わが子の成績を上げるために「自己肯定感」を育もう!
学力を伸ばすのにもっとも重要なことは何でしょうか?
各科目の勉強法や、勉強量を増やすことはもちろん重要ですが、最も重要なことは「心構え」だと思います。
その中でも、自分で自分が信じられることはとても重要です。勉強を続けていくと、当たり前ですが学習時間に比例して成績が上がるとは限りません。また、うまくいかないことも当然でてきます。そうした壁に直面したときにこそ、その人の真価が問われます。「もうだめだ」と思えばそれまでになってしまいます。「自分ならできる」と心から思えるには、自分で自分を評価する感情、すなわち「自己肯定感」を持たなくてはなりません。
日本ではこの自己肯定感は、あまり重視されてこなかったのですが、おそらくプロスポーツを通して、その重要性に少しずつ注目がいくようになってきました。こうした感情を持てる人が日本では他国に比べて少ないそうです。実際、若者を対象にした意識調査を複数国で実施したところ、日本の若者は「自己肯定感が低い」という特徴があるそうです。内閣府のデータによりますと、たとえば「自分自身に満足している」という項目で、アメリカ86%、イギリス83%、韓国72%なのに対して日本は46%しかありませんでした。その他項目においても、自己を肯定するような項目は軒並み低いというのが特徴です。
もちろん、自己肯定感というのは感情ですから、先天的なものではなく、環境によって育ってきたものです。言葉を換えると、自分を肯定する感情を育てていく環境が日本ではあまりないということでもあります。人間にあってAIにないものは感情です。自分で自分のことを信じることができるからこそ、想定を超えたことを人は成し遂げることができるのです。自分で自分のことを評価するというのは、もちろん傲慢になるということではありません。心の底で、「自分であればできるだろう」と自分自身のことを信じる気持ちのことです。こうした感情を持てるからこそ、自分の未来を思い描き、その実現に向けて一歩が踏み出せるようになるのです。
この自己肯定感を育んでいくためには、二つのことが重要だと思います。まずは、自分の感情に向き合うことです。そのためにはご両親の協力が欠かせません。
学校から帰ってきたお子さんに「今日は何があったの?」と質問することは日常的にあると思います。それに対して、「数学の小テストがあった」という返答があったとします。それに対し、「どうだったの?」と聞くと、「だめだった」あるいは、「良かった」といった答えが返ってくると思います。もっと頻繁にありそうな会話としては、「宿題やったの?」や「終わってないなら早くしなさい」というようなやりとり、していませんか?
こうした会話の中には相手の感情に踏み込んだようなことは一切出てきていません。そこに事実を問う質問と次にやるべき指示だけがあります。こういうような会話が続きますとお子さんが感情豊かに自分の気持ちを肯定することも難しいでしょうし、自分の気持ちを醸成するような時間がないわけです。常に時間に追われるように、「あれやったの」「これやったの」「どうだったの?」「ああだったの?」と絶え間なく続きますと、「自分はこう思った」とか「こういう気持ちになったけど、良いのだろうか」とじっくりと考える時間が作れません。
ですから、じっくりと自分の感情に向き合う時間を意識的に作るために、ご両親がふだんどのような言葉をかければ良いのかを考えていただきたい。難しければ、詰問するのを止めて、自分でじっくりと考える時間をあたえてあげるだけでも良いと思います。自分の心と向き合ってどのような感情が育っていくのかを見つめられる人になれば、自己肯定感はおのずと育っていきます。
もう一つ重要なことは、たとえばある目標ができたときにふつうは「できる」「できない」の二つで考えていまいますが、「できない」を考えずに「できる」ためには何をしたら良いのかと考える訓練です。人間というのはできないための言い訳をする天才です。ですから、「できる」「できない」で考えてしまうと、ついつい「できない」ほうに引きずられてしまいます。そうならないために、最初から「できる」という考えた方を持つのです。
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