Kip学伸のブログ



受験における戦略と戦術――慶應文系狙いは国語の勉強は不要か?――

先日慶應大学文系を目指す高3生に質問を受けました。彼女は、Kip学伸で小論文のみを受講しています。英語は英語の塾へ、世界史は世界史の塾へ通っています。要するに科目ごとに異なる塾に通っています。

いくつかの質問を受けたのですが、以下のようなものでした。

 

・別の塾のチューターに慶應を目指すのであれば国語の勉強は時間がもったいなからしないほうが良いが、勉強をしないほうが良いのかどうか?

 

・英語の塾の先生に模試は受ける必要がない。マーク模試と本番では試験形式が違うから意味がないので、受ける必要はないと言われたがどう思うか?

 

・英語の塾が通っていて意味がないように感じるので辞めても良いと思うか?

 

内容は若干異なるとはいえ、このように、細かなことで疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。それぞれにまったく異なる内容の質問ではありますが、共通していることがあると思います。

それは、上記の質問には受験にたいする戦略が欠けているということです。

 

受験をするには、戦略と戦術の二つの作戦が必要です。戦略と戦術というのは、よくビジネスの世界などで言われている用語ですが、受験にも同じことが当てはまると思います。ですから、受験生は特にこの二つを意識してほしいと思っています。

 

戦略というのは、「勝ち方」と言い換えても良いでしょう。戦術はその「勝ち方」を遂行するのに必要な準備です。

 

まず、戦略で重要になってくるのは、二点あり、敵を知ることと自分を知ることです。敵の強みと弱み、自分の得意分野と不得意分野を知らなければ、勝ち筋は見えてきません。ということは、戦略そのものは、当然人によって異なってきます。

たとえば、あなたが戦国武将だったとしましょう。他の武将に比べ、鉄砲を多く持っているわけでもなく、騎馬戦が強いわけでもありませんが、剣術に強い兵士が多いのが強みです。そして、戦う相手は騎馬戦を得意としています。

その場合、戦う場所を平地にしてしまうと勝つ可能性が低いと言えるでしょう。相手の強みが活かせず、かつ自分の強みを活かすのであれば、足場の悪いところで近距離で戦うことになります。ですから、山などの場所に相手をどうやっておびき寄せるかがポイントになります。これが戦略です。

 

これに対して戦術は、山などの足場の悪いところでの戦い方、もしくは奇襲のかけ方になります。あくまでも、戦略が決まったうえで決まるものです。

 

さて、これを受験に当てはめてみましょう。受験における戦略とは、以下の一点です。

 

・どういう試験形式でどこの学校(大学)を受験するのか

 

受験というのは、合格しなければなりません。その合格をどこで、そしてどういう形で勝ち取るかということです。

たとえば、慶應に志望していてその他の大学に行く気がないのであれば、それこそが戦略です。そして、そこから導き出せる戦術は、慶應のみに合格する勉強法です。ですから、最初の質問に答えると国語の勉強は不要ということになります。

しかし、浪人はしたくない、というのであれば話は変わってきます。浪人にならないことと、慶應の合格を天秤にかけ、浪人になりたくないことを優先するのであれば、そこからおのずとやらなければならないことが見えてきます。その場合は、滑り止めはどこまでの学校にするのかというのを考えていかなければなりません。つまり、戦略を練るということは優先順位を明確にするということでもあります。

そして、どの学校を受験していくかを決める際には、やはり偏差値が重要になってきます。偏差値を通して、相手を知り、自分を知ることができます。特に高3生であればなおさらです。

その意味で最初の質問に答えると、模試は受けたほうが良いでしょう。テスト形式の差があるとはいえ、そもそも慶應に合格する学力があるのであれば、マーク模試もある程度はとれるはずです。慶應に受かるために模試を受けるというよりは、自分の現時点での測るために受験するべきでしょう。そうでなければ、戦略が練れませんから。

 

そして、戦略が決まることで、初めて戦術を考えることができます。受験する学校(大学)に必要な科目。そしてその優先順位。やるべきテキストなど・・・。

 

話は少し反れますが、上記のような意味では学校の各科目の勉強は戦略なき戦術と言って良いでしょう。

 

戦争で例えると、学校の勉強は刀を研いだり、局地戦での戦いを想定した練習をしたりすることです。しかし、それが本番であまり重要でないのであれば、力を入れる必要はありません。要領の悪い人は、こうした戦略なき戦術を真面目にしているのですが、肝心の戦略がないために、受験という大一番でうまくいかなくなることが多いのです。

 

さて、こうしたことをすべて踏まえたうえで、塾というのは、本来戦略と戦術両方を一緒に考えていくところです。受験に必要な科目すべてを一つの塾で学んでない場合は、戦略は自分で考えなければなりません。塾はあくまでも戦術を考えてもらうところになるでしょう。

 

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塾長 大澤 歩

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先の見えないこの時代、何か困難が起きたときに、それを乗り越えていくだけの知恵と心の強さがなければなりません。そして本来、教育とはそういう力を養成するものであると考えております。受験は本来学力を向上させるだけでなく、精神力も強くするものです。勉強を継続することは決して楽なことではありませんが、苦しみだけがあるわけでもありません。知る喜びもそこにはあります。塾では単に知識を伝えるだけではなく、学習を通して、「学ぶ力」「忍耐力」「継続力」「計画性」「目標設定」など人生に必要なものを多く学んでいただける場であることを常に心がけています。本気になったみなさんが来塾されるのをいつでも待っています!

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