私立中学受験 出来ない子に模試を受ける意味はあるのか?
カテゴリー:中学受験2023.09.10
中学受験をする人にとって模試の受験は避けて通れません。たとえば首都圏では、四大模試といって、「サピックスオープン」「四谷大塚の合不合判定テスト」「日能研全国公開模試」「首都圏模試」と1万人前後の受験者がいる模試が四つもあります。こうした模試に加えて、各塾で行うテストなども加えると、中学受験期というのは、常にテストに追われていると言っても過言ではないでしょう。
中学受験に慣れている保護者の方であれば、「そういうものだ」と思えるかもしれませんが、初めての方にとっては「こんなに試験ばっかりして意味あるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。
最初に私自身の考えを言うと、模試や小テストの意味は当然認めているものの、頻繁な模試や受験直前の模試、あるいは1月のお試し受験などはあまり推奨していません。その理由はおいおい話をしていきます。
そもそも模試を受ける意味は何でしょうか?
・自分の学力が客観的なデータで分かる
・試験会場に慣れる
・広い範囲からの出題に慣れる
・自分の解くスピードの確認、ペース配分を学べる
・問題の解く順番
・何ができていないかを確認できる
・成績が出ることでモチベーションにつながる
模試を受ける意味は上記のように数多くあります。しかし、こうした模試から得られるものは、ある程度の条件が必要です。
・出題範囲をすでに学んでいる
・自分が目指している学校のレベルと模試のレベルが合っている
・成績に一喜一憂しない(成績の悪い場合にモチベーション低下につながらない)
・返却されたデータをきちっと分析できる
上記のような条件を満たしていなければ、模試にあまり意味がなくなります。たとえば、基本的に小6の夏以降ですと、全単元終わった状態になっていますので、出題範囲の問題はなくなりますが、それまでは塾によって学習進度や単元の学ぶ順番など異なりますので、まったく習っていない範囲が模試に出るということもしばしばあります。中学受験用の算数をまったく学んでいなければ、成績がとれるはずありませんから、返却される成績に意味はありません。出題範囲があまりにも学習している範囲と異なるようでしたら受験の必要はないでしょう。
また、成績が良くない人によくあるケースが次のようなものです。それは、成績が返却されたときに、成績が悪いために保護者の方がキレるというケースです。「こんな成績だと意味がないから受験をやめろ」というようなケースです。あるいは、ご本人自身が、「こんな成績しかとれないなら無理だ」と思うようなケースです。模試を受験することでやる気がそがれるようなら、模試など受験しないほうが良いでしょう。
塾が模試を受験させたり小まめにテストを実施したりするのは、理解の程度を測るという意味もありますが、競争心を煽ってモチベーションを高めるという意味もあるからです。というのも成績が良い人に共通していることは、モチベーションが高いことが挙げられるからです。やる気がないのに成績が良いということはありえません。ですから、競争によって「負けたくない」と強く思える人は、模試を受験することで自分の成績を上げようと思えます。
反対にこうした競争が嫌であれば、競争のない個別塾に行けば良いのです。ただし、この場合競争しなくても自分でモチベーションを高いまま保てなければ意味がありません。
自分のペース=楽ができる
では意味がなくなってしまいます。
もう一度確認をしましょう。そもそも学力の高い生徒はモチベーションが高いのです。ということは、モチベーションを高められれば成績が上がる(もしくは上がるであろう)と考えられます。そして、塾にとって生徒のモチベーションを上げるもっとも楽なの方法が競争をさせることなのです。その是非はともかく、一定の割合で良い成績をとりたいという一心で勉強に打ち込める人がいるのです。そういう人は模試やテストに向いているといえるでしょう。最難関中学にもっとも合格者を輩出しているサピックスが小まめにテストを実施し、その成績でクラスを分けることをしていることを考えれば想像できると思います。
このことを裏返すと、成績の悪い人はモチベーションを模試によっては高められないのです。あまり競争したくないともいえるでしょう。だからといって、自分のペースでゆっくりと楽をしながら学習をしたところで学力が高まるわけではありません。そうした人の場合は、別の方法でモチベーションを高めていく必要があります。
そうした人の場合は、模試よりも、自分が習った範囲のテストを小まめにして、自分が理解できているかどうかに重点を当てるがお薦めです。要は、人との競争ではなく、自分の実力がついているかの確認です。全体の中での自分の立ち位置よりも、習ったことがしっかりと分かっているかどうかの確認を通して、自信をつけていき、モチベーションを高めるのです。こういう人の場合は、4年生から定期的に模試を受ける必要はないと思います。むしろ、先ほど述べたような復習テストを中心におこない、模試は必要性を感じたときだけで良いでしょう。ただし、小6の夏から秋にかけては自分の立ち位置をしっかりと認識するためにも、3度、4度の大きな模試を受けてみてください。
最後になりますが、12月は模試よりも志望校の過去問対策に力を注いだほうが良いでしょう。模試というのはその性質上、どうしても最大公約数的な問題になります。最初に述べた四大模試は受験者数が一万人前後となります。そうすると、一万人の受験生の実力を測れ、なおかつ採点に差が生じないようにしなければならないので、実際の入試(受験生が数百人で偏差値も10前後の差しかない)とはそもそもの性質が異なるものです。
受験直前は、偏差値を上げるというよりは、志望校の対策に重点をおいて学習をしたほうが、はるかに効率的です。また、12月、1月はインフルエンザが猛威を振るう時期でもありますから、わざわざ人が密集しているところに行く必要もないでしょう。1月入試も同様のことが言えます。直前の貴重な日曜日一日を、行くことのない学校の試験に費やすのはもったいないと言えるでしょう。そもそも入試や模試というのは学校や塾が利益を出すためにおこなっているという側面もありますので、みんなが受験するからといって、わざわざ受験する必要はありません。
学力を伸ばすために for小学生
カテゴリー:中学受験2023.05.27
学力を伸ばすには勉強をするほかありません。このたった一言で終わってしまう「勉強をする」という言葉も、よくよく考えてみると奥が深いものです。
勉強をするには机に向かう必要がありますが、机に向かっているからと言って勉強をしているとは限りません。勉強はもちろん一定時間を費やさなければなりませんが、長時間テキストを開いて椅子に座っていたからと言って、真剣に勉強に向かっていたとも限りません。こうしたことを踏まえると、いくら「勉強をしなさい」と言っても、「勉強をする」ということがどういうことを意味するのかを理解していないと、その言葉は空回りするだけになってしまうことが分かると思います。
正しく勉強をするには、多くのステップが存在します。その詳細をここですべて書くことはできませんが、まずは以下の二点だけでもご留意ください。
- まず、何のための勉強なのか?
これが明確にされていないと、いつまでも受け身の姿勢のままです。「言われたから勉強をする。」「言われなかったからしなかった・・・。」受験を考えている人は、何のために受験をするのかをもう一度話し合ってください。受験をするべきかどうかを迷っている人や、お子様にどうやって伝えたら良いか分からない人は、ご相談いただければ、ご家族で面談をいたします。あるいは、お子様に直接面談を実施いたします。
また、勉強というのは必ずしも今年の受験のためだけにするものではありません。5年後の高校受験に向けて、まずは勉強をする習慣をつけるというのも大きな目的と言えるでしょう。どんなことでも構いませんので、何のための勉強なのかを今一度話し合ってみてください。
- 勉強をする準備はできていますか?
勉強をするには、少なくとも筆記用具やテキストが必要です。そうした筆記用具は勉強をするのに適しているでしょうか?たとえば、丸い鉛筆を持って、勉強をしている最中に何回も鉛筆を落とす人は、鉛筆を落とすたびに集中力を切らしていることに鈍感になっています。集中して学習に取り組むということは、集中力が途切れそうなものを学習環境から排除することから始まります。
忘れ物をしていないかどうか、鉛筆が削られているかどうか、宿題ができているかどうか・・・こうした確認は物理的な準備です。物理的な準備ができるからこそ、心の準備もできます。勉強をする気持ちをつくるためにも、こうした確認事項を改めて作ってみてください。
公立中高一貫校に合格した家庭のたった一つの共通点
カテゴリー:中学受験2023.04.08
授業料はかからないのに、魅力的なカリキュラム。公立中高一貫校に魅力を感じているご家庭も多いことでしょう。
東京都の資料によると、都立中高一貫10校の平均受検倍率は前年度比0.18ポイント減の4.22倍。学校別の受験倍率は三鷹中等教育5.54倍がもっとも高かったとのことです。一時に比べ少し落ち着いた感があるとはいえ、それでもチャンスが一回でこの倍率であることを考えれば、人気があることに変わりはありません。
学校の方針に共鳴して、「何とかわが子を行かせたい!」と思われる保護者の方も多いでしょう。昔と違って、中高一貫対策を謳う塾も増えました。とはいえ、都立中高一貫校の試験内容は、私立中学のそれとはまったく異なり、対策をしなければならないとはいえ、私立の問題のように「~算」のようにはなっていません。そのため、暗記による傾向と対策はほぼ不可能と言えるでしょう。だからこそ、
いつから塾に入れば良いの?
どういう勉強をすれば良いの?
と多くの疑問を持たれている方多いと思いますが、今日は、これまで自塾で都立中高一貫に合格した生徒の共通点について話をしたいと思います。もちろん、多くのケースがあったので100%そうかと言われると、そうではないケースもあるかもしれませんが、おおむね当たっていると思いますので、参考にしてみてください。よく、「こういう生徒が受かる」といったことは出ていると思うのですが、やはりそれと同様重要なのが「どういうご家庭のお子さんが受かるのか」という家庭の問題だと思います。
まず一つ言えるのは、好奇心の強い人が挙げられます。興味の対象が、理数系であったり、生物系であったり、社会系であったりと異なりますが、記憶している限り、合格した人たちは何かしら知的な興味をもった対象がありました。この傾向は昔よりも今のほうが強いように感じます。10年ほど前は、どちらかというと、自頭の良い人が合格しやすいように感じましたが、最近はそれよりも知的好奇心の強い人のほうが受かりやすいように感じます。たとえば、理科の好きな人は、「なぜ雷が鳴るのか」というような日常のなかにある疑問をそのまま放置せずに、本を読んだり、だれかに聞いたりして疑問を解決します。
次にそうしたお子さんの興味に対して、保護者の方があまり口を出さないというのも挙げられます。ある程度、お子さんが興味のあることに関して突き進むのに、寛容なご家庭と言えば良いのでしょうか。そうした寛容さが、好奇心を育むのだと思います。どうしても、情報過多な今の時代は、大人がついつい先回りして、するべきことややるべきことをあたえがちになってしまいます。「ああしなさい」「次はあれしなさい」と言われている子どもが、自らの興味を育てていく余裕が生まれるはずはありません。
寛容な態度で接せられた理由の一つに、興味の対象がたとえば宇宙や生物ですと、お母さんがそもそもそうしたジャンルに関する知識があまりないからというのもあるかもしれません。鉄道の話を永遠にわが子がしだしたら、ついていけるはずもありません。
しかし、これは無関心というのと異なります。特に小学生中学年くらいまでは、そうした興味をもったことにお父さんやお母さんが無関心でいると、好奇心が育ちづらくなります。こうした好奇心を育てるには、ご家庭での普段の会話が非常に重要な気がします。
次に重要なのが「主体的に動けるか」ということだと思います。リーダーシップを発揮するというのとは異なる感じがします。好奇心が原動力だとすれば、主体的に動くというのは実際の行動と言えるでしょう。実際、多くの学校の教育方針や求める人材像でそのようなことを謳っています。たとえば、都立三鷹はこのように言っています。
本校入学を希望される児童の保護者・一般の皆様へ
本校は、前身の都立三鷹高等学校の伝統を引き継ぎつつ、「思いやり・人間愛を持った社会的リーダーの育成」を基本理念として様々な教育活動を精力的に行っています。・・・ 本校では社会の劇的変化やグローバル化が確実視される時代に対応し、多様な人々と協力し、受け身ではなく主体性をもって人生を切り拓いていく力と、問題を発見し、答えを生み出し、問題を解決し、新たな価値を創造していくための力」を向上させるため、体系的な教育活動を行っています。・・・
主体性を育てていくのは、自分のしたいこと、やりたいことをどうやったら実現できるかというプロセスを普段から実践する場を作っていくことだと思います。小さなことでも良いでしょう。以前、合格した生徒は小4のときに、最安値の切符でどこまでいけるのかというルートを自ら探して、お母さんを連れて回っていました。そうしたフォロー体制がご家庭にあることが望ましいと思います。これもさきほどの好奇心と同じで、保護者の方が先走ってしまうと育たなくなります。
こうしたことをふまえると、保護者の方、ご両親が口うるさく言いすぎないことが、公立中高一貫校を目指す場合に重要になってくるように思います。
なぜ付属校の人気が下がりだしたのか
カテゴリー:中学受験2023.03.03
2023年度は全般的に付属校の人気が下がったようです。特に慶応、早稲田、明治といったトップ校に減少が顕著に見られます。
そもそもこの数年、付属校人気が高まった背景に、都市部にある大学の入学定員の厳格化と、「23区規制」と言われる平成30年から10年間、東京23区に店員を増やしたり、新しい学部・学科を増やしたりできないという規制がかけられていることが挙げられます。
簡単に言うと、この二つの規制が事実上軽減されたことにより、付属校の人気が下がりました。
まずは、募集人員のほうから考えてみます。募集人員の厳格化とともに一般入試による難関大学がさらに難しくなり、その影響で付属校志向が高まりました。また、付属校や系列校の中高が近年増加傾向にあるため、数年先にはますます大学受験が難化するだろうという推測のもと、中学受験で付属校狙いとなったのでしょう。また、23区規制があるため、需要の高い「情報系」のような学部の定員を増やせないため、大学受験で入ることがいちじるしく難しくなったことも要因の一つです。
このような大学受験を見据えた結果、早い段階で付属校に入って大学の心配をなくすという人が増え、そのことで付属校の人気が高まりました。
入試事情以外にも、大学受験をしないことで、単なる詰め込み教育ではない教育が受けられる(体験学習型の授業など)ということも支持を得ている一つの要因と言えます。そもそも学力のみで人の能力を測るということ自体が時代の流れに沿っていないため、勉強を詰め込む以外のことを学校に求めるのも当然と言えば当然の流れです。
こうしたことを背景に付属校は人気が上がっていましたが、2023年度では付属校の人気に陰りが見えはじめました。
その原因の一つは、「入学定員厳格化の緩和」です。募集人員の厳格化が進むと思わぬ弊害もありました。その最大の弊害は繰り上げ合格の増加です。受験生にとっては、他の大学に入学金を収めた後に、合格通知が来るのです。繰り上げの繰り上げや補欠合格の補欠合格などもあり、遅い場合は4月に合格通知が来ることもあり問題になりました。また、学校にとっても募集人員の生徒が入学しても、仮面浪人や中退などが出ますと授業料収入が減り、経営を圧迫することになります。そこで、入学時の募集人員の厳格化ではなく、4年間の総定員で学生数を見るようになり、結果として合格者数が増えることになりました。これが「入学定員厳格化の緩和」です。
また、「情報系」を始めとしたデジタル系の学部のニーズが受験生からも産業界からも高まるなかで、23区規制を改正しようという動きが出始めました。そして、こうした学部に限っては、規制を外すことを文科省が認めました。要は「周回遅れ」と言われている日本のデジタル教育のてこ入れです。そうした流れの中、特に女子高が理系に力を入れるようになり、結果として、私立の大学よりも国立理系志向が高まっています。そうした学部への対策を考えている中学の人気が出だしたのでしょう。
以上のような流れから、一時急騰していた付属校の人気が下火になったのだと考えられます。
なぜ中学受験をするのか?
カテゴリー:ブログ2023.02.24
中学受験熱がますます高まり、2023年度は首都圏では、首都圏中学入試の受験者数が6万6,500人と過去最多で、受験率は初めて22%を超えました。関西圏は、ニュースが出ていないので分かりませんが、おそらく中学受験率は伸びていると思われます。
Kip学伸がある世田谷区は、エリアによって差はあるものの平均では中学受験率は3割強ですが、学校や学年によっては7割くらいになることも当然あります。そうすると、保護者の方がわが子の中学受験を想定していない場合であっても、お子様のほうから「受験をしてみたい」というケースが増えてきます。周りのお友達が受験するのであれば、自分もしてみたいと思っても不思議ではありません。
そういった場合、ご両親がもしくはお父さんかお母さんのどちらかが、地方で公立中学⇒公立高校⇒国立大学(もしくは大学は都会で私立)という道を歩んできたのであれば、中学受験をする意味がよく分からないとなりがちです。
そもそも中学受験は受験生ご本人だけでなく、ご両親にも負担が大きいものです。経済的なものだけでなく、お弁当をつくったり、学校探しをしたり、塾への送り迎えをしたり・・・・。
多くの人が、それでも受験をするのは、私立中学に行くことによって、以下のようなメリットがあるためでしょう。
・一貫校のほうが大学への進学率が良い
・推薦制度なども整っている
・当たり前に勉強をする環境が整っている
・国立志向が強いが、実際の就職に強いのは私立文系
・個性のある学校が多い
上から順々に見ていきますと、まず大学進学実績を調べれば、公立高校からよりも私立の一貫校のほうが良いのは、特に難関大学合格者の出身高校を見ると明らかです。また、私立のほうが推薦制度が整っていることが多いため、大学受験の際にそうした制度を利用しやすいメリットがあります。特に推薦制度は利用したことがない人は、よく分からないので、そのメリットが分かりづらいかもしれません。
私立中学に行くメリットは何も勉強が得意な人だけには限りません。勉強をしない、苦手な人のほうがむしろメリットは大きいかもしれません。なぜなら、当たり前に勉強をする環境が整っているからです。公立中学にはまったく勉強をしない人たちが一定数います。「わが子に限ってそうなることはない」と思われるかもしれません。そしてまったく勉強をしない、ということにはならないかもしれません。
ただ、問題は、そういう人たちが一定数いるという環境で影響を受けないかどうかということです。周りにすぐに流されてしまうのであれば、勉強を当たり前にする環境にいるほうが良いに決まっています。
また、最近では個性の強い私立中学も増えてきましたので、学校の教育理念や方針に共鳴されて「わが子の個性を伸ばすために」という理由から受験をするという人も増えてきました。
このような事情から、中学受験をすると決める人が多いでしょう。もちろん、上記のような理由があるからといって、中学受験をするほうがすべての人にとって良いとは言えません。あくまでもご家庭の教育方針と受験をするメリットが一致するからだと言えます。
結局のところ、まずは情報収集をすることと、ご夫婦で教育方針を話し合うということから始めるのが大切である、という当たり前の結論になります。
模試の注意点
カテゴリー:ブログ2022.08.31
中学受験をする人は、年間に何度も模試を受けることになりますが、回数が増えてきますと何となく緊張感が薄れてしまします。お金を払い、時間をとって受ける模試ですから、できる限り本番同様に臨むことが良いでしょう。
そのためには、改めて以下のことを確認ください。
・テスト開始に十分に間に合うように入室する。
いつもバタバタとテスト直前に入室をする人がいますが、余裕をもって入室しましょう。
・鉛筆は長い物を複数用意する。
短い鉛筆は持ちにくいうえに、字が雑になるので使用しない。シャーペンシル一本のみを持ってくる人がいますが、芯が出なくなったり、壊れたりした場合を考え、必ず複数本用意する。
・鉛筆は家を出る前に削る。
模試の前日の夜に必ず筆箱を確認しましょう。
・消しゴムは転がり落ちないものを二つ以上用意する。
消しゴムが机から落ちた場合に備えて、予備の消しゴムを用意する。
・答案以外にも冊子にも必ず答えを書き写し、その日のうちに必ず自己採点をする。
その際、できなかった問題をできるようにすることよりも、本来であればできる問題にもかかわらず点数を落としてしまった問題を確認し、何が原因で点数を落としたのかを明確にする。「ケアレスミス」の一言で片づけない。難しい問題ができるようになることよりも、とれる点数を落とさないことを念頭に置きましょう。
・成績が返却された際は、偏差値に一喜一憂するのではなく、何が課題でどのようにその課題を克服するのかを家庭で話しあう。
結果を見て感情的になっても良いことは一つもありません。
・毎回の模試でベストを尽くす。ベストを尽くすために、できることが何なのかを話し合う。
各科目の出題範はが決まっていますから、暗記分野はそこに絞れば点数はとれます。そこで点数をとれていない場合は、単なる勉強不足です。
・時計を用意する際は、デジタル時計ではなくアナログ時計。
中学受験をするかどうかで迷っている人
カテゴリー:中学受験2022.06.10
Kip学伸は東京都世田谷区にある塾です。塾近辺の公立小学生は、年や学区によっても多少の差は見られるものの、およそ半分~7割くらいが中学受験をします。
そういうエリアですから、たとえご両親が中学受験を考えられていなかったとしても、お子さんがお友達の影響から「受験をしたい」と言いだし、どうすればよいのかで迷われるケースが多く存在します。
ご両親が中学受験経験者の場合、多くはお子さんにも中学受験を考えられていると思います。あるいはご夫婦の方針として受験をしようと決められている人も迷うことなく中学受験を選択されるでしょう。そうした人たちは早くから情報収集をしているでしょうし、近年の受験事情にも詳しいでしょうから、受験をするべきかどうかでは悩みません。
東京は全国から人が集まってできた都市ですから、東京出身ではないお父さんお母さんも数多くいらっしゃいます。また、そうした場合多くのお父さん、お母さんが中学受験を経験していません。一部の都市部を除くと、多くの日本の地域では、公立中学から公立高校へという進学が普通です。高校も選択肢は多くなく、その中で選び進学するのです。大学受験になって初めて、地元の国立に行くか東京をはじめとした大都市の大学に行くかを選択しなければなくなります。そうした状況と、中学受験をするかどうか、しかもその選択肢が多数にあるといった状況では大きな違いがあるのは当然です。加えて時代も異なるとなると、我が子の置かれている状況をどのように方向づけをしていけば良いのか、非常に悩まれるでしょう。
そうした場合、どうやって判断をすれば良いのでしょうか。
最初のポイントはご両親の覚悟です。中学受験は「親の受験」と言われるほどご両親への負担が大きく、特にお母さんには心身ともに相当の負荷がかかります。高校受験、大学受験とお子さんの年齢が上がるにつれて、ご両親の負担は経済的なもののみになっていきますが、中学受験の場合は経済的負担だけでなく、肉体的、精神的にも大きな負荷がかかります。最近は、昔に比べてお父さんが協力してくれるケースも増えてきています。塾選び、日々の学習のチェック、学校選び、学校見学、塾の面談・・・・するべきことが山ほどありますから、ご夫婦で協力されるほうがスムーズにいくことが多いでしょう。
中学受験をするかどうかで最初の関門となるのがご両親の覚悟だという話をしましたが、覚悟のなかでも最初にくるのは、ご家庭の経済状況です。
公立の中学ですと学費はかかりませんが、私立中学にいけば年間で授業料のみで50万ほどかかります。それに加えて入学金や交通費などその他諸々の費用がかかります。学費以外でもかかる費用もありますから、公立中学へ行くことを考えると負担は大きいと言えるでしょう。
また、私立中学に入学したからといって、塾に行かなくて良いというわけではありません。成績を向上させたり、トップを目指したりするのであれば、やはり塾に行く必要がある可能性は高いでしょう。
そもそも受験をする場合は当然、塾の費用もかかり、平均的に小4~小6の三年間塾に通うと200万~300万前後になります。
こうしたことを踏まえますと、ある程度の経済的な余裕があることがポイントとなります。いったん受験勉強に入ったものの、経済的な理由から撤退しなければならないとなるのは望まれないでしょうから、最初にある程度調べておくことが重要です。
このようなことばかりを聞いてしまうと、受験に対して消極的になるかもしれませんが、当然メリットも数多く存在します。多くの人が受験をするのは、そのメリットがデメリットを上回ると考えているからに他なりません。
中学受験、その最大の魅力は「良い大学」に進学できる可能性が高まるということです。カッコをつけたのは、いわゆる偏差値が高く、有名な大学という意味からです。
たとえば、東大の合格者数ランキングというのは毎年発表されていますが、その上位校はすべて中高一貫校です。京大は年によってトップ合格者数校に若干の差があり、大阪の公立高校が最上位に来ることがあるものの10位までを見るとほとんどが中学からの一貫校が占めています。これが最難関の医学部になるともっと顕著になり、都立府立のトップ校ですら、合格する人はほとんどいません。つまり、最難関大学に合格している人の多くは、小学生で脳が固まる前に、徹底的に脳を鍛えているという現実があります。
もちろん、東大や京大といった超難関大学のみで、受験のすべてを語ることはできませんが、私立の学校は大学進学実績が、次の年の受験者数に直結する場合が多いので、少しでも「良い大学」への合格者数を増やすために懸命に努力をしています。それは、授業のカリキュラムにも表れています。詳細は後ほど書きますが、高校受験がないメリットを最大限に生かすために、最初から大学受験に焦点を絞って学習カリキュラムを組むのです。また、高校で生徒を受け入れないようにしたり、推薦に力を入れたりと様々な面でもその努力は見られます。
時に「偏差値が低い学校であれば、受験する意味がない」と言って、中学時での偏差値で受験をするかどうかを判断される人もいます。
これについて考えてみましょう。偏差値50というのは、中央値ですから受験したテストにおいてちょうど真ん中にいることを示しています。当然、50よりも低ければ真ん中よりも後ろにいるということを意味します。ただし、偏差値はあくまでもその受験したテストに対して出る数値ですから、絶対的な数字ではありません。受験している母集団によって同じ偏差値50でも意味が変わってきます。
そのことを踏まえますと、たとえばお父さんやお母さんが高校受験で記憶している偏差値と、お子さんが中学受験用の模試ででてくる偏差値(しかも、中学受験の場合有名模試がいくつもあり、その模試によって数字が大きく異なります)では、大きく異なるため、そこで出てくる数字で判断するのは早計です。実際、高校でも募集をする私立の多くの学校は、偏差値だけで見ると中学受験のときよりも高い傾向があります。
参考にするべき点として、大学進学実績が一つ挙げられます。たとえ、中学受験時に偏差値が低かったとしても、大学進学実績が良ければ、それだけ学校が伸ばしてくれるわけですからお得といえばお得です。
ところで、受験をするべきかどうかで悩まれる方の大半は受験をする場合のことのみを考えています。
重要なことは、中学受験をしないのであれば、高校受験をするということですから、そこにどういう選択肢があるのかということを調べたうえで、両者を比較することです。
通える範囲での都立高校はどこがあるのか?
都立高校を受験するのであれば、学校の成績が3割を占める。専科は成績がとれるかどうか。
ご両親が中学受験はマストと考えられていないのであれば、成績が良い場合よりも悪い場合のほうが中学受験をした方が良いように感じています。
「家の子はまだ子どもで、みずから勉強しないから」
では、中学生になったら自ら進んで勉強するようになるのでしょうか?
勉強しない子であれば、むしろ親がお尻を叩いて勉強させられる中学受験のほうが良い可能性が充分にあります。また、これまでも言いましたが中高で学力をつけるよう力を入れてくれる私立中学はたくさんあります。
反対に成績が良く、勉強が好きなのであれば、地元の中学に行っても勉強するでしょう。また、高校は都立高校の上位校を目指すことになるでしょう。
さて、最後になりますが、中学受験を経験されていないご両親のほうが、いざ中学受験をするとなった際に志望校が超難関校になる傾向があります。
中学受験を経験するということは、人生の入り口に立つ大事な人格形成時に、一所懸命頑張った結果を受け止めなくてはならないということです。受験の数年よりも、その後のほうが長く大切な期間となりますので、そのことを熟慮したうえで、どうするかを決断ください。
やる気の盲点
カテゴリー:中学受験2022.06.01
小学生のわが子の学力がどこまで伸びるのか。低学年であればあるほどみなさん期待が大きいのではないでしょうか。
ましてや初めの塾探しをしようかなと考えられる方にとって、我が子の学習に向かう姿勢が劇的に変わり、勉強量も増え、結果として成績が上昇していけば、こんな嬉しいことはありません。そんな淡い期待を胸にみなさん塾に入ろうと思われるのではないでしょうか。
たしかに、何かがきっかけで劇的に変わる人はいます。子どもに限らず大人でも短期間で急激に変化する人はいます。そのきっかけは誰かの一言かもしれませんし、何かを読んだり見たりしたことかもしれませんし、ひょっとすると塾に入ったことがきっかけかもしれません。
やる気になったとたんに、親が何も言わなくとも机に向かって勉強をするようになった。隙間時間があれば、ゲームをしたりタブレットを見たりするのではなく、勉強をするようになった。やる気にさえなれば、親が何かを言わなくても進んで勉強をする。実際にこうしたお子さんは一定数います。こんなことになれば、ご両親にとっては天国でしょう。おそらく周りの知り合いのお子さんに一人はこういうタイプの人がいるはずです。
こんな魔法のような「やる気」、一つだけ問題があります。
それは、確実にやる気になるという方法がないことです。これは方法論としては、失敗でしょう。
もちろん、塾ではやる気が起きるよう、モチベーショントークをしたり、咤激励をしたりします。受験生であればなおさらです。しかし、そうした話がきっかけでやる気になることもあれば、残念ながらその場で終わってしまうこともあります。ましてや、小学生中学年くらいですとなおさらです。
本来の目的がわが子の学力を上げることであるのであれば、そうした偶然に委ねるよりも確実な方法を考えたほうが良いとは思いませんか。
もう一度念を押しますと、何かがきっかけで劇的に人は変わります。大人も子どもも変わります。ところが、何がきっかけでそうなるのかは誰にも分かりません。あるいは、そのようなきっかけと出会えないかもしれません。であるならば、「やる気」という偶然に期待するより確実に学力がつく方法のほうが効果的です。
では、確実に学力を伸ばす方法とは何でしょうか?
残念ながら楽をして確実に学力を伸ばす方法はありません。特に小学生の場合は、ご両親が何もせずに学力が自然と伸びていくということに期待をしないほうが良いでしょう。学力に限らず、何事も力をつけようとおもったら地味な作業を続けることが最短で確実な方法です。また、そうした方法を小学生のうちに学ぶことにも意味があります。
まずは、何のための勉強なのかをしっかりと家族で共有する。
目標も家族で共有する。
一週間の学習スケジュールをつくる。
決して「宿題は終わったの?」の一言で終わらせない。
さぼらずに勉強を続ける仕組みをつくること。
ズルができないようにする・・・・・
挙げればきりがありません。「大変だなあ」という感想はごもっともです。しかし、楽をしてわが子の学力を伸ばす方法はありません。こうした地味な作業を一つひとつ進めていくことで、正しい勉強法で勉強することが当たり前になり、そこから成績が上がるようになります。もちろん、塾に入るということはこうした作業をご家族と共同でおこなっていくということでもあります。
何より、確実に力をつけるには「楽をする」という発想から入らない、ということが重要な教育ではないでしょうか。
勉強ができない子の三つの特徴
カテゴリー:ブログ2022.05.12
勉強ができない子にはいくつかの特徴が見られます。もちろん、例外もありますから必ずそうだと言えるわけではありませんが、ある程度の相関関係はあると思います。塾では、そうした特徴は具体的な一つひとつの所作として現れますから、そうした所作や癖を直していくことで、学習の向上につながるように注意を向けています。
そもそも、勉強ができない根本的な原因として、勉強に真摯に向き合えていないということが挙げられます。
ただし、「真摯に向き合う」というような言葉では具体性に欠けるので、具体的な三つの特徴を挙げていきます。
一つは、遅刻です。
塾は勉強をする場所です。その場所に遅れてくるというのは、そもそも勉強に対して前向きになれていない証拠です。また、塾は勉強をする場ですから、勉強をする独特の緊張感ある空気になります。「家で勉強できない」という人が一定数いますが、それはそうした緊張感ある空気が家にはないからだと言えるでしょう。そうした空気を遅刻によって崩すわけですが、そもそも日ごろから遅刻をする人は、自分がそうした空気を崩していることに鈍感になっています。つまり、勉強をする空気に対しても鈍くなっているのです。解決策としては、とにかく遅刻はしないと言い続けることです。これにはご家庭の協力がなけれななりません。
次に、常に指示を待っている人です。
勉強に関して、すべて指示を待っている人は、自分の成績にも受け身といえるでしょう。他人事ではなく、自分のこととして考えるのであれば、まずは自分の頭でも考える習慣が重要です。人間はやりたくないことに関しては天才的に言い訳をします。やるべきだとわかっていても、少しでもやらないて良い理由があるのであれば、それを上手に使います。あるいは、ふだんからやるべきことを一から十まですべてお母さんが指示を出しているため、指示がないと動けなくなっているのかもしれません。解決策としては一週間単位でやるべきことが決めることです。毎週やるべきことが決まっていて、それが習慣になりさえすれば、指示がなくとも動けるようになると思います。
最後に、一度で指示が届かない人が挙げられます。
「ノートを出しなさい」「教科書の48頁を開きなさい」「この計算をしなさい」といった一つひとつの指示を出しても、一回で聞き取れず、何度も言われないと指示が届かない人です。学校で、家庭で、塾で・・・どこでも同じ状況でしょうから、大切な指示を何度も聞き落としているでしょう。原因としては、気を抜くとすぐに自分の世界に入っていくことが挙げられます。そのため人とコミュニケーションをとるにも、まずは自分の世界から抜けだす必要があり、時間がかかってしまいます。解決策としては、どんなことにも即答をする訓練を積むことです。これは日ごろから、お母さんが何か聞いた際も、とりあえず悩む前に「即答する」習慣をつけることで改善されていきます。
日本大学第二中学 合格体験記
カテゴリー:中学受験2022.04.19
私はKip学伸に入塾する前は大手の塾で国語のみの授業を受けていました。大手の塾に通っていた時は、本当に「中学受験」という大きな壁に本気で立ち向かうのかという迷いもありました。なぜなら私は小学校受験をして、私立小学校に入学し、付属中学校に進学するという方法もあったからです。
家族で色々と考え、五年生の時にはKip学伸に転塾するということになりました。算、国、理、社と全科目学ぶことに最初はとても疲れていましたが、様々な先生のおかげで楽しく学ぶことができました。大手塾で先に学んでいた、ということもあると思うのですが、五年生の時のカリキュラムテストで国語の点数が150点中140点を上回るということもありました。成功した経験があるからこそ、今までより努力できると今では思います。そして六年生、2月1日受験当日、約2年間努力してきたことを生かせるようにと緊張しながらも試験会場に向かいました。2月1日午前に受けた学校に最終的には行くことになったのですが、最初の午前に受けたということもあり、心臓の音が聞こえるほど緊張していました。焦っていたので、すっかり不合格だろうと考えていたため、合格の通知が来たときはびっくりしました。私が進学する「日本大学第二中学校」には私が進学したいと考えている大学の推薦枠があるため、中学校でも上位保てるように勉学に励みたいと思っています。
中学受験を考えている皆様、努力は報われます。あと少し頑張ってください。応援しています。
成績が伸びやすい家庭の教育方針は○○だ!
カテゴリー:中学受験2022.04.07
受験を通して成績が伸びやすい家庭はどういった教育方針をとっているのかについて話をしてみました。
ご両親、本人、そして塾が目指している先が一緒であることが重要であると思います。
ご両親のうちどちらかが、あまり賛成していないと、プレッシャーが強くなってきたときに逃げ道になる可能性が高まります。
あるいは、ご両親のどちらもが望みが高すぎると、お子様のなかで「自分はできない」という思いだけが強まります。
目指す先を一緒にしていくためには、何度も何度も話し合うことがいちばんの方法です。
【お母さんお父さんのためのお勉強講座⑥】中学受験 なぜ成績が上がらないのか!?(動画)
カテゴリー:ブログ2022.02.24
中学受験の体制に入ると、毎月テストや模試に追われるようになります。そして、たいてい成績が思うように伸びず、お母さんはイライラ、本人も気分が上がらない・・・とやる気までそがれてしまうような状況が続くこともあります。
成績が上がらない理由は、人それぞれ異なりますから、必ずこういう原因があるとは言えませんが、およそこのようなパターンが多いという類型化は可能です。
その一つが、意識が学力をつけることに向いていなく、悪い点数をとることに対する萎縮だけが大きくなるような状況です。
広尾学園合格!「Kip学伸に成長を引き出して頂いた」
カテゴリー:中学受験2022.02.16
先日、広尾学園に合格したH君のお父様が合格体験記を書いてくださいました。H君自身が知的好奇心旺盛でのびのびと学習をしていたことが強く印象に残っています。入試終了後、塾にあいさつに来たとき、「これを図書館で借りていました」と言って見せてくれたのは数学オリンピックの問題集でした。平面図形の問題が特に好きだったので、受験終了後も難問を求めて手が伸びたのでしょう。その好奇心を中高時代も伸ばしていってください。
受験まで残り1年となった小5の年末、家族で話し合い転塾をすることに決めた。小5に上がるタイミングで東南アジアから帰国し、大手塾に通っていた長男だったが、日本語の理解でつまずいていたためである。長男は別の海外で産まれ、小学校は現地インターナショナルスクールに通っていたが、日本人としてしっかりとした国語力を身につけて欲しいという我が家の方針で、英語での受験は考えていなかった。このため帰国生サポートの経験豊かな塾を探していたところ「Kip学伸」に巡り合った。方針を伺うと、生徒の個性や学習進度に即した指導が期待できるということで、すぐにお世話になることに決めた。入塾の際、昆虫が大好きな長男には理科を学ぶことを通じて勉強の楽しさを感じてもらえれば、というアドバイスを頂き、まずは4科で受講をすることとした(同時に夏前には状況を見極め、とのアドバイスを受け、最終的には帰国生受験に特化することを選び国算2科に変更)。
転塾後、最初の模試の偏差値は40台半ば。概ね想定した通りの結果であったが、春を迎えた頃には、Kipに行く楽しさ・充実感を、長男から感じるようになっていった。話を聞いていると、最初にアドバイスを頂いた通り昆虫や算数の図形等、長男の興味のある話題を、先生方にしっかりと受け止めて頂いたばかりか、より興味を掻き立てられるような話をしてもらっているとのことだった。このため、好奇心はますます増幅され、数学や理科の国際大会に出たいという中学・高校での目標が生まれてきたことに加え、大人になってからの夢をいろいろと語り始める等、これまでになかった刺激が、本人の前向きな姿勢につながっていくことが手に取るように分かった。
初夏頃より数多くの学校の説明会にも参加。海外で生まれ育ち、インターナショナルスクールに通っていた長男が興味を持てる学校がその中にあり、明確な目標ができたことで、夏休みには受験に対する姿勢も目に見えて変わっていった。その成果もあって、秋には模試の偏差値が60台半ばまで伸ばすことができた。更には、塾での志望校対策で過去問を徹底的にこなすことに加え、傾向の近い学校の過去問も数多く取り入れ対策を頂けたことで、志望校突破に向けイメージを持てるようになり、本人も徐々に自信をつけていった。
そして、いよいよ受験本番。Kipには、当日まで熱い指導と応援を頂けたことで、広尾学園の合格を勝ち取るに至り、無事このチャレンジを終えることができた。
改めてだが、大沢先生をはじめKipの先生方にこの場をお借りし御礼申し上げたい。好奇心が湧くことに対する探究心は非常に旺盛(その逆も然り、興味が湧かないものへの執着心のなさも人一倍)、指示頂いた内容と違うことやっていてもお構いなしで自身の興味あることに一直線、といった個性豊かな長男の良い点をうまく引き出して頂く一方、成績が上下し不安で心が落ち着かない場合や、他のことに夢中で人の話は上の空になりがちな息子を、時には厳しく、そして時には暖かく受け止め指導を頂いた。
我が家にとって、中学受験は決して平坦な道ではなく、親子共々山あり谷ありの大変な長旅であったが、始める時点では想像もしなかった大きな成果を得ることができたと思っている。それは、地道な努力が成果に繋がるという体験を通じ大きな自信を得たことはもちろん、将来の目標や夢を見つけ出し、自ら次のチャレンジに向かい始めたということにある。
この成長はKipにお世話になったからこそ、引き出して頂いたものであり、長男をお願いして本当に良かった。
受験が終わった今、新たな目標に心弾ませている長男を「逞しくなったな」と、微笑ましく思うと同時に、「次はどのようなサポートをしていこうか」と中学進学を前に、親として新たな課題に頭を悩ませる今日この頃である。
2022年2月吉日
父より
受験当日の持ち物チェック(動画)
カテゴリー:中学受験2022.01.28
受験当日は思いのほか緊張してしまい、忘れ物をしてしまったり、想定外のことが起こったりするものです。そうした事態が起こっても平常心でいられるようにするには、事前にできることはしておくことがベストです。
これからの教育はどうなる?(動画)
カテゴリー:中学受験2021.09.22
ついつい自分の経験をもとに語ってしまいがちな教育方針ですが、日本をとりまく状況が大きく変わっている以上、教育も大きく変わっています。