最近、中学受験の中で再び注目を集めている学校の一つが成城学園です。
ここ数年で人気が回復し、偏差値も上昇傾向にあります。
しかし、少し前を振り返ると、実は一度「低迷期」を経験している学校でもあります。
本記事では、なぜ成城学園の偏差値が再び上昇したのかを、データと背景から整理していきます。
偏差値の推移から見る「復活」
まずは偏差値の変化を確認してみましょう。
※首都圏模試(男子・合格率80%)
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2026年:62
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2016年:55(谷の底)
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2013年:57
この10年で偏差値が7ポイント上昇しています。
一般に、伝統校は一度人気が落ちると回復が難しいと言われますが、成城学園は例外的に見事な復活を遂げました。
■ 偏差値回復の理由は「複合要因」
では、なぜここまで評価が回復したのでしょうか。
結論から言うと、一つの理由ではなく、複数の要因が重なった結果です。
① 中学受験市場そのものの回復
2015〜2016年は、首都圏の中学受験者数が底を打った時期でした。
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2013年:約45,000人
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2015年:約43,000人(底)
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近年:50,000人超
この時期は、受験者数の減少に加え、
早慶附属・MARCH附属といったブランド志向の強まりがあり、中堅校は相対的に埋もれやすい状況でした。
しかしその後、
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少子化にもかかわらず受験熱は上昇
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受験者数はむしろ増加
という流れになり、中堅校全体の評価が押し上げられたことが、成城学園の回復にもつながっています。
② 「進学の自由がない」という誤解の解消
成城学園の評価を大きく下げていた要因の一つが、
「外部大学を受験できない学校」という誤解です。
実際には、
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成城大学への内部進学を基本としつつ
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外部大学の受験も可能
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Aコースでは推薦権を保持したまま受験可能
という柔軟な制度が以前から存在していました。
しかし、2010年代半ばまではこの制度が十分に知られておらず、
難関大学志向の層から敬遠されていたのです。
つまり、
制度の問題ではなく「情報の伝わり方の問題」
でした。
現在ではこの点が広く認知され、
「内部進学の安心」と「外部挑戦の自由」を両立できる学校
として再評価されています。
個人的には、これが最大の要因だと考えています。
③ 総合型選抜との相性の良さ
三つ目の理由は、大学入試制度との相性です。
近年主流になりつつある総合型選抜では、
といった多面的な評価が重視されます。
成城学園はもともと、
という教育方針を持っています。
つまり、
総合型選抜に強い土壌がある学校
と言えます。
保護者側もこの点を理解し始め、
「どの学校に行くか」が
「どの入試で有利になるか」に直結するという認識が広がってきました。
■ 補足①:保護者・塾業界の評価の変化
もう一つ重要なのが、第三者評価の変化です。
かつては
「外に出られない学校」
というイメージもありましたが、
現在では
「安心の内部進学 × 自由な外部受験」
というバランスの良さが評価されています。
特に塾業界では、
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難関志向一辺倒ではない家庭
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子どもの個性を重視する家庭
に対して、成城学園を薦めるケースが増えています。
この評価の変化は、志望者の「量」と「質」の両方に影響を与えています。
■ 補足②:「どんな子に合うか」が明確
成城学園が支持される理由として、
向いている生徒像が明確であることも挙げられます。
例えば、
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競争に追われず自分のペースで学びたい
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将来の進路をじっくり考えたい
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内部進学も外部受験も両方視野に入れたい
といったタイプの生徒には非常に相性の良い学校です。
■ まとめ:復活の本質は「誤解の解消と時代適応」
成城学園の復活は、
といった複数の要因が重なった結果です。
特に大きいのは、
本来あった強みが正しく理解されるようになったこと
でしょう。
現在の成城学園は、
「昔ながらの一貫校」ではなく
柔軟で時代に合った進学環境を持つ学校へと再評価されています。
今後もこの流れが続けば、
さらに人気が高まる可能性は十分にあると言えるでしょう。