Kip学伸のブログ



2026年度 中学受験 五大ニュース 〜保護者・受験生必見!今年の中学入試を総まとめ〜

カテゴリー:中学受験2026.03.29

 2026年度の中学受験が終わりました。今年はさまざまな意味で「節目の年」となりました。11年ぶりのサンデーショック大学付属校の新設共学化ラッシュ、そして受験者数が微減に転じるなど、話題の尽きない入試シーズンでした。

本日は、2026年度中学受験における五大重大ニュースを厳選してお届けします!来年以降の受験を考えている方も、ぜひ最後までご覧ください。

 

【第1位】11年ぶり「サンデーショック」直撃!

◆ ニュースの概要 

2月1日が日曜日にあたるため、キリスト教系の難関女子校が軒並み入試日を変更

2026年度の最大のニュースといえば、11年ぶりに発生した「サンデーショック」です。

キリスト教系の学校は日曜日に入試を行わない慣習があるため、2月1日が日曜日となる年は入試日程が大きくずれ込みます。今年はまさにその「サンデーショック年」でした。

 

▶ 女子学院・立教女学院・東洋英和女学院・横浜共立学園などが2月2日に入試日を移動

▶ 2月1日の試験実施校が減り、2月2日に超過密スケジュールが集中

▶ 例年と全く異なる「併願戦略」が求められ、塾・家庭とも対応に追われた

 

【特筆すべきポイント】

プロテスタント系のフェリス女学院は、過去のサンデーショック時には日程変更していましたが、2026年度はあえて2月1日に入試を実施すると発表しました。その結果、例年は併願不可能だった「桜蔭とフェリス女学院の同日受験」が、受験史上初めて実現!受験関係者の間で大きな話題を呼びました。

 

【第2位】明治大学付属世田谷(旧・日本学園)が共学化で誕生!

 

◆ ニュースの概要 

100年以上の歴史を持つ男子校「日本学園」が、明治大学の系列校として共学化・改名

 

2026年度から「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」として新たなスタートを切った旧・日本学園の変貌ぶりは、今年の中学受験界で最も注目されたトピックのひとつです。

 

もともとは1885年創立の男子校「日本学園」が前身

2026年度より男女共学化+明治大学付属校として生まれ変わる

明大への推薦枠を持つ大学付属校として、女子受験生を中心に出願が殺到

▶ 難易度(偏差値)も急上昇し、「お得校」から一気に「人気難関校」へ

 

大学の系列化・共学化によって学校の難易度や人気が劇的に変わる——その典型例となった学校として、今後も注目が続きそうです。

 

【第3位】共学化・校名変更ラッシュ!学校改革の波が加速

 

◆ ニュースの概要 

複数の学校が一斉に共学化・校名変更を実施し、受験地図が塗り替えられた

 

2026年度は、明大世田谷だけでなく複数の学校が同時期に大きな変革を迎えました。

 

▶ 鎌倉国際文理中学校(旧・鎌倉女子大学中等部)が共学化・校名変更

▶ 北里大学附属順天中学校(旧・順天中学校)が大学系列入りで医療系進路に強みをアピール

▶ 理系・医療系・国際系を打ち出した学校が軒並み出願者増

 

「校名が変わっただけ?」と思ったら大間違いです。カリキュラム・指定校推薦枠・校風まで変わるケースも多く、来年以降の受験生は必ずリサーチが必要です。

 

【第4位】受験者数が微減——中学受験ブーム、転換点か?

 

◆ ニュースの概要 

首都圏の受験者数は4年連続5万2000人超も、前年比250人減と微減に転じた

 

ここ数年「空前の中学受験ブーム」と言われてきましたが、2026年度は一つの節目を迎えました。

 

▶ 首都圏受験者数:5万2050人・受験率18.06%(過去3番目の高水準)

▶ しかし総受験者数は前年から250人減——4年間で初めての減少

▶ 埼玉県では1月の出願者数が前年比5,285人減と大幅減少

▶ 東京・茨城は受験者増、その他の地域は減少傾向

 

「ブームが終わった」と断言するのは早計ですが、少子化の進展や高校授業料無償化の影響もあり、「わざわざ中学受験する必要があるのか」という問い直しが家庭に広がり始めているとも言われています。この潮流は今後の受験動向を読む上で非常に重要な変化です。

 

【第5位】御三家・難関男子校の苦戦——難易度にも変化の兆し

 

◆ ニュースの概要 

開成・麻布・筑波大駒場など最難関男子校の志願者数が軒並み前年割れ

 

長年「中学受験の頂点」として君臨してきた御三家をはじめとする難関男子校に、異変が起きています。

 

▶ 開成中:前年比98%・筑波大駒場:96%・麻布中:88%(志願者数)

▶ 特に麻布は2024年度の東大合格者数の落ち込みが志願者離れに直結したとも

▶ 実倍率は2倍前後まで低下する可能性も指摘される

▶ 一方で広尾学園・渋渋など「自由・グローバル系」難関校は人気継続

 

「東大合格者数=学校の価値」という時代から、「子どもの個性・将来に合った学校選び」へと価値観がシフトしつつある動きが、受験者数にも如実に現れています。

 

【まとめ】2026年度を一言で言えば?

「変革と転換点の年」——これが2026年度中学受験の本質です。サンデーショックという特殊環境の中、新設・共学化校が注目を集め、受験者数が微減に転じるなど、中学受験の「当たり前」がいくつも変化した年でした。来年以降の受験を検討している方は、学校選びの視点そのものを見直すきっかけにしてみてください。

 

お休みのお知らせ

カテゴリー:お知らせ2026.03.27

3月28日(土)~4月2日(木)は塾がお休みとなっております。お間違いのないようご注意ください。

東大志願者数 約30年で激減 ~日本の秀才たちはどこへ消えたのか~

カテゴリー:大学受験2026.03.22

みなさん、突然ですが質問です。「東大を受けたい」と思う高校生は、30年前と比べて、今は増えているでしょうか? それとも、減っているでしょうか?

 

答えは、大幅に「減っている」です。

 

2025年、東大の志願者総数は8,421人で、これは1995年以降で過去最低の数字です。

ピーク時には1万人を超えていた志願者が、いまや8,000人台。定員はほとんど変わっていないのに、です。

ここで、「あれ? じゃあ京大に流れたんじゃないか?」と思った方は鋭いですね。実は2025年の京大の志願者数は直近10年で最多水準となっており、関東からの志願者が大幅に増加しています。東大を敬遠した受験生の一部が京大に流れた、という側面は確かにありそうです。

 

しかし、本日見ていきたいのは、そういった「東大から京大へ」という短期的な動きではなく、もっと長い目で見たときの構造的な変化です。かつて「東大を目指していたはずの秀才たち」は、この30年でいったいどこへ向かうようになったのか。今日は、この問いをデータで追っていきます。

 

 

【第1章】30年で何が変わったのか

大きく3つの「時代」に分けられる

1990年代〜2000年代前半:東大の「黄金時代」

バブル崩壊後も、東大は「日本最高峰」として揺るぎない地位を誇っていました。

東大法学部→官僚・大企業エリートという王道ルートが機能しており、「とりあえず東大を目指す」という価値観が社会全体を覆っていた時代です。東大理科三類(医学部)については、灘高の卒業生がのちにこう振り返っています。「成績優秀者はとりあえず理Ⅲを目指す、という雰囲気があった」——理Ⅲが、最優秀層の『腕試し』として機能していたわけです。

 

2003年〜2015年:医学部への「大移動」

大きな転換点は2000年代に入ってから起きます。医学部の志願者数が急増し始め、国公立・私立を合わせた医学部の志願者数は2005年ごろから10万人を超えるようになりました。この時期、国公立医学部の志願倍率が7〜8倍台に達する超難関時代が到来します。

何がそれほど受験生を医学部へ引き寄せたのか。背景にあるのは就職氷河期や長引く不況です。「どんな時代でも安定して稼げる職業」として医師の価値が急上昇し、偏差値上位層の親も子も「手に職をつける」という発想で医学部を目指すようになっていったのです。

 

ただし、ここで一つ重要な視点を加えておきたいと思います。

実は、医学部志向には長年にわたる「地域差」がありました。(兵庫)・東海高校(愛知)ラ・サール(鹿児島)・久留米大附設(福岡)といった東京以外の最難関校では、昔から医学部志向が非常に強い文化がありました。親が、官僚や大企業幹部である確率が低いため、「優秀なら医者になる」という価値観が根強く、地元の国立医学部が現実的な第一志望として機能していたのです。

 

一方、首都圏の最難関校——開成筑駒麻布といった学校では、長らく医学部志向は相対的に低く抑えられていました。理由は構造的なものです。都内の国立医学部は東大理Ⅲと東京医科歯科大の実質2校しかなく、理Ⅲは「医者になりたい」という動機だけで目指せるような場所ではありませんでした。私立医学部は学費が年間数百万円と高額で、「医者になるために6年間で数千万円払う」という選択は現実的でない家庭も多かった。だから首都圏の優秀層は自然と、東大や早慶の理工系・法学部へと向かっていたのです。

 

その構図が、2000年代以降の長引く不況で変わります。就職氷河期が長期化し、大企業に入っても安泰ではないという空気が広がる中で、首都圏の親世代にも「手に職をつけさせたい」という意識が急速に広まりました。私立医学部の学費も以前よりは現実的な水準に整理されてきたこと、医師という職業への社会的評価がさらに高まったことも重なり、それまで「医学部はあまり考えなかった」首都圏トップ校の生徒たちにも、医学部という選択肢が本格的に浮上してきたのです。

 

2000年代以降は首都圏にも医学部志向が波及した——これが「医学部大移動」の実態をより正確に説明する構図です。

2015年以降:医学部も飽和し、「第三の分岐点」へ

しかし2015年以降になると、さらに状況が変化します。医学部人気が一段落する一方で、台頭してきたのが「情報系」への流れです。GAFAや国内IT企業の台頭、AIブームを背景に、東大の理科一類(工学・情報系)が再評価され始めます。「医師免許より、エンジニアとして稼ぐ方が面白い」という価値観が、優秀層のあいだで広がっていきました。

さらにごく一部の最上位層には、日本の大学を飛び越えてMITやハーバードといった海外トップ大学を目指す動きも生まれてきます。

【第2章】「東大が減って京大が増えた」の正体

ここで少し立ち止まって、冒頭の疑問に向き合いましょう。東大の志願者数が減る一方で、なぜ京大は増えているのでしょうか。

2025年の京大の志願者数は8,077人。2021年の7,045人を底にV字回復しており、4年連続の増加で直近10年間では最多水準です。志願倍率も3.0倍と、10年ぶりに3倍台に達しました。この増加の要因として、受験指導の専門家は2点を挙げています。

 

一つ目は「東大の足切りライン引き上げ」の影響です。2025年度、東大は第一段階選抜(いわゆる足切り)の予告倍率を縮小しました。足切りリスクを避けた受験生の一部が、京大に志望を切り替えた、というわけです。二つ目は、関東からの志願者増加です。2025年の京大志願者に占める関東地区の割合は過去最高水準で、東京からの志願者が大幅に増えています。「東大か京大か」という二択の意識が、首都圏の受験生の間でも根付いてきた証拠とも言えます。

 

ただし重要なのは、これが「東大→京大」という単純な流れではないということです。同じ時期に大阪大や九州大といった他の旧帝大では志願者が減少しています。学力上位層の受験生が「より高い目標へチャレンジする」傾向が強まった結果、東大と京大だけが突出して選ばれているという構図です。

 

【第3章】秀才たちが向かった「3つの行き先」

では、東大から流れ出た優秀層は、具体的にどこへ向かったのか。大きく3つに整理できます。

行き先 医学部(最大の受け皿)

最大の受け皿となったのは、やはり医学部です。象徴的なのが、私立医学部の偏差値変化です。1975年時点で偏差値47.5程度だった私立医学部が、2010年代には偏差値65を超えるまでに難化しています。つまりこの30〜40年で、医学部は「東大・京大と肩を並べる難関」へと変貌したのです。

  • 偏差値は生成AI調べ

 

関西の進学校・洛南高校の事例も示唆的です。かつては京大合格者数を年間100名以上出していた時期がありましたが、医学部志向の高まりとともに、優秀な生徒が京大ではなく医学部を選ぶようになり、その数は減少していきました。

 

行き先 情報系・理工系(急成長する新勢力)

2010年代後半から急速に存在感を増したのが、情報系・理工系への志向です。AI・ITの隆盛とともに、「医師免許より、エンジニアとしてのキャリアを選ぶ」という価値観が最優秀層にも広がり始めました。東大理科一類の再評価はその象徴です。また近年は「医学部離れ」が灘や筑駒でも指摘されており、「情報系が面白い」という理由から医学部志望を変更する生徒も出てきています。ただし、これも生成AIの登場で変わる可能性が高いかもしれません。

 

行き先 海外大学(少数精鋭だが確実に増加)

絶対数はまだ少ないものの、無視できない動きが海外大学への進学です。灘・開成・筑駒といった最難関校から、毎年数名〜十数名がMITやハーバード、オックスフォードなどへ直接進学するようになっています。かつては「東大に受かる実力があるのに、なぜ海外へ?」という視線もありましたが、今は「東大合格を蹴って海外へ」という選択が、進学校の文化として定着しつつあります。

 

【第4章】これは「東大の凋落」なのか?

ここで、一度立ち止まって考えてみたいことがあります。志願者が減ったというのは「東大の凋落」を意味するのでしょうか?私はそう思いません。

 

東大の研究水準や教育の質が下がったわけではありません。むしろ起きているのは、「東大しか選択肢がなかった時代の終わり」です。

 

30年前、日本の最優秀層には事実上「東大か、京大か」という二択しかありませんでした。医学部は難しくなく、海外大学は現実的な選択肢ではなく、情報系に高い給与や社会的評価はありませんでした。しかし今は違います。は東大に匹敵する難関になり、GAFAに入れるエンジニアになれば年収で医師を上回ることもあり、海外トップ大学は優秀な日本人高校生に門戸を開いています。

 

「秀才が東大を選ばなくなった」のではなく、「秀才の地図が広がった」——これがこの30年の本質だと思います。これは日本の教育にとって良い変化だと私は思います。画一的な序列の頂点を目指すのではなく、自分の興味と才能に合った場所を選ぶ。そういう時代に、ようやくなってきたということかもしれません。

 

 

現在の塾の空き状況

カテゴリー:ブログ2026.03.21

高3生・・・募集停止

高1・高2生・・・募集中

私立中1~中3生・・・募集中

私立中学受験コース6年生・・・募集停止

私立中学受験コース5年生・・・募集停止

私立中学受験コース4年生・・・募集中(残席1名)

東大附属コース6年生・・・募集停止

東大附属コース5年生・・・募集停止

東大附属コース4年生・・・募集中

小学生非受験コース4~6年生・・・募集中

日比谷が灘を抜いた?【東大合格者数2025】―10年で激変した「新・学歴地図」の正体―

カテゴリー:大学受験2026.03.20

東大合格者数の比較

2025年度        2015年度

順位 高校名 合格者数(現役) 順位 高校名 合格者数(現役)
1 開成 150(107) 1 開成 185(120)
2 筑波大附属駒場 117(92) 2 筑波大附属駒場 112(81)
3 聖光学院 95(85) 3 94(72)
4 麻布 82(52) 4 麻布 88(50)
5 都立日比谷 81(65) 5 駒場東邦 82(60)
6 77(59) 6 桜蔭 76(62)
7 渋谷教育学園幕張 75(62) 7 聖光学院 74(62)
8 県立横浜翠嵐 74(67) 8(同数) 海城 56(43)
9 栄光学園 55(43) 8(同数) 渋谷教育学園幕張 56(36)
10 桜蔭 52(42) 10 東京学芸大附属 54(22)

出典:インターエデュ「2025年 東京大学 合格者 高校別ランキング 合格数順」

 

【1】東大合格者数が増えた「3つの勝ち組」

2015年から2025年の10年。日本の教育界では、これまでの常識を覆す地殻変動が起きていました。ランキングの顔ぶれが激変した背景には、明確に「躍進した3つのタイプ」が存在します。

 

(1)公立の逆襲(日比谷・横浜翠嵐)

10年前は、東大合格者数のトップ10に公立校は日比谷1校(37人・10位)のみでした。まさに「私立中高一貫校の一強時代」でした。しかし、2025年は日比谷が80人を叩き出し、あのを抜いて4位に。さらに神奈川の横浜翠嵐も猛追し、トップ10の常連となりました。
これは、東京都の「進学指導重点校」指定による入試改革や、学校を挙げた「現役東大合格プロジェクト」の成果です。「塾に行かなければ受からない公立」から、「学校が東大受験を完全プロデュースする公立」への進化。これが私立の牙城を崩した最大の要因です。

 (2)「管理型・面倒見」の勝利(聖光学院)

かつて東大合格といえば、麻布や灘に代表される「自由な校風」の学校が代名詞でした。しかし、2025年のデータで圧倒的な存在感を放つのは、神奈川の聖光学院(95人・3位)です。
聖光学院は、塾いらずとも言われる手厚い学習指導や講習、徹底した進路指導を行う「管理型・面倒見の良さ」で知られます。先行き不透明な時代、受験の過熱化に伴い、保護者が「自由」よりも「確実に合格まで導いてくれる環境」を求めた結果、志望者が激増し、この10年で順位を不動のものにしました。

 (3)「共学・グローバル」という新潮流(渋幕・渋渋)

「東大を目指すなら男子校・女子校」という古い固定観念も、この10年で過去のものとなりました。渋谷教育学園グループの渋幕・渋渋の2校が、揃ってトップ10圏内に定着しています。特に渋渋(渋谷教育学園渋谷)が初の50人超えを果たしたことは象徴的です。海外大学への進学実績も高く、「東大はあくまで通過点。その先のグローバル社会で通用する力を」という、今のエリート層が求める教育理念が、合格者数という形で見事に結実しています。

 

【2】東大のブランド力:なぜ公立は「数」にこだわるのか?

ここで一つ疑問が浮かびます。「なぜ今、公立高校はここまで東大合格者数にこだわるのか?」という点です。その理由は、公立にとって東大合格者数が「学校ブランドを再建するための最強かつ唯一の指標」だからです。
10年前、公立トップ校は私立への優秀層流出に苦しんでいました。その流れを食い止めるには、教育内容を説くよりも、「東大に〇〇人合格」という圧倒的な数字を示すのが最も効果的だったのです。いわば、公立は「ブランドを作る」ために東大合格者数を戦略的に伸ばしています。日比谷などの実績は、地域最強の公立としての威信をかけ、国公立医学部への分散を抑えてでも「東大という看板」にリソースを集中させた、執念の結果とも言えるでしょう。

 

【3】灘の合格者数が減っている理由:数字の裏にある「質」

対照的に、「西の王者」(77人)の合格者数が10年前の94人から減少しています。これは、灘のレベルが低下したのでしょうか?灘の場合は、注目すべき点として、東大の中でも別格の最難関、「理科三類(医学部)」の合格者数です。過去10年の累計を見ても、灘は理三合格者数において不動の日本一。2025年もトップクラスを維持しています。灘の生徒にとって、東大は「数」を競う場所ではありません。彼らにとっての優先順位は「理科三類 > 国公立医学部 > その他の東大」。

理三以外なら、京都大学医学部や大阪大学医学部といった、東大理一よりも合格難易度が高い「地元の名門医学部」を迷わず選ぶ傾向があります。この「究極の医学部シフト」が、表面上の「東大合格者数」を減らしている正体なのです。公立がブランドを「作る」段階なら、灘はすでにブランドを「選ぶ」段階にいると言えます。

 

【4】今後の展望:東大ブランドは維持できるのか?

最後に、これからの展望です。東大が日本最強のブランドであり続けることに変化はありませんが、その立ち位置は「変質」し始めています。

  • 「海外大学」という最強のライバル

    開成や灘、渋幕といった超進学校のトップ層にとって、東大はもはや「絶対のゴール」ではなくなりました。2025年には、国内高校からの海外大学合格者数が激増。アイビーリーグなどの海外トップ校を第一志望とし、東大を「併願先(滑り止め)」にする生徒が現実に出始めています。

  • 東大自身の危機感と改革

    この「優秀層の海外流出」に対し、東大側も危機感を抱いています。2025〜2026年にかけて、約70年ぶりの新学部「カレッジ・オブ・デザイン」の設置構想を打ち出したのも、従来の枠組みでは世界に勝てないという自覚の表れです。

 

結論:
これからの10年、学校の評価は「東大に何人入れたか」だけでは決まらなくなるでしょう。東大、医学部、そして海外大学といった進路先にどれだけ合格者数を出せるのか、そのあたりが最難関校の基準になってくるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

新高3生募集終了

カテゴリー:お知らせ2026.03.19

以前よりお伝えしておりますとおり、新高3生は定員に達しているため、募集を終了しております。

ご理解いただきますようよろしくお願いします。

成城学園が人気復活!偏差値が回復した本当の理由

カテゴリー:学校紹介2026.03.18

最近、中学受験の中で再び注目を集めている学校の一つが成城学園です。

ここ数年で人気が回復し、偏差値も上昇傾向にあります。

しかし、少し前を振り返ると、実は一度「低迷期」を経験している学校でもあります。
本記事では、なぜ成城学園の偏差値が再び上昇したのかを、データと背景から整理していきます。


 偏差値の推移から見る「復活」

まずは偏差値の変化を確認してみましょう。

※首都圏模試(男子・合格率80%)

  • 2026年:62

  • 2016年:55(谷の底)

  • 2013年:57

この10年で偏差値が7ポイント上昇しています。

一般に、伝統校は一度人気が落ちると回復が難しいと言われますが、成城学園は例外的に見事な復活を遂げました。


■ 偏差値回復の理由は「複合要因」

では、なぜここまで評価が回復したのでしょうか。
結論から言うと、一つの理由ではなく、複数の要因が重なった結果です。


① 中学受験市場そのものの回復

2015〜2016年は、首都圏の中学受験者数が底を打った時期でした。

  • 2013年:約45,000人

  • 2015年:約43,000人(底)

  • 近年:50,000人超

この時期は、受験者数の減少に加え、
早慶附属・MARCH附属といったブランド志向の強まりがあり、中堅校は相対的に埋もれやすい状況でした。

しかしその後、

  • 少子化にもかかわらず受験熱は上昇

  • 受験者数はむしろ増加

という流れになり、中堅校全体の評価が押し上げられたことが、成城学園の回復にもつながっています。


② 「進学の自由がない」という誤解の解消

成城学園の評価を大きく下げていた要因の一つが、
「外部大学を受験できない学校」という誤解です。

実際には、

  • 成城大学への内部進学を基本としつつ

  • 外部大学の受験も可能

  • Aコースでは推薦権を保持したまま受験可能

という柔軟な制度が以前から存在していました。

しかし、2010年代半ばまではこの制度が十分に知られておらず、
難関大学志向の層から敬遠されていたのです。

つまり、

制度の問題ではなく「情報の伝わり方の問題」

でした。

現在ではこの点が広く認知され、

「内部進学の安心」と「外部挑戦の自由」を両立できる学校

として再評価されています。

個人的には、これが最大の要因だと考えています。


③ 総合型選抜との相性の良さ

三つ目の理由は、大学入試制度との相性です。

近年主流になりつつある総合型選抜では、

  • 評定平均

  • 課外活動

  • 探究活動

  • 人間関係・表現力

といった多面的な評価が重視されます。

成城学園はもともと、

  • 学業一辺倒ではない

  • 豊かな学校生活を重視する

という教育方針を持っています。

つまり、

総合型選抜に強い土壌がある学校

と言えます。

保護者側もこの点を理解し始め、

「どの学校に行くか」が
「どの入試で有利になるか」に直結するという認識が広がってきました。


■ 補足①:保護者・塾業界の評価の変化

もう一つ重要なのが、第三者評価の変化です。

かつては
「外に出られない学校」
というイメージもありましたが、

現在では

「安心の内部進学 × 自由な外部受験」

というバランスの良さが評価されています。

特に塾業界では、

  • 難関志向一辺倒ではない家庭

  • 子どもの個性を重視する家庭

に対して、成城学園を薦めるケースが増えています。

この評価の変化は、志望者の「量」と「質」の両方に影響を与えています。


■ 補足②:「どんな子に合うか」が明確

成城学園が支持される理由として、

向いている生徒像が明確であることも挙げられます。

例えば、

  • 競争に追われず自分のペースで学びたい

  • 将来の進路をじっくり考えたい

  • 内部進学も外部受験も両方視野に入れたい

といったタイプの生徒には非常に相性の良い学校です。


■ まとめ:復活の本質は「誤解の解消と時代適応」

成城学園の復活は、

  • 市場の回復

  • 制度の再認識

  • 入試制度との適合

といった複数の要因が重なった結果です。

特に大きいのは、

本来あった強みが正しく理解されるようになったこと

でしょう。

現在の成城学園は、

「昔ながらの一貫校」ではなく
柔軟で時代に合った進学環境を持つ学校へと再評価されています。

今後もこの流れが続けば、
さらに人気が高まる可能性は十分にあると言えるでしょう。

春期講習のお知らせ

カテゴリー:お知らせ2026.03.14

3月18日(水)~4月9日(木)は春期講習期間となっております。通常授業はありませんので、お間違いのないようご注意ください。

春を制する者が一年を制す ~ 春期講習で意識すること 四つのパターン~

カテゴリー:春期講習2026.03.01

 

本日は春期講習について話をしていきたいと思います。いつもは高校生か小学生の保護者の方に向けた話をするのですが、今回の話は小学生から高校生まですべての人にあてはまる話になります。

期間の長い夏期や受験が近づく冬期講習は熱心になる方が多いのですが、一方で春期は気が抜けてしまうのか、あまり「勉強をするぞ!」と気合が入っている方が少ないようです。多くの塾で春期講習は受講率が下がると言われているのもそういうことと関係があるのでしょう。

四季のある日本では、寒かった冬からようやく春になる時期ですので、「外に出たくなる」という気持ちが強くなるのも当然です。家で勉強するよりも、外に出て花見をしたくもなるでしょう。しかし、こういう時期であるからこそ、考え方によっては、「春でライバルたちと差をつける」ということがしやすくなるということでもあるわけです。

 

せっかくですので、この「春期講習」ではどういうことを意識すれば良いのか、についてお話しをしていきます。せっかくですので、下記の四つのパターンについて話をします。

 

 ・中学受験生

 ・非受験の小学生

・中学生

 ・高校生

 

上記四つのパターンについて話をしていきますが、一つ共通して言えることがあります。それは、春は「量」ではなく「方向性」を決める時期だということです。

 

 

中学受験パターン

 中学受験の場合、新学期が二月となりますので、春期講習は必ずしもスタート時期というわけではありません。ここでのポイントは、二月からの学習スケジュールが適切であるかどうかの確認です。消化不良のまま進んでいないかどうか、あるいは余裕でこなせる量しかしていなかどうか、などです。大事なのは、すでに始まっているわけですから、やるべきことは、アクセルを踏むことではなく、ハンドルの向きとスピードを確認することです。たとえば、消化不良で進んできた場合は重要なことは「新しい単元」を学習することではなく、これまでの復習をすることです。また、余裕があるのであれば、この春で負荷をかけてみることをお薦めします。

この一年で偏差値の大幅アップを狙うのであれば、夏から秋にかけて上げることを意識していください。春にしっかりと土台作りができれば、夏以降成績が変わってきます。

 

非受験パターン

高校受験まで時間のある非受験の人にお薦めは、二つあります。一つは普段受講していない学習をして弱点補強をすることです。たとえば、社会が苦手な人であれば、小学生のうちに少しでも苦手意識を克服できるほうが中学生になったときに楽になります。小学校で学ぶ理科や社会や一段難しくなって、中学でも習いますので、ここで少しでも補習することができれば、心に若干の余裕がもてるでしょう。前年の苦手科目・単元の復習にはちょうど良い時期だと言えるでしょう。

次に意識してほしいのは、「先取り学習」です。といっても「どんどん進め」と言っているわけではなく、たとえば小6生であればいつまでに小6の算数を終わらせるのかという計画を立ててそれに向かって進んでいくことです。ですから「先取り学習」というよりは、「先取り学習計画を立てる」というのが正確なところでしょうか。英・数に関しては先取り学習ができているほうが、中学に入ってから圧倒的に有利となるので、春に一年の計画を立てるのが良いでしょう。もちろん、新5年生であれば5年生の学習をいつ終わらせ、六年生のテキストに入るのかを確認します。

 

中学生(受験直後の私立生含む)

少し前にも話をしましたが、私立中学に進学する新中1は、ここで勉強リズムが崩れると中1の1学期で成績が乱れがちになります。意識すべきこととして、下記が挙げられます。

 

英語の先取り(中1内容を完成させる)
数学の計算スピード
定期テストの型を知る

 

公立中学生であっても事情は同じです。3学期の期末テストから次の学年の1学期の中間テストまでは期間が空きます。この時期こそが人と差をつけられるのです。学校が始まると、定期テストに追われるため、なかなか先取り学習はできません。

新一年生は英数がどこまで先取りできているのかの確認をすることです。新2年生や3年生も同様にいつまでに何を終わらせるのかの確認が重要です。特に中3生は受験生ですので、夏を充実させるためには、春にやるべきことをしておかねばなりません。夏に、2学期の先取りをしているようでは受験勉強に間に合いません。

 

高校生パターン

 高校生の場合、最大のテーマは「戦略を決める」です高校生にとって春は、

 

・志望校の再確認
・科目バランスの再設計
・苦手科目の切り捨て or 強化判断

 

が最重要です。志望校の確認をするということは、受験方法を確認するということでもあります。受験方法が決まってくれば、「やるべきこと」そして「やるべきではないこと」が明確になってきます。特に高2→高3は、「演習を増やす」より「何をやらないかを決める」

時期だと言えるしょう。

また高1・高2は、これからの一年で、これまでよりも学習時間を確保するために、春にそのリズムを作ることが重要です。大学受験は過酷です。だからこそ、おのれのことを知ったうえで、戦略を立てることが重要です。その戦略を立てる第一歩が春だということです。