なぜ塾のHPには授業料が掲載されていないのか?
カテゴリー:その他2024.04.28
多くの塾のHPには授業料が掲載されていません。なんとかそれを知ろうとページ内をサーフィンすると、最後には「お問合せフォーム」にたどり着き、結局のところ金額が分からないまま終わった経験をされた方も多いでしょう。また、電話で問い合わせてもほとんどの塾は、授業料を教えてくれず、「資料を配布します」と言われるか、「塾に直接来てください」と言われることがほとんどです。まるで時価で値段が決まってる昔のお寿司屋さんのようです。
これだけ塾の宣伝が溢れているのに、肝心の授業料が出ていないことに対して、多くの人が疑問に思っているはずです。
多くの塾が授業料を掲載しない理由は単純で、「問い合わせ」を欲しいからです。というのも、問い合わせとセットになるのが住所や電話番号だからです。
実は現在の大手塾のほとんどは、その経営母体が予備校になっています。たとえば、首都圏の大手進学塾であるサピックスの経営母体は代ゼミです。早稲田アカデミーの場合は、東進の経営母体であるナガセです。昔からそうだったわけではなく、2000年代から経営の統合が始まりました。名称が異なるのでそのことに気づいている人は少ないのが実情でしょう。
要するに、昔は別々の経営母体であった、中学受験、高校受験、大学受験の塾や予備校が、今は同じになったということです。
さて、賢明な方はすでに気づいているかもしれませんが、こうした経営統合が起こったことで、たとえば小学生の学年や住所や電話番号が分かれば、その人が大学受験をするまで、DMを送ったり電話をしたりといった営業がし続けられるのです。入塾に至る理由の一つが営業ですから、それを考えると喉から手が出るほど名簿が欲しいのもうなずけるはずです。
あまり知られていませんがひと昔前までは、役所に行けば名簿を見ることができました。塾に限らず、顧客リストを作りたい多くの会社は役所で名簿を手に入れていました。しかし、法律が変わり、そうした個人情報の入手が難しくなったために、新たな名簿の入手方法として出てきたのが、「連絡をさせる」というものです。「塾の資料を送るため」という名目で、氏名や住所、電話番を手に入れているのです。
ちなみに、塾の資料を比較するために、一斉に貰えるようなサイトもありますが、あれも同じです。あれをすると、そこと契約しているすべての塾に連絡先が渡るということです。ですから、たとえ入塾しなかったとしても、営業の連絡はその後も続きます。嫌な思いをされた方も多いと思うのですが、塾の営業がしつこいのや、学年にあった営業電話がかかってくるのもこうしたことが理由です。
反対に、数としては少ないですがHPに授業料や講習費などを掲載している塾もあります。うちもその一つです。掲載する理由は、載せない理由と正反対のもので問い合わせの数を減らすためです。
多くのご家庭にとって、塾に通うにあたって授業料がいくらなのかは重要事項です。ですから、色々と塾の特色を知る前に授業料がいくらなのかを知ることは、しぜんな流れです。そうすると塾を調べる場合にまずは授業料がいくらなのかを知りたいでしょう。そのため、塾に連絡をするのであれば、「資料をください」「授業料はいくらですか」という質問がどうしても多くなります。しかし、最低限の情報だけを貰い、そこから比較をして、そのうえで話を聞くつもりが、連絡先を教えてしまうことで反対に、永遠に営業の連絡が来つづけるという結果になってしまいます。
塾の立場に立ってみますと、こうした授業料に関する質問に毎回答えるためには、その人員が必要です。当然その分の経費がかかります。経費がかかれば、その分を当然授業料に上乗せしなければなりません。そのような事態を避けるには、そうした質問そのものを減らす必要があります。そのために、HPにすべてを掲載するのです。そうすることで、少なくとも授業料が予算と合わない方は、問い合わせをしなくなります。
もし、塾を探されている方がいるのであれば、こうしたことを知ったうえで、塾に連絡をするのが良いでしょう。具体的な対策としては以下のようなものがあります。
・捨てメールをつくってそこから連絡
・電話番号は携帯のものを書く(着信拒否設定ができるから)
ちなみに個人的にしつこい営業は好きではないため、Kip学伸では一度ご縁がなければ、以後営業の電話をすることはありません。
上智大学法学部地球環境法学科の学生に聞いてみた!【動画】
カテゴリー:学校紹介2024.04.23
現在Kip学伸で講師を務めているO先生に上智大学法学部地球環境法学科の実情について話を聞いてみました。
学習障害について
カテゴリー:その他2024.04.18
学習障害(Learning disabilities)とは、知的障害ではないが、読み書き計算などの特定の領域で学習の遅れが見られる状態のことを言い、昔はなかった用語です。しかし、一説によるとその数は増えているとも言われています。そういう人が実際に増えたからよく聞くようになったのか、それともそういう定義ができたから増えたのか因果関係は分かりませんが、一定数いることは間違いありません。ただ最近では、LDをlearning differences「学び方が異なる」といったLDに対する社会の理解が大切という考え方が出てきました。多様性の一環でしょう。
わが子がLDである。あるいは、LDかもしれないということで悩まれている保護者の方は多いでしょう。子どもにおいては、5パーセントから15%と言われていますが、教育の現場にいる肌感覚としては10%くらいではないかと思います。
LDに関しましては、もっとも重要なことは周りの理解です。そして、周りの人がが理解するには、まず保護者が理解を深めることが重要なのは言うまでもありません。たとえば、LDに人に対し、周りの人間は、その事実を知らないと単にサボっていると思います。さらに、本人もそう思うようになり、「できない」⇒「自己嫌悪」⇒「ますますできない」の負のスパイラルにはまってしまいます。
ですからまずは保護者の方の理解が必要なのです。理解することで対処の方法を考えることができるからです。中には、わが子がLDであることを認めたくないという理由で、検査などをされない方もいますが、ご両親が認められないと、結果的に本人が苦しむことになります。
LDは、大きく分けて三つの領域があります。
一つは、読字障害(ディスクレシア)です。その特徴は以下のものです。
・文字と音が紐づけできない⇒ひらがなは覚えられるが、英単語や漢字は苦手
・文字が歪んで見える
・鏡文字に見える
・行がまたがると間違える
・メモがとれない
ディスクレシアと言いましても、その程度は様々ですので周りのサポートで何とかなるものもあれば、専門家に定期的に相談に行かなければならないものもあります。
まずは、ご家庭や塾などでできることとしては、、下敷きなどをつかって、文字情報を抑えることです。文字情報が多すぎるために、理解が妨げられるわけですから、入ってくる情報そのものの量を減らすという方法です。その他に、タブレットをつかってフォントを大きくするというのも一つの方法でしょう。文字情報を減らすというよりは、見やすくするということです。その他に見やすくする方法としては、文は区切るなどがあります。英語でスラッシュリーディングというのがありますが、あれを行うのです。区切ることで、塊として現れる文を単語に分かることができるようになるのです。
次に挙げられるのが、書字障害(ディスグラフィア)です。その特徴は以下のものです。
・漢字の記憶が困難。⇒ゲシュタルト崩壊
・文字を単語のまとまりにできない
・文字の形を認識できない
・板書ができない
・鏡文字になる
・「ぬ」「め」、「わ」「れ」などの区別がつきづらい
・文字の大きさや空間が安定せずに、字がきたない
ディスクレシアと重なっていることが多いと思うのですが、こちらの特徴は書くことに対する困難が付随します。ご家庭でできる対処としては、細い鉛筆やシャーペンシルではなく太い鉛筆で、3Bや4Bといった芯が濃くて柔らかいものを使用することが挙げられます。
中には、お子様が書字障害であることに気づいていない保護者の方もいて、そうした場合は、上記のような対処が当然できず、結果として「字がきたない」の一言で片づけられてしまいます。
また、できる訓練としては、なぞる練習をする。お箸は右手で持って、茶碗は左手で持つ、のように左右に関する積極的な声掛けをする。許可をとって、板書は写真を撮る。などがあります。
勉強を始める前に、なぞる練習をすることは心が落ち着きますので非常に有効です。また、左右の概念が弱いというのもあってか、鏡文字になりやすいので、日常生活で「右」と「左」を意識させるように、指示を出すときに、「右、左」を入れるのです。細かな話ですが、こうしたことの積み重ねを小学校のときからするかしないかで大きく異なってまいります。
三つ目に挙げられるのが算数障害(ディスカリキュリア)です。その特徴は以下です。
・時計が読めない
・図形が理解できない⇒空間図形は苦手 イメージができない
・数の概念が理解できない ⇒序数と基数の区別がつきにくい。順番が分からない。
・数字を覚えるのが苦手
・単位換算が苦手
・文章題で何を問われているのか分からない
たとえば塾で指導をしているときにすぐに気づくこととしては、「図形問題が極端に苦手」ということが挙げられます。見えていない箇所を想像することに困難を伴うため、立体問題は苦手です。また、目盛りや数直線を読むのが苦手なのも特徴です。保護者の方の理解がないまま、進学塾に入ってしまうと大変苦しむことになってしまいます。
以上のようにLDにおける三つの特徴を挙げてきましたが、上記のような症状が見られるからといって、すぐに学習障害であるということではありません。重要なことは、学校生活(あるいは学習面で)が快適におくられているかどうかということです。
知的障害とは異なるため、気づかれにくく、そのため問題が保護者が把握できていないことに難しさがあります。しかし、今は昔と違ってインターネットであらゆる情報を収集できますので、少しでも悩まれたら、まずは保護者のかた自身で情報収集をすることが良いと思います。
保護者の方の理解がなければ、できないことに対して本人の「努力不足」と認識したり、本人も自分の能力不足と捉えたりするようになり、いずれは不当に叱られることに慣れてします。
相談先としては、各都道府県に設置されている教育センター、自治体の発達障碍者支援センターなどの公的機関がありますので、悩まれている方はまずはそういうところで相談されることが良いでしょう。ただし、診断は受けられません。診断は専門の医療機関に行くしかありません。
そして、診断が出たり、あるいは出ていなくてもそういう傾向が見られることが分かっていたりした場合は、その旨を学校の先生なり塾の先生に伝えることがお子さんを助けることにつながります。
新高3生【公募推薦を含む総合型選抜入試を検討の方】
カテゴリー:志望理由書の書き方2024.04.06
公募推薦を含む総合型選抜入試を考えている新高3生で、受講を悩んでいる方はお早めにご連絡お願いします。受験の概要を知りたい方でも結構です。