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カテゴリー:お知らせ2023.07.25
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志望理由書 安易に使わないほうがよい言葉
カテゴリー:志望理由書の書き方2023.07.22
多くの受験生にとって、これまで書いたことがない志望理由書を書くというのは、正解が分からないということもあり大変な作業です。どうやって書けば良いか分からないから、ググったり、大学のHPを見たりして参考になりそうなものを引用して、書くことも多いのではないでしょうか。
さて、そんな志望理由書ですが、多くの人がよく使う言葉の中で安易に使わないほうが良いものがいくつかあります。これから具体的な言葉とその理由について説明をしていきます。
ワード①
『多様性』
え?と思う方も多いでしょう。大学も受験生もみんなが好む「多様性」というワード。なぜ、これを安易に使ってはいけないのか。たとえば、「生物の多様性を保つ保全活動」といった文脈であれば問題ないのですが、よくあるのは人間社会に使うときです。たとえば、「多様性に富んだ社会をつくるために・・・・」といった文脈です。
よく考えてほしいのですが、「多様性に富んだ社会」とはまず何でしょうか?
・多くの人種や国籍の人が集まる社会
・異なる価値観をもつ人々が集まる社会
およそこのような意味で使われることが多いでしょうか。しかし、価値観が大きく異なる人たちが集まる社会は、合意を形成するのに大変な労力を要します。話が通じないかもしれません。そうした社会に生きるのは大変なことです。日本人の得意な阿吽の呼吸など存在しません。「空気を読む」といったこともないでしょう。人々の争いやいざこざも絶えないでしょう。
そのような大変な社会を作りたいというのであれば、必ず負の側面を考慮し、それでもなお、その大変さを引き受けてでもつくらない意義を明確に書かなければ、単に何も考えていないことを露呈するだけの言葉となってしまいます。
ワード②
『国際』
一時「国際」と付く新設学部が雨後の筍のようにできました。今では人気学部も数多くあります。大学だけではなく受験生にも人気があり、志望理由書にも何枚かに一枚は「国際的な活躍」や「グローバルに活躍する」といった文が見られます。
しかし、「国際」というのは字のごとく「国と国の際」のことですから、たとえば「日本」といったような特定の場所を指す言葉ではありません。一体どことどこに国の間で活躍するのでしょうか?ほとんどの場合は「英語が好きです」というのを体裁よく書き替えているだけのような使われ方がされているので、書くのであれば、具体的な国名を挙げたほうが、将来のことを具体的に考えていることが伝わるでしょう。
ワード③
『英語を活かす』
五教科のなかで英語がもっとも得意であると、ついつい「英語を活かした職業」といった文章が頻出します。
しかし、よくよく考えてみてください。英語そのものは言語の一つであり、あくまでもコミュニケーションの手段です。何か専門的な知識もないのに、「英語を活かす」ことなどできるはずもありません。われわれが人の話を聞くのは、その人が中身のある話をするからであって、日本語を上手に話すからではありません。英語であっても同様です。
英語が得意なのであれば、別の武器となるものを探し、それを英語とつなげて考えましょう。
ワード④
『~に興味がある』
志望理由書に「~といった分野に興味があり」と書く人がいます。特定の分野に興味をもつことは重要なことではありますが、志望理由書に安易に書くべきではないでしょう。というのも、大学は研究施設であり、そのために国から補助金が出ています。であるからには、どのような形で社会貢献ができるのかという視点が必要不可欠です。
ですから、自分の興味云々を書くのであれば、自分がその分野で学ぶことで社会にこういう形で貢献できると書くほうが説得力ある志望理由書になるでしょう。
今日は四つの言葉を挙げましたが、これらは「書いてはならない言葉」ではなく、「安易に使わないほうが良い言葉」です。もっと言えば、深く考えて使えば汎用性の高い言葉になることは間違いないでしょう。
是非、参考にして志望理由書を書いてください。