Kip学伸のブログ



お休みのお知らせ

カテゴリー:お知らせ2022.03.30

3月31日~4月4日は塾がお休みとなっております。その間はご返信できませんので、ご了承ください。

小論文の書き方

カテゴリー:小論文2022.03.30

英語や数学といった科目に比べ、小論文はどうやって勉強を始めたら良いか分からない人が多いのではないでしょうか。

学校で小論の授業があって受講している人もいるかと思いますが、その多くはいきなり実践的な(本番に近い)形式の小論を書いていることが多いようです。

しかし、それでは自分の力がついていくという実感ももてないでしょう。そのうえ何が採点のポイントとなるかどうかも分かりづらいのではないでしょうか。

長年、小論・作文指導をしてきた私の書き方指導は以下のような手順です。

1 すべての文章には読み手がいる    ⇒読み手を想像して書く。
2 文章は具体的に書く         ⇒曖昧な表現は、思考が練られていない証拠。
3 文の構成を考える          ⇒接続詞の正しい使い方と小論の型。
4 知識を増やす            ⇒調べながら書くことで、各分野の知識を増やす。
5 実践問題              ⇒過去問対策

このような流れに従って、訓練を積んでいきます。各ステップの中にいくつもの課題を書かせます。そうすることで、何を学んでいるかが分かり、その課題がクリアできているかどうかも分かります。

多くの小論文のテキストや授業では3と4のみに力がおかれているため、もともと文章が苦手な人は、けっきょく何も身につかないということに陥りがちです。そうならないためには、特に1と2の訓練を積んで、文を書いて相手に伝えるということが、どういうことなのかを知ることが最善の道となります。

一橋大学経済学部合格までの道のり(動画)

カテゴリー:大学受験2022.03.29

先日、一橋大学経済学部に合格したK君との対談です。K君は慶応大学法学部にも合格しました。

英語はできて当たり前。差をつけるために数学をかなりのレベルに上げる。最後の差をつけるために国語(慶応の場合は小論)の対策を行う。

東京海洋大学ってどんなところ?後編

カテゴリー:学校紹介2022.03.24

【後編】東京海洋大学に入るまでしてきたこと

大沢:では、具体的にどんな勉強をしてきたのか。国立なので5教科7科目、全部やったの?

池田:全部やりました。

大沢:何が一番得意なんですか。

池田:生物です。

大沢:なかなか塾では教える機会のない生物が一番得意で、今もそういうのが好きなの?

池田:今も生物が好きです。

大沢:なるほど。生物が得意で、あとは?

池田:あとはしいて言うなら英語か国語と社会。

大沢:あれ、数学理科はそうでもない?

池田:そうでもないです。

大沢:そうだったんですね。国立なので、センター試験をやって、2次試験をやって、点数配分ってどれくらいだったんですか?

池田:他の大学だと全部圧縮されたりすると思うんですけど、うちの大学では英語は圧縮されないで250点満点で換算されて、他の教科を圧縮するって感じなんで。

大沢:じゃあ、センター英語が非常に重視される?

池田:ですね、はい。

大沢:じゃあ真面目にやってる子は行きやすいよね?

池田:そうです。そうです。

大沢:2次試験は?

池田:2次試験は私の学科だと小論文と、数学か化学か生物から1つ選んで2つで受験する。

大沢:あー、なるほど。じゃあもちろん生物をとって。

池田:はい、生物と小論文で受験しました。

大沢:小論はどういう題材が多いんですか?

池田:そんなに海の関係とかではなくて、文章を読んで求められた答えが書けるのかっていうのが知りたい内容なので、普通に何かの本の本文から引っ張ってきて・・・

大沢:国語みたいな?一番オーソドックスな筆者の主張みたいなのをまとめていって?

池田:要約したりみたいな。

大沢:そういう感じなんですね。他なかなか一緒に目指そうっていう友達もいなかったんじゃないですか?

池田:いなかったです。

大沢:うちでも多分、受験した子はいなかったと思います。
他にもじゃあ、特殊と言っても、今日の話を伺ってると、食品流通とかだとここの大学じゃないと絶対ダメっていうわけじゃないと思うので、私大もいろいろ受けたと思いますけど、どんな私大を受けたんですか?

池田:まずは明治大学農学部、法政大学生命科学部、東京農業大学。

大沢:全部そういう関連なんですね。たとえば今の3つでいうと、明治なんかだと、明治が滑り止めになるのか、明治の方がレベル高いのか?

池田:どうなんでしょう?私は第一志望が国立で、第二が明治大学という感じで受験しました。

大沢:やっぱりそういう人が多いのかな?国立受けると、明治や法政だと滑り止めなるの?ならないくらいなの?

池田:滑り止めになるかならないかギリギリ。

大沢:同じくらいのレベルになるのかな?

池田:そうですね。

大沢:で、農大だとちょっと滑り止め?

池田:はい。

大沢:ちなみに大学に向けての勉強っていうのはいつぐらいからスタートを切ったのですか?

池田:本格的に始めたのは高3の夏休みくらいからですね。4月から夏休みまでの間は実感がなくて、何をすればいいのかわからなくて、行動に移せなかったというか。

大沢:頭ではわかっていても?なるほど。 結構じゃあ、夏はがんばりましたか?

池田:はい、普通に大手の塾に通ってたんですけど、毎日朝9時から夜10時まで塾に行って。

大沢:予備校?

池田:映像授業の塾ですね。

大沢:自習室みたいなところで?

池田:映像の授業を受けて、今日の分の勉強をしたあとに、夜までずっと自習するっていう感じです。

大沢:9時から10時だと13時間?

池田:途中お昼休憩を入れながら。

大沢:結構きつい勉強を夏休みめいいっぱいして、何か覚えてることありますか?夏前にセンターこれくらいだったけど、終わるとこれくらいになったとか。

池田:英語は多分伸びたと思います。
夏前あったら6割7割だったのが、夏終わったらはそれを当たり前に超えるようになってきました。

大沢:最終的にはどれくらいになったのかな?

池田:最終的には8割。

大沢:その30日40日の間で力をつけて、国立で全科目必要なので数学も?社会は何を取ったんですか。

池田:政治経済です。

大沢:なるほど、あまり勉強しなくて済むようなものを?

池田:そうです。

大沢:それでも科目多いので大変で、小論もやらなきゃいけないしとか?
もし、センター試験をしくじってしまったら変えようかなとかありましたか?

池田:いや、それはなくてダメ元で受けようと思ってました。

大沢:自分の想定の点数を下回っていたとしても、うけてやろうと?

池田:はい。0%ではないじゃないですか。

大沢:そうだね。結構やりたいことがはっきりしている人が多そうな大学なので行きたい人にはすごい魅力的な大学な感じが。うちにも生徒で海が好きで行きたいって言ってる子もいるので、そういう子には理想の大学かも。4年間ずっと船に乗れるってわけではない?

池田:そうですね、でも船乗りの学科に、他の学部学科に行けば、1年に2,3回乗船実習っていうのがあって、2週間とか長かったら1か月2か月くらい船の上で生活するのはあります。

大沢:そこで漁師さんでは学べないことを何かいろいろ学ぶってことだよね?

池田:大型の船の機械室とか航海に関わる仕事、技術面とかで資格が取れるようにっていうのはあります。

大沢:じゃあそういう船に乗る人っていうのは、そういう船を運転するような人に就職したりする?

池田:はい、そうです。

大沢:じゃあちょっとコロナで大変だったのかな?

池田:今は乗船実習の前は2週間家から出るなって言われているらしいです。

大沢:なるほど。2週間の隔離を経て、陰性であることがわかって乗れるみたいな。
そういうことなんですね。
学校の勉強も夏までは普通にしてたと。じゃあいつから大学は目指しだしたんですか?

池田:大學は、夏休みのオープンキャンパス行ったときにちゃんとここ目指そうと。

大沢:それは行ったのは高2?高3?

池田:高3です。それまではなんかいくつか候補があって、第一志望にする大学があやふやだったんですけど、とりあえず全部第一志望は国立だったので幅広く勉強しておけば対応できるのかなって思って。

大沢:ちらっと前に授業が終わったあとお話ししていた時に、お母さまが北陸の方だと聞いて、その時にお母さまはすごい魚介類にうるさくて、東京のスーパーの魚は食べられないから東京で買うときはデパートに行くって話をしてたと思うんだけど、そういうお母さんの影響もあって?

池田:この大学を初めて知ったのはお母さんに言われたからですね。さかなクンがうちの大学の客員教授をしていて、お母さんがなぜかわからないけどさかなクンが好きで。

大沢:お母さん、やっぱり魚が好きなんですね。そういうのもあって、海のものにきっと小さい頃からお母さんの話を通して近かったのかもしれないですね。
はい、わかりました。こんな感じでうちで講師をしてくれている池田さんが、大学でどういったことを学んで、こういう勉強をしているというお話をしました。今日はありがとうございました。

東京海洋大学ってどんなところ?前編

カテゴリー:学校紹介2022.03.23

こんにちは、Kip学伸の大沢です。

今回はうちの塾で現在講師をしてくださっている池田先生に来てもらいました。お願いします。池田先生は現在海洋大学海洋生命科学部海洋政策文化学科というところで勉強しているので、きっと海洋大学というのはどういう大学なのと疑問に思っている人もいるでしょうし、東京海洋大学に行ってみたいと思っている人もいると思うのでどんなことを勉強しているのか?入学するまでどういう勉強をしてきたのかということについて色々とお話を聞けたらいいなと思いますのでよろしくお願いします。

大沢:まずは、なぜ東京海洋大学に行こうと思ったんですか?

池田:一つは私が将来食品の流通業に関連する仕事をしたいなと思って、それでいうと例えば水産加工会社とか、水産系を扱う食品会社に関わることができる大学なると、この大学が一番いいのかなっていうのがあって。

大沢:もっと聞きたいのは、なんで食品の流通に興味があったのか?

池田:食品関係で働きたいと思ったのが始めなんですが、それはなんでかというと、人間が生きている限り食料品というものはあるので、少なくとも自分が生きている間は「食」があるなあって思って。

大沢:なるほど。確かに生きている限り食べなくてはいけないです。

池田:人間がいる限り、ずっとある分野だからと思いました。

大沢:で、そこから海洋加工品、海の関係だっていうので海洋大学に行こうと。その海洋大学では、他にもいくつも学部があると思いますけれども、どういう人が多いの?

池田:普通の大学に比べると少し変わってる人が多いかなあと。やっぱり海の生物が好きとか、釣りが好きとか、変な人が多いなって思います。

大沢:大学はそんなに大きくはない?

池田:大きくはないです。でもキャンパスは品川と、門前仲町にあって、それ2つなんですけど、人数は本当に少なくて1つの学部に100人いないですね。私の学部は40人弱しかいません。

大沢:じゃあ本当に高校の延長のみたいな感じですか?

池田:クラスみたいな感じです。

大沢:みんなで船に乗ったりはするの?

池田:1年生の交流みたいなので学校の持っている船で2泊3日のクルージングとかもありました。

大沢:2泊3日のクルージングって結構ハードでしょ?

池田:陸に降りれないので気持ち悪くなったら終わりです。(笑)

大沢:でも海に特化しているので、高校でも商船みたいな感じでいくつもあると思うけど、東京にそういう海洋に特科した国立があるってことを今のお父さんお母さん世代は知らないような気がします。設置が最近、2003年なので。やっぱり海が大好きで、海が基本にあってそこから海の生物だったり、海から派生するいろんなことに興味がある人が集まってくるイメージ。なるほど。池田さんそのものは、食品加工に関わりたくて入ったと、それは大学に入ってもその思いは変わらず?

池田:はい、ずっと変わらないです。

大沢:あとみんな大学院が多いんですか?

池田:ほとんどそうなんですけど、私の通ってる学科が理系でも文系でも受験できる学科で、その学科は6割くらい就職しています。でもほかの学科は8割9割、大学院に行くという感じです。

大沢:基本大学としては理系メインな感じですか?

池田:そうです。全部理系です。

大沢:海洋政策文化学科というのは、タイトルだけ見ると海の政策文化って言っても政策と文化がどう結びつくのかが名前ではわかりずらいんですけど、どういう狙いというかどういうことが学べるのでしょうか?

池田:例えば、海女さんとか捕鯨とかの伝統的な海に関する文化を交えて今の漁業の問題について考えるとか。

大沢:ということは、捕鯨を反対しているような海外の団体の人たちとやりあったりとかは?そこまではしない?

池田:そこまではしないです。

大沢:でも捕鯨であったり海女さんであったり、日本に昔からあって、伝統だけど廃れつつあるような文化的なものを学問的にとらえたり・・・なるほど。

池田:あとは、その海に関する文化以外にも普通に国際的に、例えば国際法とか。言ってみれば海って世界共通のつながっているものじゃないですか。国際的な見方もできるような勉強もするし、国際的ないろんな文化を理解する姿勢を持てるようにしようとか。

大沢:東京以外にも全国どれくらい国立で海洋系の大学があるか知っていますか?

池田:北海道と神戸・・・

大沢:北海道って北海道大学?

池田:そうです。

大沢:昔教え子が船に乗るような学部に行った気が。他は神戸にあって。
じゃあ、あんまりないんだね。それだけ貴重であり、希少なことが学べるところでもある、と。

池田:それは自信を持って言えます。

【後編に続く】

奇書案内番外編 お薦めの本屋(動画)

カテゴリー:ブログ2022.03.05

本が大好きな二人がお薦めの本屋について語っています。

池袋にあるジュンク堂や神保町にある東京堂。今はなくなってしまった京都の三月書房や啓文社など特徴のある本屋について語っています。

【非認知能力】これから必要になってくる能力

カテゴリー:ブログ2022.03.01

動画の文字起こしをしたものです

今日はお母さんお父さんのお勉強講座第7弾ということで、これから必要になってくる能力、あるいはこれから問われる能力についてお話をしていきますが、みなさんは「認知能力」、「非認知能力」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

認知能力というは、一言でいうと、みなさんがイメージされる頭がいいと言われているようなことの能力です。例えばIQが高い、そういうようなことができる、問題が解ける、論理的に施行することができる、計算が速いとか、基本的には「数値化」できることが特徴です。そして社会で成功していくためには、数値化できる能力が高いと有利だと言われています。受験の産業あるいは日本でいうお勉強のイメージというのはまさにこの認知能力をいかに高めていくかということに尽きると思います。そうすると非認知能力というのはどういうことかといいますと、数値化できない能力のことです。

例えば、自己肯定感、自分だったらこういうことができると思えることだったり、意欲・モチベーション・やり切るぞという忍耐力、それから人と協調できるようなコミュニケーション能力、そうしたことあるいは自分の感情を見つめたりするようなことです。数値化できないもの、こうしたものを「非認知能力」言います。先ほど申し上げた認知能力、日本の教育ではこの認知能力と言われるようなものを向上させていくために教育というものがあったんですが、ここ数十年でAI、コンピューターが格段に進歩したために、数値化できるようなものはコンピューターができるというような状況になってきました。実際、職業向こう10年とかで、何十パーセントの職業がもうなくなってしまうと、コンピューターに取って代わられてしまうというような研究を、海外、日本もうそうかもしれませんが世界中の大学の研究機関が発表したりしたものを聞いたことがあると思います。

特に膨大な資料を処理したり、数字を演算処理していったりするのはコンピューターの得意分野ですから、そうしたところに人間の勝ち目はないわけです。こうしたときに人間の心の内側にあるような価値であったり感情的なところとかそういうようなものが注目されるようになったのではないかと思います。

この非認知能力ですけれども、もちろんアメリカの方がおそらく研究は進んでいまして、小学校に入る前に非認知能力を高めるようなプログラムを組んで、実際に受けた子と受けてない子をどうなっていくのかというのを追跡調査をして40歳くらいまでになるまで、つまり40年以上前からこの非認知能力を研究している人がいて、実際にどういうような社会的ステータスの違いがあるのかというのを調べた報告があるのですが、それによると非認知能力が高かった、そのプログラムを受けて高めていった子の方が社会的には成功している状態が多かったという研究があるそうです。

でも実際に非認知能力と言ってもどういうものなのかというと、なかなか想像つきにくいと思うのですが、僕が見たところで、これわかりやすいなと思ったのは「魚捕り」に例えている人がいました。魚捕りをする場合に、例えば罠を作らなければいけない、しかも簡単に作れないのでひたすら作る、そういうときには集中力が必要です。地味な作業ですから。集中力が必要で、じゃあその罠をどこに仕掛けるのかというのに直観の力も必要ですし、それから仕掛けたポイントがずれていると当然魚を捕らえられないわけですから改善していかなくてはならないので、自分のしてきたことを反省したり、改善したりすることの能力ですね。それから魚は捕れないからといって、「もうやめた」と言わずに諦めずにじゃあ次こうしてみようああしてみようという能力。一方で、そう諦めないでいても捕れない日もあるわけですから、そうしたときは、今日は雨降った次の日で水が濁っていたから捕りにくかったんだといって楽観的にとらえることができる能力、それから一緒に魚釣りに行った友達と協力して一匹でも多く魚を捕るためのコミュニケーション能力というか、協調性といいますか、そうしたことも必要だと。こうしたものが非認知能力と言われているものだそうです。

こうしたものをいったいどうやって鍛えることができるのかというのは、なかなか難しいと思うんですね。こうやったからこうできるというのもなかなかできないですし、そもそもそうしたことを重視してこなかったのが日本の教育ですから、いきなりそういう非認知能力を鍛えようと言ってもどうしたらいいかわからないと考えられるのももっともだと思います。

例えばですが、学校から帰ってきた子どもに「今日は何があったの?」と何をしたのかと行動を聞いてるわけです。「どうだった?」とその結果を聞くと、例えば「今日何があったの?」というと、「グループディスカッションがあった」「どうだったの?」と聞くと、「こうこうで言い負かされた」あるいは、「相手を言い負かした」とか、そういうことがあるかもしれません。あるいは、いつも通りだったら「普通」「昨日と一緒」というような答えも返ってくるかもしれません。その中で、「宿題やったの?」や「終わってないなら早くしなさい」というような会話が日常的にあると思うんですけれども、今言ったようなことの中には認知的なことしかないわけです。相手の感情に踏み込んだようなことは一切出て来ていないので、こういうような会話がずっと続くとお子さんが感情豊かに自分の気持ちを肯定していくというような、それを醸成するような時間がないわけです。常に時間に追われて、「あれやったの」「これやったの」「どうだったの?」「ああだったの?」って言うと、自分はこう思ったとかこういう気持ちになったっていうのをじっくり見守ってもらう期間というのがないのでこうした時間を意識的に作る、子どもが自分の内側とどうやって向き合っていくか、今自分はこういう気持ちなんだけどといった気持ちを持っているときに一緒に共鳴してあげるとか、その気持ちと向き合うという時間を作っていくことが重要だそうです。

この非認知能力ですけれども、スポーツの世界の方が早く注目している専門家の方がいて、「スラムダンクの勝利学」という本を書いた辻秀一さんという方がいらっしゃるそうなんですけれど、その人の記事を読んだところによると、この方が注目したアスリートが2人いるということです。

1人はもうアスリートではありませんが、元メジャーリーガーのイチロー選手。イチロー選手の話はいっぱい書いてあったんですけれども、印象的だったのは彼が引退をするときの最後の言葉が「もうお腹空いちゃいました。」というような言葉を言いました。これは一見すると配慮のない言葉のようなにも思えるんですが、自分の内側の気づき、自分がこういう風に感じているということを言語化しその場の雰囲気ですね、自分が引退するからこう求められるものだったりというので空間支配されている中に、自分の気持ちを入れることによって支配されないようにして、自分の気持ちと向かい合ってるということで、重要な能力のひとつだそうなんですけれども、そのようなことが言えるというのに注目しました。

もう一人は、現役のキックボクサーで40戦以上していて無敗の那須川天心選手、まだ若干22,23歳で、その彼に辻先生がお会いする機会があったそうなんですが、この辻先生はアスリートに会うと「機嫌がいいとどうなりますか?」という質問をするそうなんです。人間は基本的に「どういうときに不機嫌になりますか?」というと、饒舌に語れるそうなんです。嫌がらせされたとか、うまくいくはずだったことがうまくいかなかった時とか、小さいことを含めて嫌なこと不機嫌になることいっぱいあると思うんですけれども、「機嫌が良くなるとどうなりますか?」という質問に対してはなかなか皆さん言語化できないそうなんですが、この那須川選手は非常に饒舌に語ってくれて、「こういう状態ならこういう状態だ」というようなことを言っていたそうです。それはですね、自分の内側と向き合うという訓練をしていないとなかなかできないそうです。なぜそういうことができるようになったのか、この辻先生は興味をもっておそらく那須川選手と話をしたと思うんですけれども、その時に気づいたことがお父さんの教えが大きいんじゃないかということで、リングに上がる上で重要なことは、「心を整えること」だということを小さい頃から教わってきたそうです。心を整えるためには自分の過去、例えば41戦無敗であるのは、過去のことですけれども無敗であることに常に心をとらわれている、過去にとらわれているとなかなか難しいです。未来のことは次はこういうことがあるああいうことがあるという先のことに捉えられていても、やはり心が整わないので今目の前にあることっていうものにいかにフォーカスを当てると、こういうようなことが非認知的な能力になるそうです。

こうした非認知の能力があることによって、自分の感情というものと向き合えるようになりますので、コントロールできるのでなにか難しいことを考えなくても社会で生きていく上で感情をコントロールできない人というのが、人と衝突しますし、何をするのもムラが出てくるので信用されないというのってなんとなくわかると思うんですけれども、そうしたことの一つだと思っていただいて良いのではないかと思います。ですからこうした感情と向き合うためには、自分の心と向き合う時間を設けてですね、それからご両親ができることとしてはその気持ちを育てる自分を向き合う時間を育ててあげる時間を1日の中で作っていってあげるということが重要なんじゃないかと思います。

今は、そうしたことの重要性というのはいわゆる教育の中ではあまり言われてきません。言われてこなかったですが、これからはAIの発達ともに大学入試なんかもいろいろ変わってきたのでそうした今まで注目されなかった能力というものが非常に注目される時代が来ると思いますので、これをご覧になってるお母さんお父さんはちょっとそうしたことを意識してお子さんと接していただけるといいと思います。