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通信制高校の人気急上昇中!

近年、日本で通信制高校を選ぶ生徒が増加しています。この現象の背景には、社会の多様化や教育の選択肢の拡大、生徒や家庭が抱えるさまざまな事情が影響しています。まずは、2014年度から2023年度までの生徒数の推移を示します。

 

年度 生徒数(人)
2014 181,877
2015 183,518
2016 187,538
2017 180,393
2018 206,948
2019 220,000
2020 240,000
2021 260,000
2022 264,797
2023 290,000

 

 

このデータから、2014年度の約18万人から2023年度の約29万人へと、約11万人の増加が見られます。特に、2020年度以降の増加傾向が顕著であり、2023年度には過去最多の生徒数を記録しています。

 

では、なぜこのように人気が出てきたのでしょうか。通信制高校を選ぶ理由や増加の背景をいくつかの観点から整理してみます。

 

  1. 生徒の個別事情に対応した教育形態

通信制高校は、全日制高校のように毎日登校する義務がなく、授業の多くがオンラインや教材を使った自主学習で進められます。この柔軟性は、さまざまな理由で通学が困難な生徒にとって大きな魅力です。

  • 不登校や適応障害の増加
    文部科学省の調査によると、不登校の児童生徒数は増加傾向にあります。不登校の要因は学業不振やいじめ、家庭の問題など多岐にわたり、全日制高校では対処が難しい場合もあります。通信制高校は、生徒が自分のペースで学習できる環境を提供し、学業復帰のステップとして機能しています。
  • 発達障害や学習障害への対応
    発達障害や学習障害を抱える生徒が学校生活に適応できず、通信制高校を選ぶケースも増えています。通信制高校は、学習の進度を調整したり、個別指導を取り入れたりすることで、こうした生徒のニーズに応えています。

 

  1. 多様な学びのニーズへの対応

通信制高校は、全日制高校が提供しにくい柔軟な学びの場を提供しています。これにより、個性や興味を重視する生徒や家庭から支持を集めています。

  • 特技や夢の追求
    芸能活動やスポーツ活動に専念する生徒が、通信制高校を選ぶケースが増えています。たとえば、俳優やアスリート、音楽活動を行う生徒にとって、通常の登校日数や時間割では両立が難しいことが多く、通信制高校の自由なスケジュールが適しているのです。
  • キャリア教育の重視
    通信制高校の中には、特定の職業教育や専門分野に特化したプログラムを提供する学校もあります。ITスキルやデザイン、福祉など、興味や将来の進路に合わせた学びを選べる点が、生徒にとって魅力的です。あるいは、eスポーツを学べるプログラムも学校によってはあるようです

 

  1. 家庭や経済的事情の影響

通信制高校の選択は、家庭の事情や経済的要因とも関係しています。

  • 学費の低さ
    通信制高校は、全日制高校に比べて学費が安いことが一般的です。経済的に困難な家庭では、子どもを高校に進学させるための現実的な選択肢として通信制高校が選ばれることがあります。

 

  1. オンライン教育技術の進展

近年のデジタル技術の発展も通信制高校の人気を後押ししています。

  • オンライン学習の普及
    新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、オンライン学習が広く普及しました。これにより、生徒や保護者が「オンラインでも十分に学べる」という認識を持つようになり、通信制高校への抵抗感が減少しました。
  • 多様な学習方法の提供
    通信制高校では、オンライン授業、動画教材、双方向のWeb授業など、従来の紙教材に加えてさまざまな形式の学習手段が提供されています。これにより、学ぶ楽しさを実感しやすくなり、多様な学習スタイルに対応可能になっています。

 

  1. 社会全体の価値観の変化

日本社会における教育観やキャリア観の変化も、通信制高校を希望する人が増える背景にあります。

  • 多様な生き方の受容
    従来の「全日制高校に通い、大学に進学して就職する」というモデルが絶対視されなくなり、生徒一人ひとりの個性や生き方を尊重する考え方が広がっています。その結果、通信制高校が「特別な選択」ではなく、多くの選択肢の一つとして認識されるようになりました。

 

  1. 教育機関側の努力

通信制高校自体の質の向上や多様化も、この傾向を後押ししています。

  • 学校間競争と魅力的なプログラム
    通信制高校は増加傾向にあり、生徒を集めるために特色あるプログラムやサポート体制を提供しています。特に進学指導や資格取得の支援を充実させることで、保護者や生徒の信頼を獲得しています。
  • 卒業後の進路サポート
    通信制高校は卒業後の進学・就職支援にも力を入れており、「通信制でも進路が拓ける」という認識が広がっています。

 

では、反対に、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

 

通信制高校にはいくつかのデメリットがあります。以下に主なものを挙げます。

  1. 社会性の欠如
  • 人間関係の希薄さ: 通信制高校は、主に自宅学習が中心となるため、学校でのクラスメートとの交流が少なく、友人関係を築く機会が限られます。これにより、社会性やコミュニケーション能力が養われにくいことがあります。
  • グループ活動の不足: 普通高校でのクラブ活動やイベントがないため、集団活動を通じて得られる協調性やリーダーシップを学ぶ機会が少ないです。
  1. 自己管理能力が必要
  • 自主学習の負担: 通信制高校では、基本的に自己管理が求められます。学習のペースや内容を自分で調整し、計画的に進める必要があります。これが苦手な生徒には、学習の遅れやモチベーションの低下を招くことがあります。
  • 締め切りのプレッシャー: 課題や試験などの期限を守る責任は全て生徒に委ねられるため、自己管理ができないと、学業がうまく進まない可能性があります。
  1. 卒業後の進学や就職に影響が出ることがある
  • 進学の難しさ: 通信制高校の卒業生は、進学する際に一般の高校生よりも不利な場合があります。特に、受験のために集中的に勉強する必要があり、予備校に通ったり独自の学習を強化したりしなければならない場合もあります。
  • 就職のハードル: 通信制高校卒業生は、就職時に「フルタイムで通っていなかった」「特定の経験が不足している」と見なされることがあり、他の学校と比較して不利になる場合があります。
  1. 学習内容が限定的な場合がある
  • 教科選択の限界: 通信制高校では、特に科目や選択肢が制限されていることがあります。特定の専門分野を学びたい場合に、他の高校に比べて選択肢が少ない場合もあります。
  • サポートの不足: 通常の高校に比べて、教師からのサポートや指導が少ないため、理解度に差が出ることがあり、特に進学を考える場合には、個別指導が必要になります。
  1. 教育設備の不足
  • 施設の充実度が低い: 通信制高校では、通学型の高校に比べて設備や施設が劣ることが多いです。実技が必要な科目や活動がある場合、それに対応する設備が整っていない場合があります。
  • 学内のイベントが少ない: 通常の高校に比べて、文化祭や体育祭といったイベントが少ないため、学生生活の一部を楽しむ機会が制限されることがあります。

 

上記を踏まえますと、いくつかのデメリットが依然としてあるものの、希望する人が増えている背景には、社会の多様化、教育の選択肢の広がり、生徒の個別事情への対応力の向上が挙げられると言えるでしょう。通信制高校は、学びの柔軟性を重視する現代社会のニーズに応える形で進化を続けており、今後も多くの生徒にとって重要な選択肢であり続けるでしょう。

 

首都圏で学べる通信制高校

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