Kip学伸のブログ



上智大学文学部ドイツ文学科/「楽しい!が引き出した粘り強さ」

「20世紀のドイツという時代にあっても平和を訴え続けた作家たちが、なぜ巨大な国家を敵に回してでも自己を貫けたのか」。その核心を探究したいという想いから、私はドイツ文学科を志望しました。 しかし、このテーマに辿り着くまでには終わりが見えないような苦悩がありました。中高テニス部で部長を務めた経験から「一人ひとりが輝けるチーム作り」に関心を持ち、経営学科で組織論を学びたいと思った時期もありました。また、人間関係に悩んだときに哲学の入門書に救われた経験から哲学科に惹かれた時期もありました。そうした迷いがあったため、高校入学時から推薦入試を意識してきたにもかかわらず、最終的にドイツ文学科を受験する決意を固めたのは高校3年生の7月と遅くなってしまい、大きな焦りと不安を覚えました。特に苦しかったのは夏休みでした。毎日Kipに通い続けているにもかかわらずテーマが決まらないため、何も進んでいないように感じて焦りと不安に苛まれました。夏休みの終わりが近づくにつれて不安は募り、母に泣きついて電話をして帰った日もありました。それでも私は、大沢先生について行けば絶対に合格できると確信していたため、テーマを模索している時間と努力が無駄になってしまうかもしれないという思いから焦りを覚えながらも、思いつく限りのことは全て試みました。思い浮かんだことは全て大沢先生に話して対話を重ねたり、ひたすら内省をしたり、関連する入門書を読み込んだり、さまざまな論文を調べたりしました

私は中高テニス部で部長を務める中で、誰もが活き活きといられるチームを作ることに強い想いを抱いてきました。この経験から、誰もが集団の中でも自分を生きられるように、力となりたいと考えるようになりました。この想いが私の根底にあったため、大沢先生と対話を重ねる中で、個人が国家に途方もなく翻弄された20世紀のドイツの中であっても平和を願う想いを抱き続けた作家たちに惹かれている自分に気付きました。そして、彼らがなぜ群集心理や同調圧力に屈することなく自分の想いを貫くことができたのかを学びたいと思ったのです。その瞬間、人生で最も苦しかった経験や中高テニス部の部長を全力で務めるなかで取り組んできたことといった、まさに「私」と「ドイツ文学」が結ばれたような感覚を覚えました。しかし、テーマが明確に定まったのは9月の終わり頃でした。この遅いスタートからでも上智大学に合格できたのは、「楽しむ」ことができたからこそ粘り強くなれたからだと思います。Kipでの8ヶ月間、苦難に何度も直面しましたが、心の底には常に「楽しい!」という思いがありました。大沢先生と毎日のように重ねた対話を通じて、新たな価値観や概念と出会い、今まで学んだことも考えたこともなかった視点から世界を捉え直し、改めて深く考えることができました。その対話の中で、視点が変わることで世界が新しく見えてくる楽しさに触れ、これこそが文学を学ぶ意義であり、楽しさなのだと強く実感しました。大沢先生との対話を重ねるたびに、「こんな経験が入学したらずっとできるんだ!」と思い、上智大学でドイツ文学を学びたいという気持ちがどんどん大きくなっていきました。

この「楽しい!」という思いこそが、私を粘り強くさせてくれました。楽しいからこそ、大沢先生が伝えてくださる新たな概念や価値観を完全に自分のものにしたいという思いが掻き立てられました。そして、新たな視点から世界を捉え直し、今まで見えてこなかった世界の見え方が目の前に広がる楽しさを実感したいと思いました。そのため、どんな小さな疑問も私の未熟な考えも隠すことなく全て大沢先生に素直に伝えました。そんな私に対し、大沢先生はいつだって真摯に全力で向き合ってくださいました。粘り強さは私の強みですが、時には弱点にもなります。私は完璧主義に近い状態になってしまい、要領が悪くなってしまうことが弱点でした。学校のテスト勉強では1から100までやり切ってしまい、「ここまでやらなくても十分な点数が取れた」と感じることがよくありました。しかし、上智大学の受験においては、「これほどやらなければ合格できなかった」と心から思いました。その努力を支えてくださったのがKipでした。Kipは80%の力で効率よく合格を目指す塾ではなく、今まで出したこともないほどの全力を出して確実に合格を掴み取る塾でした。特に印象的だったのは、大沢先生がたった一文字の推敲にさえも夜遅くまで向き合ってくださったことです。Kipは粘り強い私にとって最高の環境でした。Kipでは毎日塾に通い、大沢先生と思う存分対話を重ねることができます。何気ない対話の中から文学の知識を得たり、書類の新たな切り口が見つかったりするなど、想像を超える発見や創造が生まれる瞬間が何度もありました。これは、授業がなくても自由に学びを深められるKipだからこそ得られる体験です。

試験当日、小論文は例年より課題文が1枚多く、内容が何度も展開されていたため、もっとも伝えたいことを読み取るのがとても難しかったです。しかし、大沢先生との対話の内容や、大沢先生が勧めてくださった本の内容がそのまま活用できるテーマであったため、頭の中で書く内容の選択肢を沢山広げることができました。面接では小論文に関する抽象的な質問を受けましたが、大沢先生との対話の内容を思い出しながら答えることができた。また、ドイツの歴史に関する質問も受けましたが、大沢先生が日常的にドイツの歴史や文学運動の流れ、哲学についても話してくださっていたおかげで対応することができました。パソコンの画面に「合格」の文字が現れたとき、必要最低限ではなく、自分史上最高の努力を全力で後押ししてくださるKipで学んだからこそ掴み取れた合格だと思いました

Kipで学んだ最後の日、大沢先生が励ましの言葉をかけてくださいました。ドアを開けてKipから出た時、合格したわけでも試験が終わったわけでもないのに、自然と涙が溢れていました。それだけKipで全力を尽くしたのだと感じました。ここまで頑張れたのは、文学を学ぶ「楽しさ」を私に伝えてくださり、「粘り強い」私にいつだって全力で向き合ってくださった大沢先生のおかげです。面接の練習を何度もしてくださった講師の先生方、そして私を導いてくれた大沢先生に心から感謝しています。本当にありがとうございました。

小中高生【残席僅か】受付中
大学受験、中学受験の個別進学指導塾 Kip学伸(キップがくしん)
小田急線「千歳船橋駅」より徒歩3分
住所:〒156-0054 東京都世田谷区桜丘5-49-3
TEL:03-3426-7573

塾長 大澤 歩 Kip学伸 YouTubeチャンネル

塾長からのメッセージ

公募推薦や総合型選抜入試を希望する人は、受験勉強を始めるのが一般受験をする人に比べて遅いことが多いのですが、Yさんの場合はその中でも遅いスタートとなりました。何をしたいかが明確になったのは9月下旬だったように記憶します。しかし、そこからの彼女は、書類がより完璧に近づくよう粘り強さを見せ、一言一句自分が満足するよう推敲に推敲を重ねました。その姿は「合格する生徒の姿」そのものでした。ほとんどドイツ文学に対して何も知らなかった状態から始めたにもかかわらず、最後は、面接で大学の先生が驚くような大著を読むまでになりました。受験における粘り強さの大切さを指導者として改めて実感しました。

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