国語が苦手な人は「つまり」「だから」の区別がついていない!
数多くの生徒に国語を指導してきて気づいたことはたくさんありますが、今日はそのうちの一つを紹介します。
それは国語の苦手な人は、接続詞の「つまり」と「だから」の区別がついていないということです。これは小学生に限らず、中学生でも高校生でもあまり違いはありません。
まずは次の例文を読んでみてください。
昨日の夜から熱があります。さらに、今朝からは咳もでるようになった。
この後に、「風邪をひいた」とつなげる場合は、「つまり」と「だから」のどちらが正しいでしょうか?
つまり???
だから???
「つまり」は言い換えですから、事実が羅列されている場合は、言い換えも事実となります。ですから、「つまり、風邪をひいた」というのは正しいということになります。
一方の「だから」は、原因に対する結果を表します。
「熱がある」ということや「咳が出る」という原因から風邪をひいたという結果になるでしょうか?おかしいですよね。あくまでも、咳や熱が出るのは風邪をひいた結果の症状です。
「だから」を使うのであれば、「だから、学校を休もうと思っている」といった心情や感情を表す言葉となります。
基本的に説明文や論説文といわれるタイプの文が出題された場合、この「つまり」がどれだけ見抜けるかがポイントとなります。典型的な問題は「下線部の箇所はどういうことか/どういうことを表しているか。次のア~オの選択肢の中から最も適したものを選べ」といったものです。こうした選択問題の場合は、書かれている選択肢を分解して、本文中に書かれているかどうかの確認作業が重要です。適してない箇所が一か所でもあればその選択肢は×となります。
一方の物語文はよく「心情理解」と言われます。登場人物の心情とその変化を、表情や空の色、声の調子の描写を通して理解していくのです。では、なぜ心情変化が起こるのでしょうか?それは簡単で、心情を変化させる原因があるからです。
そのため物語文の設問の多くは「なぜ」から始まります。たとえば、
せいや君は今日学校で友だちと口喧嘩をしました。口喧嘩と言っても一方的に悪口を言われ、言い返そうと思いましたが言い返すことができませんでした。家に帰って自分の部屋に入ったとたん、涙がほほを伝わりました。
という文があったとします。ここで「せいや君はなぜ泣いたのですか?」という問題に対して、「友達に悪口を言われ言い返せなかったから」ですと減点対象の答案になります。
悪口を言われた→言い返せなかった
というのは事実です。ここで重要になってくるのが「だから」という接続詞です。
言い返せなかった。だから、どういう気持ちになったのかを考えるのです。
悪口を言われた。言い返せなかった⇒だから、悔しくなった。⇒だから泣いた。
このような順序で考えるのです。
もう一度おさらいをしますと。
・説明文は、筆者の主張が重要で、設問はその言い換えになる。⇒「つまり」で考える。
・物語文は、登場人物の心情とその変化が重要で、設問はその理由になる。⇒「だから」で考える。
こうした訓練を行うのは、いわゆる普通の長文読解を数多く解くよりも、接続詞を使いながら短文を書く訓練をしたほうが早いです。
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