Kip学伸のブログ



入試後だからこそできること

カテゴリー:中学受験2024.03.07

入試が終わりました。志望校に合格した人、残念ながらあと一歩届かなかった人、それぞれ結果を受けとめていると思います。

いつまでも喜びや悲しみにひたっていられませんから、気持ちを切り替えて次に進むことは重要ですが、せっかくですので、入試を含めた受験勉強そのものを一度振り返ることをしてみることをお勧めします。

 

その理由をいくつか挙げてみましょう。

  • 入試というのは本気を出さなければならない。そのうえで結果が出る。だからこそ人の性格、特に弱いところが出るので、そういう自分の弱点と向き合える良い機会。
  • そもそも、人間の弱さというのは自覚をしない限り、簡単に変わらない。しかも、人間というのは、大きな失敗をする場合だいたい掘り下げていくと同じ原因にいきつきます。ではその原因の根本と向き合うことができれば、同じ失敗はしないようになる。

 

要するに普段であればごまかせるような性格的な弱さであっても、勝負のときにはその弱さが全面的に出るのです。だからこそ、入試直後というのは、その弱さと向き合う良い機会ではないかと思うのです。

たとえば、入試がうまくいかなった人を考えてみましょう。その失敗の原因にはどういうものがあるのか、いくつか挙げてみます。

 A 惜敗のケース

志望校に合格はできなかったものの、かなりおしいところでの勝負となった。あと少しで合格できたであろうケース。こうした場合は、受験態勢に入るのが遅かったことや、詰めの甘さなどが原因であることが多い。往々にして情報不足の状態で始めることが多いので、次は情報収集を早い段階からすることで、次の勝負の機会の際は同じ過ちをせずにすむ。

まt、反省とともに自分の強みも分かったはずなので、何が自分の強みなのか(本番に強いとか、根性があるとか、スイッチが入ると別人になれるとか)を分析できているとなお、次の機会に良い結果となる。

 

B 惨敗のケース

志望校に合格できず、滑り止めと思っていた学校にも落ちた場合。こういうケースの場合は、自分の学力を客観的に見ることができていないことが多い。「何とかなるだろう」「自分なら受かるだろう」と楽観的に考えている。「自分ならできる」と自分を信じることは重要だが、一方で自分の学力と志望校との距離を冷静に見ることのできる客観的な視点も重要。そもそも保護者のほうでも、志望校が高い方がモチベーションに繋がると思い込み、家族で暴走してう。

また、この惨敗のケースは、プライドの高さゆえに高めの学校ばかりを狙うということも多い。このケースの場合は、自分の性格を(つらいことではあるが)分析することが次につながる。学習の仕方や塾云々よりも、なぜ自分がこの志望校を選んだのかについて深く考えることが重要。現実の自分と、自分が思っている自分の乖離が大きいと、何をしてもいつも同じ失敗になりやすいので要注意。

 

C 学力が伸びなかったケース

受験期に猛勉強をしたにもかかわらず、思ったほど学力が伸びなった人は、何が原因で伸びなかったのかを考えるべき。

たとえば、

・要領の悪い学習方法の場合は、終わらせた参考書やテキストが少ない場合が多い。どれくらいの      量なのか数えてみて、他の受験生と比較をしてみれば良い)

・途中で気持ちが折れていた。⇒強くなるか、自分の弱さを受け入れ、弱いなりにできることを 考えるか。

・分からない問題の対処の仕方ができていない。 極端な例では、分からない問題を放置したり、あるいは反対にすべて先生に聞こうとしたりする。暗記系は、時間をかけずに自分ですぐに覚え、解答解説を見ても分からない問題のみを先生に聞くなどする。

 

D 頼れる人がいなかったケース

 

受験は最後には一人になるとはいえ、一人で過酷な受験を乗り越えることは難しい。であるからこそ、周りの協力が重要。学校や塾の先生だれか一人でも良いので、本心から相談ができるようにしておく。それができないと、自分のことが客観的に見られなくなることが多い。予備校や塾に通えない人は、今はYouTubeもあるので心の支えを見つけておく。頼れる人がいない状態で受験をし、うまくいかなかった人は、どうすれば人に頼れるのかを次の課題として考える。

 

分析をしていけばもっともっと出てくると思いますが、受験がうまくいった人もそうでなかった人も、受験というものを通して、自分の強みや弱みを冷静に見つめて次のときにその分析をいかせるようにすれば、次はもっと良い結果にめぐまれると思います。

 

 

【高校受験】都立三田高等学校合格!

カテゴリー:高校受験2024.03.01

小4からの生徒であるKさんから都立三田高校の合格通知が届きました!

おめでとう!最後の最後まで全力を出し続けたのが勝負の決めてになりましたね。

高校受験と大学受験の違い

カテゴリー:大学受験2024.02.29

2023年度の大学進学率は57.7パーセントで過去最高を記録しました。大学進学率は高まる一方です。2023年度現在、大学の数はおよそ800校あり、高3生の数が今のおよそ倍いた1990年には507校しかなかったことを考えると、大学の数の増え方が分かと思います。しかし、大学の数は増加の一方をたどっていますが、実はその半分以上は定員割れをしているのが現状です。

 

これが意味することは、人気大学はますます人気大学になるということです。実際、明確な志望校がない人であっても、どういう大学に行きたいのかを聞くと、返ってくる答えは難関有名私大が圧倒的に多いのです。そもそも、知っている大学が有名難関大学ばかりというのが現実でしょう。もちろん出てくる大学に地域差はあるでしょうが、都会の有名難関大学に進学したいという人が圧倒的に多いはずです。

 

一方、高校受験の場合は基本的には地元での選択となるので、全国区での勝負となりません

 

こうした違いは、受験のありかたにも大きく影響していますから、大学受験を高校受験と同じノリで考えているとうまくいきません

 

では、具体的に何が違うのでしょうか。

 

まずは大学受験が高校受験委比べて、大変な点を挙げてみましょう。

 

大変な点

  • 高校受験に比べ、受験倍率が高くなる。

およそ、高校受験は1~4倍、大学受験が5倍から20倍ほど。

  • 問われる知識の量が数倍。

英単語をとっても、高校受験は2500語覚えれば良いが、大学入試はその倍以上を覚えなければならない。その他の科目も同様に覚えるべき量や解くべき問題量が膨大なため、高校受験を一年で乗り越えた人も、大学受験は一年でこなすのはまず無理。

  • 高校受験では見えてこなかった層がライバルとなる。

高校受験の際に受験していた模試はあくまでも高校受験用。中学受験で進学校に行った人はそもそもそういう模試を受験していない。こうした人たちが大学受験の際には登場してくる。

 

このような大変な点がありますが、大変な点ばかりではありません。高校受験よりも良い点も存在します。

良い点

  • 大学入試は多様化しているので苦手な科目や受験方法を避け、得意科目や得意方法で受験することができる。

総合型選抜入試を始め、指定校推薦、公募推薦といった制度から、一般受験においても科目を選べたり、英語は民間試験のみでもOKだったりと多様化しているので自分の武器を活かせる。

  • 頭の良しあしよりも、継続してきた努力が報われやすい。

覚える量が多いからこし、長い時間をかけてじっくりと取り組んできた人が報われやすい。その意味で、早い段階から準備をしておけば、優位に立てる。

 

こうしたことの他に、高校受験と大学受験にはもっと別の意味での違いが存在します。

 

最大の違い

  • 将来への影響力が高校の何十倍、何百倍。

そうなのです。どこの大学を出たのかということはどこの高校を出たのかというよりもはるかに影響をもつのです。だからこそ真剣に考えるべきです。

 

結論として、高校受験に比べ大学受験は人生への影響の強さもあり、はるかに大変ではあありますが、自分の強みを活かせる受験方式もあるため、戦略を立てることが重要になってくると言えるでしょう。

 

戦略を立てる前提として、情報収集が重要になってくるため、できるだけ早くから興味のある大学の受験方式などを調べ、その受験方式に合った学習を進めることが重要です。

【合格体験記】東工大付属科学技術高等学校合格

カテゴリー:高校受験2024.02.28

合格できた理由 

東工大付属に合格したK君は小3からKipに通っています。ご兄弟も通塾され、面談にはご夫婦で来られ、K君の成長する姿をご家族とともにずっと見守ってきました。小さな子に優しく、勉強も好きなK君ですが、中学受験の際は気持ちの弱さからか、塾や学校を休みがちになってしまいました。中学生になるときに、本人とお父様に次の高校受験に向かう前に自分の弱さと向かうことが大切であるといったことをお話しました。当時話が彼にどこまで通じていたのか分かりませんが、彼が中3生になった際に、若干の不安がなかったわけではありませんでした。

しかし、実際に蓋を開けてみると、こちらが思っていたよりもはるかにたくましくなっていたK君がいました。彼は中2の4月から塾内で学力模試を毎月受験していたのですが、一年で偏差値は10以上伸びました。特に中3になってから伸びました。周りも当然のように勉強に取り組んでいる受験生のときに、偏差値を伸ばすというのはなかなか大変なことです。彼の合格体験記にあるように、おそらく入試を自分のこととして受け止め、自分なりに課題に取り組んだ結果だと思います。素晴らしい受験になったことを心より喜んでいます。本当におめでとう!

 

私は三年前に中学受験をして落ちています。辛い思いをしましたが、今回の高校受験では第一志望校である東工大附属に無事に受かりました。合格には二つの大きな理由があったと思います。一つ目の理由は、目的をもったことです。私の場合、中学受験は、親に言われるまましていました。その当時将来の夢もなく、なんのために中学受験をしているのかも自分では分かっていませんでした。しかし、今回の高校受験においては、将来の夢である建築士になる夢を叶えるために高校から建築を学びたいという大きな目的がありました。目的があったことが、合格できたかなり大きな理由だったと思います。二つ目は塾の先生と担任の先生のサポートです。私は過去問を冬休み前から始め、6年分の過去問を二周半しました。東工大附属の数学はとても難しく、問6にいたっては、一問も解けないことが多くありました。そのとき、塾の先生は丁寧に教えてくださりました。また私の担任の先生はよく「引き寄せの法則」について話してくれました。これは、「落ちると思っていたら落ちる」という意味らしいです。私はこの言葉を信じて、落ちると思ってしまったときは「絶対に受かる」と声に出して言っていました。こうした塾の先生と担任の先生のサポートがなければ、絶対に受かっていなかったと思います。

私が高校受験で成功できた理由は、目的をもって臨めたこととサポートをしてくれる人がいたことです。自分の力だけでは、合格できていたかどうか分かりません。私がお世話になった塾の先生や私を支えてくださった人達、本当にありがとうございました。

 

【合格体験記】東大付属推薦合格

カテゴリー:ブログ2024.02.16

個性で勝負!

 

昨年度東大付属に推薦で合格したO君は、とても個性的な男の子でした。

将来は、メイクで人を幸せにしたいと言っていました。

最近、自宅にこもってふさぎこんでいるというおばあちゃんの家に行って、メイクを施してあげると、おばあちゃんの顔に笑顔が戻ったと書いた作文は印象に残りました。自分でもメイクをし、お母さんの話によると、コスメ関連はお母さんよりもずっと詳しいそうです。

そんな彼がkip学伸に入塾したのは5年生の秋とかなり遅めでした。ただ、入塾当初からマックスで塾に通い、ものすごいスピードで後れを取り戻していき、最終的には通常カリキュラムに追いついたので、短期間で相当の努力をしたのは事実です。

作文は、目の付け所の良いものが多く、切り込む視点も一風変わっているため、それが彼の個性となってより印象に残りました。

推薦入試前にはお母様が書いた推薦書の添削を数回行い、彼の個性を押さえつけることなく伸ばしてくれそうな東大付属に、志望理由を書きました。添削されるのを嫌がる保護者の方が多い中、積極的に提出していただきました。

推薦入試日も、いつもどおりに長髪の中にメッシュの入った髪形で受験をし、見事に合格をいただきました。

入試当日だからといって、彼の表現である髪形を変えることもなく、堂々と自分を出せた彼の勝利です。

 

おめでとうございます!

 

【高校受験】東京工業大学 附属科学技術高等学校合格!

カテゴリー:高校受験2024.02.15

小3から通塾しているK君から国立の東京工業大学付属科学技術高等学校に合格したと連絡がありました。おめでとうございます!合格体験記はこちらより

メリトクラシーとは何か?

カテゴリー:AO入試・総合型選抜入試/小論文対策2024.02.08

みなさんご存じのように日本には、明治になるまで身分制度がありました。生まれながらに身分があり、その身分によって職業が決まっているという制度です。日本に限らず、近代化以前は、ほとんどの国で見られた制度です。明治とともに近代化が進み、その過程で身分制度が廃止され、その人の能力によって地位が決まっていくようになりました。これをメリトクラシーと言います。もちろん、現代の日本はメリトクラシーと言えます。

 

もともとメリトクラシーというのは、メリット(「業績、功績」)とクラシー(cracy、ギリシャ語で「支配、統治」を意味する。その他クラシーがつく単語としてdemocracy 民主主義 Aristocracy 貴族政治 bureaucracy 官僚政治などがある)を組み合わせた造語です。

 

日本語では、「能力主義」と訳されるのが主流ですが、本来は「功績主義」「業績主義」といったほうが原語に忠実のように思います。

 

この言葉は、イギリスの社会学者マイケル・ヤングによる1958年の著書『Rise of the Meritocracy』から出てきました。

多くの人にとって、メリトクラシーは違和感がないでしょう。生まれ持った身分よりもその人の実力で社会的階層が決まるのであれば、努力のしがいがあるというものです。簡単に言うと、学歴というはしごを登ることができるのがメリトクラシーです。

 

ところで、先ほどのヤングの本で生まれたこの言葉ですが、悪い意味で使われていました。本の内容は、知能指数と努力だけですべてが決まる「メリトクラシー」を採用したディストピア的近未来を舞台とした風刺的なものとなっており、最後には、傲慢で大衆の感情から遊離したエリートたちを大衆が覆すという結末になっていました。つまり、悪い意味で使用されていたのです。

しかし、広く使われるようになるにつれて、「生まれよりも能力を重視して統治者を選ぶシステム」という前向きな意味合いで使われるようになりました。みなさんも、言葉の概念を聞いてこうした意味に聞こえるのではないでしょうか。

 

しかし、努力によって社会的階層が変わるメリトクラシーに問題がないわけではありません

 

能力が評価されると言われるこのメリトクラシーですが、そもそも能力とは何でしょうか?

 

たとえば、一例に学力や学歴が挙げられるでしょう。そもそも、学力や学歴はその人の努力だけによって得られるものなのでしょうか?というのも、与えられる機会が平等であると言えるでしょうか?たとえば、都市部に住んでいる豊かな人と、離島でクラス貧しい人とで同じ教育や文化的恩恵を受けることはできるのでしょうか。生まれながらにある能力はずっと同じであるというより、生まれた環境、育った環境によっても能力が変わってくるのではないかという疑問は当然のように思えます。しかもそれが何世代化に渡ってのこととなれば、その差は大きくなる可能性が拡がります。東大に合格した人の親の年収が高いということを聞いたことがある人も多いと思います。教育にお金をかけられるからだということでしょう。そうすると当然、富める者はその「能力」を身につけ、貧しいものはなかなか能力を身につける機会がなくなっていきます。

ちなみに、このメリトクラシーの究極型がペアレントクラシーと言われています。最近はやった言葉の「親ガチャ」がまさに同じ意味です。親によって子どもの人生が決まってしまうのです。

こうした社会では当然、その差は広がります。

それがここ数十年、先進国で言われる「分断」です。グローバル化が進むことでますます豊かになるグローバルリッチと、貧困の連鎖から抜け出せない人の差が埋まるどころか広がる一方となり、それが社会問題となっているのです。移民の多い欧米では完全にそうした分断が起こっています。日本も今後は無縁ではなくなるでしょう。

 

この「分断」をなくしていくには、メリトクラシーという制度のそのものを見直していかなければなりません。

 

そのためのポイントは「能力とは何か?」ということになると思います。能力というのはその性質上社会的なものです。要するに社会が決めたものだということです。別の側面からいうと社会が認めれば、これまで能力とみなされなかったことでも能力だと認められるということです。

これは「多様性」の一側面です。価値観が同じですと、いきつくところは、その価値観で認められるポジション争いになり、究極的に親までいってしまいます。しかし、認められる価値が無限にあれば、努力や富だけがはしごを登る手段ではなくなるのです。

【中学受験】成城学園合格!

カテゴリー:中学受験2024.02.03

Hさんから成城学園合格の連絡がありました!

おめでとうございます!!

模試では厳しい判定ばかりだったので、見事な逆転合格です。

本当におめでとう♪

【中学受験】工学院大学付属中学合格!

カテゴリー:中学受験2024.02.01

R君から工学院大学付属中学合格の合格の連絡が届きました!

おめでとうございます!!

お母様も一安心!

【中学受験】多摩大聖ヶ丘中学合格!

カテゴリー:中学受験2024.02.01

先ほど、Mさんより多摩大付属聖ヶ丘中学に合格しましたと報告がありました。おめでとうございます!!

お母様もお疲れさまでした!

【中学受験】学校選びのヒント!

カテゴリー:中学受験2024.01.21

中学受験で学校を選ぶとなりますと、みなさんは何を基準にされるでしょうか?多くの方は、志望する学校の偏差値や進学実績それから当然通学時間、それに加えて学費なんかを参考にされるのではないでしょうか。

 

今挙げたようなものは、基本的に調べればすぐに分かることですので、今日はそうしたこととは少し違って視点で学校選びについて話をしたいと思います。

 

そもそも義務教育である中学にわざわざ高い学費を払って行かせる意味とは何でしょうか?もちろん、答えは一つではなく、各家庭で違ったものとなるでしょう。しかし、究極的に言えば、それは「より良い環境でわが子を学ばせる」という一言につきないでしょうか?

 

たとえば、多くの人にとって学校選びの基準となる偏差値や進学実績というのは、「良い環境」の定義にあてはまるとも言えるでしょう。そして、十代という人生の黄金期に、より良い環境で学ぶことで、わが子が社会に出たときに活躍する人材となることを考えられていると思います。

 

ただ、現在は社会が激変しています。とりわけ日本の凋落が言われるようになって久しく、何かを変えなければいけないとずっと言われ続けています。こういう時代ですと、教育において何が正解なのかは分かりづらいですが、だからこそ保護者の方に考えていただくことが重要であると思うのです。

 

大雑把な話をしますと、昭和から平成の時代は、日本は欧米を目指していました。「追いつけ、追い越せ」の精神です。こうした場合は、前を走っている欧米に正解がありますので、その正解を参考にしてきました。そうした社会を反映して、その結果として、我々の教育が作られてきました。入試はその一つです。

 

しかし、気づけば日本の地位は国際的に下がっており、浮上する気配はまだまだ見られません。何とかしなければならないとは言われていますが、どうなるかは誰にも分かりません。日本を取り巻く環境が今後どうなっていくのかは分かりませんが、一方でおそらくこのような変化は生じるであろうと分かることもあります。

 

たとえば、今後の社会は、デジタル化が進みAIの性能がますます上がっていくことが必至です。そうしますと、人間に求められるのは当然AIにできないことになりますので、「コミュニケーション力や行動力」が求められるでしょう。

 

また、グローバル化が進めば当然社会も多様化し、その結果としてこれまでにはなかった問題もたくさん出てくるでしょう。それらに対する解決方法は一つとは限りません。何が正解であるかというより、どうやって他の人に納得してもらえる答えを提示できるかというのが重要になるでしょう。

 

こうした社会の変化に対して学校は何をわが子に教育してくれるのだろうか?という視点で、学校選択をすることはできるはずです。

 

コミュニケーション力や行動力といったものを育てる教育は、これまであまり重視されてきませんでしたが、今後は変わってくるでしょう。学校はそれに対してどういうカリキュラムを用意してくれるでしょうか?

 

あるいは、答えが一つとは限らない問題に対して、どうやって粘り強く答えを出していくのか。こうした課題解決型の学習をどうやっておこなっていくのか

 

グローバル社会における多様性や異文化理解をどうやって育むのか?

 

昔と同じようにただただ先生が、教場で生徒に知識を伝えるだけでは上記のような能力は育まれないでしょう。だからといって、「これが正解」というものがあるわけでもありません。だからこそ、学校の個性も見える時代になったとも言えるのではないでしょうか。

 

このように、今後起こるであろう社会的な変化を考慮して、そうした変化に学校がどう向き合っているのかという姿勢を見るだけでも、大学進学実績や偏差値だけではない学校選びが見えてくると思います。

 

そのためには、当然保護者の方の社会に対する考え方や学校に求めるものというのが軸としてあることが求められます。

わが子が受験をしたいと言いだしたら

カテゴリー:ブログ2024.01.14

今年度も中学受験率が過去最高を更新しそうです。昨年の23区の受験率がほぼ20%でしたので、今年度も五人に一人は受験をすることになりそうです。もっとも受験率の高い文京区に至ってはその割合は50%近いようです。

受験率が高まった原因はいくつか挙げられると思うのですが、たとえば受験率が3割程度になってきますと、友達の影響が原因で受験を始める人が増えてくるのではないでしょうか。要するに、保護者の方の方針としては中学受験をするつもりはなかったのに、友達の影響で受験をするという現象です。

こうしたケースの場合は、残念ながら保護者の方がそもそも受験をするつもりがなかったために、情報不足であったり、学習の習慣がうまくつけられなかったりというところからの受験勉強スタートとなり、結果として、年が進むごとに大変さを実感し、受験を止めようかどうかで悩むというところまで至ることが多々あります。当然、その最大の理由は成績です。成績が上がらないどころか下がる一方で、改善の兆しが見られなくなるのです。

 

要は、よく分からないまま、受験勉強を始めたもののうまく勉強の波に乗れずに、成績が上がらず、到底志望校合格が望めそうになく、どうしようかと悩まれるのです。

 

こうしたケースは大変多いのですが、この悩みから抜け出すのは簡単です。まず保護者の方の認識を改めることです。こうしたケースの方の多くは

 

  • 志望校がそもそも難関校である
  • とりあえず大手の塾に入れてみた
  • 保護者の情報収集が少ない

 

といった特徴があります。

 

まず、①に関して言いますと、たとえば偏差値65というのをどうとらえるのかという問題がありますが、中学受験における偏差値65は(これも模試の種類によって大きく異なりますが)、非常にレベルが高く、高校受験でいう75以上と言えます。要するに最難関です。

 

お父さんやお母さんが受験した高校の偏差値を思い返してみてください。偏差値65を目指すということは、かなりレベルの高いところを準備もなく目指すということになります。野球を始めたいと言いだしたお子さんが、ご両親の協力なくして甲子園に行けることはありません。小学生のうちから目指している人の中でも一握りの人のみが行けるのが甲子園です。

要するに甲子園に行く人は、行くべくして行くのです。勉強も同様に、難関校を目指す人は、そのための準備をお子さんが小さいころからしてきたということです。こうした認識がないために、志望校の偏差値とお子さんの偏差値に乖離が生じるのです。

 

確かに以前であれば中学受験というと

 

・難しい

・勉強のできる人の世界

 

というイメージをもたれるかたも多かったと思いかもしれませんが、これだけ受験者数が増えているのですから、すべてが難しい学校のはずがありません。重要なことは、とりあえず、お子さんが言いだした受験とはいえ、「わが子が受験をする意味」ということをまずは保護者の方が考えることが第一です。

 

 

そもそも私立中学に行くメリットとして、

 

・自分が気に入った学校に行ける

・勉強する環境が整っている

・新しい時代の教育が受けられる

・好きなことに打ち込める

 

というようなことが挙げられます。こうした視点で学校を調べるだけで、見方が変わってきます。また、最終学歴が大学であることを考えますと、どこの中学に行くかというのは、スタート地点に立つということに過ぎません。中学受験までの数年よりも、その後の6年のほうが重要なのは言うまでもありません。だからこそ、「わが子にはこういう教育を受けてほしい」と思わせる学校はどこなのかという視点で学校を選んでほしいと思います。

 

次に②の塾の問題が挙げられます。確かに受験のことが分からなければ、周りのママ友に聞いてよく名前の挙がる駅前にある大手の塾に通うことから始まるのは当然のことかもしれません。しかし、いざ入塾してみると、授業についていって、模試を受け続けることの大変さに閉口する保護者の方も多いでしょう。親子で疲弊してしまうことも少なくありません。

 

大手の進学塾の多くは、難関中学の合格者数を競っています。だからこそ、開成中学何名合格といった宣伝をするのです。そうすると、大手の塾の場合クラス分けがされているとはいえ、そもそも目指すべき志望校が高く設定されていることが少なくありません。

 

そうしますと、最初の①の話に戻りまして、そもそも塾が設定しているゴールが高いために無理が生じるということになります。塾によって対応の差がありますが、基本的には大手の塾は競争原理が働き、その競争にうまく乗った人には熱心に指導してくれますが、乗れていない人に対して熱心に働きかけてくれるということはありません

 

こうした状況が続くことで、受験を諦めようかなとなってくるのです。そうしたときに、保護者の方からよく出てくる言葉が、

 

 

 ・本人の自主性が出てきたら

 ・自覚するようになったら

 

なのですが、先のことは分からないとはいえ、先延ばしをしたからといって、お子さんの自主性が数年後に芽生えるとは限りません。受験勉強を続けることがベストな選択かどうかはもちろん分かりませんが、一度走り始めたのであれば、保護者の方の認識を改めることで、良い方向に受験をもっていける可能性は十分にあると思います。

 

埼玉栄中学合格!

カテゴリー:中学受験2024.01.11

埼玉栄中学に合格したという報告をいただきました。おめでとうございます!!!

【合格体験記】上智大学文学部哲学科

カテゴリー:AO入試・総合型選抜入試/小論文対策2024.01.10

『大沢先生との哲学対話』

 Yさんはお父様と一緒に最初の塾の面談に来ました。上智の哲学科に行って、「神様は存在するのかどうか」ということについて神学の立場ではなく哲学の立場から考えたいと言ったことがとても印象に残っています。入塾当初の彼女の文章力や基本的な哲学知識は正直に言うと、上智に合格できるレベルではありませんでしたが、私自身が学生時代に哲学が好きだったというのもあり、自分の知っていること、考えてきたことを彼女に伝えたいという思いはあり、それを彼女が吸収できれば彼女の希望に沿った形で合格することができると信じていました。

 

彼女の最大の強みは「めげずに書く力」でした。最後のひと月は毎日毎日三千字を超える文を書いては、添削という日々でした。合格への強い信念がなければできるものではありません。小論と面接があった日に彼女は報告に来て、テスト前日まで話していたことが小論のテーマとして出たこと、面接が比較的「圧迫」であったことを聞き、彼女の合格を確信しました。そして、10日ほど後の合格発表の日に、自分の足で合格を伝えに来てくれました。

 

 

私が哲学科に行きたいと思ったのは高校3年生の5月くらいでした。元々一つのことをじっくり考えることが好きな性格でもあり、大学で哲学を学んでみたらきっと楽しいに違いないと思ったことがきっかけです。そこで私は最初、一般受験で哲学科のある大学を受けようと考えました。しかし親が上智大学に哲学科の公募推薦があることを教えてくれたことがきっかけで、自分で上智の公募についての対策塾をインターネットで調べkipを見つけました。そしてkipのサイトに書いてあった上智の公募についての詳細を読んだり、大沢先生が挙げていた上智の公募に関するYouTubeを見たりしていくなかで、本気で上智に行きたいという強い思いを持っていれば上智の公募を目指すことができると考えるようになりました。そこで私も上智の公募を第一志望にして、本気で目指していこうと思いました。

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しかし、私は上智の公募を目指すためにKipに入塾することを決意したものの、ある一つの大きな不安がありました。それは哲学の知識がほとんどないという点です。私は自分の中で考えてみたいと思うテーマを漠然と持っていた一方で、学校で倫理の授業を取っていなかったり、独学で哲学書を読んでいた訳でもなかったりしたため哲学の基礎的な知識に欠けていました。実際、上智の公募で哲学科を目指すためには、4000字の課題レポートを書かないといけなかったり、当日も小論文と面接の試験があったりするため、哲学の知識がある程度頭に入っていないとそれらに対応することができません。ではなぜ私が哲学科を最後まで目指し続け、最後は合格を手にすることができたのか。それは大沢先生がいたからです。

 

振り返るとKipに入塾した高3の6月からの日々は大沢先生との哲学的な対話の積み重ねでした。大沢先生は哲学の知識が豊富でした。そして大沢先生はその哲学の知識をただ私に一方的に教えるのではなく、対話を通して私に考える機会を与えてくれました。たとえば「道徳と倫理の違いって何だと思う?」「自我があるから可能になることってなんだと思う?」「アイデンティティって何によって成り立つものだと思う?」このように今まで気に留めることがなかった沢山の問いを私に投げかけてくれました。そのおかげで私は自分自身で考える思考力と、さらに対話の中で哲学の知識も自然と身につけることができました。また私は、先生の仰っていることで分からない部分があったり、哲学者の考え方で理解することができない部分があったりする場合は、すぐにその場で先生に質問しました。すると先生は私の疑問点がなくなるまで、さらに詳しく説明してくれました。しかし私は先生が詳しく説明してくれてもなお、まだ理解することができないこともあり、自分の中で先生が仰っている意味をしっかりと理解するのに3週間くらいかかったこともありました。そのような中でも先生は、私が完全に理解できるようになるまで私に呆れることなく毎回毎回、具体例を交えて詳しく説明してくれたり、ホワイトボードを使ってわかりやすく一からお話してくれたりしました。さらに先生は私が読んでおいた方がよい哲学の本を紹介してくれたり、先生が持っている哲学書を貸してくれたりしました。どんな時でも私に正面から向き合って、合格へと導いて下さった先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

大沢先生との対話のおかげで、私は哲学というのは、考え続ける学問だということを発見しました。現に、対話の中で既存の考え方を理解することができたとしても、自分の中で新たな問いが芽生えるため、考えることに終わりはないのです。考え続けることは、時に辛いこともありますが、私にとっては楽しいと思えることの方が多かったです。自分自身で考えるという力を大沢先生の元で培うことができたおかげで、それは当日の小論文と面接の際の大きな自信となりました。どのようなことが問われるのかが予測不可能なため、しっかり答えられなかったらどうしようという不安も勿論ありました。しかし今の自分なら大沢先生と話してきたこと、そして自分自身が考えてきたことをフル活用すれば、どんな問いでも乗り越えていける、と思うことができました。

 

そして迎えた当日の小論文の試験では、なんと大沢先生と長いこと話し合ってきた内容が課題文のテーマであったため、大沢先生との対話を思い出しながら自分の考えを解答用紙にぶつけることができたのです。また面接では想定外の質問が多く、鋭く突っ込まれた場面も沢山ありましたが、自分の哲学に対する思い、上智大学に対する思い、自分が考えてきたことを語ることで無事に乗り切ることができました。

 

Kipはただ受験のテクニックを教えるだけでなく、生きていく上で大切な力、すなわち自分自身で考えていくという力を私に教えてくれた場所であったと思っています。Kipに通っていた約半年間、私は自分の人生についても見つめ直すことができました。「自分は将来どんな人間になりたいのか」「自分の強みは何か」などの自分自身に関することをこんなにも真剣に考えたのは生まれて初めてでした。それを経験できたのは大沢先生、そして小論文対策や面接対策をして下さったKipの先生方のお陰であり、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。Kipで得られた自分自身で考えていく力は哲学という学問のみならず、今後の人生においてもとても大切になってくるものです。大学生活、そしてその先の人生の中には無数の選択肢があり、常に自分自身で決断して、自分の未来を決めていく必要があります。その際、私は自分がどのように生きていけばよいのか、どんな人間になりたいのかを自分自身に問いかけ、自分自身で考え、周りに流されることなく、自分を見失わないで生きていけるような人であり続けたいです。

 

 

 

【合格体験記】上智大学理工学部機能創造理工学科

カテゴリー:AO入試・総合型選抜入試/小論文対策2024.01.06

「具体的に考えること!」

 上智大学理工学部に合格したK君は、入塾当初大学で何をしたいのか、まったく考えていませんでした。アイデアはいくつか出たものの、調べていくと求めているものと違ったことも一度や二度ではありませんでした。授業の中で話を聞いたり、文を書かせたりしているうちに何となく再エネ関連がいちばんと思うようになったものの、書くべき内容を膨らませるまでは至りません。何かきっかけがほしかったので、風力発電所で、夏休みに見学に行けるところを探すよう指示をして、日立に行ってきました。そこでようやくスタートに立てたと思えました。しかし、光陰矢の如しで夏休みはすぐに終わってしまい、なかなか合格が見える書類にはなりません。また、もともとが理系志望ということもあり、文を書くことも苦手で、書き直しも思うようには進みません。書類提出一月前に、これでは間に合わないと思い、お母さんに相談したうえで最後は通塾回数を増やして、提出書類と面接に備えました。本当にギリギリ間に合ったという感想です。

K君にとっては、想定していたよりも数倍大変だったとは思いますが、合格すればそうしたしんどい思いもすべて良き思い出となるでしょう。超電導のケーブル普及に尽力してください!

 

 

私はこの公募推薦の利用を考え始めたとき、大学がどのような研究をおこなっているのかすら知らなかった。ただ、大学のもつ国際性に惹かれ、憧れがあった程度だった。そんな私でも合格をいただけたのは先生のおかげだ。

この受験に取り組むにあたって最も苦労したことは何を学びたいのかを具体的に決めることだった。当初、風力発電に関して学びたいと考えているとき、大学の主要な研究でないことや具体性の不足によって行き詰まっていた。そんなときに先生が学びたいことを、この課題の一つであった送電に絞ってはどうか、という提言をいただき、私は前進することができたのだ。目標を定めるのであれば、具体的に考えること。そして、具体的に考えるためには、徹底的に調べなければいけないこと。今回の受験を通して得られたこの教訓をいかして、今後の大学の研究に取り組んでいきたい。

 

 

【中受】一月受験する?しない?(動画)

カテゴリー:ブログ2024.01.05

 

中学受験する?しない?

 

動画です。

https://youtu.be/T9ozIyzp0zI?si=nnA-qjX7I2sysKWl

浪人する?しない?

カテゴリー:大学受験2023.12.31

大学受験前後に浪人をしようかどうか悩む人がいると思います。現役で受験をして、結果が出てから決める人もいれば、結果が出る前から浪人の方向で考える人もいるでしょう。今日はそういった人たちのための話となります。

 

ウィキペディアによると、もともと浪人とは、戸籍に登録された地を離れて他国を流浪している者のことを意味していたあそうです。一方、牢人は、室町時代から江戸時代にかけての主従関係における武士のみに当てられる、いわば狭義の身分語であった。江戸時代になり戦火が収まると、改易などにより各地を流浪する牢人が急増した。そのため浮浪する牢人を浪人と呼ぶようになったそうです。

 

要は、帰属すべき階層だったり地域だったりが曖昧な人を意味しているため、現代では、高校を卒業してもその先が決まっていない人を「浪人」と呼ぶようになったのでしょう。浪人一年目を「一浪」二年目を「二浪」と言い、難関である医学部などは多浪が珍しくありません。

 

 

1960年代~70年代にかけて4割近くいると言われた浪人率も近年はおよそ2割程度となっています。ただし、この2割には、二浪以上も含まれているので、高3生が浪人になる率というのは15%前後だと思われます。昔に比べ、現役で大学に進学する率が高くなりました。

 

まず、昔に比べて浪人が減った理由としてよく挙げられるのが経済的な理由です。浪人生となりますと、余分に100万前後の出費となりますので、それを払う余裕のある家庭が減ってきたというのです。確かに80年代日本がバブル経済だったころは、一浪して私大文系に行くことが珍しくありませんでした。しかし、バブル崩壊後はそうした傾向にストップがかかるようになりました。

また、少子化に加えて大学の数が増えた「全入時代」ですので、何校か受験すればどこかに合格できる確率が高まったのでしょう。加えて、近年ではセンター試験から共通テストに移行ということもありましたし、総合型選抜入試をはじめとした推薦系の合格者が増えておりますので、そういう影響もあると思います。もちろんコロナの影響もあったでしょう。

こうしたことの他にも、昔のような「何が何でも何某大学」と考える人も減り、大学名よりも大学で何を学びたいかを重視する人が増えた影響もあると思います。

こうした流れのなかで、「浪人して私大へ」という流れを作っていた代ゼミの凋落が目に付くようになりました。

 

浪人する最大のメリットは

 

 ・学力が伸びて現役では合格できなかった大学に合格できる

 

ということに尽きると思います。確かに、学校生活がなくなり一年間勉強に没頭できる環境ができるわけですから、当たり前に学力が伸びそうに思います。しかし、受験業界では、

 

2割が伸び、6割が現状維持、2割が下がる

 

と言われています。現状維持ならともかく2割が下がるというのは、浪人を体験していない人にはなかなか実感できないと思います。

 

たとえば、こういう人を思い浮かべてみてください。高2から志望大学の早稲田に入るために部活を辞め予備校に通い勉強に取り組む。現役時代に明治と中央は受かったが、残念ながら早稲田には届かず。そして、浪人を送ることにする。

 

さて、彼もしくは彼女が高2から一所懸命勉強に取り組んでいたのであれば、2年間受験勉強に励んでいたことになります。浪人をするとなると、加えてあと一年。これはなかなか大変です。そもそも学力というのは伸び続けるわけではありません。どこかでストップしてしまいます。勉強をしていなかった人が、急に勉強をすればある時を境に一気に伸びる可能性がありますが、ずっと勉強に取り組んでいた人にはそもそも伸び代があまりないでしょう。また、勉強以外にすることがない浪人生活で生活リズムを維持することはなかなか大変です。誘惑がゼロの環境とも限りません。多くの予備校はターミナル駅の近くにあります。

 

また、現役時に明治と中央に受かったのであれば、浪人すれば当然それ以上の大学を期待してしまいます。そうするとプレッシャーも大きくなるでしょう。要は、一年余分に勉強するからといって、みんなが成績を上げられるわけではないのです。

 

浪人生活を送って成績が上がるのは、

 

 ・地頭は良いが、中高とあまり真剣に勉強に取り組んでこなかった人

 ・部活動に熱中するあまり、ほとんど受験勉強に取り組めなかった人

 ・人とつるまなくても勉強できる意志のある人

 

もし、現在浪人を送ることを考えているのであれば、以上のことを考慮してみてください。そして、実際に浪人生活を送るのであれば、とにかく夏までは徹底的に基礎的な学習をすることを薦めます。多くの人は基礎がおろそかのまま、受験勉強に突入し、結果として壁にぶち当たるので、秋以降の成績を上げるためにも、春から夏までは基礎的な勉強を徹底しましょう。

 

 

お休みのお知らせ

カテゴリー:お知らせ2023.12.29

12月31日(日)~1月3日(水)までは塾がお休みとなっております。お間違いのないようご注意ください。

国語が苦手な人はこの区別がついていない!

カテゴリー:国語2023.12.17

数多くの生徒に国語を指導してきて気づいたことはたくさんありますが、今日はそのうちの一つを紹介します。

 

それは国語の苦手な人は、接続詞の「つまり」と「だから」の区別がついていないということです。これは小学生に限らず、中学生でも高校生でもあまり違いはありません。

 

まずは次の例文を読んでみてください。

 

 昨日の夜から熱があります。さらに、今朝からは咳もでるようになった。

 

この後に、「風邪をひいた」とつなげる場合は、「つまり」と「だから」のどちらが正しいでしょうか?

 

つまり???

 

だから???

 

「つまり」は言い換えですから、事実が羅列されている場合は、言い換えも事実となります。ですから、「つまり、風邪をひいた」というのは正しいということになります。

一方の「だから」は、原因に対する結果を表します。

「熱がある」ということや「咳が出る」という原因から風邪をひいたという結果になるでしょうか?おかしいですよね。あくまでも、咳や熱が出るのは風邪をひいた結果の症状です。

「だから」を使うのであれば、「だから、学校を休もうと思っている」といった心情や感情を表す言葉となります。

 

基本的に説明文や論説文といわれるタイプの文が出題された場合、この「つまり」がどれだけ見抜けるかがポイントとなります。典型的な問題は「下線部の箇所はどういうことか/どういうことを表しているか。次のア~オの選択肢の中から最も適したものを選べ」といったものです。こうした選択問題の場合は、書かれている選択肢を分解して、本文中に書かれているかどうかの確認作業が重要です。適してない箇所が一か所でもあればその選択肢は×となります。

 

一方の物語文はよく「心情理解」と言われます。登場人物の心情とその変化を、表情や空の色、声の調子の描写を通して理解していくのです。では、なぜ心情変化が起こるのでしょうか?それは簡単で、心情を変化させる原因があるからです。

そのため物語文の設問の多くは「なぜ」から始まります。たとえば、

 

せいや君は今日学校で友だちと口喧嘩をしました。口喧嘩と言っても一方的に悪口を言われ、言い返そうと思いましたが言い返すことができませんでした。家に帰って自分の部屋に入ったとたん、涙がほほを伝わりました。

 

という文があったとします。ここで「せいや君はなぜ泣いたのですか?」という問題に対して、「友達に悪口を言われ言い返せなかったから」ですと減点対象の答案になります。

 

悪口を言われた→言い返せなかった

 

というのは事実です。ここで重要になってくるのが「だから」という接続詞です。

 

言い返せなかった。だから、どういう気持ちになったのかを考えるのです。

悪口を言われた。言い返せなかった⇒だから、悔しくなった。⇒だから泣いた。

このような順序で考えるのです。

 

もう一度おさらいをしますと。

 

・説明文は、筆者の主張が重要で、設問はその言い換えになる。⇒「つまり」で考える。

 

・物語文は、登場人物の心情とその変化が重要で、設問はその理由になる。⇒「だから」で考える。

 

こうした訓練を行うのは、いわゆる普通の長文読解を数多く解くよりも、接続詞を使いながら短文を書く訓練をしたほうが早いです。