Kip学伸のブログ



【2025年 大学受験総括】高校生が知っておくべき3つの変化!

カテゴリー:大学受験2025.06.08

こんにちは、今回は2025年の大学受験の総括というテーマでお話しします。

昨年度の入試の動きをふり返ることで、これからの受験がどう変わっていくのかを予測できるようになります。とくに高校1・2年生のみなさんにとっては、「受験の常識」が数年前とは変わってきていることを知ることが、とても大事です。というのも、学校の先生が古い受験制度のイメージをもとに指導していることがけっこうあるからです。昔ながらの「一般入試一択」のような考え方だと、たくさんあるチャンスを逃してしまうことになってしまいます。

今日は、2025年の大学受験を総括することで見えてくる三大トレンドを以下の3つのテーマでお話ししていきます。

 

「推薦・総合型」が主流になりつつある

かつては「大学入試=一般入試(共通テスト+個別試験)」が当たり前でしたが、今や私立大学の約6割が推薦・総合型選抜で合格者を出している時代です。

とくにMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関学・同志社・立命館)といった人気校では、学部によっては推薦での募集定員の方が多いというケースもあります。

たとえば、上智大学の公募推薦では、「与えられたテーマについて数か月かけてレポートを作成し、プレゼンや面接、小論文で審査される」というかなり高度な選抜が行われています。明治大学の情報コミュニケーション学部や、立命館大学のグローバル教養学部も、総合型選抜で個性的な学生を積極的に受け入れています。

もちろん、私立大学だけでなく国立も最近は力を入れています。たとえば、旧帝国大学の中で、東北大学は総合型選抜の比率が約3割と、他の大学に比べて高い割合を占めています。特に注目すべきは、AO入試Ⅲ期です。この入試では、共通テストの結果がメインの評価軸として設定されており、一般入試との両立がしやすい形式となっています。また、出願要件として評定平均値の制限がないため、多くの受験生にとって挑戦しやすい入試となっています。

さらに、全学部で共通テストの配点が最も高く設定されており、学部によっては共通テストの比重が8割以上となっています。これにより、特別な活動や実績がなくても、学力を重視する受験生にとってもチャンスが広がっています。

総合型選抜入試で評価されるのは、単なる成績だけではなく、

  • 探究活動や課外活動の実績
  • プレゼン力や表現力
  • 自己分析力と志望理由の深さ

などです。高1・高2から「何をしてきたか」「何を考えているか」が問われる時代になっています。

 

「共通テスト」は難化傾向。思考力勝負に

昔のセンター試験は「知識をいかに正確に覚えているか」がポイントでしたが、今の共通テストでは「知識をどう使うか」が問われるようになっています。

特に数学IAでは「データから規則を推論する問題」や、国語では「複数の資料を読み比べて要点をまとめる問題」といったそれぞれの科目と日常生活をからめたような出題傾向が目立ちます。英語リーディングも、80分で2000語以上を読むという高負荷の内容です。リスニング重視・読解重視というのはすでに定着していて、パターン暗記では太刀打ちできません。つまり、共通テスト対策は「慣れ」と「読解力」が命と言えるでしょう。では、たとえば旧帝で共通テストの比率というのはどれくらいなのでしょうか?比率の低い順に簡単にまとめてみました。

 

東大 約20%、 京大 約25% 東北大・九大 約33% 名大 約40%

北大 約41%  阪大 約43%

 

私立大学も最近は共通テストを重視するところが増えています。

早稲田大学

  • 共通テスト利用方式(共通テストのみで合否を判定)を導入。
  • 特に政治経済学部は、独自入試を廃止して、英語4技能試験+共通テスト+独自小論文という形式に移行。
  • 一部の学部では共通テストの成績のみで合否を出す方式あり。

明治大学

  • 全学部で共通テスト利用入試を実施(A方式・B方式など複数)。
  • 学部によっては3教科で受験可能で、個別試験なしの方式も。
  • 併願しやすく、地方の受験生にも人気。

立教大学

  • 英語外部検定+共通テスト型を導入している学部あり(例:異文化コミュニケーション学部)。
  • 共通テスト利用方式は試験なしで出願できるパターンもあり、実質書類審査型に近いものも。

青山学院大学

  • 共通テスト利用入試(A方式、B方式など)を採用。
  • 英語外部試験との併用で多様な方式を提供。
  • 特に文・法・経済など主要学部で共通テスト型が人気。

同志社大学

  • 共通テスト利用方式(C方式・D方式など)を学部ごとに設定。
  • 関西圏の難関私大の中でも、共通テスト型での募集枠が比較的多い。

関西大学・関西学院大学

  • 両校とも共通テスト利用入試の枠が広く、合格者数も多い。
  • 「個別試験なし」「3教科で受験可能」といった方式が多く、受験生にとって負担が軽い。

 

「学部選び」がより重要に。人気集中と分散

最近の大きな傾向として、「情報系」「国際系」「経済・経営系」への人気集中があります。

たとえば、

  • 立命館大学では情報理工学部の偏差値が65前後まで上昇し、「文学部」とは10ポイント以上の差がついています。
  • 東京大学でも理科一類からAI・情報分野に進む学生が増えており、「工学部計数工学科」などが人気です。
  • 同志社大学のグローバル・コミュニケーション学部、明治大学の国際日本学部なども志望者が増えています。

 

背景には「将来の仕事を見据えて学部を選ぶ」流れがあり、

  • 情報系:AIやデータサイエンスの需要拡大
  • 国際系・経営系:企業での活躍、起業への関心

といった志向が強まっています。

 

こうした流れとは反対に、文学部や教育学部はやや志望者数が減少傾向です。

つまり、「どの大学」よりも「何を学ぶか」を重視する受験生が増えてきており、将来像から逆算して大学・学部を選ぶのが新しい常識になっています。

 

高校1年生へのメッセージ

1の今こそ、「自分はどう生きたいか」「何に興味があるか」をじっくり考えてください。大学受験はその延長にあるだけです。

「受かるための勉強」だけではなく、「自分の軸」を探す時間を大事にしてくださいね。

 

【上智大学・公募推薦】今後必ず難化する理由!

カテゴリー:大学受験2025.05.29

 

上智大学には公募推薦という世間一般でいう総合型選抜入試に近い入試制度があります。この公募推薦の大きな特徴の一つとしては、課題レポートがあることが挙げられます。6月に課題が発表されるので、ほとんどの受験生は夏休みに課題の下調べをおこない、夏休み後半からまとめていき、10月に提出するという流れです。もちろん書く期間が数か月に渡るわけですから、受験生は様々な人から助言を受けながら書きすすめていくことになります。学部・学科によって課せられる内容はまったく異なりますが、今年度より、全学部・学科において間違いなく難化するであろうことが予想されます

 

試験が難しくなる理由は原理的には二つです。一つは、試験そのものが難しくなること。もう一つは、倍率が高くなることで難しくなることです。今回の上智の話で当てはまるのは、どちらでもありません。珍しいケースではありますが、ライバルたち(要するに他の受験生)のレベルが上がることで、入試のレベルが上がるというものです。

 

その理由は、「生成AI」の登場と普及です。

 

生成AIのなかでも有名なのはChatGPTですが、公開されたのは2022年です。2023年に当チャンネルでも動画にしたことがありますが、当時は話題にはなっていたものの、みんなが使っているということはありませんでした。しかし、去年の秋くらいから多くの人が普通に使っているツールとなっているように感じます。

実際、塾でも使っているという生徒もいて、生徒たちに話を聞くと、学校の対応も二通りあって、積極的に使っていく学校と、一切の使用を認めない学校です。

生成AIを認めるかどうかについては議論の余地がありますが、しかし、すでに学生や教育機関にとって不可欠な存在となりつつ、今後はその普及により、レポートや課題の質が全体的に向上することが予想されます。

 

要するに課題レポートにAIを使用する人が爆発的に増えることによって、今後はレポートの内容が格段に飛躍することが見込まれるということです。もちろん、生成AIの使用は認められていません。上智大学に限らず、原則的にはその使用はどこの大学も禁止しているでしょう。しかし、禁止をしても使用の有無がチェックできないのであれば有名無実になってしまいます。

 

【生成AI使用禁止と実態の乖離】

  • 多くの大学が「生成AI使用は禁止」と明記しているのは、教育の公平性や学習者の思考力の保証を守るためです。
  • しかし、現実にはAIを下書き作成や構成補助、文法チェック、参考資料探しなどの形で利用する受験生が増えています。
  • 特に家庭や学校からの監督が届かない「自宅課題型レポート」では、使用の有無を判定する決定的手段がありません。

 

多くの人が生成AIを使用するようになると、提出するべき書類の内容はより洗練されたものになるでしょう。

 

【結果としてのレベル上昇】

  • 生成AIを活用すれば、論理構成・文章表現・引用スタイルなどが自然に整い、「最低限破綻のないレポート」が誰にでも書けるようになります。
  • よって、審査する側は、従来よりも高水準の完成度を“平均レベル”として求めざるをえなくなる。
  • つまり、全体の相対的なハードルが上がる一方で、「真に思考した形跡があるかどうか」の見極めがより重視されるようになるでしょう。

 

さて、これだけを話すのであれば、あまり有益な話になりませんので、視聴者の皆さんの知りたい「だったら今後はどうすれば良い?」ということに絞って話をしていきたいと思います。

 

【今後の変化予測】

  1. 「なぜその問いを立てたのか」「自身の経験との接点」など、AIでは補いきれない“内面の論理”を問う設問が増える可能性
  2. レポート内容だけでなく、後の面接や口頭試問で“本当に自分で書いたのか”を探る流れの強化
  3. 評価軸が「正確さ」や「構成美」よりも、「独創性」「具体性」「知的誠実さ」へとシフト

 

【まとめ】

・内発的動機づけをすること!

・無難なものではなく、自分にしか書けないことを書くこと!

・「書き方」や「小論文の型」などに縛られないこと!

「推薦?一般?」【高1から意識したい大学受験のルートとは】

カテゴリー:大学受験2025.05.07

今回は新高1年生の人、あるいはその保護者に向けて話をしていきたいと思います。新高1生といっても、高校受験が終わったばかりの人もいれば、中高一貫校に通っていてそのまま高校生になる人もいるでしょう。今回はどちらの人にも向けた動画となっております。というのも、大学受験に向けた話になるからです。

 

まず、新高1生にもっとも訴えたいこととしては、大学受験に向けて「高1」が非常に重要であるということです。高校受験が終わったばかりの人にとっては、「え、受験が終わったばかりなのに、もう次の受験を考えないといけないの??」と思うのも無理はないでしょう。しかし、よく考えてください。中学受験であれ高校受験であれ、基本的にはローカル戦です。大学受験は全国区での戦いとなりまるので、当然ライバルの数もけた違いに多く、また学習内容にしてもはるかに難しく、また出題範囲も広いのが現実です。

さらに言いますと、大学受験がもっとも多様な受験方法があります。だからこそ、早いうちから準備をすることが重要だと声を大にして言いたいのです。

 

今回は大きく四つの章に分けて以下のような話をしていきます。

 

 第1章:大学受験の主なルートとは?

 第2章:なぜ高1が重要なのか

 第3章:進路をどう考える?親としてのサポート

 第4章:塾選びのヒント

 

このような構成で話を進めてまいります。

 

 第1章:大学受験の主なルートとは?

 現在では、一般入試で大学に合格する人の割合は既に半分を以下となっています。そうしますと、当然その他の受験方法についてもある程度の知識をもっておいたほうが良いと言えるでしょう。基本的に大学受験には以下の四つの方法があります。

 

  • 一般入試:高3で本番に向けて勝負
  • 総合型選抜:活動実績+志望理由+面接+(小論)
  • 学校推薦型選抜:評定平均と学校内順位が命
  • その他の推薦(スポーツや宗教系など):活動実績+志望理由+面接+(小論)

 

合否を決める試験内容が異なるわけですから、当然どの受験方法を選択するかによって、高校時代に力を入れるべきことが変わってきます。

 

第2章:なぜ高1が重要なのか

1章で述べたように入試方法によって、求められるものが異なるわけですから、高校時代に頑張るべきことが、入試方法によって変わってくるのです。要するに、学校で出される課題の延長に必ずしも入試に出題されるものがあるとは限らないのです。だからこそ、ゴール(志望大学とその入試方法)を意識し、そこから逆算していくことが重要になってくるのです。

  • 自分の強みをいかすには、高1の時点で受験方法を知っておくこと!
  • 評定平均は高1から積み上がる!(推薦狙いなら必須)
  • 部活やボランティア、資格などの活動も1年生からカウントされる
  • 学習習慣がこの1年で固まる→高2・高3がラクに
  • 一般入試志望でも国立と私立では何に力を入れるかが変わる。

 

学校の進路指導が必ずしもすべての入試方式に対応しているとは限らないので、自分で調べていくことが重要です。高校時代はやるべきことが山ほどある。だからこそ、初めに優先順位をつけておくことが大切になると言えるでしょう。

 

第3章:進路をどう考える?親としてのサポート

 

このように大学入試が多様化していきますと、戦いが情報戦になってきます。昔のように一般入試がメインであれば、能力=学力と分かりやすかったのですが、現在のように受験方式が多様化していますと、持っている武器を最大限いかせる入試方法を探すことが重要です。そのためには、早い段階からの情報収集が重要です。

 

  • 志望校とその大学の入試方式を早くから調べておく
  • 早めに「どんな大学生活を送りたいか」の対話を
  • 文系・理系を意識し始めるタイミング
  • 推薦を狙うなら高1で何を積み上げるか決めておく
  • 将来進みたい道などを考えさせる機会をつくる

 

 第4章:塾選びのヒント

それでは、高1で塾を探す場合、何を基準にすれば良いのでしょうか?

 

  • とりあえずの塾選びをにせず、何に力を入れるのかを明確にしてから塾を探す
  • 推薦向け:内申対策・活動サポート
  • 一般向け:基礎からの先取りと習慣化
  • 自分に合ったスタイル(集団?個別?オンライン?)

 

たとえ、最初は補講のような形での授業が必要であったとしても、それだけでは大学受験を目指せないので、合格への道筋をキチンと示してくれる塾を選ぶこと

 

 

さて、本日お話したことをまとめると、高1は準備期ではありますが、ここをどう過ごすかで選択肢が増えると言えます。推薦入試であれ一般入試であれ、どちらを目指す場合でも、スタートの意識は同じです。まずは、“何を目指すか”を親子で話してみてください。

 

これで攻略!総合型選抜入試

カテゴリー:ブログ2025.04.13

 

 

総合型選抜入試を考えている人は、いったい何をどうやってスタートさせれば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。今日はそのような人のために、総合型選抜入試の攻略の仕方を簡単に説明したいと思います。

 

 

総合型選抜の全体戦略を考える

 まずは、志望校を絞っていく。そして、それらの大学を受験するにあたって、何が必要なのかを調査する。学校の成績や英語の検定試験以外には一般的には下記。

 

 ・志望理由書

 ・面接

 ・小論文

 

その他よくある必要事項

 

 ・課題レポート

 ・学修計画書

 ・活動報告書

 

上記すべてをバラバラの項目として考えず、将来進みたい道⇒そのために大学で学びたいことを考え、そこからそれぞれの書類に何を書くのかを考える。将来進みたい道や職業がどうしても分からない人は、とりあえず、大学で何を学びたいのかということと、その分野を学ぶことで社会にどう貢献できるのかを考えてみましょう。

 

志望理由書・自己PRの準備

志望理由書は、提出一か月前まで、書くべきネタを集めたり、志望理由書の書き方のテキストを進めたりして、セルフストーリーを作っていく。集めたネタが多ければ多いほど、ユニークなストーリーができあがり、合格が近づく。最後のひと月で、本番の書類を仕上げる。これも推敲を練れば練るほど良い物ができあがる。大事なことは「必ず合格する!」という気持ち。気持ちが弱いと、書類も弱いものになる。

 

小論文対策のスタート

小論文の学習をするのであれば下記の手順。

 

  1. 一般的な小論文の練習
  2. 新聞や本の要約、時事問題の整理などをして自分の進みたい道の知識を増やす
  3. 志望校の過去問あるいは類似問題の対策

 

小論文の上達のコツは、信頼できる先生に添削をしてもらうこと。先生との信頼関係が重要。多くの先生に見てもらうよりも、信頼できる先生だけにチェックしてもらえば良い。書きっぱなしはよくないので、必ず誰かに添削をしてもらうこと。

 

④ 面接対策の準備

 小論文とは違って、面接の練習は多くの人にしてもらおう。というのも、慣れることが重要だからだ!それだけでなく、多くの人に面接をしてもらうことで、どういうことが質問されやすいのかがしぜんと分かってくる。さらに面白いのは、一人ひとり質問することが微妙に、あるいは大きく異なることがある。多くの質問を受けておくことで、本番に備えることができるだろう。

また、多くの高校生は無意識に、「えーと」「なんか」といった口ぐせがある。こうした口ぐせを一つひとつ直していくために、スマホで録画をして自分の話す様子を観察すると良い。

どういったことが聞かれるのかは、ネットで調べれば良い。志望理由が聞かれることもあれば、直前にあった小論文についてのみ聞かれることもある。重要なことは何が聞かれても答えられるように準備をすること。

 

⑤その他の対策

 課題レポートが課せられるところは、数か月かけて準備をする。専門の塾に通って添削をしてもらうのがベストだが、それがかなわない場合は、学校でいちばん専門分野が近い先生に添削をしてもらえばよい。活動報告書や学修計画書は、志望理由書と同時に進めるのが良い。要は、将来進みたい道があるからこそ、そこに向かって大学で何を学ぶのか(学修計画書)や、そのためにこれまで頑張ってきたこと(活動報告書)となるからだ。

 

 

以上のようなことを準備していけば良いでしょう。直前になって慌てて書き始めないようにするためも、春からしっかりと準備を進めてください!

中3からの大学受験 一貫校の強みをいかすには?

カテゴリー:大学受験2025.03.05

 

今回は、高校受験のない中高一貫校に通っている人に向けた話となります。そもそも中高一貫校のメリットはたくさんありますが、今日はその中でも二つに絞って話をしたいと思います。

われわれの塾は、中学生は長いこと私立生しか募集をしておらず、公立の中学生は基本的に小学校から通ってくれている人のみで、外部生は受け付けないという体制を続けてきました。そのなかで、私立中学生に対する教育カリキュラムは簡単に言いますと、次のようになっています。

 

  • 中1・2は学習の流れを作ってその流れにのる
  • 中3から大学受験を考え始める

 

なぜ「中3から大学受験に向けて動く」のか?それは、高校受験のない中高一貫校に通っているみなさんにとって、その最大のメリットは早い段階から大学受験について計画を立てることができることにあるからです。

そうです。一つは、「中3から大学受験を考えはじめることができる」というのが一つ目のメリットとなります。

というのも同じ中3生であっても公立中学生は、高校受験に向けて猛勉強をしています。ですから学力も勉強体力もつくでしょう。一方受験のない一貫校生は、受験まで時間があるため、中だるみをしてしまった学力低下に陥る人が少なくありません

もちろん受験生と同じ量の勉強をする必要はありませんが、だからと言って学力が低下しても良いわけではありません。入試がない分、大学受験に向けての情報収集をしなければ、せっかく入った一貫校のメリットを活かせません

 

そもそも現在の大学受験制度はかなり複雑化しています。勉強だけをすれば良いわけではなく、自分に合った入試制度を利用することも重要な受験への備えの一環だと言えるでしょう。そう考えると、受験制度が複雑化するなか、最も重要なことは情報収集だと言えるでしょう。新試験となった共通テストに加えてコロナの影響もありましたので、大学側もこうした変化を受けて、入試の募集人員や入試方法などを変えていっています。こうした変化の激しい状況に対応していくためには、早い段階からの情報収集がいちばんです。高3になってから、「どうしよう・・・」と悩むのでは遅いですから、今からできることは今から始めていきましょう。

たとえば、総合型選抜入試の場合は、探求学習や課外活動が活きてくる場合が多くあります。受験勉強だけでなく、部活動や研究活動、課外活動に没頭できるのも強みとなります。総合型選抜や推薦入試を視野に入れるなら、自分だけの強みをつくるチャンスになります。こうした活動で成果を出せば、大学の志望理由書や面接でも強いアピールになります。

当然、こうした活動は一朝一夕で何か実績を出せるものではありませんから、早い段階で始められるほうが良いでしょう。

 

さて、次のメリットは、「得意科目をつくる」です。高校受験があると、どうしても高校受験に向けた戦略や戦術が必要になり、苦手科目などがあるとどうしてもその補強をしなければならなくなります。つまり、全体のバランスを考えながら学習を進めていく必要性にかられるのです。

もちろん、一貫校に通っても学校の成績がよくなければ問題になりますから苦手科目というのはないに越したことはありません。しかし、そういうレベルの話とは違って意味で、自分の好きな科目・自ら進んで学びたい科目をつくることは中高一貫ならではのメリットだと思います。しかも、それは科目よりももっと小さな単位で得意な分野をつくることでもよいと思います。

たとえば、英語であれば検定にチャレンジするのはもちろんですが、発音に強くなる、英文を書くのを得意とする、など細かなところで他の人よりも得意になるのです。あるいは、日本史であれば戦国武将や芸術家といった特定のジャンルの人に絞って詳しくなるでも良いでしょう。数学であれば、幾何に限定しても良いかもしれません。

 

というのも、好きなことに絞って勉強をすれば、進めていくうちに他の分野のこととも繋がっていき、しぜんに知識の量が増えていくからです。しかも、好きなことですから、吸収するスピードも速いでしょう。要は無理やりの勉強というよりは、好きな分野を極めていき、そこからその科目全体を得意としていくという作戦です。

 

高校受験がある人は、高校入学後は大学受験に向けて学習を始めなければならないため、学校の課題に追われ続けます。それに比べると中2までに学校の定期テスト対策をする流れができていれば、一貫校の人は自分の好きな科目に時間をかけて取り組むことができるでしょう。そうすることで、大切な十代を自分の得意なことを伸ばしながら過ごせることができるようになります。また、大学受験においても一つ、自分の得意な科目があれば自信をもって臨みやすくなるといえるでしょう。

こうしたことを意識しながら、どんな大学にどんな受験方法で受験したいのかを考えていけば良いでしょう。

上智大学【文学部ドイツ文学科】合格!

カテゴリー:大学受験2024.12.12

先ほど公募推薦で上智大学の文学部ドイツ文学科を受験した生徒から合格の連絡がありました。

おめでとうございます。

上智大学【総合人間科学部社会福祉学科】合格!

カテゴリー:大学受験2024.12.12

先ほど公募推薦で上智大学の総合人間科学部社会福祉学科を受験した生徒から合格したと連絡がありました。おめでとうございます!

東洋大学福祉社会デザイン学部合格

カテゴリー:大学受験2024.12.01

東洋大学福祉社会デザイン学部合格の報告を貰いました。

おめでとうございます!

武蔵野大学合格!

カテゴリー:大学受験2024.11.01

公募推薦で武蔵野大学人間科学部社会福祉学科に合格したと連絡がありました。

おめでとうございます!

大妻女子大文学部合格!

カテゴリー:大学受験2024.11.01

総合型選抜自己推薦型で大妻女子大の文学部に合格した報告をいただきました。

おめでとうございます!

上智大学総合グローバル学部【カトリック推薦合格】

カテゴリー:大学受験2024.11.01

今年度のKip学伸の合格第一号がでました!おめでとうございます!

カトリック推薦で、上智大学総合グローバル学部に合格されました。

長崎に在住の方で半年間、オンランで自己推薦書と小論文の授業を受講していただきました。

面接試験の前日は親子三人で塾に来られて、面接の練習もしました!

ほんとうにおめでとうございます!

 

中学時代に優秀だった人ほど陥るワナ

カテゴリー:大学受験2024.08.01

都道府県によってテスト形式や点数配分は異なるものの、公立の高校受験において中学校の成績が小さくない比率でかかわってくるという点において、全国の高校受験は一緒だと言えます。提出物を忘れることなく提出して、テスト前だけに徹夜をするのではなく、日ごろからコツコツと全科目の学習ができている人が良い成績を修められます。ただし、ここで言う「良い成績」とは、その人の学力的な能力に比べてということです。要するに、もし成績が実力テストのようなもので測るとしたら、もう少しその成績は下がるであろうということです。中学の成績はそうした学力的なもの以外の要素が大きいのです。もちろん中には本当に実力もある人もいるでしょう。

 

こういった人たちの強みは、自分の学習スタイルが既に確立されていることにあります。ところが、高校ではこの強みが、弱みに転換することがあるのです。今日はそういった話をしたいと思います。

 

学習面で言いますと高校と中学の最大の違いは学ぶできことの量と質にあります。まずは量から考えてみましょう。

 

中学時代は「数学」や「英語」を学びますが、高校では「数Ⅰ」「数A」となり、英語も「英語コミュニケーション」と「論理・表現」と別れます。単純に学ぶべき量がまず増えます。ちなみに、学習指導要領が変わって「コミュニケーション英語」が「英語コミュニケーション」になったのですが、習得すべき語彙数も1800から2500に増えました。ただでさえ、高校では中学よりも単語数が増えるのに、指導要領の改訂にともなって、より覚えなければならない単語の量も増えたのです。変わるのは量だけではありません。

 

たとえば、中3では二次関数を学びますが、原点を通るものに限定されています。ところが、高校ではそうとは限らなくなります。もちろん当たり前に難しくなるのです。中3と高1で理解力が大きく変わるわけではありません。しかし、学ぶ内容がより難しくなるのですから、理解をするのにより時間がかかるというのは、だれでも分かると思います。

 

さて、では中学時代に真面目に全科目をコツコツと学習していた人が、同じ要領で高校時代も学習をするとどうなるのでしょうか

 

残念ながら成績が下がる傾向が強いと言えます。中学時代と同じように進めようと思っても、まず量が多く、そのうえ難しくなるのですから、同じようにできずにテストで結果が出なくなるのは当然です。勉強量を少し増やした程度ではとても太刀打ちできません。ポイントは、中学時代ではコツコツすることで成績をとれたために、同じノリで高校時代の勉強をこなそうとすると、うまくいかなくなってしまうということです。

 

では反対に高校時代に成績が伸びるのはどういう人でしょうか?一つは中学時代から、高校時代を意識した勉強をしていた人です。たとえば、中学時代であれば英語を学ぶ際に、教科書を丸暗記したり、試験範囲の文法事項を丸暗記したりしてしまえば、点数がとれることもめずらしくありません。(to 不定詞の話)コツコツと学習できる人なかには、このような学習方法をとる人が少なくありません。反対に教科書を丸暗記したり、文法を丸暗記したりはしていなくても、文法の理解を深める学習をしていれば、そのときのテストの結果に必ずしも結びつかなくても、その理解のうえに次に学ぶべき文法が積みあがっていきますので、高校時代に開花することも珍しくありませんただ、これは本人の問題というよりも、指導者の問題であることが多いのです。ですから、中学時代にどういう先生に学ぶのかというのが重要になってきます。公立中学の定期テストをコピーして、翌年以降の生徒に暗記させ、定期テストで点数をとらせるという方針の塾もありますが、そういう勉強法は結局王道の勉強法には勝てません。

 

また、英語と数学を高校入学時までにある程度先取り学習をしている人もうまく学習の波に乗れることが多いと言えます。お伝えしたとおり、高校では学ぶべきことが多いうえに難しいのですから、高校に入る前に簡単な問題で構わないので一通り、英語であれば文法をすべて、数学であれば数Ⅰと数Aを終わらせてしまうのです。そうすれば、学校の授業を受ける際に、一度学んだことであるため、理解が深まるのです。英数に余裕をもって臨めれば、他の科目に時間をかけられるようになりますので、結果的に全体的な成績が上がるようになります。

 

以上のことを踏まえますと、高1の1学期で中学ほどの成績が修められなかった人は、この夏に頑張れば良いということになります。英語は丸暗記という方法を止めて、文法事項を嫌がらずに徹底的に理解する。そして、高校で学ぶべき単元を一通り終わらせる。数学も数Ⅰと数Aを終わらせる。それらができれば、二学期以降変わってくると思います。

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高校受験と大学受験の違い

カテゴリー:大学受験2024.02.29

2023年度の大学進学率は57.7パーセントで過去最高を記録しました。大学進学率は高まる一方です。2023年度現在、大学の数はおよそ800校あり、高3生の数が今のおよそ倍いた1990年には507校しかなかったことを考えると、大学の数の増え方が分かと思います。しかし、大学の数は増加の一方をたどっていますが、実はその半分以上は定員割れをしているのが現状です。

 

これが意味することは、人気大学はますます人気大学になるということです。実際、明確な志望校がない人であっても、どういう大学に行きたいのかを聞くと、返ってくる答えは難関有名私大が圧倒的に多いのです。そもそも、知っている大学が有名難関大学ばかりというのが現実でしょう。もちろん出てくる大学に地域差はあるでしょうが、都会の有名難関大学に進学したいという人が圧倒的に多いはずです。

 

一方、高校受験の場合は基本的には地元での選択となるので、全国区での勝負となりません

 

こうした違いは、受験のありかたにも大きく影響していますから、大学受験を高校受験と同じノリで考えているとうまくいきません

 

では、具体的に何が違うのでしょうか。

 

まずは大学受験が高校受験委比べて、大変な点を挙げてみましょう。

 

大変な点

  • 高校受験に比べ、受験倍率が高くなる。

およそ、高校受験は1~4倍、大学受験が5倍から20倍ほど。

  • 問われる知識の量が数倍。

英単語をとっても、高校受験は2500語覚えれば良いが、大学入試はその倍以上を覚えなければならない。その他の科目も同様に覚えるべき量や解くべき問題量が膨大なため、高校受験を一年で乗り越えた人も、大学受験は一年でこなすのはまず無理。

  • 高校受験では見えてこなかった層がライバルとなる。

高校受験の際に受験していた模試はあくまでも高校受験用。中学受験で進学校に行った人はそもそもそういう模試を受験していない。こうした人たちが大学受験の際には登場してくる。

 

このような大変な点がありますが、大変な点ばかりではありません。高校受験よりも良い点も存在します。

良い点

  • 大学入試は多様化しているので苦手な科目や受験方法を避け、得意科目や得意方法で受験することができる。

総合型選抜入試を始め、指定校推薦、公募推薦といった制度から、一般受験においても科目を選べたり、英語は民間試験のみでもOKだったりと多様化しているので自分の武器を活かせる。

  • 頭の良しあしよりも、継続してきた努力が報われやすい。

覚える量が多いからこし、長い時間をかけてじっくりと取り組んできた人が報われやすい。その意味で、早い段階から準備をしておけば、優位に立てる。

 

こうしたことの他に、高校受験と大学受験にはもっと別の意味での違いが存在します。

 

最大の違い

  • 将来への影響力が高校の何十倍、何百倍。

そうなのです。どこの大学を出たのかということはどこの高校を出たのかというよりもはるかに影響をもつのです。だからこそ真剣に考えるべきです。

 

結論として、高校受験に比べ大学受験は人生への影響の強さもあり、はるかに大変ではあありますが、自分の強みを活かせる受験方式もあるため、戦略を立てることが重要になってくると言えるでしょう。

 

戦略を立てる前提として、情報収集が重要になってくるため、できるだけ早くから興味のある大学の受験方式などを調べ、その受験方式に合った学習を進めることが重要です。

浪人する?しない?

カテゴリー:大学受験2023.12.31

大学受験前後に浪人をしようかどうか悩む人がいると思います。現役で受験をして、結果が出てから決める人もいれば、結果が出る前から浪人の方向で考える人もいるでしょう。今日はそういった人たちのための話となります。

 

ウィキペディアによると、もともと浪人とは、戸籍に登録された地を離れて他国を流浪している者のことを意味していたあそうです。一方、牢人は、室町時代から江戸時代にかけての主従関係における武士のみに当てられる、いわば狭義の身分語であった。江戸時代になり戦火が収まると、改易などにより各地を流浪する牢人が急増した。そのため浮浪する牢人を浪人と呼ぶようになったそうです。

 

要は、帰属すべき階層だったり地域だったりが曖昧な人を意味しているため、現代では、高校を卒業してもその先が決まっていない人を「浪人」と呼ぶようになったのでしょう。浪人一年目を「一浪」二年目を「二浪」と言い、難関である医学部などは多浪が珍しくありません。

 

 

1960年代~70年代にかけて4割近くいると言われた浪人率も近年はおよそ2割程度となっています。ただし、この2割には、二浪以上も含まれているので、高3生が浪人になる率というのは15%前後だと思われます。昔に比べ、現役で大学に進学する率が高くなりました。

 

まず、昔に比べて浪人が減った理由としてよく挙げられるのが経済的な理由です。浪人生となりますと、余分に100万前後の出費となりますので、それを払う余裕のある家庭が減ってきたというのです。確かに80年代日本がバブル経済だったころは、一浪して私大文系に行くことが珍しくありませんでした。しかし、バブル崩壊後はそうした傾向にストップがかかるようになりました。

また、少子化に加えて大学の数が増えた「全入時代」ですので、何校か受験すればどこかに合格できる確率が高まったのでしょう。加えて、近年ではセンター試験から共通テストに移行ということもありましたし、総合型選抜入試をはじめとした推薦系の合格者が増えておりますので、そういう影響もあると思います。もちろんコロナの影響もあったでしょう。

こうしたことの他にも、昔のような「何が何でも何某大学」と考える人も減り、大学名よりも大学で何を学びたいかを重視する人が増えた影響もあると思います。

こうした流れのなかで、「浪人して私大へ」という流れを作っていた代ゼミの凋落が目に付くようになりました。

 

浪人する最大のメリットは

 

 ・学力が伸びて現役では合格できなかった大学に合格できる

 

ということに尽きると思います。確かに、学校生活がなくなり一年間勉強に没頭できる環境ができるわけですから、当たり前に学力が伸びそうに思います。しかし、受験業界では、

 

2割が伸び、6割が現状維持、2割が下がる

 

と言われています。現状維持ならともかく2割が下がるというのは、浪人を体験していない人にはなかなか実感できないと思います。

 

たとえば、こういう人を思い浮かべてみてください。高2から志望大学の早稲田に入るために部活を辞め予備校に通い勉強に取り組む。現役時代に明治と中央は受かったが、残念ながら早稲田には届かず。そして、浪人を送ることにする。

 

さて、彼もしくは彼女が高2から一所懸命勉強に取り組んでいたのであれば、2年間受験勉強に励んでいたことになります。浪人をするとなると、加えてあと一年。これはなかなか大変です。そもそも学力というのは伸び続けるわけではありません。どこかでストップしてしまいます。勉強をしていなかった人が、急に勉強をすればある時を境に一気に伸びる可能性がありますが、ずっと勉強に取り組んでいた人にはそもそも伸び代があまりないでしょう。また、勉強以外にすることがない浪人生活で生活リズムを維持することはなかなか大変です。誘惑がゼロの環境とも限りません。多くの予備校はターミナル駅の近くにあります。

 

また、現役時に明治と中央に受かったのであれば、浪人すれば当然それ以上の大学を期待してしまいます。そうするとプレッシャーも大きくなるでしょう。要は、一年余分に勉強するからといって、みんなが成績を上げられるわけではないのです。

 

浪人生活を送って成績が上がるのは、

 

 ・地頭は良いが、中高とあまり真剣に勉強に取り組んでこなかった人

 ・部活動に熱中するあまり、ほとんど受験勉強に取り組めなかった人

 ・人とつるまなくても勉強できる意志のある人

 

もし、現在浪人を送ることを考えているのであれば、以上のことを考慮してみてください。そして、実際に浪人生活を送るのであれば、とにかく夏までは徹底的に基礎的な学習をすることを薦めます。多くの人は基礎がおろそかのまま、受験勉強に突入し、結果として壁にぶち当たるので、秋以降の成績を上げるためにも、春から夏までは基礎的な勉強を徹底しましょう。

 

 

慶應大学看護医療学部合格!

カテゴリー:大学受験2023.11.02

慶應大学看護医療学部をAO入試で受験したHさんから合格の連絡がありました!

おめでとうございます!

面接後まったく自信を失っていた彼女ですが、ふたを開けてみたら合格!

おそらく自分の強みを自覚したいなかったために、最後まで自信が持てなかったのかもしれません。

この数か月の努力はずっと見てました。本当によく頑張りました。

夢に向かって頑張ってください!

今年度合格第一号

カテゴリー:大学受験2023.11.01

Nさんが総合型選抜入試で東京農業大学応用生物科学部に合格しました!おめでとうございます!

夏期講習期間は毎日、志望理由書の書き直しでしたがくじけることなく、よく頑張りました!

栄養に関する知識不足によって悩んでいる女性に、正しい知識を広めたいという大きな夢を胸に農大に飛び込みます!夢に向かって頑張ってくださいね!

受験における戦略と戦術――慶應文系狙いは国語の勉強は不要か?――

カテゴリー:大学受験2023.06.15

先日慶應大学文系を目指す高3生に質問を受けました。彼女は、Kip学伸で小論文のみを受講しています。英語は英語の塾へ、世界史は世界史の塾へ通っています。要するに科目ごとに異なる塾に通っています。

いくつかの質問を受けたのですが、以下のようなものでした。

 

・別の塾のチューターに慶應を目指すのであれば国語の勉強は時間がもったいなからしないほうが良いが、勉強をしないほうが良いのかどうか?

 

・英語の塾の先生に模試は受ける必要がない。マーク模試と本番では試験形式が違うから意味がないので、受ける必要はないと言われたがどう思うか?

 

・英語の塾が通っていて意味がないように感じるので辞めても良いと思うか?

 

内容は若干異なるとはいえ、このように、細かなことで疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。それぞれにまったく異なる内容の質問ではありますが、共通していることがあると思います。

それは、上記の質問には受験にたいする戦略が欠けているということです。

 

受験をするには、戦略と戦術の二つの作戦が必要です。戦略と戦術というのは、よくビジネスの世界などで言われている用語ですが、受験にも同じことが当てはまると思います。ですから、受験生は特にこの二つを意識してほしいと思っています。

 

戦略というのは、「勝ち方」と言い換えても良いでしょう。戦術はその「勝ち方」を遂行するのに必要な準備です。

 

まず、戦略で重要になってくるのは、二点あり、敵を知ることと自分を知ることです。敵の強みと弱み、自分の得意分野と不得意分野を知らなければ、勝ち筋は見えてきません。ということは、戦略そのものは、当然人によって異なってきます。

たとえば、あなたが戦国武将だったとしましょう。他の武将に比べ、鉄砲を多く持っているわけでもなく、騎馬戦が強いわけでもありませんが、剣術に強い兵士が多いのが強みです。そして、戦う相手は騎馬戦を得意としています。

その場合、戦う場所を平地にしてしまうと勝つ可能性が低いと言えるでしょう。相手の強みが活かせず、かつ自分の強みを活かすのであれば、足場の悪いところで近距離で戦うことになります。ですから、山などの場所に相手をどうやっておびき寄せるかがポイントになります。これが戦略です。

 

これに対して戦術は、山などの足場の悪いところでの戦い方、もしくは奇襲のかけ方になります。あくまでも、戦略が決まったうえで決まるものです。

 

さて、これを受験に当てはめてみましょう。受験における戦略とは、以下の一点です。

 

・どういう試験形式でどこの学校(大学)を受験するのか

 

受験というのは、合格しなければなりません。その合格をどこで、そしてどういう形で勝ち取るかということです。

たとえば、慶應に志望していてその他の大学に行く気がないのであれば、それこそが戦略です。そして、そこから導き出せる戦術は、慶應のみに合格する勉強法です。ですから、最初の質問に答えると国語の勉強は不要ということになります。

しかし、浪人はしたくない、というのであれば話は変わってきます。浪人にならないことと、慶應の合格を天秤にかけ、浪人になりたくないことを優先するのであれば、そこからおのずとやらなければならないことが見えてきます。その場合は、滑り止めはどこまでの学校にするのかというのを考えていかなければなりません。つまり、戦略を練るということは優先順位を明確にするということでもあります。

そして、どの学校を受験していくかを決める際には、やはり偏差値が重要になってきます。偏差値を通して、相手を知り、自分を知ることができます。特に高3生であればなおさらです。

その意味で最初の質問に答えると、模試は受けたほうが良いでしょう。テスト形式の差があるとはいえ、そもそも慶應に合格する学力があるのであれば、マーク模試もある程度はとれるはずです。慶應に受かるために模試を受けるというよりは、自分の現時点での測るために受験するべきでしょう。そうでなければ、戦略が練れませんから。

 

そして、戦略が決まることで、初めて戦術を考えることができます。受験する学校(大学)に必要な科目。そしてその優先順位。やるべきテキストなど・・・。

 

話は少し反れますが、上記のような意味では学校の各科目の勉強は戦略なき戦術と言って良いでしょう。

 

戦争で例えると、学校の勉強は刀を研いだり、局地戦での戦いを想定した練習をしたりすることです。しかし、それが本番であまり重要でないのであれば、力を入れる必要はありません。要領の悪い人は、こうした戦略なき戦術を真面目にしているのですが、肝心の戦略がないために、受験という大一番でうまくいかなくなることが多いのです。

 

さて、こうしたことをすべて踏まえたうえで、塾というのは、本来戦略と戦術両方を一緒に考えていくところです。受験に必要な科目すべてを一つの塾で学んでない場合は、戦略は自分で考えなければなりません。塾はあくまでも戦術を考えてもらうところになるでしょう。

 

上智大学カトリック推薦について

カテゴリー:大学受験2023.05.25

上智のカトリック推薦は、一般入試と比べると合格しやすく、ハードルが低いと言われていますが、いったい何を求められるのかが分かっていない人が多いので、ここでカトリック推薦の入試制度について説明します。

まずは、カトリック推薦出願資格について

・日本カトリック学校連合会に加盟する高等学校に在籍していること

⇒2020年度までは、学校指定枠があったが、現在はすべてのカトリックの高校から受験できる。そのため、倍率が上がり一般的には合格が難しくなったと言える。ただし、枠がなくなった分、同じ学校から合格者が増えるということも起こりうるので、人によっては合格しやすくなったともいえる。

・合格したら必ず入学すること

・出願基準を満たしていること

・学科指定の必履修科目を履修していること

 

入試の日程は下記のとおり

9月上旬 出願

10月上旬 学科試験(基本は小論、理系は試験)・面接試験

11月 合格発表

 

入試の特徴は、

・求められる評定平均が高い

・募集人員は若干名

・専願にもかかわらず、2学科に出願できる

この他、英検などの検定が条件にあるので、詳細は大学のHPから要綱をチェック!

入試内容は、

・高校の調査書・推薦状

・志望理由書 A4の紙1枚

・学科試験と面接試験

 

大学が求める人物像は下記のとおり。そして、ここがもっとも重要なので、しっかりと頭に入れること

 

・カトリック精神の素地を身につけている者で、本学への入学を第一志望とする者

・本学の「建学の精神(キリスト教ヒューマニズム)」に共感し、本学の教育の特徴とする、“For Others, With Others” の精神を実践し得る者

 

入学者選抜の方針は下記のとおり

・キャンパスにおける学生の多様化(教育背景、文化的背景、社会的活動経験等)に資する選抜とすること

・選抜時点での学力到達度のみを評価基準とせず、これまでの課外活動、社会的活動等の実績並びに本学入学後の人間的成長・学力向上の可能性を多面的、多角的に評価することで、総合的な人物評価を行うこと

・志望学部・学科への適性を評価するとともに、本学在籍中、また卒業後の将来性を考慮して選抜を行うこと

これは、簡単にいうと

過去(これまでの活動)、現在(大学で何を学ぶか)、未来(将来の夢)といったセルフストーリができているかということ。いわゆる志望理由書で学ぶことと同じ。

 

このようになっています。ミッション系の高校に通っている人は、是非、チェック!

大学受験 新課程入試とは何か?(動画)

カテゴリー:大学受験2023.05.16

来年度から始まる新課程入試について話をしました。