塾なしで中学受験は可能?AI時代のリアル
昨年くらいから、生成AIの普及が加速して多くの人が使うようになりました。もちろん、教育現場でもその使用頻度は高まるばかりです。この記事をご覧になってくださる多くの方も、日常的に使用されているでしょう。そうしますと、当然このような疑問がわきませんか?
それは、「塾に行かなくても、中学受験ができるかどうか」ということです。
というのも、AIは、問題の解説を何度でもしてくれるうえに、質問にも答えてくれる。場合によっては記述の添削までしてくれる。そうなると、当然、「もしかして、塾はこれからいらないんじゃないか?」と思う方が増えるでしょう。
今日はこの問いに対して、考えていきたいと思います。
まず結論から言います。塾なしで中学受験は、可能です。ただし、ほとんどの家庭にはおすすめしません。というのも、中学受験は「勉強ができるかどうか」(地頭が良いかどうか)の問題ではなくて、「設計と管理ができるかどうか」の問題だからです。
ここから、その理由を具体的に説明していきます。
■ AIで何が変わったのか
まず前提として、AIによって何が変わったのかを知っておきましょう。
たとえば、AI前は、
・分からない問題があったらそのまま止まる
・解説が分かりにくい
・質問できる環境が限られている
つまり、「教えてもらえるかどうか」が大きな差であったといえます。ところが、今は違います。AIを使えば、
・その場で質問できる
・分かるまで説明してくれる
・別解も出してくれる
つまり、「教える機能」は、ほぼ誰でも手に入る時代になったということで、これはかなり革命的です。たとえば、理科の学習をしていると、テキストには書かれていないことでの疑問はたくさん出てくるはずです。たとえば、昆虫の単元を学べばきっと多くの小学生は次のような疑問を抱くはずです。
「昆虫はどうしてあんなに小さいのに力が強いの?」
理科の教科書では、昆虫の体の仕組みの説明はありますが、なぜそのような形になったのかの説明はほとんどありません。こうした疑問もAIを使えば一瞬で解決します。
■ ではなぜ塾がなくならないのか
そうすると、当然、「もう塾は必要ないのではないか」という疑問が出てきますよね。ところが、実際はそうなっていません。なぜでしょうか?
それは――塾の本質は「教えること」ではないからです。塾がやっていることは、大きく4つあります。
・カリキュラム設計
・ペース管理
・モチベーション管理
・情報提供
つまり、塾は「勉強の仕組み」を提供しているのです。AIは確かに優秀です。しかし、
「毎日どうやって勉強をさせるか」
「この子に今必要なレベルはどこか」
「どの順番でやるべきか」
こういう 戦略と管理の部分は、まだ人間の領域なのです。
■ 塾なしで成功する家庭の条件
とはいえ、塾なしでもきっと中学受験で成功するご家庭はあるでしょう。
① 親がカリキュラムを組める
② 学習の進捗を管理できる
③ 子どものモチベーションを維持できる
上記三つができるようでしたら、うまくいくと思います。ただし、これらは、かなり難易度が高いです。
たとえば、
・どの教材を使うか
・いつまでに何を終わらせるか
・志望校に対して今の位置はどこか
これらをすべて判断し続けるには、多くの経験が必要です。たとえば、AIは日本全国の中学校の偏差値や、合格した生徒像を説明することはできると思いますが、目の前にいる生徒を叱咤激励しながら勉強をさせ続けることはできません。また、親が子を叱ると、基本的には親子喧嘩に発展するだけです。
つまり
親が半分プロじゃないと厳しい
■ これからの中学受験
とはいえ、AIを使用しない手はありません。そうしますと、
AI × 塾のハイブリッド
・理解 → AI
・管理 → 塾
この組み合わせが今後の主流になるかもしれません。そうしますと、これからは、
「塾に行くかどうか」ではなくて「塾をどう使うか」の時代になるかもしれません。
■ 締め
最後に一つだけお伝えしたいことがあります。中学受験は過酷です。家族皆さんにとって過酷です。どういった方法を使ったとしてもその過酷さは変わらないでしょう。ひょっとするとAIをご家庭で使用するとなると、負担はますます増える可能性はあります。もちろん、うまく使えば最強の武器になります。
このあたりも含めて、これからの受験はかなり変わっていきます。今後もそのあたりを具体的に発信していきたいと思います。
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