Kip学伸のブログ



他人と差がつく志望理由書の書き方(動画)

他の人よりも一歩先をいく志望理由書の書き方について話をしています。

【動画はページの最下部にあります。以下は動画のテキストバージョンとなります。】

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今日は一歩先をいく志望理由書の書き方ということについてお話をしていきます。以前に、志望理由書のベーシックな書き方というのは、過去現在未来3つの点をつなげていってセルフストーリーをつくっていくというお話をしました。こうした書き方自体は、ネットで調べていただいても、あるいは志望理由書の書き方の本なんかを読んでも言葉が違ったり若干表現が違ったりはあっても、基本的には同じようなアプローチで書かれています。

英語や数学といった一般入試にある、いわゆる勉強の科目というのは模範解答があって、
唯一無二の答えがあってその解答に近づく、あるいは解答に至るということで正解を競う、そして正解の数が多ければ合格ということになりますが、この志望理由書の書き方、
あるいは総合型選抜そのものが、そのようなもので測れない正解がないというところが大きな特徴ですから、みんなと同じような書き方をしているとそのユニークさが出せないわけです。

ポイントとしては、今挙げましたユニークさということで、ユニークというのは唯一無二ということです。たとえば、僕は毎年、沢山の志望理由書を見たり、添削をしたり書き直しをさせたりしていますが、多くの人が同じようなフォーマットに従って書いて、結論として、「よって私は貴学部を志望します」といった形で結論を書きます。

しかし、本来は、「このようなフォーマットです」っていう決まりがあるわけではありません。また、反対の立場、つまり読み手の立場に立てば、そうした形式的なことに引っかかることはないことはないと思います。

そもそも、受験している時点で志望しているわけですから、志望理由書を書くわけです。そうしますと、そんな分かりきった結論を必ず書かなくてはならないということにはなりません。

そういうところで工夫をして、ユニークさを出していけばより良い志望理由書になります。

特に書き出し、それから最後というのは非常に工夫するべきところだと思いますので、何十回と書き直していきながら、最初と最後は特に推敲を練って、読み手がハッとするような文章を書くのが、「この人は面白いなと」と大学側に思ってもらえるコツだと思います。

こうした文章の工夫ということで、学べるテキストがあります。
https://www.kipgakushin.com/original_textbook.html

このテキストには、これまでに合格した人が書いた志望理由の最初と最後の箇所、途中の文章の例文など多くの事例が入っています。また、最後は慶応大学に合格した人の文章も入っていますので実際に受かった人・先輩の文章なんかを参考にすることで、どういう工夫してのかが分かると思います。

それから、総合型選抜の一つに含まれる自己推薦というのは、他の総合型選抜入試と比べてもこれまでの活動実績が重視される傾向があります。たとえば全国大会に出場したとか、日本選抜に選ばれたとか、海外でこういうことしてきたとかっていうようなことを重視するところが多く、そうした活動の結果や成績が著しいと当然ポイントも高くなります。

これまで教えてきた生徒の中でもっとも印象に残っているのは実際の囲碁のプロの人でした。彼は新人王を取って、最年少で新人王を取ってということで、世界ツアーに毎年出ているような人でした。

このように実績が素晴らしいと当然ポイントが高いわけですが、皆さん当然ですけども全ての人がそのような素晴らしい実績を持っているわけではありません

そうすると悩むわけです。どうしたらいいかと。

実は、頭を使って少し工夫すればそれほどすごい活動実績がなかったとしても、ユニークな存在になれるのです。

自分の同世代の中で1万人あるいは10万人の中で、特定の分野で10番以内に入る、あるいは100番以内に入るのは難しかったとしても、10人集まったうちの1位ぐらいのものであれば、考えればあると思います。そして、10人のうちの1位になれるというものを3つつなげることができれば、1/10×1/10×1/10=1/1000の存在になることができます。

具体的に言いますとたとえば、英語が少し得意だとしましょう。しかし、英語好きの人は多いうえに、帰国子女などの英語が得意な人は多いのが現実です。そうすると、英語が少しできるぐらいで簡単にアピールポイントになりません。塾で小学生から高校生まで教えていますけれども、帰国子女の生徒は小学生であっても帰国後はその専門の塾に行って、英検1級を取得するというのも珍しくなくなりました。小学生で英検1級です。
そうなると高校生だとどれほどのレベルにならないといけのだという話になってしまうので、英語はあくまでも好きであるとか少し得意であるというくらいでいいと思います。
なぜなら英語だけで勝負できるほど甘くないからです。

しかし、英語以外にもたとえば文章を書くのが得意である。あるいは感想文などを先生によく褒められたとか、そういうようなものがあったとします。さらに、たとえばミステリーを読むのが昔から好きだとします。

そうすると、英語が得意であると。得意といってもそこまでのレベルではないということですね。それから文章書くのが得意だと。それから、ミステリーが好きだとなります。

それぞれの要素はそんなに珍しくありせん。たとえばミステリーが好きだからといって大学に行けるわけではありません。

ところがこの3つをつなげると、なかなかそんな人はあまりいない存在になれると思います。

これをうまくつなげたら、

将来私は、現在日本で輝いているミステリーを英語で出版するのが夢

だというようなことを書けるかも知れません。あるいは、まだ日本語に訳されてないオーストラリアで人気の人のミステリを紹介したいというものかもしれません。それがぼくのわたしの夢だっていうようなことです。そのうえで、大学でこういうことを学びたいとつなげていくわけです。

今パッと例として出しましたけれども、簡単にはもちろん見つかりません。ですから、工夫をしなければいけないわけです。
別の言葉でいえば、自分がやってきたことが、どういう風に武器になるのかということに頭を使うわけです。つまり、この総合型入試とはそういうところで頭を使わないと、平凡なものになりがちなのです。

私は帰国子女です、英語が得意です、将来海外住みたいです、といったものですと、なんのユニークさもないわけです。

読んだ人が、面白いなと思う視点をどれだけ入れられるかということです。

数年前に横浜市立大学に受かった女子生徒がいました。私立の中高一貫校の高校に通い、
中1から生物部にいたそうです。生物部自体全然珍しくありませんが、彼女の話を聞いていると、その生物は結構本格的な活動をしていました。

そこから時間をかけて色んな話をしてどうやったらそれがやりたいこととつながるのかについて、何十回も話し合い、最終的に昆虫食という話になり、昆虫食から、途上国あるいは貧しい国の貧しい人たちの貧困をなくすという夢にまで発展しました。

昆虫食の普及という話になって、彼女は本当に昆虫を全国各地に食べに行って、写真を撮ってきました。この材料をもとに、志望理由書、学修計画表、またプレゼンの資料をつくり、とてもユニークな存在になって、見事に合格を勝ち取りました。

これが、総合型選抜入試における戦略です。ユニークさを競うということです。

この他にも実際にどうやってユニークになれるのかわからないと悩んだときに、次のような発想法があります。

それは、海外の視点を入れてみるというとても簡単な方法です。
これは志望理由書よりも、小論を書く際のほうがユニークさを発揮する方法かもしれません。というのも、小論というのは基本的にイエスノーをはっきりさせる、是非を問うものが多いわけです。

たとえば日本ではほとんどの学校で制服の着用義務があります。あるいは、髪型だったり髪の色だったりの指定。あるいは染髪禁止など、髪に関する禁止事項が数多くあります。それについてどう思うかについて書くわけです。そうすると、「私は中学生のカラーリング、髪の毛を染めることに賛成です、もしくは反対ですという小論を書くことになります。
そういう場合に、海外はどうなってるのかなっていうような視点をいつももっておくと、
発想するときに少し違った視点からものを考えることができる
ようになります。
そういう習慣をつけて、志望理由書を書く際も、海外の場合はどうなっているのかというように考えてみると、視野が少し広がるので、ほかの人とは違った視点からものが書けると思います。

他にも普通の人だったらこう言うだろうっていうのと、わざと逆の表現、つまり逆張りの発想でものを書くというようなのも一つのアイデアです。

ユニークさは多彩です。

以前に上智大学歴史学科に公募推薦で入学した女の子がいました。上智の史学科はですね、
課題レポートがありまして、その時の課題レポートの内容が「食料生産と飢餓の歴史」に付いて書け、というものでした。彼女が最初に書いてきたのは、江戸の三大飢饉についてでした。しかし、それでは当たり前すぎてつまらないので、みんなとは違う発想で考えようと授業で伝えました。それは、日本で飢餓の歴史はあったが食糧生産は十分だったという内容です。一般的に考えるのは、食糧生産が足りないから飢餓が起こる。ゆえに、食料生産を増やそうという話ですが、そうではなく、生産量は足りていたが、うまく必要なところに届いてないから、飢餓が生じたというような発想です。

現代の世界でもそうですね。

先進国といわれる日本には物は溢れています。食べ物もたくさん余っていて、二十数パーセントが廃棄されています。ところが一方で、貧しくてご飯を食べられない国もたくさんあります。これは、あるところにありすぎて、必要なところに届いていないからです。現代社会のことを踏まえて、歴史を考えてみたのです。しかも彼女の場合は、お父さんも手伝ってくださって、excel で江戸時代の石高と人口の推移のグラフを作ってくださいました。

その結果、面接の際、大学の先生に、「グラフを書いてきたの、君が初めてだ」と言ってもらったのです。要するに彼女の場合は、ユニークさで目に留まったのです。歴史のレポートなのにグラフを書いてきた。

その他にも合格のための志望理由書としては、内容を深めるということも重要です。

では、どうやって内容を深めるんだろうというと、実は簡単です。

たとえば1200字の志望理由書を書くのに、1200字しか書かないと内容は深まりせん
1200字の志望理由書を書くのであれば、1万2000字の志望理由書を書けば良いのです。
1万2000字の志望理由書を書いて、そこから必要なものを残していくために削って削って、最終的なものをピカピカに磨いたものにするわけです。提出原稿の前には、捨てた九割の文章があるわけです。もちろん大変な作業ではありますが、作戦としては単純です。

それからもう一つ、志望理由書を書きながら同時に面接も考える。当たり前ですが、総合型選抜入試には面接があります。面接では、志望理由書には十分に書かれていないところに、先生たちは当然ツッコミを入れてくるので、そういうことも考慮に入れて、書くのです。

さらに深めるためには、志望学部と・学科と社会の接点を考えるのです。志望理由を考えるさいには、社会というものを意識してほしいと思います。
皆さんが大学に行くのは当然、自分のキャリアをより良く作っていきたいと自分の事を考えていると思いますが、当たり前ですが、社会に出るということは社会に貢献していくということです。そして社会に貢献できる人物を作る専門機関の1つが大学です。

「君がお給料の高い会社に入れたらいいよね」というような理由で大学があるわけではありません。ですから、当然本心の中では自分のことをたくさん考えているかもしれませんが、
これを機に、自分のやりたいことをやり、自分の行きたいところに行くということで、
社会にどういう形で貢献できるのか
を真剣に考えてみましょう。

また、時事問題を調べたり、新聞を読んだりするときは、切り抜きをしてノートをつくっていくと良いでしょう。

さて、志望理由書の書き方でもユニークさをキーワードに、他の人と差をつけるためにどういう発想するのか、あるいはどういうことを気をつけるのか、また書かれている内容を深めるためにはどうすればいいのか、といったお話をしました。

それでは今回はこれで終わりです。
頑張っていきましょう。

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塾長 大澤 歩

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