志望理由書とは何か
カテゴリー:志望理由書の書き方2019.09.30
毎年夏休み前後には「AO入試」を指導してほしいと問い合わせをいただきます。特に志望理由書の書き方が分からないと相談されるかたは多く、年々ご相談いただく機会も増えています。
AO入試は、ますます普及していっていますがが、何をしなければいけないかを分かっているかたは多くはありません。「AO入試という制度があるからとりあえず・・・」という人が多いのが現状です。
しかし、そんな簡単に早慶やMARCHレベルの学校が受かるのであれば、そんなに楽な話はありません。もちろん、実際は一般入試と同様、難易度の高い順にAO入試も難しいのです。ただ、その難しさが伝わっていないのでしょう。
特に志望理由書にいたっては、ほとんどのかたが数回の書き直しで大丈夫だと思っているのですが、大学に送る資料としてもっとも重要なものですから、自分のベストを尽くさねばならないと認識してほしいものです。
Kip学伸では、生徒に「50回は書き直しをすることになるから」と伝えます。当初は冗談だと思う生徒もいますが、実際は50回で終わらないのが現実です。今年、立教を受験する生徒は60数回の書き直しをしました。
当然、最初の数回目に書いたものと比べると格段に良くなっているのですが、書き直すということはそれだけ時間もかかりますから、一般に向けた学習時間も削がれてしまいます。そうすると、どこまで書き直せば良いのか、どこまで時間を費やせば良いかということで葛藤が生まれます。そこに正解はないと言えるでしょう。
こうしたことから、「手軽に書いて、運よく合格できれば」と考える人が多いのだと思います。
しかし、ベストを尽くさずに「運よく受かれば良いな」と考えている人の文章は、やはりそのレベルです。自分が受かれば良いなという自分本位の文章で、大学がどのような人を求めているのか、という視点がそこにはありません。
受験に限らず、あらゆる勝負事は相手の分析なくして勝利はあり得ません。特に現在のようにだれでも簡単に情報を収集できる時代になればなおさらです。志望大学・学部をどれだけ調べ上げたのか。大学が求めている人物像は?大学の理念は?学部の先生はどういう人たちがいるのか?その著作は?
ちなみに、A大学にあてはまりB大学にもあてはまることを書いて、両方に似たような志望理由書を送るより、A大学にしか当てはまらないことを書いて、A大学にしか興味がないことを真剣に伝えられた方が当然合格率は高まります。
受験は大一番の勝負です。当然、その日が近づけば近づくほど受験生の緊張は高まります。毎年、受験生には、「受験生になると、自分のもっているいちばん弱い部分が出てくるよ。だからこそ、弱い自分に負けたいためにも志望校をしっかりともっておくことが重要だ」という話をします。
実際、夏休みが終わって二学期が始まると学校のクラスの雰囲気は随分と変わります。特に今年はセンター試験最後の年ということもあり、一般受験に恐怖をおぼえている受験生が多いようです。そうすると、指定校推薦や公募推薦、AOで受験をしようと思う子が急増します。ひょっとすると受かると思うのでしょう。
普段は平静でいられる人でも、こういうときに焦りから判断を誤る人も多いのではないでしょうか。
勉強では、勉強をしている子に勝てないと思うのに、AO入試であれば準備もしなくても自分は勝てるかもしれないと思える時点で、判断を誤っていますが、不安からかそういう現実が見えなくなるのです。AO入試は、学校の成績が良かったら、あとは数日頑張れば何とかなるというほど甘い世界ではありません。当然、入念な準備と受かるための学習が必要となります。不安からこうした現実が見えなくなるのです。
受験生に不安はつきものです。不安から逃れることはできません。
だからといって何もできないわけではありません。不安に備えることはできます。
不安に備えるというのは、不安になっても「自分の選択は正しい」と強く信じられることだと思います。自分の選択に迷いが生じ始めると、とにかく志望校を変えたり、受験方法を変えたりとどんどんと誤った方向に進んでしまいます。
自分の選択が正しいと信じられるには、それなりに時間をかける必要はあります。たとえば、高3生になる前に一度、自分のことをよく考えてみることをお薦めします。自分の将来進みたい道、大学で学びたいこと、高校時代頑張ったこと・・・こうしたことを振り返ってみると、自分がどの大学、あるいはどの学部を目指すべきか見えてくると思います。
その結果として、不安は当然残りますが、ブレることなく自分の志望大学を目指すことができ、さらに、時間をかけた推敲の練られた志望理由書が完成します。
受験は最後は自分との闘いです。自分を信じるからこそ、本気でぶつかっていけるのです。大学も、本気で取り組んでいない生徒を欲しいとは思わないでしょう。自分を信じて本気で受験に取り組めるようになるためにも、高2の生徒は今から受験の意識をもって取り組んでいきましょう。
AO入試と一口に言っても、入試内容は様々です。
もっとも分かりやすいのは、志望理由書や活動報告書といった提出書類と面接のみという試験方式です。
これに、小論文やプレゼン、あるいはグループ面接が加わったりしていきます。
AO入試が、難しいのは、自分がどれくらいのレベルにあるのかが分からないことでしょう。
ここが不明であるために、何も実績がないのに「何とかなる」と思ってしまう人が多いのだと思います。
塾で目安にしているのは下記のことです。
早慶レベル・・・全国大会あるいは世界大会レベルのなにかがある。あるいは、実際に起業をしたり、何らかのプロであったりし、すでに活動をおこなっている。
上智・MARCH・関関同立・・・志望学部に進学する必然性を感じさせる何らかの活動がある。
その他・・・課題を過不足なくこなせる能力がある。
上記の説明だけでは分かりづらいかもしれませんが、早慶に関しては、高3から何か活動をしても間に合いません。高2の最初からでしたらギリギリ間に合うかもしれませんが、基本的には数年にわたって、意志や目標をもって活動してきたことがないと難しいでしょう。また、その活動は自分が志望する学部と関連づけられなければなりません。
早慶以外でしたら、高3からでも間に合いますが、やはり4月の段階で何かを始めていなければ厳しい戦いになることが予想されます。ただ、そうは言ってもほとんどの人は、何をしたら良いか分からないはずです。今日決めて明日から・・・とはいきませんから、早い段階から考えていくことが重要です。
Kip学伸では、『これで合格!志望理由書de AO』という志望理由書を書くためのテキストを学習していきます。これは、単に志望理由書を書くためのものではなく、自己分析から始めて、興味のある大学や学問などを調べていきます。その過程で少しずつ自分の志望する学部や将来関わりたい仕事などが見えていきます。
焦る気持ちを抑えて受験勉強に集中
カテゴリー:モチベーションアップ2019.09.12
Kip(キップ)では、9月6日まで夏期講習でしたので、
今週9日から新学期がスタートしました。
大学受験生にとっては、部活も卒業し、いよいよ本格的に勉強に集中できる秋でもあります。ただ、この時期は落ち込む高3生も多くいます。
夏期講習があるから、そこで何とか挽回しようと思い続け、逃げ続け・・・その講習が終わり、残された時間を考えると愕然とするからでしょう。
計画通り進んでいる人は、ほとんどいないものです。
受験勉強は、当初計画した通りには進まないものです。
逃げない! 焦らない! 友人と比較しない!
自分のペースを守りながら、ブレズにいきましょう!!!