【2025年 大学受験総括】高校生が知っておくべき3つの変化!
こんにちは、今回は2025年の大学受験の総括というテーマでお話しします。
昨年度の入試の動きをふり返ることで、これからの受験がどう変わっていくのかを予測できるようになります。とくに高校1・2年生のみなさんにとっては、「受験の常識」が数年前とは変わってきていることを知ることが、とても大事です。というのも、学校の先生が古い受験制度のイメージをもとに指導していることがけっこうあるからです。昔ながらの「一般入試一択」のような考え方だと、たくさんあるチャンスを逃してしまうことになってしまいます。
今日は、2025年の大学受験を総括することで見えてくる三大トレンドを以下の3つのテーマでお話ししていきます。
①「推薦・総合型」が主流になりつつある
かつては「大学入試=一般入試(共通テスト+個別試験)」が当たり前でしたが、今や私立大学の約6割が推薦・総合型選抜で合格者を出している時代です。
とくにMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関学・同志社・立命館)といった人気校では、学部によっては推薦での募集定員の方が多いというケースもあります。
たとえば、上智大学の公募推薦では、「与えられたテーマについて数か月かけてレポートを作成し、プレゼンや面接、小論文で審査される」というかなり高度な選抜が行われています。明治大学の情報コミュニケーション学部や、立命館大学のグローバル教養学部も、総合型選抜で個性的な学生を積極的に受け入れています。
もちろん、私立大学だけでなく国立も最近は力を入れています。たとえば、旧帝国大学の中で、東北大学は総合型選抜の比率が約3割と、他の大学に比べて高い割合を占めています。特に注目すべきは、AO入試Ⅲ期です。この入試では、共通テストの結果がメインの評価軸として設定されており、一般入試との両立がしやすい形式となっています。また、出願要件として評定平均値の制限がないため、多くの受験生にとって挑戦しやすい入試となっています。
さらに、全学部で共通テストの配点が最も高く設定されており、学部によっては共通テストの比重が8割以上となっています。これにより、特別な活動や実績がなくても、学力を重視する受験生にとってもチャンスが広がっています。
総合型選抜入試で評価されるのは、単なる成績だけではなく、
- 探究活動や課外活動の実績
- プレゼン力や表現力
- 自己分析力と志望理由の深さ
などです。高1・高2から「何をしてきたか」「何を考えているか」が問われる時代になっています。
②「共通テスト」は難化傾向。思考力勝負に
昔のセンター試験は「知識をいかに正確に覚えているか」がポイントでしたが、今の共通テストでは「知識をどう使うか」が問われるようになっています。
特に数学IAでは「データから規則を推論する問題」や、国語では「複数の資料を読み比べて要点をまとめる問題」といったそれぞれの科目と日常生活をからめたような出題傾向が目立ちます。英語リーディングも、80分で2000語以上を読むという高負荷の内容です。リスニング重視・読解重視というのはすでに定着していて、パターン暗記では太刀打ちできません。つまり、共通テスト対策は「慣れ」と「読解力」が命と言えるでしょう。では、たとえば旧帝で共通テストの比率というのはどれくらいなのでしょうか?比率の低い順に簡単にまとめてみました。
東大 約20%、 京大 約25% 東北大・九大 約33% 名大 約40%
北大 約41% 阪大 約43%
私立大学も最近は共通テストを重視するところが増えています。
早稲田大学
- 共通テスト利用方式(共通テストのみで合否を判定)を導入。
- 特に政治経済学部は、独自入試を廃止して、英語4技能試験+共通テスト+独自小論文という形式に移行。
- 一部の学部では共通テストの成績のみで合否を出す方式あり。
明治大学
- 全学部で共通テスト利用入試を実施(A方式・B方式など複数)。
- 学部によっては3教科で受験可能で、個別試験なしの方式も。
- 併願しやすく、地方の受験生にも人気。
立教大学
- 英語外部検定+共通テスト型を導入している学部あり(例:異文化コミュニケーション学部)。
- 共通テスト利用方式は試験なしで出願できるパターンもあり、実質書類審査型に近いものも。
青山学院大学
- 共通テスト利用入試(A方式、B方式など)を採用。
- 英語外部試験との併用で多様な方式を提供。
- 特に文・法・経済など主要学部で共通テスト型が人気。
同志社大学
- 共通テスト利用方式(C方式・D方式など)を学部ごとに設定。
- 関西圏の難関私大の中でも、共通テスト型での募集枠が比較的多い。
関西大学・関西学院大学
- 両校とも共通テスト利用入試の枠が広く、合格者数も多い。
- 「個別試験なし」「3教科で受験可能」といった方式が多く、受験生にとって負担が軽い。
③「学部選び」がより重要に。人気集中と分散
最近の大きな傾向として、「情報系」「国際系」「経済・経営系」への人気集中があります。
たとえば、
- 立命館大学では情報理工学部の偏差値が65前後まで上昇し、「文学部」とは10ポイント以上の差がついています。
- 東京大学でも理科一類からAI・情報分野に進む学生が増えており、「工学部計数工学科」などが人気です。
- 同志社大学のグローバル・コミュニケーション学部、明治大学の国際日本学部なども志望者が増えています。
背景には「将来の仕事を見据えて学部を選ぶ」流れがあり、
- 情報系:AIやデータサイエンスの需要拡大
- 国際系・経営系:企業での活躍、起業への関心
といった志向が強まっています。
こうした流れとは反対に、文学部や教育学部はやや志望者数が減少傾向です。
つまり、「どの大学」よりも「何を学ぶか」を重視する受験生が増えてきており、将来像から逆算して大学・学部を選ぶのが新しい常識になっています。
高校1年生へのメッセージ
高1の今こそ、「自分はどう生きたいか」「何に興味があるか」をじっくり考えてください。大学受験はその延長にあるだけです。
「受かるための勉強」だけではなく、「自分の軸」を探す時間を大事にしてくださいね。
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