個別指導塾の弱点
クラスという単位で学校や塾でクラス編成をしていた昔と異なり、現在、塾業界では個別指導塾が一般化しました。
しかし、個別指導といっても明確な定義がないため、「個別」と聞いたときに連想することは人によって異なります。Kip学伸も個別進学塾と謳っていますが、お問合せの段階で、「一対一の指導でしょうか?」という質問をいただくことがよくあります。実際には、個別指導と謳っているところも一対一の指導形式は少なく、多くは二人~四人程度が多いようです。
「個別」=「一対一」と連想する人は
一対一の指導形式である⇒自分のペースで勉強ができる⇒質問もしやすい⇒成績が上がる
という思考のプロセスを経て、「一対一」が良いと思われているのだと思います。同じ一対一指導でも家庭教師の場合は、自宅に来てもらわなければならないので大変ですから、それに比べると負担も小さいと言えるでしょう。
もし上記のようなことが本当であるなら、つまり一対一で教えてもらうことによって、学力が上がるのであれば、こんなに素晴らしいことはありません。なぜなら、学力を上げたければ、個別指導の塾に通えば良いという解答を得られるからです。
しかし、現実はやはりそううまくはいきません。中学受験や大学受験といった激しい競争を勝ち抜かなくてはならない受験の世界で、一対一で指導してもらって合格を勝ち取ったと言う人は、かなり稀だと思います。実際、中学受験の世界ではいまだに集団指導塾のほうが主流です。例外的に一対一の指導が効果を発揮するのは、指導してもらうべき単元や問題が明確なときでしょう。入試前に苦手な理科の単元を見てもらう、過去問の算数だけを見てもらう、といった状況では一対一である最大のメリットを発揮すると思います。ただ、これは例外的な状況で、長期的には一対一の指導で受験を勝ち抜くことは難しいと言えるでしょう。
それはなぜでしょうか?
一般的に個別指導塾のデメリットとしては「競争がない」ことと「授業料が高い」ことの二つが挙げられます。一対一指導であればなおさらそのデメリットは強調されるでしょう。
教育の世界でも、当然資本主義の原理が働くわけですから、競争があるほうが人は頑張りやすいと言えます。また、一対一で指導するのであれば、当然費用が高くつきますから、受講できるコマ数も限界があり、多くの科目をたくさん見てもらうことは難しくなるでしょう。
しかし、個別指導の最大のデメリットは、そうしたことよりも講師が学生バイトであることだと私は思っています。もちろん中には受験の特殊算を指導できる人も数多くいるでしょう。指導がうまい学生もたくさんいます。しかし、学生の本分は勉強ですから、アルバイト先で指導している生徒の勉強を自分の勉強より優先するというケースは稀でしょう。また、それを求めるべきではありません。
「競争」があることによって頑張れるのが集団塾の特徴であるのであれば、個別指導塾の特徴は「マイペースで頑張る」ということにはなりません。「競争」に効果があるのは、「競争」がモチベーションとつながるからです。「マイペースで頑張る」というのは、あくまでも自分のペースで学習したいという思いであって、モチベーションとつながるわけではありません。要するに、一対一で指導するのであれば、モチベーションも各生徒に合わせて上げられるような引き出しが講師に求められます。もちろん、それを学生に求めるのは難しいでしょう。
そもそも「振替授業が簡単に行える」「自分のペースで勉強ができる」「一対一で教えてもらえる」「先生は優しい大学生」といった環境で緊張感を保って学習に臨むことは相当に難しいことです。特に一対一の環境は、どうしても馴れ合いになってしまいます。経験の少ない大学生であればなおさらでしょう。
とはいえ、昔と違って、中学受験と言っても選択肢も増え、難関校だけではありませんし、その入試方法も多様化しています。そういうことを考えると、そうした希望に沿って学習カリキュラムを組んでくれる塾があるのであれば魅力的なことは間違いないでしょう。
ですから、これから塾を探す場合に、上記のような個別指導のデメリットに対してどういうアプローチをしているのかを聞くことで、個別の魅力だけをもった塾に出会えるかもしれません。
小中高生【残席僅か】受付中
大学受験、中学受験の個別進学指導塾 Kip学伸(キップがくしん)
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