【中学受験】共学校のメリット・デメリット!
以前に男子校・女子校に通うメリットとデメリットについて話をしたことがありました。今回はその流れで、中学受験で共学を選ぶメリットとデメリットについて、受験生の保護者の視点で分かりやすく説明します。
まず、近年の傾向として、共学校の人気が高まっています。AIを使って調べたところ東京都の男子校、女子校、共学校の2010年と2020年の割合は以下のようになっています。
年度 | 総数 | 男子校 | 女子校 | 共学校 |
2010年 | 435校 | 41校 (9.4%) | 90校 (20.7%) | 302校 (69.4%) |
2020年 | 428校 | 33校 (7.7%) | 81校 (18.9%) | 310校 (72.4%) |
(出典: サピックス)
変化のポイント:
- 男子校: 2010年の41校から2020年には33校へと、8校減少しています。
- 女子校: 2010年の90校から2020年には81校へと、9校減少しています。
- 共学校: 2010年の302校から2020年には310校へと、8校増加しています。
上記のような傾向は東京だけではなく全国的にも同様です。男子校や女子校が共学化するケースが増加しており、その背景には少子化や男女平等意識の高まりによる共学へのニーズの増加が挙げられるでしょう。実際、共学化により受験者数が増加する傾向も見られます。あるいは共学化によって偏差値が上がる傾向も見られます。
メリット
- 自然な環境で成長できる
まず、最大のメリットとしては中高の六年間、自然な環境で成長ができることが挙げられると思います。社会に出れば、基本的には異性がいる環境に身を置くことになるため、男子だけ、あるいは女子だけという環境はそれだけ特殊であると言えます。男女が同じ空間で生活することで、偏りのない自然な社会性を育むことができ、当然、異性との接し方に慣れることで、中高時代を通じてバランスの取れた成長が期待できます。男子校や女子校よりも自然な形での恋愛が育まれやすいとも言えるでしょう。
2.バランスのとれた価値観が築ける
男子校や女子校であれば、良くも悪くも「男らしさ」や「女らしさ」が強調される環境になりやすいと言えますが、男女が一緒に学ぶことで、偏ったジェンダー観にならない環境と言えるでしょう。小学生のときとは異なり、中学、高校生になるにつれ男女差というものが身体的に顕著になっていきますが、そういうときに、異なる価値観や意見を交わすことで、異性に対する理解が深まり、将来の職場や社会生活で必要なコミュニケーション能力が養われます。グループ活動などをする際に、特に男子だけ、女子だけよりは男女が混じったほうが多くの意見が飛び交うのではないでしょうか。ただし、バランスをとるのが苦手な人にとっては、バランスのとれた価値観よりも、もっと「尖った価値観」のほうが良いと感じるでしょう。
3.受験や教育方針の選択肢が広がる
何といっても共学校の方が学校の数が多いですから、学校を選ぶ際の選択肢が豊富になります。最初にお伝えしたとおり、共学校は増加の傾向ですから、選択肢はさらに増えていくのではないでしょうか。また、学校の選択だけではなく、共学であるがゆえに特定の性別をターゲットにした教育ではなく、全体的にバランスの取れたカリキュラムとなる傾向が強いと言えるでしょう。たとえば女子校では、どうしても「女子教育」が良くも悪くも強調されることが多いですが、共学はそういう偏りは少ないと言えるでしょう。
要するに、メリットとして挙げられることは、偏りが少なくバランスのとれた環境に身を置けるということです。
デメリット
- 学校の特色が薄れる可能性
共学は男女どちらにも対応できる教育方針を取るため、男子校や女子校のように特色が際立たない場合もあります。男子だけだから、あるいは女子だけだからできる個性あるカリキュラムやイベントがどうしても共学の場合は作りづらいという側面があります。ただし、最近はそういうジェンダーとは関連しないことで学校の特色を出す学校が増えてきていますから、今後はあまりデメリットにならないかもしれません。
2.異性とのつながりが学校生活の充実度と結びつきやすい
学校での立場を表す「スクールカースト」という言葉があります。これはおそらく共学であろうが、男子校であろうが、女子校であろうが存在すると思うのですが、共学の場合はそれが「異性からの評価」という点が大きく加わるという点で、男子校や女子校とは異なると言えるでしょう。容姿や運動能力といったことだけでなく、異性とのコミュニケーション能力が高いとスクールカーストの上位に位置づけられる傾向が高いと言えるでしょう。ただし、これ自体がデメリットかどうかは分かりません。異性とのコミュニケーションが苦手な人にとってはデメリットに映るでしょうが、そうでない人にとってはメリットになるでしょう。このあたりはお子様の個性や性格とかかわってくる話です。
さて、今回は共学のメリット三つとデメリット二つを挙げました。ただし、公立小学校が共学であるため、共学はスタンダードな環境と言えることもあり、男子校や女子校ほど際立ったメリットやデメリットが挙げづらいというのが正直な感想です。特にデメリットは、あまりデメリットと言えないかもしれません。
前回や前々回の話を踏まえますと、学校を選ぶヒントとしては、まずは「男子校・女子校に通いたい(通っても良い)か否か」が重要かなと思います。共学よりも特徴が際立っている可能性が高いからです。
とはいえ、今回の話もあくまでも参考にしていただく程度に考えていただき、大事なのは、「お子さんの性格を考慮する」ということです。そのうえで志望校の候補となる学校に足を運び、説明会やイベントに参加をすることで実際の雰囲気が分かり、お子さんに合う学校かどうかが見えてくるのではないでしょうか。
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