失敗しない塾選び!
塾で年間に100ほどの面談をおこなっていますので、これまで多くの保護者の悩みを聞いてきました。そうした中には次のような事例がわりとあり、不思議に思っていました。
一つは、小学生の低学年からずっと塾には通っているものの、転々と塾を換えている人が意外に多いこと。次に、転塾されてきた方の中には、転塾前の塾が明らかにお子さんに合っていないというケースが意外に多いこと。
都市部に住まわれていれば、どこかの段階でお子さんを塾に通わせることは一般的なことだと思います。もちろん通塾期間が短い人もいれば、小学生から高3までと長い期間に渡って塾に通い続ける人もいるでしょう。多くの人にとって身近な存在である塾ですが、どうやってわが子にあった塾を探すのかを知らない人も多いのではないでしょうか。だからこそ、冒頭に挙げたような事例が多いのだと思います。
まず、このような事例が多い理由は、塾が合っていないからだと言えるでしょう。そこで今日は、失敗しない塾選びをするためのポイントは三つ挙げていきます。
1・家庭の教育方針
まず、重要なことはお子さんに対する保護者の方の教育方針と、塾の方針が合っているかどうかということです。たとえば、今日は家族でお寿司を食べに行こうとなり、近所の回転寿司か行きつけの寿司屋に行くつもりで家を出たのに、間違えて値段の書いていない時価のお寿司屋さんに入ってしまうというようなことはあまり起こりません。家族で行く寿司屋の方針(この場合は予算)がしっかりとしているからです。
同じように、塾に通う場合も、保護者の方の方針と、塾の方針が合っていることが重要です。そのためには、まずご家庭での教育方針がどういったものであるかを保護者の方が考えることが重要です。中学受験をするか、しないか。する場合はどういう学校があるのか。しない場合はどういう高校があるのか。どういった大学に行ってほしいのか等々。
もちろん、分からないことのほうが多いでしょうから、そういったことを含めて相談できる場所が塾です。ただし、目指すべき方向が分からなければ、塾のほうでもアドバイスすることは難しいのです。典型的なのは、「先生、お薦めの学校ありますか?」です。
学校の数が二つや三つしかない場合は判断材料が少ないわけですから、まだお薦めすることができるかもしれません。しかし、東京のように選択できる学校が膨大な数になると、何か条件を絞っていただかなければ、お薦めできるかどうかも分からないのが実情です。
そうはいっても、受験をするかどうかが今の段階で分からないという人もいるでしょう。その場合は、現時点で分からないが、どういった条件になるかによってするかどうかが決まるのかを考えておく必要があります。ただし、「うちの子がやる気になったら受験します」ということを言われる人もいるのですが、あまり良い方針だとは思えません。保護者の方の方針が見えづらいからです。
小学生というのは、受験をする意味が分かるには早すぎます。そもそも「やる気」という曖昧なものを根拠にすること自体が、教育上あまり良いとは思えません。もちろん、お子さんのほうから「受験をしたい」と言ったことがきっかけでも良いと思います。これは「やる気」という曖昧なものではなく、お子さんの意志だからです。上の二は、同じことのように思えるかもしれませんが、まったく異なることです。お子さんが「やる」と言ったからといって、実際に行動がついてくるかどうかは分かりません。保護者の方の多くは、「やる」と言った以上、お子さんが実際に勉強をみずからすることを望むのですが、そう簡単にいくものではないのです。お子さんが「やる」と言ったことがきっかけで、受験をするという方針をとるのであれば、本人のする、しないに関わらず、受験に向けて全力で応援をするというのが保護者の方針であるということです。
2・塾の方針
次に重要になってくるのが塾の方針です。どんなに素晴らしい合格実績を誇っている塾であったとしても、そうした学校に進学する気のない人にとっては合った塾とは言えないからです。反対に難関校の受験を目指しているのに補習塾に通っても意味がありません。ご家庭の教育方針が決まると、おのずと合う塾かどうかは見えてきます。ただし、塾の方針は必ずしも明確でないことがあります。
3・塾の方針を知ることができる面談
皆さんはどうやって塾を知るのでしょうか?近所のママ友でしょうか?チラシでしょうか?グーグルマップでしょうか?それとも検索エンジンで調べるのでしょうか?
何で知ったにせよ、HPがありSNSを発信している塾であれば、連絡をする前にどういう塾であるかある程度分かるはずです。大手の塾であれば、HPにあまり何も書かれていなかったとしても、進学塾であるのか、補習塾であるのかなどなんとなく分かるはずです。問題は個人塾です。個人塾の場合は、なんらかの発信をしていないところは情報が足りません。その際に重要になってくるのが面談です。
ほとんどの塾には、面談という制度があります。まずは、入塾するかどうかの判断材料として行かれることでしょう。また通塾中も定期的に面談があると思います。塾の面談がどのようなものなのかは、塾の面談に対する姿勢によって大きく異なると思います。自塾では、新規の場合でも内部生の場合でも平均で一時間程度の面談をおこなっています。塾のよっては10分くらいで終わるところもあるらしいので、人によっては一時間も何を話すのか?と疑問に思うかもしれません。自塾の話をしますと、何らかの悩みをもっていて、そうした悩みの解決方法を検索エンジンで調べていくうちに、自塾の存在を知ったという方が多くいます。たとえば、
現在大手の塾に行っているが、成績が伸び悩んでいる。やる気がないわけではなく、単純に学習内容が難しいうえに進度が速い。だからついていけずに、ますます成績が下がるという負のスパイラルにはまっている。どうすれば良いのか?
といったご相談です。こうしたご相談に対して、自塾であればこうした解決方法をもっていますというお話をするのです。どうしたって一時間はかかります。もちろん、面談時間が長いから良いという話でもありません。当然問題はどういう話をするかだと思います。しかし、大半のケースではしっかりと話ができる時間がまずは確保されているかどうかは重要だと思います。
こうして、わが家の教育方針と塾の教育方針が合うかどうかがある程度分かれば、不幸な出会いは減るでしょう。もちろん、長く通塾していると最初は見えなかったダメな部分もあるかもしれませんが、少なくともまったく合っていないことはないはずです。
要するに、塾探しをする前に「わが家の教育方針」について考えること。それがある程度決まれば、次にそれに合った塾を探し、面談で本当に合っているかどうかを話し合ってみることが重要だということになります。
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