中学生の残席
カテゴリー:お知らせ2024.10.24
私立中学1~3年生を募集しています。
数学や英語といった科目だけでなく、小論文や国語の勉強、今後の勉強方針などで悩まれている方は早めにご連絡をいただきますようよろしくお願いします。
小学生の残席
カテゴリー:お知らせ2024.10.23
小学5年生の募集は締め切りました。
現在の3年生、4年生で受験を検討されている方がいらっしゃれば、若干名追加で募集しておりますので、早めにご連絡いただきますようお願いいたします。
東大附属推薦入試で合格を勝ち取る4つのポイント
カテゴリー:中学受験2024.10.09
東大附属は国立の小学校で、昔から入試の倍率が高く、推薦に至っては10倍を超えるのが当たり前とされている。さらに、合格基準も明確ではないため、一般的な学校と異なり対策がしづらく、塾業界からは疎まれてきた。確かにそういう一面はあるものの、ここ10年ほどで何名か推薦合格した生徒を思い返すと、それなりに合格へのヒントがあるのではないかと思い、そのことについて語ってみたい。
コロナの影響で、数年前より推薦入試は、二段階入試になった。流れは下記のとおり。
10月末より11月頭にかけて書類を提出
小学校と保護者とそれぞれに作成する書類がある。
学校の先生には、
・報告書
・推薦書
を書いてもらう
保護者は、
・志願理由書・誓約書
を350字程度で書く。
11月の下旬に上記の書類をもとに推薦第一次合格発表が行われる。
合格者は、
・適性検査
・面接
・書類審査
がある。
適性検査は科目横断的なものと、作文が出題される。面接は集団面接でおこなわれ、東大附属のHPによると「他者の意見に耳を傾け、自分の意見を述べる力を重視する」とある。
さて、上記のなかで合否が決まるのだから、合格のヒントはこのなかにあることになる。以下、合格のための四つのポイントを語っていくが、学校がそもそも合格の基準を発表していないので、すべて独断と偏見による見解になることをあらかじめ申し上げる。
まず、東大附属の教育目標は以下のようなものだ。
「未来にひらく自己の確立」を掲げ、そのために「ことばの力」「論理の力」「身体・表現の力」「関係の力」「情報の力」という《5つの力》を養おうとしています。
こうした目標・能力の実現のために、「探究的・協働的な深い学びを通して豊かな市民性を育む」ということに重点を置いて実践を積み重ねています。
要するに「ことば」をつかって自らを表現する力をつけていくというのが教育目標である。実際、卒業時には16,000字以上の卒論が課せられる。16,000字というのは原稿用紙に換算すると40枚以上であり、受験をひかえた高3生にとっては相当ハードルが高い卒論であることが分かる。
こうしたことを踏まえると、「書く力」が重視されるのは当然のことと思わる。そのためには、作文の対策が必須である。出題される作文の形式も昔と比べると変わってきており、最近は二つの違う意見をまとめて、それを踏まえたうえで自分の意見を書く形式が多い。そうすると、作文だけではなく要約も重要になる。当然ながら私立の受験勉強とは異なるため、それ専用の学習をしたほうが良い。作文が上手になるコツは添削をしてもらうことである。書いて直すという作業をしなければ上達はしない。しかし、反対に丁寧に書いて直すという作業を続ければ必ず文章力はアップする。
次に、東大附属が東大の教育学部の研究機関であることも重要な要素として考えられる。研究機関であるため、わりと個性の強い受験生が合格する確率が高いように感じられる。一般的な学校であると「学力の高い受験生」が合格する確率が高いが、東大附属の場合は、研究対象として魅力のある「個性のある受験生」をとりたいのではないだろうか。これはどちらかというと、対策でどうにかなるものではなく、生まれついての性格や資質の問題である。とはいえ、保護者があまり子どもを型にはめずに、その個性を伸ばすような教育方針をもつことはできるであろう。ちなみに去年自塾で合格した生徒は、メイキャップアーティストになりたい男の子であった。彼は面接にメッシュの入った髪形で受験をしに行った。
保護者の書く志願理由も重要な要素の一つであろう。ここでのポイントは、東大附属の方針とわが子がいかに合っているのかをアピールすることである。また、研究機関である東大附属をサポートするという姿勢もポイントにつながるだろう。コツは具体的に書くことである。学校のどういったところに魅力を感じ、またわが子のどういったところが学校に合うのかを具体的に書くのである。塾の先生が添削をしてくれればそれがいちばん良い方法ではあるが、無理であれば夫婦間で何度も確認するのが良い。文章は推敲を練ればその分だけ練られた文章になる。
最後に挙げるポイントとしては、学校の先生の書類である。もちろん、先生が書くことに対しては何もできないので、それ以外のこと、たとえば委員会や学校での活動、また出席日数などについて、何かできることはあるはずだ。特に欠席や遅刻が多いと、それだけでおそらく合格は遠のく。ということは、受験を考えるのであれば4年生くらいから小学校にどういう態度で臨むべきかについても親子で話し合うほうが良いだろう。
以上合格のための4つのポイントについて語ってみた。上記の四つのポイントを押さえることができれば合格へ近づくであろうと思われるが、実際のところは分からない。あくまでもヒントとして考えていただければ幸いである。
【文学部】志望理由書の書き方
カテゴリー:志望理由書の書き方2024.10.02
総合型選抜入試で志望理由書を書く場合、以下のようなフォーマットを使う人は多いと思います。
①将来の夢
②そうおもったきっかけ
③大学で学びたいこと
④自分がその道に進むのにふさわしい理由
だいたいこのような流れで書く人が多いと思います。ところで、こうした流れで書く場合、最初に考えなければならないことは、将来の夢あとなります。あるいは将来進みたい方向と言っても良いでしょう。将来の夢が明確な人は書きやすいのですが、一方で大学で学ぶことと将来進みたい道との関連が明確でない人は書きづらいかもしれません。
たとえば、看護や福祉を目指す人にとって将来進むべき道を書くことは難しくありません。志望する学部・学科そのものが職業と結びついているからです。
反対に文学部の場合は、「好きな作家」や「好きな作品」などこれまでに読んできた文学については語れても、将来進むべき道についてはなかなか思いつかないと思います。そうすると上記のようなフォーマットでは書きづらくなってしまいます。
今日はそんな文学部系を目指す人にどうやったら上手に志望理由書が書けるか話していきたいと思います。
そもそも大学にも成果を求める声が大きくなっていくにつれて、成果の見えづらい文学部は何となく昔に比べ肩身が狭くっているように思えます。昔から景気が良いと人気が出て、不景気になると人気がなくなるとも言われていますが、ずっと日本が不景気だからというだけではなく、スマートフォンの出現によって、知へのアクセスそのものがまったく変わったために、文学部の存在の意義が問われることが多くなっているのでしょう。
しかし、それでも文学が好きな人は一定数います。文学部を志望する人はそういった人々だと思います。ただし、大学で学びたいということをアピールする志望理由書に、単に「好き」ということを書くだけでは、大学も納得してくれません。
重要なのは、文学を学ぶ社会的な意義を考えることです。文学を大学で学ぶ社会的な意義が明確になれば、それを「将来進みたい道」の代わりに書けば良いのです。そうすると以下のようになります。
①文学を学ぶことでどういう形で社会に貢献したいのか
②そうおもったきっかけ
③大学で学びたいこと
④自分がその道に進むのにふさわしい理由
要するに、大学で文学を学ぶことには、個人の成長だけでなく、社会全体に対しても多くの意義があるということを訴えるのです。以下に、大学で文学を学ぶ社会的意義をいくつか挙げますのでヒントにしてみてください。
- 共感力と多様な視点の育成
- 文学作品は、異なる時代、文化、階層、性別などを通じた多様な人々の経験や感情を描いています。これに触れることで、他者の視点を理解し、共感する力が養われます。共感力は、社会における多様性の理解を深め、人種、性別、宗教などの違いを超えて他者を受け入れる寛容な社会を形成するために不可欠です。また、多様性といっても、文学ジャンルの多様性、文化・時代の多様性、思想・哲学の多様性、言語の多様性、テーマの多様性など一様でない多様性について学ぶこともできます。たとえば、あなたが外国人であり日本文学を学ぶことを想像してみてください。大学で「吾輩は猫である」を精読するにあたって、まず「吾輩」という一人称からして、日本語独自のニュアンスの壁にぶつかるはずです。この言葉にはどんなに英語が巧みであったとしても、英語には訳しきれない意味合いが含まれているからです。単に言語の意味の話に留まらず、なぜ日本語には一人称が多いのかを調べるだけで、日本人のコミュニケーションの取り方など文化的な側面まで分かるでしょう。
- 批判的思考の強化
- みなさんが思っている以上に、文学の理論というのは精巧に組み立てられています。長い歴史の中で先人たちが作ってきたものです。たとえば、日本では令和になってくらいから、「ジェンダー」に対して社会が敏感になってきました。それ以前は「男らしさ」「女らしさ」といったことがふつうに言われていました。あるいは、平成の時代では、一般的にはあまりLGBTQといった言葉は使われていませんでしたが、文学の世界では「LGBTQと文学」といった批評が大昔からありました。あるいは、「クイア理論」という文学理論も存在します。文学作品には、時代に先駆けて問題提起をしているものがたくさんあり、そうした作品の読解や分析を通じて、あるいは文学理論を学ぶことで、これまで社会のなかでは当たり前だと思われていたことの中にある不条理なこと、あるいはおかしなことに気づくことができるようになるのです。
その他にも、当然歴史的・文化的知識の向上、言語力とコミュニケーション能力の向上などもあります。
また、現代のように社会のグローバル化が進むからこそ、 文化的・歴史的背景の理解の重要性と難しさ、社会的・宗教的な価値観の違いを知ることが重要です。みんなが同じではなく、みんなが違うという前提のものとで、どうやって人と人とが交わっていくかを探るには、その違いがどう違うのかを知らなくてはなりません。これらの難しさを克服するためには、言語力の向上だけでなく、歴史、文化、哲学の知識を深める努力が必要です。たとえば、フランスで同棲婚が法律で認められるようになって女性の出生率が上がりました。そして、このことを理由に日本でも同棲婚を認めるべきだと主張する人が増えました。 もちろん同棲婚も良いでしょう。しかし、出生率を上げる手段としては、日本で機能するかどうかは不明です。そもそもフランスはカトリックであり、カトリックでは離婚が禁止されているのです。こうした文化的背景から同棲婚というものが生まれました。一方日本には離婚に対するハードルはフランスほど高いわけではありませんから、こうした政策で出生率が改善するかどうかは疑問です。要するに日仏では結婚に対する考え方が歴史的、宗教的に異なるので、何か政策を考えるにしても、それぞれの国にある前提を踏まえなければならないのです。
そして、ある国の歴史や宗教、習慣や文化を学ぶのに文学ほど適したものはありません。
そういった意味で、文学を学んだ人が社会に出ることで、多様性を尊重し、社会の不公正に対する意識を高め、社会の発展と調和に貢献できる人材を育成するという意義があるのです。要は、自分がそういった人材になるのだということを書けば、それがすなわち、社会的な意義に繋がります。
そして、特定の作家や作品を挙げることができれば、「~(作品や作家)の精読を通して、他者と共存することの難しさと大切さを学び、多様性ある社会をつくっていくのに尽力できる人材になる」といった夢を語る形で志望理由書を書いていくことができます。