Kip学伸のブログ



メリトクラシーとは何か?

みなさんご存じのように日本には、明治になるまで身分制度がありました。生まれながらに身分があり、その身分によって職業が決まっているという制度です。日本に限らず、近代化以前は、ほとんどの国で見られた制度です。明治とともに近代化が進み、その過程で身分制度が廃止され、その人の能力によって地位が決まっていくようになりました。これをメリトクラシーと言います。もちろん、現代の日本はメリトクラシーと言えます。

 

もともとメリトクラシーというのは、メリット(「業績、功績」)とクラシー(cracy、ギリシャ語で「支配、統治」を意味する。その他クラシーがつく単語としてdemocracy 民主主義 Aristocracy 貴族政治 bureaucracy 官僚政治などがある)を組み合わせた造語です。

 

日本語では、「能力主義」と訳されるのが主流ですが、本来は「功績主義」「業績主義」といったほうが原語に忠実のように思います。

 

この言葉は、イギリスの社会学者マイケル・ヤングによる1958年の著書『Rise of the Meritocracy』から出てきました。

多くの人にとって、メリトクラシーは違和感がないでしょう。生まれ持った身分よりもその人の実力で社会的階層が決まるのであれば、努力のしがいがあるというものです。簡単に言うと、学歴というはしごを登ることができるのがメリトクラシーです。

 

ところで、先ほどのヤングの本で生まれたこの言葉ですが、悪い意味で使われていました。本の内容は、知能指数と努力だけですべてが決まる「メリトクラシー」を採用したディストピア的近未来を舞台とした風刺的なものとなっており、最後には、傲慢で大衆の感情から遊離したエリートたちを大衆が覆すという結末になっていました。つまり、悪い意味で使用されていたのです。

しかし、広く使われるようになるにつれて、「生まれよりも能力を重視して統治者を選ぶシステム」という前向きな意味合いで使われるようになりました。みなさんも、言葉の概念を聞いてこうした意味に聞こえるのではないでしょうか。

 

しかし、努力によって社会的階層が変わるメリトクラシーに問題がないわけではありません

 

能力が評価されると言われるこのメリトクラシーですが、そもそも能力とは何でしょうか?

 

たとえば、一例に学力や学歴が挙げられるでしょう。そもそも、学力や学歴はその人の努力だけによって得られるものなのでしょうか?というのも、与えられる機会が平等であると言えるでしょうか?たとえば、都市部に住んでいる豊かな人と、離島でクラス貧しい人とで同じ教育や文化的恩恵を受けることはできるのでしょうか。生まれながらにある能力はずっと同じであるというより、生まれた環境、育った環境によっても能力が変わってくるのではないかという疑問は当然のように思えます。しかもそれが何世代化に渡ってのこととなれば、その差は大きくなる可能性が拡がります。東大に合格した人の親の年収が高いということを聞いたことがある人も多いと思います。教育にお金をかけられるからだということでしょう。そうすると当然、富める者はその「能力」を身につけ、貧しいものはなかなか能力を身につける機会がなくなっていきます。

ちなみに、このメリトクラシーの究極型がペアレントクラシーと言われています。最近はやった言葉の「親ガチャ」がまさに同じ意味です。親によって子どもの人生が決まってしまうのです。

こうした社会では当然、その差は広がります。

それがここ数十年、先進国で言われる「分断」です。グローバル化が進むことでますます豊かになるグローバルリッチと、貧困の連鎖から抜け出せない人の差が埋まるどころか広がる一方となり、それが社会問題となっているのです。移民の多い欧米では完全にそうした分断が起こっています。日本も今後は無縁ではなくなるでしょう。

 

この「分断」をなくしていくには、メリトクラシーという制度のそのものを見直していかなければなりません。

 

そのためのポイントは「能力とは何か?」ということになると思います。能力というのはその性質上社会的なものです。要するに社会が決めたものだということです。別の側面からいうと社会が認めれば、これまで能力とみなされなかったことでも能力だと認められるということです。

これは「多様性」の一側面です。価値観が同じですと、いきつくところは、その価値観で認められるポジション争いになり、究極的に親までいってしまいます。しかし、認められる価値が無限にあれば、努力や富だけがはしごを登る手段ではなくなるのです。

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