対の意味する文をつなぐ言葉として「しかし」が機能します。

 

三つ「少しおかしな日本語例」を見ましたが、こうした接続詞の使い方をする人が多いのには理由があると思います。

 

もともと、日本語は英語をはじめとした西洋の言語と比べると論理よりも情緒を重視していると言われてきました。たとえば、文豪の谷崎はその著書のなかで接続詞を多用すると無駄な言葉が多くなり、文の重みがなくなるため、あまり使用しないことを薦めました。また若いころから美文家として有名だった三島由紀夫も接続詞を文頭に置くことで、文の格調が失われると、接続詞の使用を戒めています。

 

一方で、現代では文章の論理構造を明らかにするために、接続詞を頭にもってきて、読み手に分かりやすくすることは推奨される傾向があります。たとえば、「相手に伝わるメールの書き方」といったことをGoogleで検索してみると、おそらく接続詞を推奨しているサイトが多いと思います。こうした現代の流れを受けて、高校生が接続詞を多用しているのだと思います。接続詞は文と文の関係を論理的につなぐ役割を果たしますから、論理的な文章を書くことを目的とする場合、接続詞を分かりやすく使うことは重要ですが、文章というのは論理だけで説得力を増すものでもありません。

 

今回挙げた例も三つのうち二つは、もともとあった接続詞を削り、説明を増やしただけです。そのほうが読み手に伝わりやすいというのは実感できたのではないでしょうか。

青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科ってどんなところ?

カテゴリー:学校紹介2024.08.27

卒塾生の美咲さんが出演してくれました。青学の理工学部情報テクノロジー学科について色々と聞いてみました。

動画はこちらから

通常授業は7日(土)から

カテゴリー:お知らせ2024.08.24

9月7日(土)より通常授業となります。お間違いのないようご注意ください。

【中学受験】小6の夏期講習で成績が伸びるタイプとは?

カテゴリー:中学受験2024.08.23

夏期講習も終盤になってきました。

 

毎年、9月頭の模試や10月の模試で成績が伸びる生徒が必ずいます。これはおそらくどこの塾でもそうでしょう。しかし、一方で伸びない人もいるというのもどこでも一緒だと思います。一体成績の伸びる人と伸びない人は何が異なるのでしょうか

天王山の戦いを制するために、特に保護者の方は夏期講習で偏差値を1でも伸ばすのに必死だと思いますので、そのヒントになることがあれば幸いです。

 

ふだんから長時間の学習時間が必要とはいえ、中学受験でもっとも学習時間を確保できるのは、小6の夏休み、そう夏期講習です。この小6の夏期講習は物理的に長時間であるということだけではなく、小4や小5とは勉強に向かう気持ちも大きく異なります

 

長時間の学習時間が確保できれば、その時間を弱点補強や復習にあてることができ、結果として成績が伸びるというのはだれでも分かることです。要するに時間をうまく使えれば誰だって成績が上がるという話です。

 

ところが、実際はそうはなりません。だからといって、学習時間が大きく異なるわけでもありません。というのも、学習時間の確保は特殊な例を除いて全員に平等に与えられているからです。したがって、みんなが上手に夏を過ごすことができれば、全員学力がつくことになり、偏差値に変化は生じないことになります

 

もちろん、現実はそんなことはありません。学力差は開く一方である、というのが毎年の結果を見ての感想です。

 

差が広がる最大の理由は、長時間確保できる勉強時間をどうやって過ごしているかが大きく異なるから、というしごくシンプルな理由です。最大のポイントは集中力です。

 

自塾では小6生は週に5日、毎日6時間~8時間授業がありますが、集中して取り組めている生徒とそうでない生徒とでは取り組む姿勢が、そもそもまったく異なります。ほとんど金太郎飴のように、集中している生徒はどこの時間帯をとっても集中している一方で、集中できない生徒はいつも気が散漫の状態です。時間が長くなるため、学習の進みも2倍3倍といったものではなく、大げさではなく本当に10倍、20倍の違いが生じます。それが40日前後続くわけですから、その差はかなり大きくなります。当然、夏休み後の模試に大きな差が生じるようになるのです。

 

ところで、集中できる人とそうでない人との違いというのは、集中力があるかどうかとは実は別問題だと思います。というのも、集中できない人が必ずしも、集中力がないわけではないからです。勉強に集中して取り組めなくても、自分の好きなことであれば集中できる人は多いことは分かると思います。ゲームをすると多くの男の子はとんでもない集中力を発揮するでしょう。

 

ですから問題はそうではなく、好き・嫌いにかかわらず、しなければならないことに対して集中できるかどうかではないでしょうか。

 

このことに関しましては、長年講師として小学生とかかわってきて思うことがあります。それは、能力うんぬんとは違った気質的なことが大きくかかわっているのではないかということです。長時間にわたって集中力を発揮できる人には次の2パターンあるのではないかと思っています。もちろん、すべて当てはまるとは思いませんが、小6の夏期講習で集中力が持続して結果を出す人はおよそこのどちらかに当てはまると思っています。

 

  • 負けず嫌い

 とにかく人に負けたくない、という気持ちが強く、その気持ちですべてを乗り切る。勉強に対する集中というよりも、負けたくないという気持ちが前面に出ている。

 

  • 内弁慶

内弁慶の人は外地蔵であることが多く、塾でおとなしくしながら淡々と勉強ができる人が多い。外交的でだれとでも話せる人は、すぐに友達を作って話をするので、淡々と勉強することができない傾向が強い。内弁慶の人も家では話し相手がいるために集中して取り組めないが、外では話さない分、集中して取り組める。

過去の生徒を振り返って夏期講習で劇的に成績が伸びたのは上記の二つのどちらかのパターンが多かったと記憶します。

ただし、この二つはどちらかというと気質的なことですので変えることはできないと思っています。そういうとガッカリされる方も多いかもしれませんが、これはあくまでも小学6年生の話です。高校受験や大学受験では話がまた変わってきます。また、今お話した二つの気質に当てはまらない場合でも、成績が伸びる人はいると思いますので、諦めることなくできることをしていきましょう。

台風による休講のお知らせ

カテゴリー:お知らせ2024.08.15

 

明日16日(金)は台風7号が関東地方を直撃するとの予報が出ております。皆様の安全の確保のため、明日はすべての授業を休講といたします。ご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。なお、明日の朝の時点で予報が変わりましても、休校の予定は変わりませんのでお間違いのないようご注意ください。

 

振替授業は漢検が実施される21日(水)を予定しております。下記をご覧になっていただき、ご希望される時間帯をお伝えください。

 

・中学受験6年生⇒13時~19時(4コマ目はございません)。連絡も不要です。

・漢検を受検されない方⇒10時半~ご希望の時間帯

・漢検を受検される方⇒13時~ご希望の時間帯

・中高生は基本的に17時~、19時~のみ。

・21日(水)が終日ダメな方⇒候補日をいくつかお伝えください。

 

ご希望の日程が調整できないこともございますので、その場合は日を改めていたくこともございます。予めご了承ください。

 

以上となります。なお、明日は自習室も閉鎖し、スタッフもお休みとさせていただきます。お電話やLINEでのご連絡にはご返信できませんので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 

 

Kip学伸

 

お休みのお知らせ

カテゴリー:お知らせ2024.08.08

8月9日(金)~8月13日(火)までは塾がお休みとなっております。お間違いのないようご注意ください。

中学時代に優秀だった人ほど陥るワナ

カテゴリー:大学受験2024.08.01

都道府県によってテスト形式や点数配分は異なるものの、公立の高校受験において中学校の成績が小さくない比率でかかわってくるという点において、全国の高校受験は一緒だと言えます。提出物を忘れることなく提出して、テスト前だけに徹夜をするのではなく、日ごろからコツコツと全科目の学習ができている人が良い成績を修められます。ただし、ここで言う「良い成績」とは、その人の学力的な能力に比べてということです。要するに、もし成績が実力テストのようなもので測るとしたら、もう少しその成績は下がるであろうということです。中学の成績はそうした学力的なもの以外の要素が大きいのです。もちろん中には本当に実力もある人もいるでしょう。

 

こういった人たちの強みは、自分の学習スタイルが既に確立されていることにあります。ところが、高校ではこの強みが、弱みに転換することがあるのです。今日はそういった話をしたいと思います。

 

学習面で言いますと高校と中学の最大の違いは学ぶできことの量と質にあります。まずは量から考えてみましょう。

 

中学時代は「数学」や「英語」を学びますが、高校では「数Ⅰ」「数A」となり、英語も「英語コミュニケーション」と「論理・表現」と別れます。単純に学ぶべき量がまず増えます。ちなみに、学習指導要領が変わって「コミュニケーション英語」が「英語コミュニケーション」になったのですが、習得すべき語彙数も1800から2500に増えました。ただでさえ、高校では中学よりも単語数が増えるのに、指導要領の改訂にともなって、より覚えなければならない単語の量も増えたのです。変わるのは量だけではありません。

 

たとえば、中3では二次関数を学びますが、原点を通るものに限定されています。ところが、高校ではそうとは限らなくなります。もちろん当たり前に難しくなるのです。中3と高1で理解力が大きく変わるわけではありません。しかし、学ぶ内容がより難しくなるのですから、理解をするのにより時間がかかるというのは、だれでも分かると思います。

 

さて、では中学時代に真面目に全科目をコツコツと学習していた人が、同じ要領で高校時代も学習をするとどうなるのでしょうか

 

残念ながら成績が下がる傾向が強いと言えます。中学時代と同じように進めようと思っても、まず量が多く、そのうえ難しくなるのですから、同じようにできずにテストで結果が出なくなるのは当然です。勉強量を少し増やした程度ではとても太刀打ちできません。ポイントは、中学時代ではコツコツすることで成績をとれたために、同じノリで高校時代の勉強をこなそうとすると、うまくいかなくなってしまうということです。

 

では反対に高校時代に成績が伸びるのはどういう人でしょうか?一つは中学時代から、高校時代を意識した勉強をしていた人です。たとえば、中学時代であれば英語を学ぶ際に、教科書を丸暗記したり、試験範囲の文法事項を丸暗記したりしてしまえば、点数がとれることもめずらしくありません。(to 不定詞の話)コツコツと学習できる人なかには、このような学習方法をとる人が少なくありません。反対に教科書を丸暗記したり、文法を丸暗記したりはしていなくても、文法の理解を深める学習をしていれば、そのときのテストの結果に必ずしも結びつかなくても、その理解のうえに次に学ぶべき文法が積みあがっていきますので、高校時代に開花することも珍しくありませんただ、これは本人の問題というよりも、指導者の問題であることが多いのです。ですから、中学時代にどういう先生に学ぶのかというのが重要になってきます。公立中学の定期テストをコピーして、翌年以降の生徒に暗記させ、定期テストで点数をとらせるという方針の塾もありますが、そういう勉強法は結局王道の勉強法には勝てません。

 

また、英語と数学を高校入学時までにある程度先取り学習をしている人もうまく学習の波に乗れることが多いと言えます。お伝えしたとおり、高校では学ぶべきことが多いうえに難しいのですから、高校に入る前に簡単な問題で構わないので一通り、英語であれば文法をすべて、数学であれば数Ⅰと数Aを終わらせてしまうのです。そうすれば、学校の授業を受ける際に、一度学んだことであるため、理解が深まるのです。英数に余裕をもって臨めれば、他の科目に時間をかけられるようになりますので、結果的に全体的な成績が上がるようになります。

 

以上のことを踏まえますと、高1の1学期で中学ほどの成績が修められなかった人は、この夏に頑張れば良いということになります。英語は丸暗記という方法を止めて、文法事項を嫌がらずに徹底的に理解する。そして、高校で学ぶべき単元を一通り終わらせる。数学も数Ⅰと数Aを終わらせる。それらができれば、二学期以降変わってくると思います。

大学受験を見据えての中学受験・高校受験 

カテゴリー:ブログ2024.07.21

中学受験や高校受験で大学付属の学校を受験するのではなない限り、多くの人が大学受験を真剣に考慮したうえで、志望校を選んでいるわけではないでしょう。大半の人が、自分の偏差値と相談しながらどこを受験するかを考えると思います。また塾のほうでも少しでも偏差値が高い学校を推してくるはずです。

 

ところで、Kip学伸では小学生から高校生まで教えているため、大学受験が現在どういうものなのかが分かっています。大学受験と、中学・高校受験の違いはいくつもありますが、その一つが選択肢の多さです。選択肢というのは、受験できる学校が多いということではなく、数多くのタイプの受験方式が存在するということです。

 

たとえば、指定校推薦は学校の成績が良い人にとって有利な受験方式です。しかも、早くに大学が決まります。

 

総合型選抜入試やAO入試、自己推薦などは多様です。基本的には学校の成績+書類や小論、面接で合否が決まります

 

一般受験はみなさんがイメージされる通りですが、国立と私立では科目数が異なるため、何が得意で何が不得意なのかによって、向き不向きが変わってきます。

 

こうした受験方式を知ったからといって、実際の中学や高校生活が分かるわけではないので、「なんの参考になるんだ?」と思われる方もいるでしょう。

 

しかし、このように考えてみてください。たとえば、今ここに二人の高校受験が終わったばかりの二人がいるとします。一人は、勉強を頑張って何とか偏差値の高い公立高校にギリギリで合格することができました。もう一人は、同じ公立高校を受験したものの合格をもらえずに滑り止めで受験した私立高校に行くことになりました。

公立高校に入った人は、憧れの高校に入ったものの、周りのレベルが高く、ついていくのに精いっぱい。一方の私立に行った人は、滑り止めで入った学校のため、成績が優秀。

 

さて、こうした状況が続きますと、私立に行った人は、学校での成績が良いために

 

・指定校推薦

・総合型選抜入試

・一般入試

と選択肢が増えます。最初の二つは学校の成績が良くないとダメですから、成績が良いことで受験条件をクリアできます。一方、どんなに良い高校に行っても学校内の成績が良くないのであれば、指定校推薦も総合型選抜もそもそも受験することができません

 

もちろん、入学時の成績がそのまま続くはずがないという反論ももちろんあるでしょう。確かにそのとおりで、入試の成績がそのまま続くとは限りませんが、それでも中学受験とは違って、高校で学ぶ内容は、中学で学んだものの延長です。中受で使う算数の特殊算は数学では使いませんが、中学で習う代数は高校時代も必須です

 

また、英語は中学からです。ですから、中学受験での成績とはまったく無関係です。しかし、高校受験では英語は必須です。しかも、高校で習う単元は基本的に中学で学んだものをより詳細に、あるいはそこから発展して学ぶものになっています。ですから、入試の時点での成績がその後の成績と近いものになるというは、あながち嘘ではないのです。

 

もちろん、こうしたケースばかりであるわけではありませんから、偏差値を無理に上げずに滑り止めの学校に行ったほうが良いと言いたいのではありません。

 

あくまでも、そういうことがありえる。自分よりも学力の低い人が、より難関と言われる大学に行くことが、中学や高校の受験に比べて起こりやすいということをお伝えしているのです。であるからこそ、そうしたことも念頭に置いて学校を選ばれると良いと思うのです。

 

特に高校受験に特化した塾では、少しでも偏差値の高い高校が良いという風潮があります。(もちろん中学受験に特化した塾も)また、そうした競争原理が働く場所にいるからこそ、より偏差値の高い高校に行きたいというモチベーションにもつながるというメリットもあります。しかし、どこかで最終学歴が大学であるということを念頭に置いておくことで、最後にどこの学校を受験するかを決める際に、冷静に判断を下すことができるのではないかと思います。

 

夏期講習の日程

カテゴリー:お知らせ2024.07.18

7月19日(金)より、9月6日(金)まで夏期講習となりますので、通常授業はなくなります。お間違いのないようご注意ください。

夏期講習の日程配布

カテゴリー:お知らせ2024.07.13

夏期講習の日程配布が始まりました。

ご確認ください。後半の日程は7月初旬となります。

【中学1年生】期末テストで悪かった人はこうすれば良い!

カテゴリー:私立中学生2024.07.07

中学一年生のみなさんはようやく新しい学校生活に慣れたころでしょうか。私立中学に通っている人は、なんとか中学受験で合格したのだから、もうしばらくは勉強したくないと保護者の方を含めて思っている人は多いでしょう。小学4年生、場合によってはもっと前から塾に入り、勉強を最優先してきた日々。私立中学に入った以上、しばらくはのんびりと過ごしたいと思うのも、むべなるかなと言えるでしょう。

 

ところが、そういった思いとは裏腹に学校の学習は容赦なく進んでいきます。のんびりしている暇もありません。特に進学校の場合は、速く進むだけではなく難しさも加わります。

 

とはいえ、一学期の中間テストは、公立中学であっても私立中学であってもさすがにそこまで学習進度が進んでいないこともあり、壊滅的な点数をとる人はそこまで多くありません。問題は一学期の期末と二学期の定期テストです。数学で言えば「一次方程式の利用」、英語で言うと「三単現」の単元が出題されるときが、一気に平均点が下がるときです。

 

一度悪い成績をとった場合に、すぐに修正ができれば良いのですが、多くの場合は「次頑張る」と言ってあまり変化がないまま進みます。これはすでに一歩、負のスパイラルに足を踏み入れています。

 

科目の中でも、理科や社会であれば、各単元に必ずしもつながりがあるわけではないので、次のテストの範囲のみを少し頑張れば、点数に結びつくことも多いのですが、英語や数学はそうはいきません。be動詞と一般動詞の区別がつかないままですと、どこまでいっても英語が苦手なままです。

 

私立中学に進学した人にとって、中学1年生と2年生で大事なことは学習習慣がついているかどうかです。公立中学生は、中1で習慣をつけないと中3の時点で受験態勢に入っていくのは難しくなります。

 

英語・数学は

 

予習をする⇒授業を聞いて復習をする⇒定期テスト前に復習をする

 

という流れを作るのです。これができれば、無理することなく一つの単元を三回学習することになるので、結果として学んだことが身につくのです。

 

反対に

 

授業でよく理解できなかった⇒テスト前に慌てる⇒テストで点数がとれない⇒改善されない

 

という流れに乗ってしまうと、完全に負のスパイラルにはまってしまいます。その最初の分岐点が中1の一学期期末、もしくは二学期の中間なのです。ここで思ったほどの点数がとれていなければ、学習スケジュールを見直したほうが良いでしょう。この時点であれば間に合います。特に夏休み前に気づけば、塾に入るなり、夏の課題を与えるなどして、取り戻せるでしょう。学習スケジュールをつくっていくポイントはまず、数か月単位で作ることです。

 

 

新学期であれば4月~7月といった一学期すべて、次は7月~8月の夏休み。その次は、二学期といった感じです。

 

その数か月でどこまで進めるかの予定を立てて、それを月割りにし、さらに週単位に落としていくのです。そうすれば、毎週何をしなければいけないのかが分かってきます。

 

しかし、流れに乗れていないことにも気づいていないまま進んでしまいますと、次に手を打つ時期はだいたい中3になってからになってしまいます。

 

中1に成績が悪い⇒叱るけど改善されず⇒中2も同じ状況⇒中3で「なんとかしなければ大変」と家族みんなが気づく

 

このような流れになってしまう人が一定数います。ここから流れを作り直すことができないとは言いません。頑張れば何とかなるからです。しかし、大変であることは強調しても強調しきれません。

 

たとえば、九九でつまずいた人が小3、小4の算数でうまくいくと思いますか?小4の段階で九九を覚え直しながら、学校で学んでいることも同時並行で進めなければいけない状況を想像すればその大変さは理解してもらえるのではないでしょうか。

 

すべての科目を頑張るというのは、一部の人を除いて現実的ではありません。ある程度の流れに乗るために、英語と数学の先取り学習をできるような学習スケジュールを作りましょう。

 

もう一度言いますが、一学期の期末、もしくは二学期の中間が分かれ目になりますので、そのときの点数を見て、手を打たなければならないのであれば、すぐに手を打つようにしましょう。

【小学生】英語学習の落とし穴

カテゴリー:勉強方法2024.06.23

 

英語教育の重要性がますます高まり、いつの頃からか、英語ができれば大学受験でも高校受験でも、そして中学受験でさえも有利であるようになりました。そのため、小学生から英語を学ぶ人も増えています。そしてそれに伴い、英検を早いうちから取得する人も多いのではないでしょうか。

 

早いうちから学習したほうが語学の習得は良いとされていますから、当然早い段階から始めることは良いことです。実際、小学生のうちから英語を学んでいる人は、中学時代に良い成績をとることができ、英語が得意科目になることもめずらしくありませんただし、ここに落とし穴があるので、その落とし穴について今日は話をしていきます。

 

小さいときから英語を学習する最大のメリットは、「自然に学ぶことができる」ことです。それはちょうどわれわれが日本語を自然に学んだように英語を学ぶという考え方です。この「自然に学ぶことができる」というのは、感覚的に英語が分かることとも言えます。

 

ですから、小学生のうちから英語に触れることで、大人が学ぶのとは違った方法で学べます。自然に学ぶことができることで、特にスピーキングやリスニングはかなり上達すると言えるでしょう。もちろん、週に1度程度の学習ではネイティブスピーカーのようになれませんが、それでも英検でいえば3級程度の単語や言い回しは自然に覚えられると思います。中学に入っても英語が得意科目となり、中学時代はうまく進みます。

 

こんな良いことばかりありそうな小学生からの英語教育ですが、弱点がないわけではありません。というのも、このような学習をしてきた人の多くが、高校の勉強が始まったくらいから、「あれ、何かうまくいかない」と思うことが多くなり、覚える単語が多くなり、しだいに良い成績をとることが難しくなってくるからです。

 

というのも高校英語あたりから、文法事項が細かくなってくるので、基本的な文法が頭に入っていないと、次のステップにうまく進められないのです。感覚的に分かっていた人は、理屈が分かっていないので、自分の感覚外にあるものが理解できなくなります。たとえば、日本語の助詞の「が」と「は」の違いを説明できる人はあまり多くないでしょう。しかし、その違いを説明できなくても、我々は自然に区別できます。

 

「机の上にペンがある。そのペンは私のものだ」

「机の上にペンはある。そのペンが私のものだ」

 

では明らかに後者がおかしいのに、おかしい理由を説明するのは、我々にとって難しいものです。こうしたことからもお分かりいただけるように、いったん感覚で身についたものをレベルアップされるために、後付けで理屈を入れるのは難しいことです。

 

もちろん、ネイティブのように生まれたときから毎日英語を浴びていれば、理屈抜きでも習得できるのでしょう。ちょうど我々が「が」と「は」の使い分けを間違えないように。が、小学生くらいから週に何度か英語を習うくらいですと同じようには習得できるはずがありません。

 

たとえば、次のような英語の違いが分かるかどうかが一つの指標です。

 

I found the book easy.

I found the book easily.

 

単語そのものは中1・中2で学習する簡単なものです。感覚的に英語を身につけたひとは、この違いが分からないことが多いのです。しかし、文法事項をしっかりと身につければ、何も難しいことはありません。

 

I /  found /  the book /  easy.

S    V         O          C

 

これはⅤ文型と呼ばれるもので、O=C となり、その本=簡単 となります。要するに、「私はその本が簡単であることが分かった」となります。一方の文は次のようになります。

 

I /  found /  the book /  easily.

S    V         O         M

 

最後のeasilyは副詞です。この文ではfoundという動詞を修飾するので、「私は、その本を簡単に見つけた」となります。

 

つまり、二つの文は最後の単語の語尾が違うだけなのですが、意味としてはまったく異なるものとなります。感覚で英語を捉えている人は、下記のことを理解していません

 

・「easy」、「easily」のそれぞれの品詞を分かっていない。

・「find」は三文型と五文型を作ることができる動詞。

 

 

文法を学んだ人は、単語を品詞で考え、また文型を考えるため文の構造が見えるのです。もちろんこの文は、中学一年で学ぶ単語しか入っていないので、感覚的に分かってしまう人もいるでしょう。ただし、単語がより難しくなったり、関係詞が入った複雑な構造になったりすると、感覚だけでは捉えられなくなってきます。

 

要は、単語を単に覚えていくような勉強法では限界がくるのです。文章の構造を読み解くには、文の要素を分けて構造を読み取れなければなりません。

 

何度でも強調したいのは、小学生のときに英語が得意な人ほど、後に英語で伸び悩み苦しむことになることが多いのです。

 

とはいえ、小学生のときから文法事項をしっかりと学ぶのは楽しいことではありません。嫌いになってしまえば元も子もありませんから、楽しみながら進めていくことも小学生にとっては重要です。

 

最良の方法は、そうした感覚的に英語を捉えることから始めつつも、いずれそれでは通用しなくなることを保護者の方が分かっており、そのことを踏まえたうえでどこかの段階で、きちんと文法事項も学ばせることです。

【中学受験国語 】 記述問題が苦手な人

カテゴリー:国語2024.06.16

国語が苦手という人の中でも、もっとも多いのは記述問題が苦手という人です。物語や説明文、随筆など長文の種類を問わず、とにかく記述が苦手という人は一定数います。

 

仮に、選択問題はできているのに記述問題だけいつも空白であるといった場合は、その根本的な理由は簡単です。

 

それは、書き方が分からないからです。

 

要は、選択問題ができていれば、読解はある程度できているということになります。読解はできてはいるが、設問で聞かれたことに、自分の言葉で書こうとするとそれがうまくいかないのです。

 

では、なぜ書き方が分からないのでしょうかその答えもいたってシンプルです。書かなければならない文が長すぎるからと言えます。

 

たとえば、

「何々をしたのはだれですか?」という問いであれば、人名を書けば良いだけですから書けないということはないはずです。

 

しかし、これが次のようになれば難しくなってくるはずです。

 

「何某さんは私にとってどういう存在でしたか?」という問題で、模範解答が

 

「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれ、将来私の進む道に強い影響を与えてくれた、今の私にとってもかけがえのない存在」

 

であったとします。これで65字ありますからわりと量があると言えるでしょう。記述が苦手な人にとっては、強敵な問題です。これをいきなり書かせようとするから書けなくなるのです。

こうした問題に対して白紙で答案を出したり、完全にズレている解答を書いている人に、模範解答を見せたり、教えたりしてもあまり意味はありません

 

こうした問題の場合、

 

「~の存在」の「~」に入る部分が最重要なわけです。上記であれば「かけがえのない存在」ということになります。そこから「なぜかけがえのない存在といえるのか」を考えていき、次に、「将来私の進む道に強い影響を与えてくれたから今の私にとってもかけがえのない存在」となっていくのです。

 

ただし、まだ字数が足りないのでその他の理由も探します。「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれた存在」となり、それらを合わせて解答をつくっていきます。

 

こうしたプロセスで解答を作っていくのですが、何も書けない人に、これをいきなりしようと思ってもできません。

 

こういう場合の訓練は、国語の読解問題をするよりも、むしろ作文の練習のほうが効果的です。

 

例を挙げてみましょう。

 

「おじいさんは毎朝畑に行きます」

 

という文があれば、これに修飾語をつけていくのです。そのときに問いをつけると良いでしょう。

 

「どのようなおじいさんですか?」

「いつは畑にいきますか?」

 

そうすると、

 

「来年90歳になるぼくの隣に住んでいるおじいさんは、毎朝日の出とともに、畑に行きます」

 

といった文ができます。前半は「おじいさん」を修飾する言葉、後半は「行きます」を修飾する言葉を追加しています。まずは、こうした訓練をしていきます。ここからさらに増やしていく方法としては、因果関係や比較する対象を追加するというのがあります。

 

比較の文

「おばあさんが毎日お昼まで寝ているのに対し、一方のおじいさんは毎朝畑に行きます。」

 

因果関係の文

「若いときは夜型人間でそういう生活はもう嫌だと思ったために、おじいさんは毎朝畑に行きます」

 

これらすべては核となる「おじいさんは毎朝畑に行きます」というところを変えていません。国語の記述問題も基本的に考え方は同じで良く、まずは最短の答えを考え、そこに追加していくのです。それが因果関係なのか、比較なのか、あるいは体言止めとなるものなのかといった違いはありますが、基本的な考え方は同じです。

 

ということは、そもそも最短の答えが分かっていなければなりません。そこの箇所が分かっていない人はおそらく選択問題もできていないはずです。その場合は、読む文章を短いものから始めると良いでしょう。もっと簡単に言うと、今使用しているテキストが難しすぎるのです。もちろん、通っている塾の方針もあるでしょうから、テキストを変更することは難しいかもしれません。ただ、簡単な読解ができていない場合、難しい問題をしても学力アップにはつながらないので、短くて内容が分かる文から始めることを強く勧めます。

 

さて、こうした短文を書く訓練をしていくことで、書き方がわかっていき、その結果として長い文章、記述問題も書けるようになります。

【上智大学公募推薦】課題レポートの書き方のヒント 応用編

カテゴリー:小論文2024.06.11

daigaku_toudai上智大学の公募推薦には、基本的に課題レポートを課せられます。合格に近づくため、その課題レポートで、ライバルたちと差をつけることも一つの方法です。

今日は、そのレポートの効果的な書き方を紹介します。

①読み手を意識するために、意外性を入れる

たとえば、「キリンの首の骨は7つ」ということを伝える場合、以下の二つでどちらのほうが効果的でしょうか。

A「キリンの首の長さは約2メートルあり、その骨の数は七つだ」

B「キリンの首の長さは約2メートルもあるのに、その骨の数は人間と同じ 七つしかない」

 

どちらも「キリンの首の骨は七つ」という事実が書かれていますが、「骨の数が七つ」であることをより効果的に伝えているのはBであることは分かると思います。骨の数が七つというのは多いのか少ないのかは一般の人には判断ができないと思いますが、「2メートルもあるのに」骨の数が「人間と同じ」と書くことで意外性が伝わるのです。他にも例を挙げてみましょう。以前、中3生に作文の授業で50字の自己PRを書かせたことがありました。その中の一人の生徒が書いてきたのは以下のような文章でした。

数学が得意で学年トップを2回とりました。それは長所である諦めないことがいかされていると思います。

50字のPRにおいて最大のポイントはたった50字しか書けないことです。ですから工夫しなければ伝えたいことは伝わりません。ここでは、「数学が得意」「学年トップ」「諦めない性格」などのアピールがされています。自己PRとして形は整っていますが、少し一本調子なのが否めません。こうした場合に、少し意外性を入れると一気に読み手の好奇心が揺さぶられます。

粘り強い思考を武器に得意な数学は学年トップ。でも、机に積まれているのは、数学の本ではなくワンピース。

「ワンピース」というのは中学生に人気のある漫画です。数学が好きというアピールだけですと、だたの「ガリ勉」に思われかねません。せっかくのPRですから、そこに数学とまったく関係のない漫画の話を入れることで、実際に書かれていること(この場合、数学が得意で漫画も好きであるということ)以上のことが伝わります。読み手は、書き手のことに興味をもつようになります。

ちなみに、書き出しに意外性を入れるのがもっとも効果的であり、そのため多くの小説の書き出しはそのような工夫が施されています。たとえば日本でおそらくもっとも有名な書き出しであるのは、

「吾輩は猫である。名前はまだない」ではないでしょうか。まず、「吾輩」という格式ばった言い方と「猫」というのがちぐはぐない組み合わせです。そのうえ、名前がないとくるのですから、この後どういう展開に続くのか気になるところです。

②ネタを逆張りで考えてみる

「逆張り」というのは、他の人とあえて反対の意見を主張することです。たとえば、多くの人が

日本は今後、ますます就労人口が減っていくが反対に高齢者の数は増えるため、財政がひっ迫し、経済的にはジリ貧になっていく。

と主張しているとします。要するに少子高齢化によって、財政が悪化し、経済成長の足を引っ張るという主張です。現に多くの識者もこのようなことを言っています。しかし、「逆張り」の発想では、他の人とあえて反対のことを言うので以下のような主張になります。

日本は今後、就労人口が減り高齢者の数は増えるが、大きなチャンスだと言える。というのも、少子高齢化が進むというのは、ほとんどの先進国に見られる現象であるため、その良いモデルを作ることができれば、多くの国が日本を見習うことになる。

ポイントは、多くの人が述べそうなことをまずは考える。もちろん、その意見の良い点も悪い点も含めて。そのうえで、その意見とはまったく違う、あるいはまったく反対の意見を理屈付けできる形で述べるのです。

③海外の視点を入れてみる

みなさんは、オーストラリアで使用されている世界地図を見たことがありますか?

オーストラリアの世界地図は、オーストラリアが中心になっています。日本の世界地図は日本が中心です。誤解している人もいるのですが、日本の世界地図であるから日本が真ん中にくるように描かれているのです。

オーストラリアの世界地図は南北も反対になっており、見たことがない人も多いのではないでしょうか。世界地図というのは、基本的に自国を中心に作られています。オーストラリアは南半球の国ですから、当然われわれ北半球の国とは上下が反対です。こうした他国の世界地図を見ると見慣れた日本も少し違って見えないでしょうか?

反対にオーストラリア人にとっては、オーストラリアが真ん中に描かれた世界地図は、見慣れた世界地図です。こうして考えますと、「世界地図」と一口にいっても、なにを中心にするかによって見え方は変わってきます。そして、これは単に世界地図に留まらずあらゆる社会現象についても言えることです。日本で報道されるニュースは日本の視点です。当然、同じニュースが別の国では違って報道されています。

このことを敷衍(ふえん)しますと、あるグローバルイシュー(世界的に話題となっているような社会事象)について考える際に、「外国人(たとえばアメリカに住んでいるアメリカ人)であれば、この問題についてどのように考えるのだろう」と考える習慣をつければ、これまでとは違ったものの見方ができるかもしれないということです。こうした「視点」をレポートの中に入れることによってライバルたちに差をつけることができます。

以上の三点を意識して課題レポートを書くと他の人とは差別化できるものが書けると思います。

夏期講習のお知らせ

カテゴリー:お知らせ2024.06.05

夏期講習のお知らせが12日(水)から配布されます。ご確認いただきますようよろしくお願いします。

YouTubeの登録者数

カテゴリー:お知らせ2024.05.30

YouTubeの登録者数が2900になりました。ありがとうございます。

頑張ってこの夏に3000まで到達したいと思いますので、お友達にぜひご紹介ください。よろしくお願いします。

総合型選抜入試 本を探すヒント

カテゴリー:小論文2024.05.04

 

総合型選抜入試を考えていたり、志望したりする人は、自分の進みたい方向性を知るために本を読むことを薦められることも多いでしょう。まとまって情報を得るためには、本を読むのが最上の方法だからです。

 

ところが、実際本を買おうとなると難しい場合がすくなくありません。というのも、まずみなさんは本を買おうとするとどうやって調べますか?おそらくは、第一にインターネットを使って検索するでしょう。しかし、本を買いなれていない人が、良い本に巡り合うのは簡単なことではありません

たとえば、あなたが将来、小学校や中学校の先生、あるいは学校に関わる職業に就きたいと考えているとします。その場合に知らなければならないこととして、

 

 ・学校教員とはどういう仕事なのか

 ・現在は学校でどういう問題が生じているのか

 

といった、これまでの学校のありかたが挙げられます。しかし、それだけではなく、今後の学校に求められることが何なのかということも当然必要になるでしょう。というのも、今後の学校は、多国籍・他民族化するはずです。そうすると、学校のありかたそのものが、これまでと大きく変わるわけですから、どうあるべきなのかと問われてくるはずです。また、少子化のスピードは行政予想よりも速いスピードで進んでいます。その影響も無視できません。

 

上記のようなことを学びたいと思って本を調べようと思っても探すのが難しいはずです。学校関係だけの本ではなく、少子化や、「外国人との共生」、あるいは「日本語を話せない生徒」など少し考えるだけでも、問題が多岐にわたるからです。ネットで検索するにしても、おそらくうまくいかないでしょう。

 

また、ネットだけではなく、本屋さんに行っても、ジャンル別に本棚が分かれていますが、「教育」のところなのか「社会」のところなのか、あるいはどこの棚を見れば良いのかで悩むうえに、そもそも高校生にとって手頃な本があるとは限りません。

 

こうしたことを踏まえて、本を探す良い方法を二つ紹介したいと思います。

 

一つ目は、新書です。塾では、本を買う際は基本的に「新書」を薦めています。値段が手頃なうえに、まとまった知識が入るからです。今から新書の魅力についていくつか話をしていきたいと思います。新書の最大の魅力は、自然科学から文芸、歴史に至るまで幅広い知識が手軽に入手できることです。

 

とはいえ、新書にも多くの出版社があり、大きな本屋さんに行っていざ棚を見ようと思うと、気が遠くなるはずです。また、新書は膨大な数の出版点数があり、しかもジャンル別に棚に並んでいるわけではありません。要するに本屋さんで探すのには向いていないのです。

 

新書を探すコツは、新書の目録に目を通すことです。ネットでも探せますので、四つの会社を紹介したいと思います。

 

 

次にお薦めの方法は、図書館の司書さんに聞くのです。司書というのは、本に関するプロですから、自分が知りたいことを伝えることができれば良い本や、どこの棚を見ればよいかを教えてくれます。図書館で本を借りればお金もかかりません。自分でネット検索するよりも、プロの人に聞いた方が有益な情報を得られます。

 

このようにして必要な本を読んで、情報収集をしていきましょう。情報は多ければ多いほど使えるネタも増えますので、ぜひ早めに行動を起こしましょう!