現在の大学受験制度・・・6
このAO入試制度ですが、受験生、大学側双方にメリットがあります。
まず受験生にとっての最大のメリットは逆転合格がしやすいということです。一般受験では偏差値20を逆転されることは至難の業ですが、AOでは頻繁に見られます。
ちなみに、去年映画が大ヒットしたビリギャルですが、彼女が合格したのは慶応大学のSFCという学部なのですが、そこは英語と小論のみです。科目数が少なく、AOに近いといえます。小論は偏差値と関係ありませんから、英語だけでしたら、偏差値40の逆転も難しくありません。その反対に、科目が増えると、平均の偏差値を上げるのが難しくなりますから、その意味で国立の逆転合格の方が大変だということです。
また、部活や好きなことを一所懸命に頑張った人も報われやすいといえるでしょう。合否も年内にでますから、早く解放されるということもメリットとして挙げられます。
大学にとってもメリットがあります。というよりも、ぼくの実感としては、生徒のメリットよりも大学にメリットがあるからこそAOの拡大が図られたのだろうと思います。
有名大学とそうではない大学では事情が異なりますが、早稲田や慶応という有名大学に限っていえば、その最大のメリットは偏差値を上げられることです。
以前に書きましたが、早稲田の政経は一般合格者数を減らしていき、その分センター利用やAOが増えています。
AO合格者は予備校の偏差値に反映されませんから、政経の偏差値は高く保たれます。一般に募集数が増えれば、偏差値が下がっていきますが、これで募集を多くとっても偏差値が下がることはありません。つまり、私立の学校は経営のために生徒数が多い方が良いわけですが、多くなればなるほど偏差値が下がります。AO入試制度は、この悩みを一気に解決してくれるのです。
もちろん、学力差(特に英語は)がありますから、大学のなかでクラスをレベル別にわけて授業を行い、学力差があっても授業の運営に支障をきたさないようにしています。
こうして、難関私立大学は、東大・京大を除く旧帝国大学に比べても高い偏差値が出るという結果になります。もちろん、こうしたカラクリは企業の採用担当者は知った上で、対応しています。
また、優秀な生徒の青田買いというメリットもあるかと思います。
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