Kip学伸のブログ



日比谷が灘を抜いた?【東大合格者数2025】―10年で激変した「新・学歴地図」の正体―

東大合格者数の比較

2025年度        2015年度

順位 高校名 合格者数(現役) 順位 高校名 合格者数(現役)
1 開成 150(107) 1 開成 185(120)
2 筑波大附属駒場 117(92) 2 筑波大附属駒場 112(81)
3 聖光学院 95(85) 3 94(72)
4 麻布 82(52) 4 麻布 88(50)
5 都立日比谷 81(65) 5 駒場東邦 82(60)
6 77(59) 6 桜蔭 76(62)
7 渋谷教育学園幕張 75(62) 7 聖光学院 74(62)
8 県立横浜翠嵐 74(67) 8(同数) 海城 56(43)
9 栄光学園 55(43) 8(同数) 渋谷教育学園幕張 56(36)
10 桜蔭 52(42) 10 東京学芸大附属 54(22)

出典:インターエデュ「2025年 東京大学 合格者 高校別ランキング 合格数順」

 

【1】東大合格者数が増えた「3つの勝ち組」

2015年から2025年の10年。日本の教育界では、これまでの常識を覆す地殻変動が起きていました。ランキングの顔ぶれが激変した背景には、明確に「躍進した3つのタイプ」が存在します。

 

(1)公立の逆襲(日比谷・横浜翠嵐)

10年前は、東大合格者数のトップ10に公立校は日比谷1校(37人・10位)のみでした。まさに「私立中高一貫校の一強時代」でした。しかし、2025年は日比谷が80人を叩き出し、あのを抜いて4位に。さらに神奈川の横浜翠嵐も猛追し、トップ10の常連となりました。
これは、東京都の「進学指導重点校」指定による入試改革や、学校を挙げた「現役東大合格プロジェクト」の成果です。「塾に行かなければ受からない公立」から、「学校が東大受験を完全プロデュースする公立」への進化。これが私立の牙城を崩した最大の要因です。

 (2)「管理型・面倒見」の勝利(聖光学院)

かつて東大合格といえば、麻布や灘に代表される「自由な校風」の学校が代名詞でした。しかし、2025年のデータで圧倒的な存在感を放つのは、神奈川の聖光学院(95人・3位)です。
聖光学院は、塾いらずとも言われる手厚い学習指導や講習、徹底した進路指導を行う「管理型・面倒見の良さ」で知られます。先行き不透明な時代、受験の過熱化に伴い、保護者が「自由」よりも「確実に合格まで導いてくれる環境」を求めた結果、志望者が激増し、この10年で順位を不動のものにしました。

 (3)「共学・グローバル」という新潮流(渋幕・渋渋)

「東大を目指すなら男子校・女子校」という古い固定観念も、この10年で過去のものとなりました。渋谷教育学園グループの渋幕・渋渋の2校が、揃ってトップ10圏内に定着しています。特に渋渋(渋谷教育学園渋谷)が初の50人超えを果たしたことは象徴的です。海外大学への進学実績も高く、「東大はあくまで通過点。その先のグローバル社会で通用する力を」という、今のエリート層が求める教育理念が、合格者数という形で見事に結実しています。

 

【2】東大のブランド力:なぜ公立は「数」にこだわるのか?

ここで一つ疑問が浮かびます。「なぜ今、公立高校はここまで東大合格者数にこだわるのか?」という点です。その理由は、公立にとって東大合格者数が「学校ブランドを再建するための最強かつ唯一の指標」だからです。
10年前、公立トップ校は私立への優秀層流出に苦しんでいました。その流れを食い止めるには、教育内容を説くよりも、「東大に〇〇人合格」という圧倒的な数字を示すのが最も効果的だったのです。いわば、公立は「ブランドを作る」ために東大合格者数を戦略的に伸ばしています。日比谷などの実績は、地域最強の公立としての威信をかけ、国公立医学部への分散を抑えてでも「東大という看板」にリソースを集中させた、執念の結果とも言えるでしょう。

 

【3】灘の合格者数が減っている理由:数字の裏にある「質」

対照的に、「西の王者」(77人)の合格者数が10年前の94人から減少しています。これは、灘のレベルが低下したのでしょうか?灘の場合は、注目すべき点として、東大の中でも別格の最難関、「理科三類(医学部)」の合格者数です。過去10年の累計を見ても、灘は理三合格者数において不動の日本一。2025年もトップクラスを維持しています。灘の生徒にとって、東大は「数」を競う場所ではありません。彼らにとっての優先順位は「理科三類 > 国公立医学部 > その他の東大」。

理三以外なら、京都大学医学部や大阪大学医学部といった、東大理一よりも合格難易度が高い「地元の名門医学部」を迷わず選ぶ傾向があります。この「究極の医学部シフト」が、表面上の「東大合格者数」を減らしている正体なのです。公立がブランドを「作る」段階なら、灘はすでにブランドを「選ぶ」段階にいると言えます。

 

【4】今後の展望:東大ブランドは維持できるのか?

最後に、これからの展望です。東大が日本最強のブランドであり続けることに変化はありませんが、その立ち位置は「変質」し始めています。

  • 「海外大学」という最強のライバル

    開成や灘、渋幕といった超進学校のトップ層にとって、東大はもはや「絶対のゴール」ではなくなりました。2025年には、国内高校からの海外大学合格者数が激増。アイビーリーグなどの海外トップ校を第一志望とし、東大を「併願先(滑り止め)」にする生徒が現実に出始めています。

  • 東大自身の危機感と改革

    この「優秀層の海外流出」に対し、東大側も危機感を抱いています。2025〜2026年にかけて、約70年ぶりの新学部「カレッジ・オブ・デザイン」の設置構想を打ち出したのも、従来の枠組みでは世界に勝てないという自覚の表れです。

 

結論:
これからの10年、学校の評価は「東大に何人入れたか」だけでは決まらなくなるでしょう。東大、医学部、そして海外大学といった進路先にどれだけ合格者数を出せるのか、そのあたりが最難関校の基準になってくるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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