Kip学伸のブログ



【小学生】英語学習の落とし穴

カテゴリー:勉強方法2024.06.23

 

英語教育の重要性がますます高まり、いつの頃からか、英語ができれば大学受験でも高校受験でも、そして中学受験でさえも有利であるようになりました。そのため、小学生から英語を学ぶ人も増えています。そしてそれに伴い、英検を早いうちから取得する人も多いのではないでしょうか。

 

早いうちから学習したほうが語学の習得は良いとされていますから、当然早い段階から始めることは良いことです。実際、小学生のうちから英語を学んでいる人は、中学時代に良い成績をとることができ、英語が得意科目になることもめずらしくありませんただし、ここに落とし穴があるので、その落とし穴について今日は話をしていきます。

 

小さいときから英語を学習する最大のメリットは、「自然に学ぶことができる」ことです。それはちょうどわれわれが日本語を自然に学んだように英語を学ぶという考え方です。この「自然に学ぶことができる」というのは、感覚的に英語が分かることとも言えます。

 

ですから、小学生のうちから英語に触れることで、大人が学ぶのとは違った方法で学べます。自然に学ぶことができることで、特にスピーキングやリスニングはかなり上達すると言えるでしょう。もちろん、週に1度程度の学習ではネイティブスピーカーのようになれませんが、それでも英検でいえば3級程度の単語や言い回しは自然に覚えられると思います。中学に入っても英語が得意科目となり、中学時代はうまく進みます。

 

こんな良いことばかりありそうな小学生からの英語教育ですが、弱点がないわけではありません。というのも、このような学習をしてきた人の多くが、高校の勉強が始まったくらいから、「あれ、何かうまくいかない」と思うことが多くなり、覚える単語が多くなり、しだいに良い成績をとることが難しくなってくるからです。

 

というのも高校英語あたりから、文法事項が細かくなってくるので、基本的な文法が頭に入っていないと、次のステップにうまく進められないのです。感覚的に分かっていた人は、理屈が分かっていないので、自分の感覚外にあるものが理解できなくなります。たとえば、日本語の助詞の「が」と「は」の違いを説明できる人はあまり多くないでしょう。しかし、その違いを説明できなくても、我々は自然に区別できます。

 

「机の上にペンがある。そのペンは私のものだ」

「机の上にペンはある。そのペンが私のものだ」

 

では明らかに後者がおかしいのに、おかしい理由を説明するのは、我々にとって難しいものです。こうしたことからもお分かりいただけるように、いったん感覚で身についたものをレベルアップされるために、後付けで理屈を入れるのは難しいことです。

 

もちろん、ネイティブのように生まれたときから毎日英語を浴びていれば、理屈抜きでも習得できるのでしょう。ちょうど我々が「が」と「は」の使い分けを間違えないように。が、小学生くらいから週に何度か英語を習うくらいですと同じようには習得できるはずがありません。

 

たとえば、次のような英語の違いが分かるかどうかが一つの指標です。

 

I found the book easy.

I found the book easily.

 

単語そのものは中1・中2で学習する簡単なものです。感覚的に英語を身につけたひとは、この違いが分からないことが多いのです。しかし、文法事項をしっかりと身につければ、何も難しいことはありません。

 

I /  found /  the book /  easy.

S    V         O          C

 

これはⅤ文型と呼ばれるもので、O=C となり、その本=簡単 となります。要するに、「私はその本が簡単であることが分かった」となります。一方の文は次のようになります。

 

I /  found /  the book /  easily.

S    V         O         M

 

最後のeasilyは副詞です。この文ではfoundという動詞を修飾するので、「私は、その本を簡単に見つけた」となります。

 

つまり、二つの文は最後の単語の語尾が違うだけなのですが、意味としてはまったく異なるものとなります。感覚で英語を捉えている人は、下記のことを理解していません

 

・「easy」、「easily」のそれぞれの品詞を分かっていない。

・「find」は三文型と五文型を作ることができる動詞。

 

 

文法を学んだ人は、単語を品詞で考え、また文型を考えるため文の構造が見えるのです。もちろんこの文は、中学一年で学ぶ単語しか入っていないので、感覚的に分かってしまう人もいるでしょう。ただし、単語がより難しくなったり、関係詞が入った複雑な構造になったりすると、感覚だけでは捉えられなくなってきます。

 

要は、単語を単に覚えていくような勉強法では限界がくるのです。文章の構造を読み解くには、文の要素を分けて構造を読み取れなければなりません。

 

何度でも強調したいのは、小学生のときに英語が得意な人ほど、後に英語で伸び悩み苦しむことになることが多いのです。

 

とはいえ、小学生のときから文法事項をしっかりと学ぶのは楽しいことではありません。嫌いになってしまえば元も子もありませんから、楽しみながら進めていくことも小学生にとっては重要です。

 

最良の方法は、そうした感覚的に英語を捉えることから始めつつも、いずれそれでは通用しなくなることを保護者の方が分かっており、そのことを踏まえたうえでどこかの段階で、きちんと文法事項も学ばせることです。

【中学受験国語 】 記述問題が苦手な人

カテゴリー:国語2024.06.16

国語が苦手という人の中でも、もっとも多いのは記述問題が苦手という人です。物語や説明文、随筆など長文の種類を問わず、とにかく記述が苦手という人は一定数います。

 

仮に、選択問題はできているのに記述問題だけいつも空白であるといった場合は、その根本的な理由は簡単です。

 

それは、書き方が分からないからです。

 

要は、選択問題ができていれば、読解はある程度できているということになります。読解はできてはいるが、設問で聞かれたことに、自分の言葉で書こうとするとそれがうまくいかないのです。

 

では、なぜ書き方が分からないのでしょうかその答えもいたってシンプルです。書かなければならない文が長すぎるからと言えます。

 

たとえば、

「何々をしたのはだれですか?」という問いであれば、人名を書けば良いだけですから書けないということはないはずです。

 

しかし、これが次のようになれば難しくなってくるはずです。

 

「何某さんは私にとってどういう存在でしたか?」という問題で、模範解答が

 

「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれ、将来私の進む道に強い影響を与えてくれた、今の私にとってもかけがえのない存在」

 

であったとします。これで65字ありますからわりと量があると言えるでしょう。記述が苦手な人にとっては、強敵な問題です。これをいきなり書かせようとするから書けなくなるのです。

こうした問題に対して白紙で答案を出したり、完全にズレている解答を書いている人に、模範解答を見せたり、教えたりしてもあまり意味はありません

 

こうした問題の場合、

 

「~の存在」の「~」に入る部分が最重要なわけです。上記であれば「かけがえのない存在」ということになります。そこから「なぜかけがえのない存在といえるのか」を考えていき、次に、「将来私の進む道に強い影響を与えてくれたから今の私にとってもかけがえのない存在」となっていくのです。

 

ただし、まだ字数が足りないのでその他の理由も探します。「子供のころには私の書きものに敬意すら払って見守ってくれた存在」となり、それらを合わせて解答をつくっていきます。

 

こうしたプロセスで解答を作っていくのですが、何も書けない人に、これをいきなりしようと思ってもできません。

 

こういう場合の訓練は、国語の読解問題をするよりも、むしろ作文の練習のほうが効果的です。

 

例を挙げてみましょう。

 

「おじいさんは毎朝畑に行きます」

 

という文があれば、これに修飾語をつけていくのです。そのときに問いをつけると良いでしょう。

 

「どのようなおじいさんですか?」

「いつは畑にいきますか?」

 

そうすると、

 

「来年90歳になるぼくの隣に住んでいるおじいさんは、毎朝日の出とともに、畑に行きます」

 

といった文ができます。前半は「おじいさん」を修飾する言葉、後半は「行きます」を修飾する言葉を追加しています。まずは、こうした訓練をしていきます。ここからさらに増やしていく方法としては、因果関係や比較する対象を追加するというのがあります。

 

比較の文

「おばあさんが毎日お昼まで寝ているのに対し、一方のおじいさんは毎朝畑に行きます。」

 

因果関係の文

「若いときは夜型人間でそういう生活はもう嫌だと思ったために、おじいさんは毎朝畑に行きます」

 

これらすべては核となる「おじいさんは毎朝畑に行きます」というところを変えていません。国語の記述問題も基本的に考え方は同じで良く、まずは最短の答えを考え、そこに追加していくのです。それが因果関係なのか、比較なのか、あるいは体言止めとなるものなのかといった違いはありますが、基本的な考え方は同じです。

 

ということは、そもそも最短の答えが分かっていなければなりません。そこの箇所が分かっていない人はおそらく選択問題もできていないはずです。その場合は、読む文章を短いものから始めると良いでしょう。もっと簡単に言うと、今使用しているテキストが難しすぎるのです。もちろん、通っている塾の方針もあるでしょうから、テキストを変更することは難しいかもしれません。ただ、簡単な読解ができていない場合、難しい問題をしても学力アップにはつながらないので、短くて内容が分かる文から始めることを強く勧めます。

 

さて、こうした短文を書く訓練をしていくことで、書き方がわかっていき、その結果として長い文章、記述問題も書けるようになります。

【上智大学公募推薦】課題レポートの書き方のヒント 応用編

カテゴリー:小論文2024.06.11

daigaku_toudai上智大学の公募推薦には、基本的に課題レポートを課せられます。合格に近づくため、その課題レポートで、ライバルたちと差をつけることも一つの方法です。

今日は、そのレポートの効果的な書き方を紹介します。

①読み手を意識するために、意外性を入れる

たとえば、「キリンの首の骨は7つ」ということを伝える場合、以下の二つでどちらのほうが効果的でしょうか。

A「キリンの首の長さは約2メートルあり、その骨の数は七つだ」

B「キリンの首の長さは約2メートルもあるのに、その骨の数は人間と同じ 七つしかない」

 

どちらも「キリンの首の骨は七つ」という事実が書かれていますが、「骨の数が七つ」であることをより効果的に伝えているのはBであることは分かると思います。骨の数が七つというのは多いのか少ないのかは一般の人には判断ができないと思いますが、「2メートルもあるのに」骨の数が「人間と同じ」と書くことで意外性が伝わるのです。他にも例を挙げてみましょう。以前、中3生に作文の授業で50字の自己PRを書かせたことがありました。その中の一人の生徒が書いてきたのは以下のような文章でした。

数学が得意で学年トップを2回とりました。それは長所である諦めないことがいかされていると思います。

50字のPRにおいて最大のポイントはたった50字しか書けないことです。ですから工夫しなければ伝えたいことは伝わりません。ここでは、「数学が得意」「学年トップ」「諦めない性格」などのアピールがされています。自己PRとして形は整っていますが、少し一本調子なのが否めません。こうした場合に、少し意外性を入れると一気に読み手の好奇心が揺さぶられます。

粘り強い思考を武器に得意な数学は学年トップ。でも、机に積まれているのは、数学の本ではなくワンピース。

「ワンピース」というのは中学生に人気のある漫画です。数学が好きというアピールだけですと、だたの「ガリ勉」に思われかねません。せっかくのPRですから、そこに数学とまったく関係のない漫画の話を入れることで、実際に書かれていること(この場合、数学が得意で漫画も好きであるということ)以上のことが伝わります。読み手は、書き手のことに興味をもつようになります。

ちなみに、書き出しに意外性を入れるのがもっとも効果的であり、そのため多くの小説の書き出しはそのような工夫が施されています。たとえば日本でおそらくもっとも有名な書き出しであるのは、

「吾輩は猫である。名前はまだない」ではないでしょうか。まず、「吾輩」という格式ばった言い方と「猫」というのがちぐはぐない組み合わせです。そのうえ、名前がないとくるのですから、この後どういう展開に続くのか気になるところです。

②ネタを逆張りで考えてみる

「逆張り」というのは、他の人とあえて反対の意見を主張することです。たとえば、多くの人が

日本は今後、ますます就労人口が減っていくが反対に高齢者の数は増えるため、財政がひっ迫し、経済的にはジリ貧になっていく。

と主張しているとします。要するに少子高齢化によって、財政が悪化し、経済成長の足を引っ張るという主張です。現に多くの識者もこのようなことを言っています。しかし、「逆張り」の発想では、他の人とあえて反対のことを言うので以下のような主張になります。

日本は今後、就労人口が減り高齢者の数は増えるが、大きなチャンスだと言える。というのも、少子高齢化が進むというのは、ほとんどの先進国に見られる現象であるため、その良いモデルを作ることができれば、多くの国が日本を見習うことになる。

ポイントは、多くの人が述べそうなことをまずは考える。もちろん、その意見の良い点も悪い点も含めて。そのうえで、その意見とはまったく違う、あるいはまったく反対の意見を理屈付けできる形で述べるのです。

③海外の視点を入れてみる

みなさんは、オーストラリアで使用されている世界地図を見たことがありますか?

オーストラリアの世界地図は、オーストラリアが中心になっています。日本の世界地図は日本が中心です。誤解している人もいるのですが、日本の世界地図であるから日本が真ん中にくるように描かれているのです。

オーストラリアの世界地図は南北も反対になっており、見たことがない人も多いのではないでしょうか。世界地図というのは、基本的に自国を中心に作られています。オーストラリアは南半球の国ですから、当然われわれ北半球の国とは上下が反対です。こうした他国の世界地図を見ると見慣れた日本も少し違って見えないでしょうか?

反対にオーストラリア人にとっては、オーストラリアが真ん中に描かれた世界地図は、見慣れた世界地図です。こうして考えますと、「世界地図」と一口にいっても、なにを中心にするかによって見え方は変わってきます。そして、これは単に世界地図に留まらずあらゆる社会現象についても言えることです。日本で報道されるニュースは日本の視点です。当然、同じニュースが別の国では違って報道されています。

このことを敷衍(ふえん)しますと、あるグローバルイシュー(世界的に話題となっているような社会事象)について考える際に、「外国人(たとえばアメリカに住んでいるアメリカ人)であれば、この問題についてどのように考えるのだろう」と考える習慣をつければ、これまでとは違ったものの見方ができるかもしれないということです。こうした「視点」をレポートの中に入れることによってライバルたちに差をつけることができます。

以上の三点を意識して課題レポートを書くと他の人とは差別化できるものが書けると思います。

夏期講習のお知らせ

カテゴリー:お知らせ2024.06.05

夏期講習のお知らせが12日(水)から配布されます。ご確認いただきますようよろしくお願いします。