「名門・神戸女学院大学の現状は?」 今と昔を比べてみた!
カテゴリー:学校紹介2025.06.26

先日、「津田塾の今」という動画を出したところ、とても反響がありました。津田塾が「東の名門」であるなら「西の名門」は神戸女学院!
ということで、本日は、神戸女学院の今と昔について話をしていきたいと思います。現在の親御さんが神戸女学院に対して持たれているイメージと現実とでは随分と異なると思います。ひょっとするとショックを受ける人もいるかもしれません。お母さん世代ですと「女子大の最高峰」というイメージを持たれている人も多いかと思いますが、それが実際はどうなのかについて本日は話をしていきたいと思います。
①神戸女学院大学とは? 歴史と伝統
- 創立1875年、関西最古の女子大学の一つ
- ミッション系(キリスト教主義)
- リベラルアーツ教育の伝統
- 英語教育の名門としても知られていた
- かつては関西女子トップ層が目指す大学
- 関西財界・文化人家庭の子女が通うことも多かった
②昔の偏差値・難易度・ブランドイメージ
1980年代後半(バブル期前後)
| 大学・学部 | 偏差値目安(当時) |
|---|---|
| 同志社(文学部英文学科) | 62~65 |
| 関学(文学部英文学科) | 60~62 |
| 神戸女学院(英文学科) | 58~61 |
| 立命館(文学部) | 58~62 |
| 関大(文学部) | 55~60 |
→ 神戸女学院の 英文学科は同志社・関学と併願が成立するレベル
→ 立命館・関大の一部学部よりはむしろ神戸女学院のほうが難しい場合もあった
→ 女子だけに限定すれば「神戸女学院を第一志望にして関関同立を併願」する人もいた
1990年代前半(女子大がまだ強かった時代)
| 大学・学部 | 偏差値目安 |
|---|---|
| 同志社(文学部) | 62~65 |
| 関学(文学部) | 60~63 |
| 神戸女学院(英文学科) | 57~60 |
| 立命館(文学部) | 58~62 |
| 関大(文学部) | 55~59 |
③現状はどうなっている? 偏差値・人気
- 現在の偏差値(最新データ例)
→ 学科にもよるが50台前半~中盤くらいが中心 - 関関同立との距離がかなり開いた
- 併願層の変化
→ 関西外大・京都女子・武庫川女子あたりとの競合が目立つ - 受験者数の推移 → ここ10年はやや減少傾向
④就職状況はどうなっている?
- 大手企業への就職は減少傾向
- ただし教育系・医療福祉系・文化系の職業志向は今も強い
- 英語力を活かして航空系を目指す学生も(近年は厳しいが)
- 女子大ならではのきめ細かいキャリア支援は健在
- 昔はアナウンサー出身大学ランキングの常連
特に 1980年代後半~1990年代初めは、「女子アナ御三家」 → 慶應/津田塾/神戸女学院 みたいな扱われ方が一部メディアにも出ていました。
しかし、近年では2000年代以降は女子アナの出身校がほぼ共学化し、早慶・上智・青学・法政・明治などのミスコン出身女子アナが主流になり、 神戸女学院は上位から外れるようになりました。
※ 2020年代現在 → ランキングにはほぼ登場せず
⑤ブランド価値は残っているのか?
- 親世代には「名門女子大」のイメージはまだ根強い
- 関西圏では「品のよさ」「文化的教養」のイメージも健在
- 首都圏では知名度が低下している
- 国公立併願層の減少が大きな課題
⑥まとめ・今後どうなる?
- 女子大復権の流れをうまくつかめるか?
たとえば:
- 東京女子大・日本女子大が「リベラルアーツ×キャリア教育」路線で 人気回復中
人気を回復している東京女子大や日本女子大はリベラルアーツの良さを活かしつつ「現代的キャリア教育(ICT、PBL、STEAM教育、女性のライフデザイン)」を整備して 受験生にわかりやすい進路像 を示せている一方で、神戸女学院や津田塾は歴史ある本格的リベラルアーツ校として 学問的には高い質 を維持しているものの、「キャリア教育との接続」が弱いため、職業志向の高い現代受験生には訴求力がやや低いといえる。
志望理由書の書きだしパターン5選!
カテゴリー:志望理由書の書き方2025.06.14
総合型選抜や推薦系に必須である志望理由書の書きだしの5選を紹介したいと思います。
社会福祉系
①【原体験から始める】
特徴:自分の過去の出来事から志望動機に自然につなげる。
例:
私が小学生のころ、祖母が認知症を患い、介護に携わる家族の姿を間近で見てきました。この経験を通して、「福祉」とは何かを考えるようになり、しだいに高齢者福祉の分野に関心を持つようになりました。
■ 良いところ:
- 自分だけの経験をもとにしているため、オリジナリティが出る。
- 感情のこもったリアルな語り口で、読み手の共感を呼びやすい。
- 過去→現在→未来という流れで構成しやすく、文章に自然なつながりが生まれる。
■ 発展のさせ方:
- その体験から「何を学び」「どう変わったか」を具体的に書く。
- 原体験と進学後の学びやキャリアの方向性をつなげると説得力が増す。
■ 例(展開):
祖母の介護を通じて高齢者との関わりの難しさと大切さを感じた → 福祉分野の勉強に興味を持った → 大学でケアマネジメントや地域包括支援について学びたい。
②【問題意識から入る】
特徴:社会の課題や自分が感じた疑問から書き始める。
例:
日本では子どもの7人に1人が貧困状態にあるといわれています。この現実に衝撃を受けた私は、「すべての子どもが安心して学べる社会をつくりたい」と思い、教育福祉に関心を持つようになりました。
■ 良いところ:
- 社会への視点をもっていることを示せる。
- 社会問題を自分の問題としていることが伝われば、主体性の強い印象を与えられる。
- 志望分野との接続がスムーズで、意欲が伝わりやすい。
■ 発展のさせ方:
- 問題意識を持つようになった背景やきっかけを語ると具体性が出る。
- 自分にできること・大学で学びたいことを結びつけると将来像が描ける。
■ 例(展開):
子どもの貧困に衝撃 → 教育や福祉の力で子どもたちを支えたい → 教育福祉・社会政策を学び、将来は現場にも関わりたい。
③【将来の夢・目標から入る】
特徴:結論(将来の目標)を最初に伝え、その理由を展開していく。
例:
私は将来、地域に根ざした児童福祉施設を立ち上げたいと考えています。その夢の実現に向けて、貴学で実践的な学びを深めたいと思い、志望いたしました。
■ 良いところ:
- 志の高さやビジョンの明確さが伝わる。
- ゴールがはっきりしていることで、読み手が「この人は本気だ」と感じやすい。
- 「その夢を実現するために大学で何を学ぶか」という構成が取りやすい。
■ 発展のさせ方:
- なぜその夢を持ったのかの背景(=体験や価値観)を語ると説得力アップ。
- 大学での学びと夢を実現するためのステップを具体的に書けると良い。
■ 例(展開):
児童福祉施設を作りたい → なぜそう思ったか(子どもの頃の経験など) → 大学で必要な知識・実習を積みたい。
④【好きな学問・関心のあるテーマから入る】
特徴:学問への興味を強調したいときに有効。
例:
人と人との「つながり」が、困難を乗り越える力になる——私はこのテーマに強く関心を抱いています。家庭や地域、福祉制度といった多様な側面から「つながり」のあり方を学び、誰もが安心して暮らせる社会づくりに貢献したいと考え、貴学を志望しました。
■ 良いところ:
- 学問への純粋な関心が出発点になるため、学びに対するモチベーションの高さが伝わる。
- 社会課題を自分の言葉で捉えている印象を与えられる。
- 興味と進路がつながっているため、学びへの意欲と将来像が自然に連携する。
■ 発展のさせ方:
- 関心の芽生えたきっかけ(本・授業・体験)を示すと、読者が納得しやすい。
- 単なる「好き」ではなく、「このテーマを深く学ぶことが、どんな社会的意義を持つのか」に触れられると◎。
- 関心分野と大学での学び、卒業後の進路を論理的に結びつけると説得力が増す。
■ 例(展開):
「人とのつながり」に関心 → 家庭の中で孤立していた友人の姿に心を動かされた → 社会福祉の中でも家族支援や地域福祉に関心を持つ → 大学で家族福祉論や地域福祉論を学び、実践経験も積みたい → 将来は、地域の相談支援員として働きたい。
⑤【印象的なエピソードや言葉から入る】
特徴:インパクトのある言葉で読み手を引き込む。
例:
「人間は一人では生きていけない」——この言葉を、被災地でボランティアをしていた際、ある高齢者の方からかけられました。この一言が私の心に深く残り、人と人とをつなぐ社会福祉の道に進む決意を固めました。
■ 良いところ:
- 感情に訴えたり、印象に残ったりする表現でインパクトを与えやすい。
- 一言の力やその言葉が自分に与えた影響を通して、自分の人間性が伝わる。
- 「物語性」があり、読み手の興味を引きやすい。
■ 発展のさせ方:
- なぜその言葉が印象に残ったのか、自分のどんな価値観と結びついたのかを丁寧に書く。
- その気づきが、進路や人生の目標にどうつながったかを説明する。
■ 例(展開):
「一人では生きられない」という言葉に感動 → 人とのつながりの大切さに気づく → 社会福祉や地域支援について学びたい。
いま注目!小中学生のマレーシア留学が増えている理由とは?
カテゴリー:その他2025.06.13
今日は「小中学生のマレーシア留学」についてお話しします。というのも最近、日本の親御さんの間でマレーシア留学が静かなブームになっているからです。「聞いたことがある」「という人もいれば、「え、ほんと?」と思う人もいるでしょう。今回は、マレーシア留学する人が増える理由・メリット・注意点まで、わかりやすくお伝えします!
【マレーシア留学の現状】
まず現状をお話しますと、2024年時点で、マレーシアには約3,000人の日本人留学生がいます。これは数年前より大幅に増えています。特に増えているのが、小学生・中学生の親子留学や、単身でのインターナショナルスクール留学。留学エージェントや現地の学校にも、「子どもをマレーシアに留学させたい」という相談が急増しているそうです。
【なぜマレーシア?4つの理由】
では、なぜマレーシアなのでしょう?理由は大きく4つあります。
【1つ目】 インターナショナルスクールが豊富!
マレーシアには150校以上のインター校があります。
英国式・米国式・国際バカロレア(IB)など、カリキュラムも選べます。授業は英語中心で、多国籍の生徒と学べる環境が整っています。
【2つ目】 費用が手ごろ!
欧米に比べて留学コストがかなり安いというのが特徴です。たとえば、年間授業料+寮費で約50万円〜200万円程度で、イギリスやアメリカだと、この数倍はかかります。
生活費も日本より低めで、親御さんにとっては現実的な選択肢になっています。
【3つ目】 生活環境が快適!
マレーシアは治安が良く、日本人も多く住んでいます。医療レベルも高く、日本語が通じる病院もあります。時差はたった1時間ですので、日本との行き来もしやすいと言えるでしょう。
【4つ目】 世界の大学への進学ルートがある!
マレーシアのインター校から、イギリス・オーストラリア・カナダなどの世界的な大学に進学する生徒が増えています。「日本の受験戦争にこだわらず、グローバルな進学を目指したい」という家庭にも選ばれています。
【どんな留学スタイルがある?】
マレーシア留学には、主に2つのスタイルがあります。
【① 親子留学】
お母さんと子どもで一緒に現地へ移住するパターンで、特に小学生低学年のうちから始める家庭が多いです。お父さんは日本に残って働きつつ、生活費を送るというスタイルが一般的です。
【② 単身留学】
もう一つは、寮付きの学校に単身で留学するパターン。だいたい小学校高学年〜中学生くらいからチャレンジする子が多いようです。最近は、「年間44万円から留学できる寮付き校」なども登場していて、ハードルがグッと下がってきています。
【親の声・動機】
実際の親御さんの声としては、こんなものがあります。
「日本の教育に不安がある」
「子どもに英語力と国際感覚をつけさせたい」
「日本の受験競争に縛られたくない」
「将来は海外の大学や企業も視野に入れている」
こうした理由で、新しい選択肢としてマレーシア留学を考える家庭が増えているのでしょう。
【注意点・現実面】
もちろん、メリットだけではありません。
■ 親子の準備が必要
ビザ取得、住居の手配、現地生活への適応など、事前準備は大切です。
■ 英語力は?
入学時に英語が話せなくてもOKな学校もありますが、最初はかなり努力が必要。
■ 親の覚悟
特に単身留学の場合、子どものメンタルサポートも考えておく必要があります。
というわけで、今日は「小中学生のマレーシア留学についてご紹介しました!今はまさに「知る人ぞ知る」穴場の留学先ではないでしょうか。興味がある方は、こちらに、「マレーシア留学サイト」を貼っておきますので、確認してみてください。
【中学受験】共学校のメリット・デメリット!
カテゴリー:中学受験2025.06.11
以前に男子校・女子校に通うメリットとデメリットについて話をしたことがありました。今回はその流れで、中学受験で共学を選ぶメリットとデメリットについて、受験生の保護者の視点で分かりやすく説明します。
まず、近年の傾向として、共学校の人気が高まっています。AIを使って調べたところ東京都の男子校、女子校、共学校の2010年と2020年の割合は以下のようになっています。
| 年度 | 総数 | 男子校 | 女子校 | 共学校 |
| 2010年 | 435校 | 41校 (9.4%) | 90校 (20.7%) | 302校 (69.4%) |
| 2020年 | 428校 | 33校 (7.7%) | 81校 (18.9%) | 310校 (72.4%) |
(出典: サピックス)
変化のポイント:
- 男子校: 2010年の41校から2020年には33校へと、8校減少しています。
- 女子校: 2010年の90校から2020年には81校へと、9校減少しています。
- 共学校: 2010年の302校から2020年には310校へと、8校増加しています。
上記のような傾向は東京だけではなく全国的にも同様です。男子校や女子校が共学化するケースが増加しており、その背景には少子化や男女平等意識の高まりによる共学へのニーズの増加が挙げられるでしょう。実際、共学化により受験者数が増加する傾向も見られます。あるいは共学化によって偏差値が上がる傾向も見られます。
メリット
- 自然な環境で成長できる
まず、最大のメリットとしては中高の六年間、自然な環境で成長ができることが挙げられると思います。社会に出れば、基本的には異性がいる環境に身を置くことになるため、男子だけ、あるいは女子だけという環境はそれだけ特殊であると言えます。男女が同じ空間で生活することで、偏りのない自然な社会性を育むことができ、当然、異性との接し方に慣れることで、中高時代を通じてバランスの取れた成長が期待できます。男子校や女子校よりも自然な形での恋愛が育まれやすいとも言えるでしょう。
2.バランスのとれた価値観が築ける
男子校や女子校であれば、良くも悪くも「男らしさ」や「女らしさ」が強調される環境になりやすいと言えますが、男女が一緒に学ぶことで、偏ったジェンダー観にならない環境と言えるでしょう。小学生のときとは異なり、中学、高校生になるにつれ男女差というものが身体的に顕著になっていきますが、そういうときに、異なる価値観や意見を交わすことで、異性に対する理解が深まり、将来の職場や社会生活で必要なコミュニケーション能力が養われます。グループ活動などをする際に、特に男子だけ、女子だけよりは男女が混じったほうが多くの意見が飛び交うのではないでしょうか。ただし、バランスをとるのが苦手な人にとっては、バランスのとれた価値観よりも、もっと「尖った価値観」のほうが良いと感じるでしょう。
3.受験や教育方針の選択肢が広がる
何といっても共学校の方が学校の数が多いですから、学校を選ぶ際の選択肢が豊富になります。最初にお伝えしたとおり、共学校は増加の傾向ですから、選択肢はさらに増えていくのではないでしょうか。また、学校の選択だけではなく、共学であるがゆえに特定の性別をターゲットにした教育ではなく、全体的にバランスの取れたカリキュラムとなる傾向が強いと言えるでしょう。たとえば女子校では、どうしても「女子教育」が良くも悪くも強調されることが多いですが、共学はそういう偏りは少ないと言えるでしょう。
要するに、メリットとして挙げられることは、偏りが少なくバランスのとれた環境に身を置けるということです。
デメリット
- 学校の特色が薄れる可能性
共学は男女どちらにも対応できる教育方針を取るため、男子校や女子校のように特色が際立たない場合もあります。男子だけだから、あるいは女子だけだからできる個性あるカリキュラムやイベントがどうしても共学の場合は作りづらいという側面があります。ただし、最近はそういうジェンダーとは関連しないことで学校の特色を出す学校が増えてきていますから、今後はあまりデメリットにならないかもしれません。
2.異性とのつながりが学校生活の充実度と結びつきやすい
学校での立場を表す「スクールカースト」という言葉があります。これはおそらく共学であろうが、男子校であろうが、女子校であろうが存在すると思うのですが、共学の場合はそれが「異性からの評価」という点が大きく加わるという点で、男子校や女子校とは異なると言えるでしょう。容姿や運動能力といったことだけでなく、異性とのコミュニケーション能力が高いとスクールカーストの上位に位置づけられる傾向が高いと言えるでしょう。ただし、これ自体がデメリットかどうかは分かりません。異性とのコミュニケーションが苦手な人にとってはデメリットに映るでしょうが、そうでない人にとってはメリットになるでしょう。このあたりはお子様の個性や性格とかかわってくる話です。
さて、今回は共学のメリット三つとデメリット二つを挙げました。ただし、公立小学校が共学であるため、共学はスタンダードな環境と言えることもあり、男子校や女子校ほど際立ったメリットやデメリットが挙げづらいというのが正直な感想です。特にデメリットは、あまりデメリットと言えないかもしれません。
前回や前々回の話を踏まえますと、学校を選ぶヒントとしては、まずは「男子校・女子校に通いたい(通っても良い)か否か」が重要かなと思います。共学よりも特徴が際立っている可能性が高いからです。
とはいえ、今回の話もあくまでも参考にしていただく程度に考えていただき、大事なのは、「お子さんの性格を考慮する」ということです。そのうえで志望校の候補となる学校に足を運び、説明会やイベントに参加をすることで実際の雰囲気が分かり、お子さんに合う学校かどうかが見えてくるのではないでしょうか。
フォームの始まり
【2025年 大学受験総括】高校生が知っておくべき3つの変化!
カテゴリー:大学受験2025.06.08
こんにちは、今回は2025年の大学受験の総括というテーマでお話しします。
昨年度の入試の動きをふり返ることで、これからの受験がどう変わっていくのかを予測できるようになります。とくに高校1・2年生のみなさんにとっては、「受験の常識」が数年前とは変わってきていることを知ることが、とても大事です。というのも、学校の先生が古い受験制度のイメージをもとに指導していることがけっこうあるからです。昔ながらの「一般入試一択」のような考え方だと、たくさんあるチャンスを逃してしまうことになってしまいます。
今日は、2025年の大学受験を総括することで見えてくる三大トレンドを以下の3つのテーマでお話ししていきます。
①「推薦・総合型」が主流になりつつある
かつては「大学入試=一般入試(共通テスト+個別試験)」が当たり前でしたが、今や私立大学の約6割が推薦・総合型選抜で合格者を出している時代です。
とくにMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関学・同志社・立命館)といった人気校では、学部によっては推薦での募集定員の方が多いというケースもあります。
たとえば、上智大学の公募推薦では、「与えられたテーマについて数か月かけてレポートを作成し、プレゼンや面接、小論文で審査される」というかなり高度な選抜が行われています。明治大学の情報コミュニケーション学部や、立命館大学のグローバル教養学部も、総合型選抜で個性的な学生を積極的に受け入れています。
もちろん、私立大学だけでなく国立も最近は力を入れています。たとえば、旧帝国大学の中で、東北大学は総合型選抜の比率が約3割と、他の大学に比べて高い割合を占めています。特に注目すべきは、AO入試Ⅲ期です。この入試では、共通テストの結果がメインの評価軸として設定されており、一般入試との両立がしやすい形式となっています。また、出願要件として評定平均値の制限がないため、多くの受験生にとって挑戦しやすい入試となっています。
さらに、全学部で共通テストの配点が最も高く設定されており、学部によっては共通テストの比重が8割以上となっています。これにより、特別な活動や実績がなくても、学力を重視する受験生にとってもチャンスが広がっています。
総合型選抜入試で評価されるのは、単なる成績だけではなく、
- 探究活動や課外活動の実績
- プレゼン力や表現力
- 自己分析力と志望理由の深さ
などです。高1・高2から「何をしてきたか」「何を考えているか」が問われる時代になっています。
②「共通テスト」は難化傾向。思考力勝負に
昔のセンター試験は「知識をいかに正確に覚えているか」がポイントでしたが、今の共通テストでは「知識をどう使うか」が問われるようになっています。
特に数学IAでは「データから規則を推論する問題」や、国語では「複数の資料を読み比べて要点をまとめる問題」といったそれぞれの科目と日常生活をからめたような出題傾向が目立ちます。英語リーディングも、80分で2000語以上を読むという高負荷の内容です。リスニング重視・読解重視というのはすでに定着していて、パターン暗記では太刀打ちできません。つまり、共通テスト対策は「慣れ」と「読解力」が命と言えるでしょう。では、たとえば旧帝で共通テストの比率というのはどれくらいなのでしょうか?比率の低い順に簡単にまとめてみました。
東大 約20%、 京大 約25% 東北大・九大 約33% 名大 約40%
北大 約41% 阪大 約43%
私立大学も最近は共通テストを重視するところが増えています。
早稲田大学
- 共通テスト利用方式(共通テストのみで合否を判定)を導入。
- 特に政治経済学部は、独自入試を廃止して、英語4技能試験+共通テスト+独自小論文という形式に移行。
- 一部の学部では共通テストの成績のみで合否を出す方式あり。
明治大学
- 全学部で共通テスト利用入試を実施(A方式・B方式など複数)。
- 学部によっては3教科で受験可能で、個別試験なしの方式も。
- 併願しやすく、地方の受験生にも人気。
立教大学
- 英語外部検定+共通テスト型を導入している学部あり(例:異文化コミュニケーション学部)。
- 共通テスト利用方式は試験なしで出願できるパターンもあり、実質書類審査型に近いものも。
青山学院大学
- 共通テスト利用入試(A方式、B方式など)を採用。
- 英語外部試験との併用で多様な方式を提供。
- 特に文・法・経済など主要学部で共通テスト型が人気。
同志社大学
- 共通テスト利用方式(C方式・D方式など)を学部ごとに設定。
- 関西圏の難関私大の中でも、共通テスト型での募集枠が比較的多い。
関西大学・関西学院大学
- 両校とも共通テスト利用入試の枠が広く、合格者数も多い。
- 「個別試験なし」「3教科で受験可能」といった方式が多く、受験生にとって負担が軽い。
③「学部選び」がより重要に。人気集中と分散
最近の大きな傾向として、「情報系」「国際系」「経済・経営系」への人気集中があります。
たとえば、
- 立命館大学では情報理工学部の偏差値が65前後まで上昇し、「文学部」とは10ポイント以上の差がついています。
- 東京大学でも理科一類からAI・情報分野に進む学生が増えており、「工学部計数工学科」などが人気です。
- 同志社大学のグローバル・コミュニケーション学部、明治大学の国際日本学部なども志望者が増えています。
背景には「将来の仕事を見据えて学部を選ぶ」流れがあり、
- 情報系:AIやデータサイエンスの需要拡大
- 国際系・経営系:企業での活躍、起業への関心
といった志向が強まっています。
こうした流れとは反対に、文学部や教育学部はやや志望者数が減少傾向です。
つまり、「どの大学」よりも「何を学ぶか」を重視する受験生が増えてきており、将来像から逆算して大学・学部を選ぶのが新しい常識になっています。
高校1年生へのメッセージ
高1の今こそ、「自分はどう生きたいか」「何に興味があるか」をじっくり考えてください。大学受験はその延長にあるだけです。
「受かるための勉強」だけではなく、「自分の軸」を探す時間を大事にしてくださいね。
「塾に行かない中学受験」 ~本当に可能?戦略と注意点~
カテゴリー:中学受験2025.06.05
プライベートで私の職業が塾講師であることを伝えると、ときどき、「塾に行かずに中学受験ってできるんですか?」という質問を受けることがあります。本日はその話をしたいと思います。
結論から言えば、理屈のうえでは可能です。ただし、現実には越えなければならないハードルがいくつもあります。今日は塾に通わずに受験をすることのメリット・デメリットを整理しながら、実際のところはどうなのかについて一緒に考えてみたいと思います。お話は
①塾に行かないメリット
②家庭学習を支える道具は整っている
③ただし、現実はそう簡単ではない
④まとめ
の順で話をしていきます。
【1】塾に行かないメリット
まず、塾に行かないことのメリットについて見ていきましょう。一つ目は、経済的な負担が軽くなることです。中学受験塾は、年間で100万〜150万円ほどかかることもあります。それを自宅でまかなえるなら、大きな節約になります。塾の費用は、授業料だけではありません。以前に動画でも挙げましたが、教材費や模試代、さらには交通費や食費など思わぬ出費も多いのです。
二つ目は、家族の時間を犠牲にしなくてすむことです。
夜遅くまでの通塾、土日のテスト…塾通いは、どうしても家族全体が塾中心の生活になりますよね。それがないだけでも、生活リズムが安定します。夜遅くまでの塾通いなどさせたくない、と考えている保護者の方も意外と多いのではないでしょうか。
三つ目は、「100%自分たちの責任で進められる」という感覚が持てることです。
自分たちで計画を立てて、自分たちで子どもの理解を見ながら学習を進める。その過程自体に意味がある、と感じる方もいると思います。また、自分たちだけで受験勉強をしたのであれば、入試結果も受け入れやすいのではないでしょうか。
【2】家庭学習を支える道具は整っている
しかも今は、市販の教材が非常に充実しています。たとえば、みくに出版の『ウイニングステップ』など、塾に通わなくてもしっかりと中学受験対策ができるテキストも増えています。さらに、情報もネットで手に入る時代です。
学校説明会の動画、過去問、体験記、合格者インタビュー…。グーグルやYouTubeで検索すれば、たいていの情報は見つかるようになりました。
また、学習面においてもご夫婦で分担をすれば比較的楽になります。すべての科目をお母さんが見るとなるとお母さんの負担が大変ですが、たとえば、お母さんが国語や社会などの文系科目を、お父さんが算数や理科の理系科目を担当するという形で協力すれば、負担は大きく減ると思います。
【3】ただし、現実はそう簡単ではない
ここまで聞くと、「あ、意外とイケるんじゃない?」と思うかもしれませんが、実際はそう簡単ではありません。家庭で中学受験を完結させるのには、いくつかの大きなデメリットがあります。まずひとつ目は、情報不足です。学校ごとの出題傾向や、志望校の校風・文化は、塾に通っている子たちから自然に流れてくる情報も多く、それを家庭だけで拾うのは意外と難しいんです。あるいは、過去問も過去数年のものは手に入りますが、もっと古い物となると塾に行かないと手に入らないケースもあります。二つ目は、モチベーションの維持が難しいということ。塾に行っていれば「まわりの子ががんばっている」という空気のなかで自然とやる気が出るのですが、家庭学習ではその刺激がありません。
そして三つ目。これがいちばん大きいと思うのですが、親がイライラしがちになること。教える側にとって、子どもが分からないときに感情的になってしまう…これは本当によくあることです。特に高学年になると、思春期にも入り始めて、親子でぶつかりやすくなる時期。家庭がギスギスする危険性もあります。
また、子どもが自走できるタイプでない場合、常に親が隣で勉強を見ていなければならないことになります。これはかなり大変です。夏休みのような学校がない期間は一日中一緒にいなければなりません。
【4】まとめ:理屈では可能。でも、現実には難しい。
ということで、まとめです。「塾に行かずに中学受験は可能か?」と聞かれたら――理屈の上では可能。でも、現実には相当な覚悟と準備が必要、というのが正直なところです。どうしても塾の費用が厳しい…という場合は、塾と家庭学習をうまく組み合わせる方法(たとえば、必要な教科だけ通塾する、短期講習だけ参加するなど)も検討してみると良いかもしれません。大事なのは、「どのスタイルが子どもに合っているか」を見極めることです。塾に行く・行かないは、正解・不正解ではなく、その子に合うかどうかなんです。
ということで、今日は「塾に行かない中学受験は可能か?」というテーマでお話ししました。





























