私立中学 学費インフレが止まらない!
①首都圏の話
本日は、私立中学の学費インフレについて話をしていきたいと思っております。中学受験は合格すれば終わり……と思いきや、実は「入学後の学費」がじわじわ上がっているのをご存じですか?コロナ明け頃から、日本にもインフレの波が押し寄せてきて、生活用品を含めたあらゆる物の物価が上がってきました。当然、私立の学費もその波と無縁ではありません。東京都の調査によれば、令和7年度の初年度納付金(授業料・入学金・施設費・その他を含む)の平均額は 1,033,387円 となっています。(都庁総合ホームページより)
東京都生活文化局の資料によりますと、2015年度入学(=2014年12月発表)の平均 初年度納付金は、936,679円であることから、ここ10年ほどで金額にして約7万円、率にして約7.5%上がったことになります。
塾代の負担が終わったと思ったら、今度は学費が年々上がっていく状況では、家計は苦しくなるばかりです。
②慶應と恵泉の話
まずは、二つの学校の今年度と2016年度の比較を見てもらおうと思います。一つ目は、慶應義塾中等部です。慶應義塾中等部の場合は下記のとおりとなっております。
慶應中等部
- 2016年度
入学金:34万円
授業料:86万円
その他:20万8,390円
合計:140万8,390円 - 2026年度
入学金:34万円
授業料:93万円
その他:48万5,000円
合計:175万5,000円
→ 10年間で+34万6,610円(約24.6%増)
かなりの増加率であることが分かると思います。次に、小田急の経堂にある恵泉女学園を見てみましょう。
恵泉女学園(経堂)
- 2016年度
入学金:30万円
授業料:45万6,000円
その他:29万6,400円
合計:105万2,400円 - 2026年度
入学金:30万円
授業料:54万円
その他:43万9,815円
合計:127万9,815円
→ 10年間で+22万7,415円(約21.6%増)
慶應が10年で約25%増だったのに対して、恵泉は21%です。違いはあるものの、どちらも20%を超える増加率ですから、ブランド校か否かにかかわらず、幅広い私立中学校で「学費インフレ」が進んでいるといえるでしょう。
上記をふまえますと、ここ10年で、私立中学の初年度納入金は平均して数万円〜十数万円率にして20%強上がっていると言えますが、よく見ると入学金はどちらの学校も上がっていません。上がっているのは授業料と、「その他」の項目です。そして、この傾向は多くの学校に共通しています。
③分析・背景
学費インフレの背景には以下のようなことが考えられます。
- 教員人件費の上昇
- 光熱費・維持費の高騰
- ICT化・1人1台タブレット導入
- 施設改修や新校舎建設
- 海外研修
- 英語教員の増加
これは、単純な「物価上昇のしわ寄せ」ということが原因なだけでなく、「受験生に選ばれる学校」として注目を集めるために、海外研修や英語教育の強化といった「投資型の値上げ」も含まれていることを意味していると言えるでしょう。人件費の上昇だけでなく、英語教育の強化、資材の高騰は今後も続きそうですので、学費や「その他諸経費」が今後も上がることは避けられないと思います。
④保護者へのアドバイス
当然、みなさんもされていると思いますが、志望校を選ぶときは「偏差値」だけでなく「学費」も比較しましょう。さらにその学費やその他の諸経費も今後も上がっていくと想定していたほうが良いでしょう。6年ありますから、6年後ではだいぶ変わっている可能性もあります。特に初年度納入金だけでなく、3年間・6年間の総費用をシミュレーションしてみてください。下記に三つのアドバイスを記します。
〇 学校説明会で確認すべきポイント
初年度納入金以外に、タブレット代・研修費・寄付金などの「隠れコスト」がどれくらいになるのかを必ず質問しましょう。」
〇 長期的な視点
6年間でいくらかかるかを見積もるだけでなく、大学まで私立に進む場合は10年間の教育費もイメージしておくと安心です。
〇 学費対策の工夫
奨学金や自治体の助成制度が利用できるか調べておくと、家計の見通しが立ちやすいです。」
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