大学受験を見据えての中学受験・高校受験
カテゴリー:ブログ2024.07.21
中学受験や高校受験で大学付属の学校を受験するのではなない限り、多くの人が大学受験を真剣に考慮したうえで、志望校を選んでいるわけではないでしょう。大半の人が、自分の偏差値と相談しながらどこを受験するかを考えると思います。また塾のほうでも少しでも偏差値が高い学校を推してくるはずです。
ところで、Kip学伸では小学生から高校生まで教えているため、大学受験が現在どういうものなのかが分かっています。大学受験と、中学・高校受験の違いはいくつもありますが、その一つが選択肢の多さです。選択肢というのは、受験できる学校が多いということではなく、数多くのタイプの受験方式が存在するということです。
たとえば、指定校推薦は学校の成績が良い人にとって有利な受験方式です。しかも、早くに大学が決まります。
総合型選抜入試やAO入試、自己推薦などは多様です。基本的には学校の成績+書類や小論、面接で合否が決まります。
一般受験はみなさんがイメージされる通りですが、国立と私立では科目数が異なるため、何が得意で何が不得意なのかによって、向き不向きが変わってきます。
こうした受験方式を知ったからといって、実際の中学や高校生活が分かるわけではないので、「なんの参考になるんだ?」と思われる方もいるでしょう。
しかし、このように考えてみてください。たとえば、今ここに二人の高校受験が終わったばかりの二人がいるとします。一人は、勉強を頑張って何とか偏差値の高い公立高校にギリギリで合格することができました。もう一人は、同じ公立高校を受験したものの合格をもらえずに滑り止めで受験した私立高校に行くことになりました。
公立高校に入った人は、憧れの高校に入ったものの、周りのレベルが高く、ついていくのに精いっぱい。一方の私立に行った人は、滑り止めで入った学校のため、成績が優秀。
さて、こうした状況が続きますと、私立に行った人は、学校での成績が良いために
・指定校推薦
・総合型選抜入試
・一般入試
と選択肢が増えます。最初の二つは学校の成績が良くないとダメですから、成績が良いことで受験条件をクリアできます。一方、どんなに良い高校に行っても学校内の成績が良くないのであれば、指定校推薦も総合型選抜もそもそも受験することができません。
もちろん、入学時の成績がそのまま続くはずがないという反論ももちろんあるでしょう。確かにそのとおりで、入試の成績がそのまま続くとは限りませんが、それでも中学受験とは違って、高校で学ぶ内容は、中学で学んだものの延長です。中受で使う算数の特殊算は数学では使いませんが、中学で習う代数は高校時代も必須です。
また、英語は中学からです。ですから、中学受験での成績とはまったく無関係です。しかし、高校受験では英語は必須です。しかも、高校で習う単元は基本的に中学で学んだものをより詳細に、あるいはそこから発展して学ぶものになっています。ですから、入試の時点での成績がその後の成績と近いものになるというは、あながち嘘ではないのです。
もちろん、こうしたケースばかりであるわけではありませんから、偏差値を無理に上げずに滑り止めの学校に行ったほうが良いと言いたいのではありません。
あくまでも、そういうことがありえる。自分よりも学力の低い人が、より難関と言われる大学に行くことが、中学や高校の受験に比べて起こりやすいということをお伝えしているのです。であるからこそ、そうしたことも念頭に置いて学校を選ばれると良いと思うのです。
特に高校受験に特化した塾では、少しでも偏差値の高い高校が良いという風潮があります。(もちろん中学受験に特化した塾も)また、そうした競争原理が働く場所にいるからこそ、より偏差値の高い高校に行きたいというモチベーションにもつながるというメリットもあります。しかし、どこかで最終学歴が大学であるということを念頭に置いておくことで、最後にどこの学校を受験するかを決める際に、冷静に判断を下すことができるのではないかと思います。
【中学1年生】期末テストで悪かった人はこうすれば良い!
カテゴリー:私立中学生2024.07.07
中学一年生のみなさんはようやく新しい学校生活に慣れたころでしょうか。私立中学に通っている人は、なんとか中学受験で合格したのだから、もうしばらくは勉強したくないと保護者の方を含めて思っている人は多いでしょう。小学4年生、場合によってはもっと前から塾に入り、勉強を最優先してきた日々。私立中学に入った以上、しばらくはのんびりと過ごしたいと思うのも、むべなるかなと言えるでしょう。
ところが、そういった思いとは裏腹に学校の学習は容赦なく進んでいきます。のんびりしている暇もありません。特に進学校の場合は、速く進むだけではなく難しさも加わります。
とはいえ、一学期の中間テストは、公立中学であっても私立中学であってもさすがにそこまで学習進度が進んでいないこともあり、壊滅的な点数をとる人はそこまで多くありません。問題は一学期の期末と二学期の定期テストです。数学で言えば「一次方程式の利用」、英語で言うと「三単現」の単元が出題されるときが、一気に平均点が下がるときです。
一度悪い成績をとった場合に、すぐに修正ができれば良いのですが、多くの場合は「次頑張る」と言ってあまり変化がないまま進みます。これはすでに一歩、負のスパイラルに足を踏み入れています。
科目の中でも、理科や社会であれば、各単元に必ずしもつながりがあるわけではないので、次のテストの範囲のみを少し頑張れば、点数に結びつくことも多いのですが、英語や数学はそうはいきません。be動詞と一般動詞の区別がつかないままですと、どこまでいっても英語が苦手なままです。
私立中学に進学した人にとって、中学1年生と2年生で大事なことは学習習慣がついているかどうかです。公立中学生は、中1で習慣をつけないと中3の時点で受験態勢に入っていくのは難しくなります。
英語・数学は
予習をする⇒授業を聞いて復習をする⇒定期テスト前に復習をする
という流れを作るのです。これができれば、無理することなく一つの単元を三回学習することになるので、結果として学んだことが身につくのです。
反対に
授業でよく理解できなかった⇒テスト前に慌てる⇒テストで点数がとれない⇒改善されない
という流れに乗ってしまうと、完全に負のスパイラルにはまってしまいます。その最初の分岐点が中1の一学期期末、もしくは二学期の中間なのです。ここで思ったほどの点数がとれていなければ、学習スケジュールを見直したほうが良いでしょう。この時点であれば間に合います。特に夏休み前に気づけば、塾に入るなり、夏の課題を与えるなどして、取り戻せるでしょう。学習スケジュールをつくっていくポイントはまず、数か月単位で作ることです。
新学期であれば4月~7月といった一学期すべて、次は7月~8月の夏休み。その次は、二学期といった感じです。
その数か月でどこまで進めるかの予定を立てて、それを月割りにし、さらに週単位に落としていくのです。そうすれば、毎週何をしなければいけないのかが分かってきます。
しかし、流れに乗れていないことにも気づいていないまま進んでしまいますと、次に手を打つ時期はだいたい中3になってからになってしまいます。
中1に成績が悪い⇒叱るけど改善されず⇒中2も同じ状況⇒中3で「なんとかしなければ大変」と家族みんなが気づく
このような流れになってしまう人が一定数います。ここから流れを作り直すことができないとは言いません。頑張れば何とかなるからです。しかし、大変であることは強調しても強調しきれません。
たとえば、九九でつまずいた人が小3、小4の算数でうまくいくと思いますか?小4の段階で九九を覚え直しながら、学校で学んでいることも同時並行で進めなければいけない状況を想像すればその大変さは理解してもらえるのではないでしょうか。
すべての科目を頑張るというのは、一部の人を除いて現実的ではありません。ある程度の流れに乗るために、英語と数学の先取り学習をできるような学習スケジュールを作りましょう。
もう一度言いますが、一学期の期末、もしくは二学期の中間が分かれ目になりますので、そのときの点数を見て、手を打たなければならないのであれば、すぐに手を打つようにしましょう。