憧れた慶応大学看護医療学部の日常
初めてのスーツ姿で、少し緊張しながら、桜並木を歩く。私の大学入学式は、まさに絵に描いたような一日でした。
皆さん、こんにちは!慶應義塾大学看護医療学部新二年生のさくらと申します。私は、「絶対に慶應看護で学びたい!」という強い思いを抱き、ちょうど二年前はkip学伸で受験勉強に励んでいる高校生でした。そして、憧れの慶應看護に入学して一年。今思うことは、この大学、この学部を選んで本当に良かったということです。現在高校生の皆さんも憧れの大学生活を目指して、一生懸命受験勉強に励んでいることでしょう。しかし、高校生の頃は、オープンキャンパスなどはあれど、具体的な大学生活について、なかなか想像がつきにくいのではないでしょうか?
そこで今回は、私の体験を交えながら、大学生活や授業について、お話していきたいと思います。“今”を頑張る皆さんの力に少しでもなれれば嬉しいです。また、私のブログの中で覚えておいていただきたいキーワードは、「大学生活は自分次第」という言葉です。では、早速初めていきましょう。
1. 入学と大学生といえばの新歓
まず、大学への入学からお話していきます。多くの大学では、四月初めに大学の入学式が行われます。総合大学の場合は、全学部合同での入学式が殆どです。(慶應もそうです!)入学式では、新入生の多さと大学の華やかさに圧倒され、今後の学生生活が楽しみになります。そして、翌日からは、各キャンパスに分かれ、ガイダンスや健康診断が始まります。そこで、私が驚いたのは、サークルの新入生勧誘(いわゆる新歓)でした。
看護医療学部は、1・2年の間、湘南藤沢キャンパス(SFC)なのですが、入学式翌日に、SFCに向かうためバスを降りた瞬間、新歓の花道が私たちを待っていたのです!先輩方が大量のビラを配り、必死に勧誘している姿にただただ驚くばかりでした。そして、気がつくと、私の手の中には、山のようなビラが重なっていました笑
大学の新歓時期は、大学のキャンパス中が最も盛り上がる時期の一つです。先輩は、ご飯を奢るなどして新入生を勧誘し、中には強引に勧誘されて断りきれない学生もいると思います。(私もそうでした笑)しかし、実際にサークルの食事会に参加したり、見学に行ったりする際には、サークルの安全性や信頼度を必ず確認してから行くようにしましょう。サークルの中には、飲酒を強制する団体も未だ多いのが現状です。そして、サークルや団体に所属する際は、“自分に合っているか”“自分がそこにいて居心地が良いか”がとても大切です。
私も、新歓の初期には、勧誘を断りきれず、いくつかのサークルの新歓に顔をだしましたが、中高時代から個人でボランティア活動を続けてきたような私にとって、“いわゆる大学生”の雰囲気は、自分に合いませんでした。そして結局、看護医療学部の行事の実行委員や小児に関する団体、NPO法人、学校外の公益財団法人の所属に落ち着いています。また4月からは、国際協力研究会の代表も務めます。大学生といえば、大学デビュー、新歓!!多くの方がそう思うでしょう。しかし、その前に、「大学生活で自分が一番大切にしたいことは何か」「何のために大学に入学したのか」を考えましょう。そうすれば、大学在学中に自分がすべき活動が見えてくるはずです。
2. 大学での友人
大学に入学して、多くの人は、友人ができるのかという不安を抱くと思います。近年は、SNSを通じて、入学前から同じ大学、同じ学部の友人をつくっている人が増えているようです。一方で私は、SNS等を一切利用することなく入学を迎えました。今まで小学校からの一貫校だったため、友人ができるかという不安もありましたが、入学式にも一人で参加しました。結果からいうと、私は現在、素晴らしい友人達に囲まれながら、学校生活を送ることができています。私は、大学での友達作りを過度に心配しなくて良いと思います。
私の学部では、入学してまもなく、クラス毎の顔合わせがあり、皆と話す機会がありました。また、4月の授業の中では、友人との親睦を深められるようなワークもありました。さらに、オリエンテーション合宿がある学校もあります。学生はこのような機会を利用して、次第に多くの人と話せるようになるはずです。
また、私は一年間大学に通ってみて、痛感させられたことがあります。それは、「どのような友人と一緒にいるかが、自分に大きな影響を及ぼす」ということです。私は入学してから、学年の中でも最も真面目で優秀な友人たちと、日々を過ごしていますが志の高い友人と切磋琢磨し合いながら、毎日非常に充実しています。お互いに高め合うことができる友人を持てたことは、私の財産だと思っています。「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、その通りだと思います。「どんな自分でありたいのか」を常に考え、努力し続けていれば、お互いに高め合える素晴らしい友人が、目の前に現れるかもしれません。
3. 大学の授業 その一
では、いよいよ大学の授業についてお話ししていきましょう。大学の授業は、高校までの授業と違う点が沢山あります。例えば大学の授業は一コマ90分です。一コマ50分(45分)授業だった高校生からすると、90分はとても長いように感じますよね。確かに、最初は長いと感じますが、私は比較的すぐ慣れることができました。なぜなら、大学の授業は、とても面白いからです!!大学の授業が面白い理由。それは、専門分野を学べるからでしょう。
私の通っている慶應看護の場合は、他学部と比べて、一年生から専門分野を学べる環境が整っています。看護を学びたくてしょうがなかった私にとって、慶應看護の授業は本当に楽しいです。例えば、一年生の頃には、日本や世界の最前線で活躍する看護のプロフェッショナルの先生方がゲストスピーカーとして講演してくださる授業や、極限状態にある人間の心理を考察する授業などがありました。このように、「看護とは何か」という看護学の基本だけではなく、幅広い視点から看護について考えることができる授業は、とても魅力的でした。大学の授業は、国語・数学…といった決められた教科をがむしゃらに勉強する場ではありません。自分の好きなことを学び、興味のある分野について、学びを深められる場所です。大学で有意義な学びを得るためにも、高校時代から、自分の好きなこと・興味のあることを発見しておくのは、非常に大切なことだと思います。
4. 大学の授業 その二
多くの大学の授業で、グループワークは取り入れられていると思いますが、慶應看護はグループワークがとても多い学部だと思っています。(グループワークで育まれる協調性やリーダーシップが、看護師として重要な資質だからでしょう。)グループ内での研究やディスカッションが頻繁にあるため、四年間を通して、学年全員とグループワークをする機会があると言われています。そんなグループワークで私が驚いたのは、グループワークの質の高さでした。高校までも簡単なグループワークはあったが、やれば良いくらいの感覚だった、という方は多いと思います。しかし、大学のグループワークは、皆がテーマについて真剣に考え、議論するのです。
実際に、私は一年生の秋学期にグループワークの成果を発表する形式の授業を全て履修していため、複数のグループワークを掛け持ちしていましたが、その時の忙しさは大変なものでした(笑)朝は一限の前から集合して、授業後も夜遅くまでディスカッションする日々が続いたのです。しかし、忙しかったとは言え、皆で議論を繰り返した時間は、非常に充実していました。議論では、遠慮することなく自分の意見を述べ、安心して議論を白熱させることができる。一人一人が妥協することなく、最後まで目の前の課題に向き合い続ける。
このような場を通じて、私は、学びの面白さを発見し、真の学びを体現できたように思います。学問を修めることが、楽しくてしょうがないと感じるようになったのです。机上で個人的に知識を吸収することだけではなく、他者と議論し対話することによって、知識を深めることが、学びである。これは、私が大学に入ってから発見できたことです。そして、私がグループワークで学びを深めることができたのは、紛れもなく、全員が一生懸命だったからです。冒頭でもお話ししましたが、「大学生活は自分次第」です。授業の課題の一環にすぎず、提出すれば良いと考えるのか。自分に与えられたチャンスだと思い、精一杯取り組むのか。一人一人の意識が、授業の質に繋がっているのかもしれませんね。
5. ドキドキの実技試験
看護の道に進むにあたって、私が最も不安に思っていたこと。それは、「実技」でした。私は幼少期から、手先を使う作業や細かい作業がとても苦手で、周囲からは“類稀な不器用”と持て囃されるほどでした。そんな私が、言わずもがな手先の器用さを求められる看護の道を目指すことになった時は、周囲から散々心配されました。(実際に、周囲からの声を聞き手先の不器用さを理由に、看護の道を選択するか何度も悩みました)
それでも、「看護職に就きたい」という強い意志をもって、慶應看護に飛び込んだものの、私は「実技」に対して、ずっと恐れを抱いてきました。そして、一年生の秋学期に「実技試験」があると聞いた時は、真っ青になったものです。「実技試験」に合格しなければ、進級できない、という事実が、私の不安にさらに追い討ちをかけたのでしょう。不安でいっぱいになった私は、そこから猛特訓を始めました。私の実技試験奮闘記をこれから記していきたいと思います。
6. 何事も練習あるのみ!
一年生の秋に実技試験がある。私がこの情報を初めて聞いたのは、夏休み前でした。そこで私は、夏休み中に、高校時代から看護サークルの活動でお世話になってきた病院の方にお願いをして、病院の看護師さんに看護技術を教えていただきました。(高校時代からお世話になっている某病院の皆様、本当にありがとうございます。)優しい看護師さんのお力添えがあり、看護技術についての前提知識を持ちながら、9月からの授業に臨むことができました。そして、9月からの授業が始まると、私は授業中無我夢中でメモを取りました。
また、実技系の授業は、講義形式で概要が説明された後、実技の演習授業が設けられているのですが、講義と実技の授業の間にも、演習事前課題・演習事後課題があり、自己学習を行う必要がありました。そして私は、この演習事前課題・演習事後課題を最大限に有効活用することを友人と決めたのです。
本来、これらの課題は、教科書を見れば十分にカバーできる内容ですが、私たちは課題が出る度に、図書館で何冊もの本を借り、本を照らし合わせながら、自分たちの言葉で課題に取り組んでいました。休日も集まり、一回の課題に数日を費やしたこともあります。そして、ここまで課題をしっかりとやると、一つ一つの看護技術について、頭が整理されるようになりました。しかし、心配性な私達は、それだけでは不安になり(笑)、実技の演習が終わった後には、実習室で必ず復習を行なっていました。(実習室の開放日が設けられています)課題で知識をインプットした後に、身体を使ってアウトプットするのは、非常に効果的な学習方法でした。私たちは毎回、他に誰もいなくなるまで練習を続けました。
看護師同士がどのように息を合わせてケアをおこなうと良いか。どのような動きをすると効率が良いか。声かけの方法や動線まで段々分かるようになってきたのです。そして、帰り道はいつも真っ暗だったことを、ブログを書きながら思い出しています(笑)
このような猛特訓を実技試験直前まで重ねた結果、私は実技を他の学生に教えるほど上達していました。そして、あんなに恐れていた「実技試験」にも見事合格することができました。
私たちの練習をいつも優しく見守り、丁寧なご指導をくださる先生方から褒めていただいた時は、とても嬉しかったです。「実技試験」を乗り越えて、私が実感したこと。それは、“練習あるのみ!”ということです。どんなに苦手なことでも、練習すれば必ず上達する。努力に勝るものはない。私は、“練習”の重要性を実感しました。
二年生以降も実技の練習や試験は続いていくと思います。これからどんどん複雑な技術を習得しなければならないと思うと、正直不安もありますが、人一倍努力の自分を信じ、これからも前に進んでいきたいと思います。
7. これからの私の展望
以上、大学の学生生活や授業について、私の体験をお話してきました。看護は特殊な学部なので、他学部志望の方にとっては、違う点も多いと思いますが、少しでも大学生活のイメージを持っていただけたら嬉しいです。私は、一年間学生生活を通して、視野が広がったと思っています。研究などにも興味が出てきたので、今後も様々なことにアンテナを張りながら日々過ごしていきたいです。また、大学生活を送るにあたって私が大切にしていることを最後にお伝えします。それは、“大学生だからこそ、勉強する”ということです。大学生活は就職前に遊べる最後の時間!大学に入るまでが大変だから、もう勉強しなくていい!残念ながら、日本の大学生の中には、このような考え方をしている人が多くいます。
しかし私は逆に、大学生活こそ、学びに集中することが許されている貴重な時間だと思います。もう働ける年齢であるにもかかわらず、学費を出してくれる親や丁寧にご指導くださる先生方など、周囲の環境に私は感謝を忘れたくないと思います。そして、きらびやかな学生生活ではないけれど、学問に熱中する、充実した四年間を過ごしていきたいと思います。
8. これから受験を迎える皆さんへ
最後に、これから受験を迎える皆さんにメッセージを送りたいと思います。高校生にとって、大学の受験勉強は本当に大変ですし、特に高校三年生の一年生は、辛いこと苦しいことが沢山あると思います。しかし、皆さんがもがきながら受験を乗り越えた時、たとえどんな結果でも、その努力は決して無駄になりません。皆さんが考えたことや感じたことは大学生活や将来に必ず活かされるはずです。これから受験を迎える皆さん、どうぞ、夢と目標を持って、受験に励んでください。そして、受験校への愛をもって、試験をむかえてください。「この学校に入りたい!」という強い気持ちを持って、受験に臨み、夢を自分で掴んだ時その成功体験は、皆さんの人生における自信になります。そして、大学に入学してからも、どうぞ学び続けてください。大学入学は、ゴールではなく、スタートラインにすぎません。
皆さんがありとあらゆる知識を進んで吸収し、実りある大学生活を送れるよう、祈っています。
終わり
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