わが子が勉強できるようになるためにできること!◇~なぜ、成績が上がらないのか~◇
カテゴリー:中学受験2017.02.24
For 中学受験生ママ
わが子が、なぜ勉強ができないのか、ということで悩まれているお母様は多数いらっしゃいます。そして、そうした方のなかでこうおっしゃる方が多いのです。
「うちの子、勉強しないんです」
勉強すれば基本的には成績が上がりますから、成績で悩まれている多くの人は、上記のようなセリフがでるのは納得です。
では、なぜ勉強をしないのでしょうか?勉強が嫌いだからでしょうか?違います。もちろん、なかには勉強の好きな子もいますが、多くの人は勉強が嫌いです。ただ、嫌いだからしないというのと、嫌いなことでもすべきことはするというのでは異なります。
勉強をしない理由は明確です。勉強ができる環境にないからです。なかには、勉強をしているけど、成績が伸びないという方もいるでしょう。そういう方の多くは、椅子に座っている時間は多いが、必要な学習ができていないというケースが多く見られます。そういうことを踏まえ、上記の文をもう少し正確にかけば、成績の伸びていない子は、正しい勉強方法で、志望校に合格するのに必要な学習量が確保できる環境にない、となります。
①どうやって勉強量を確保するか
小学生・中学生・高校生すべてにあてはまりますが、成績の良くない子の大半は、勉強をしていません。勉強ができない理由の大半の原因はそれで説明がつきます。もちろん、必要な勉強量は置かれている状況によって異なりますから、どれくらいが勉強をしたことになるかというのは人それぞれです。しかし本来、目標(志望校)があるのであれば、合格するためにはどれくらいの学習が必要であり、それを残り時間で逆算をして一カ月、一週間でどれくらいの勉強をしなければならないのかをわかっていなければなりません。
もし、前提である志望校を合格するために必要な学習量が分からないのであれば、塾で毎週学習することを理解できているかを目安に考えてみましょう。
毎回の授業を帰ってから復習する
宿題をする
加えてこれまで習ってきたことを復習する
この流れができていれば、成績が良いはずです。ということは、現在成績が伸びていないのであれば、上記のどこかが欠けたまま時間が過ぎていっているということになります。つまり、たんに塾に通ったところで、日々の学習をしなければ成績は上がりません。学習時間は一週間単位で考え、上記のような流れをつくっていかなければなりません。ご家庭で多くの時間を
・テレビを観ている
・タブレットをいじっている
・スマホをいじっている
・机に向かわない
・・・・こうして過ごしていれば、成績の向上は望めません。誘惑の多い環境で、勉強を頑張れる人は、圧倒的に少数派です。つまり、多くの人にとっては、誘惑の少ない環境(もちろん、この場合は勉強できる環境)に長時間いることが、結果的に成績に結びつくのです。したがって、一週間のスケジュールを見直して、学習する時間が確保できているかを確認することが重要です。
②無駄な努力をしていないか?
上記に挙げたもの以外では、勉強を長時間しているにもかかわらず、まったく成績が上がらないという方もいます。その多くの原因は、消化不良です。
中学受験で多いパターンとしては下記のものがあります。
塾で大量の宿題が出される
⇓
分からない上に終わらない⇒分からないところはお父さんに訊く
⇓
⇒親子喧嘩勃発
or
分からないから放置
⇓
わからないまま、塾の授業が進んでいくため、ますますわからなくなる
⇒負のスパイラルに
どうしてよいか分からなくなる。
まずは、負のスパイラルから抜け出してください。チンプンカンプン状態で授業を聴いても、苦痛があるだけで学力向上は望めません。こうした状態であるならば、一刻も早く改善に努めてください。塾に相談しても、具体的な改善策がない場合は転塾を考えられた方が良いでしょう。
中学受験の場合、どこの塾に通っても宿題がある程度でますが、わからない状態で進んでいくと、あとで大きなツケがまわってきます。また、分からない問題をお父さんに訊くという選択肢もありますが、その多くは親子喧嘩に終わります。親子ですから、感情が出てしまうため、当然といえば当然です。感情的な問題以外にも、中学受験には特殊な解法がいくつも存在するため、塾の方針と異なった指導をお父さんがされると、お子さまが混乱をするケースがあります。
無駄なく学習するには、まずは目標を明瞭にすることです。中学受験と一口にいっても現在はさまざまな選択肢があります。御三家に行きたい場合と、大学付属に行きたい場合、あるいはとにかく地元の公立中学に行きたい場合とでは、目標がそもそも違うわけですから、学習する内容も変わってくるはずです。要するに、目標に合った学習をするということが重要なのです。下記のいずれかにあてはまれる場合、現状を改善する必要があるといえるでしょう。
・難し過ぎて自力ではまったく解けない。
・宿題の量が多すぎて終わらない。
・苦手な科目があるが復習する時間がなく、授業だけがどんどん進んでいく
③学習環境こそが重要である
毎年、大手の進学塾から転塾される方がいますが、最近その理由に以下のようなものが増えてきました。
・授業がうるさすぎる。
・学校の人間関係が塾にもちこまれる。
もちろん、最大の理由は成績が下がっていることです。それ以外の理由として上記のものがよく挙がるようになりました。まずは一つ目を考えてみましょう。
一斉授業でクラスが分かれている場合、上位のクラスはやる気のある子が多く、教室の雰囲気が学習意欲に満ちています。もちろん、優秀な先生がついています。こうしたクラスにいられるのであれば、転塾も考えないでしょう。下位のクラスでは反対に、教室がざわついており、先生もそういう状況を放置していることがあります。要するに、学習をする環境ではないのです。こうした環境で何時間過ごしても効果は望めません。学習するのに最も適した環境は、ピリッとした緊張感があり、周りの人間がもくもくと学習していて、なおかつ分からない問題がある場合に訊ける人がいるような場所です。お子様に教室の状況を訊けば一目瞭然だと思います。
また、女子の場合に多いのですが、学校の人間関係がそのまま塾に持ち込まれ、面倒くさい人間関係に巻き込まれるというケースです。学校の関係ではなくても、塾の中での人間関係がこじれることもございます。こうしたことはすべて学習の妨げになりますから、一刻も早く抜け出す必要があります。
オリジナルテキスト 主語と述語
カテゴリー:国語2017.02.07
Kip学伸では、国語のオリジナルテキストを作成している。
オリジナルテキストの目的は簡単にいうと、「文章を論理的に読み書きできるようにする」だ。
国語が苦手な子にとって、長文は苦痛以外の何物でもない。それが顕著になるのが高学年になってからだ。特に中学受験を始めると、5年生の段階で相当な長文が出題される。
ただでさえ国語が苦手であるうえに、そのような長文を読み解かなくてはならないとなると、その時点で挫折することが少なくない。
そうしたことを考慮したうえで作ってあるので、とにかく文章は短く、面白くできている。
たとえば、次のような問題だ。
猿(さる)は 桃(もも)太郎(たろう)から もらった きびだんごに たっぷり マヨネーズを かけて 食(た)べた。
この文章の主語と述語を答え、それらを繋いで一文にする。
ここでのポイントは、述語や主語を文法的に教えないことだ。述語を、「主語の動作や状態を表す言葉」と教えても、小学生にはチンプンカンプンである。
よって、Kip学伸では「述語は文の最後」と教えている。そして、あるレベルまではオリジナルテキストの文章はすべて、述語を文末においている。
そのうえで、主語を訊く。上の文でいうと述語は最後の「食べた」になる。そのうえで「だれが食べたの?」と訊けば、「猿は」という主語が自動的に導き出せる。
つまり、主語⇒述語の順序で考えるよりも、述語⇒主語で考えた方が分かりやすい。
もちろん、長文に出てくる文章がすべてそのようにできているわけではないが、とにかく「最後に述語でそこから主語を探す」ということを徹底化することで、基本的な型ができる。この型が身につけば、文章を書く際にも応用できる。
主語と述語を見つけていくオリジナルテキストを作成中にいくつもの困難が立ちはだかった。
その最大のものは、自分たちで文章を書いていて、主語が分からないような文章が作られていくことだった。
たとえば、
ライオンはメスが狩りをする。
といった場合、「(狩りを)する」が述語であるのは誰でも分かるが、その主語はライオン?メス?
同様の例文はいくつも出てきた。
ぼくは足が痛い。
問題を解決するため、勉強が始まったのだが、その中で面白い人を発見した。
三上彰という言語学者でこんな面白い本を書いている。その名もずばり
『ゾウは鼻が長い』
その主張は面白く、日本語は英語のような主語・述語の関係で文が構造化されているわけではないと。
上の文でいうと「ゾウ」というのは主題であるというのだ。
なかなか面白い説ではあったが、現場で指導することを考えるとどうも腑に落ちなかった。われわれの求めているのは、文法的な正解・不正解よりも文章が分かりやすくなるための主語・述語探しでなければならない。学習を通して、頭がより混乱してしまっては、意味がなくなってします。
多くの本を読んだが、結局納得できるものはなかったので、自力で解決するしかなかった。
そして、ようやく解決することができた。
ゾウは鼻が長い
さあ、この文の主語と述語をどうやって考えるかだが、こうやって考えると辻褄があう。
ゾウは鼻が長い(動物だ)。
つまり、上記の文には大きな述語が抜けていると考えるのだ。
そうすると、「長い」に対する主語は当然「鼻が」になる。
同様に前に挙げた例文で考えてみよう。
ライオンはメスが狩りをする
も、後ろに「動物だ」という述語が省かれていると考えるのだ。
この場合も「(狩りを)する」という述語に対する主語は「メスが」になる。
ぼくは足が痛い
の場合は、「と感じる」が抜けているのだ。ここでも「痛い」に対する主語は「足が」となる。
しかし、すべてに共通しているのは大きな述語が省かれていることだ。それらの大きな述語に対する主語は文頭にある「ゾウは」、「ライオンは」、「ぼくは」となる。
つまり、日本語は主語のみでなく、しばしば述語が省略されるのだ。
このことは英語で考えてみるともう少しすっきりとする。
前項で、日本語は主語のみならず述語もしばしば欠落してしまうことを説明した。
そして、そのことは英語と比較するとよくわかることも書いた。
ライオンはメスが狩りをする
これを直訳しようと思うと、不可能である。なぜなら言葉が足りないからだ。
無理に直訳すると(こうした言い方をするかしないかは別にして)
A lion is the animal that females hunt.
となる。英語の文型でいうと第2文系、S V C というやつだ。
ここで名詞である「C]にあたるのが、「動物」という言葉であり、
that以下がこの「動物」という言葉を修飾する。
日本語ではここでの被修飾語がしばしば省略される。
前に挙げた
ゾウは鼻が長いも
An elephant is the animal which has a long trunk.
となるはずだ。
つまり、日本語にも節(修飾語に主語・述語がある)があるのをドリル形式で学習していくことで、
後々英語を学習していくときに役立つ。