Kip学伸のブログ



【中学受験国語 】 記述問題が苦手な人

国語が苦手という人の中でも、もっとも多いのは記述問題が苦手という人です。物語や説明文、随筆など長文の種類を問わず、とにかく記述が苦手という人は一定数います。

 

仮に、選択問題はできているのに記述問題だけいつも空白であるといった場合は、その根本的な理由は簡単です。

 

それは、書き方が分からないからです。

 

要は、選択問題ができていれば、読解はある程度できているということになります。読解はできてはいるが、設問で聞かれたことに、自分の言葉で書こうとするとそれがうまくいかないのです。

 

では、なぜ書き方が分からないのでしょうかその答えもいたってシンプルです。書かなければならない文が長すぎるからと言えます。

 

たとえば、

「何々をしたのはだれですか?」という問いであれば、人名を書けば良いだけですから書けないということはないはずです。

 

しかし、これが次のようになれば難しくなってくるはずです。

 

「何某さんは私にとってどういう存在でしたか?」という問題で、模範解答が

 

「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれ、将来私の進む道に強い影響を与えてくれた、今の私にとってもかけがえのない存在」

 

であったとします。これで65字ありますからわりと量があると言えるでしょう。記述が苦手な人にとっては、強敵な問題です。これをいきなり書かせようとするから書けなくなるのです。

こうした問題に対して白紙で答案を出したり、完全にズレている解答を書いている人に、模範解答を見せたり、教えたりしてもあまり意味はありません

 

こうした問題の場合、

 

「~の存在」の「~」に入る部分が最重要なわけです。上記であれば「かけがえのない存在」ということになります。そこから「なぜかけがえのない存在といえるのか」を考えていき、次に、「将来私の進む道に強い影響を与えてくれたから今の私にとってもかけがえのない存在」となっていくのです。

 

ただし、まだ字数が足りないのでその他の理由も探します。「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれた存在」となり、それらを合わせて解答をつくっていきます。

 

こうしたプロセスで解答を作っていくのですが、何も書けない人に、これをいきなりしようと思ってもできません。

 

こういう場合の訓練は、国語の読解問題をするよりも、むしろ作文の練習のほうが効果的です。

 

例を挙げてみましょう。

 

「おじいさんは毎朝畑に行きます」

 

という文があれば、これに修飾語をつけていくのです。そのときに問いをつけると良いでしょう。

 

「どのようなおじいさんですか?」

「いつは畑にいきますか?」

 

そうすると、

 

「来年90歳になるぼくの隣に住んでいるおじいさんは、毎朝日の出とともに、畑に行きます」

 

といった文ができます。前半は「おじいさん」を修飾する言葉、後半は「行きます」を修飾する言葉を追加しています。まずは、こうした訓練をしていきます。ここからさらに増やしていく方法としては、因果関係や比較する対象を追加するというのがあります。

 

比較の文

「おばあさんが毎日お昼まで寝ているのに対し、一方のおじいさんは毎朝畑に行きます。」

 

因果関係の文

「若いときは夜型人間でそういう生活はもう嫌だと思ったために、おじいさんは毎朝畑に行きます」

 

これらすべては核となる「おじいさんは毎朝畑に行きます」というところを変えていません。国語の記述問題も基本的に考え方は同じで良く、まずは最短の答えを考え、そこに追加していくのです。それが因果関係なのか、比較なのか、あるいは体言止めとなるものなのかといった違いはありますが、基本的な考え方は同じです。

 

ということは、そもそも最短の答えが分かっていなければなりません。そこの箇所が分かっていない人はおそらく選択問題もできていないはずです。その場合は、読む文章を短いものから始めると良いでしょう。もっと簡単に言うと、今使用しているテキストが難しすぎるのです。もちろん、通っている塾の方針もあるでしょうから、テキストを変更することは難しいかもしれません。ただ、簡単な読解ができていない場合、難しい問題をしても学力アップにはつながらないので、短くて内容が分かる文から始めることを強く勧めます。

 

さて、こうした短文を書く訓練をしていくことで、書き方がわかっていき、その結果として長い文章、記述問題も書けるようになります。

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