Kip学伸のブログ



【中学受験】共学校のメリット・デメリット!

カテゴリー:中学受験2025.06.11

 以前に男子校・女子校に通うメリットとデメリットについて話をしたことがありました。今回はその流れで、中学受験で共学を選ぶメリットとデメリットについて、受験生の保護者の視点で分かりやすく説明します。

まず、近年の傾向として、共学校の人気が高まっています。AIを使って調べたところ東京都の男子校、女子校、共学校の2010年と2020年の割合は以下のようになっています。

 

 

年度 総数 男子校 女子校 共学校
2010年 435校 41校 (9.4%) 90校 (20.7%) 302校 (69.4%)
2020年 428校 33校 (7.7%) 81校 (18.9%) 310校 (72.4%)

(出典: サピックス

 

変化のポイント:

  • 男子校: 2010年の41校から2020年には33校へと、8校減少しています。
  • 女子校: 2010年の90校から2020年には81校へと、9校減少しています。
  • 共学校: 2010年の302校から2020年には310校へと、8校増加しています。

 

上記のような傾向は東京だけではなく全国的にも同様です。男子校や女子校が共学化するケースが増加しており、その背景には少子化や男女平等意識の高まりによる共学へのニーズの増加が挙げられるでしょう。実際、共学化により受験者数が増加する傾向も見られます。あるいは共学化によって偏差値が上がる傾向も見られます。

 

メリット

  1. 自然な環境で成長できる

まず、最大のメリットとしては中高の六年間、自然な環境で成長ができることが挙げられると思います。社会に出れば、基本的には異性がいる環境に身を置くことになるため、男子だけ、あるいは女子だけという環境はそれだけ特殊であると言えます。男女が同じ空間で生活することで、偏りのない自然な社会性を育むことができ、当然、異性との接し方に慣れることで、中高時代を通じてバランスの取れた成長が期待できます。男子校や女子校よりも自然な形での恋愛が育まれやすいとも言えるでしょう。

2.バランスのとれた価値観が築ける

男子校や女子校であれば、良くも悪くも「男らしさ」や「女らしさ」が強調される環境になりやすいと言えますが、男女が一緒に学ぶことで、偏ったジェンダー観にならない環境と言えるでしょう。小学生のときとは異なり、中学、高校生になるにつれ男女差というものが身体的に顕著になっていきますが、そういうときに、異なる価値観や意見を交わすことで、異性に対する理解が深まり、将来の職場や社会生活で必要なコミュニケーション能力が養われます。グループ活動などをする際に、特に男子だけ、女子だけよりは男女が混じったほうが多くの意見が飛び交うのではないでしょうか。ただし、バランスをとるのが苦手な人にとっては、バランスのとれた価値観よりも、もっと「尖った価値観」のほうが良いと感じるでしょう。

3.受験や教育方針の選択肢が広がる

何といっても共学校の方が学校の数が多いですから、学校を選ぶ際の選択肢が豊富になります。最初にお伝えしたとおり、共学校は増加の傾向ですから、選択肢はさらに増えていくのではないでしょうか。また、学校の選択だけではなく、共学であるがゆえに特定の性別をターゲットにした教育ではなく、全体的にバランスの取れたカリキュラムとなる傾向が強いと言えるでしょう。たとえば女子校では、どうしても「女子教育」が良くも悪くも強調されることが多いですが、共学はそういう偏りは少ないと言えるでしょう。

 

要するに、メリットとして挙げられることは、偏りが少なくバランスのとれた環境に身を置けるということです。

 

デメリット

  1. 学校の特色が薄れる可能性

共学は男女どちらにも対応できる教育方針を取るため、男子校や女子校のように特色が際立たない場合もあります。男子だけだから、あるいは女子だけだからできる個性あるカリキュラムやイベントがどうしても共学の場合は作りづらいという側面があります。ただし、最近はそういうジェンダーとは関連しないことで学校の特色を出す学校が増えてきていますから、今後はあまりデメリットにならないかもしれません。

2.異性とのつながりが学校生活の充実度と結びつきやすい

学校での立場を表す「スクールカースト」という言葉があります。これはおそらく共学であろうが、男子校であろうが、女子校であろうが存在すると思うのですが、共学の場合はそれが「異性からの評価」という点が大きく加わるという点で、男子校や女子校とは異なると言えるでしょう。容姿や運動能力といったことだけでなく、異性とのコミュニケーション能力が高いとスクールカーストの上位に位置づけられる傾向が高いと言えるでしょう。ただし、これ自体がデメリットかどうかは分かりません。異性とのコミュニケーションが苦手な人にとってはデメリットに映るでしょうが、そうでない人にとってはメリットになるでしょう。このあたりはお子様の個性や性格とかかわってくる話です。

 

さて、今回は共学のメリット三つとデメリット二つを挙げました。ただし、公立小学校が共学であるため、共学はスタンダードな環境と言えることもあり、男子校や女子校ほど際立ったメリットやデメリットが挙げづらいというのが正直な感想です。特にデメリットは、あまりデメリットと言えないかもしれません。

前回や前々回の話を踏まえますと、学校を選ぶヒントとしては、まずは「男子校・女子校に通いたい(通っても良い)か否か」が重要かなと思います。共学よりも特徴が際立っている可能性が高いからです。

とはいえ、今回の話もあくまでも参考にしていただく程度に考えていただき、大事なのは、「お子さんの性格を考慮する」ということです。そのうえで志望校の候補となる学校に足を運び、説明会やイベントに参加をすることで実際の雰囲気が分かり、お子さんに合う学校かどうかが見えてくるのではないでしょうか。

 

 

 

フォームの始まり

 

「塾に行かない中学受験」 ~本当に可能?戦略と注意点~

カテゴリー:中学受験2025.06.05

 

 

プライベートで私の職業が塾講師であることを伝えると、ときどき、「塾に行かずに中学受験ってできるんですか?」という質問を受けることがあります。本日はその話をしたいと思います。

結論から言えば、理屈のうえでは可能です。ただし、現実には越えなければならないハードルがいくつもあります。今日は塾に通わずに受験をすることのメリット・デメリットを整理しながら、実際のところはどうなのかについて一緒に考えてみたいと思います。お話は

①塾に行かないメリット

②家庭学習を支える道具は整っている

③ただし、現実はそう簡単ではない

④まとめ

 

の順で話をしていきます。

 

【1】塾に行かないメリット

まず、塾に行かないことのメリットについて見ていきましょう。一つ目は、経済的な負担が軽くなることです。中学受験塾は、年間で100万〜150万円ほどかかることもあります。それを自宅でまかなえるなら、大きな節約になります。塾の費用は、授業料だけではありません。以前に動画でも挙げましたが、教材費や模試代、さらには交通費や食費など思わぬ出費も多いのです。

二つ目は、家族の時間を犠牲にしなくてすむことです。
夜遅くまでの通塾、土日のテスト…塾通いは、どうしても家族全体が塾中心の生活になりますよね。それがないだけでも、生活リズムが安定します。夜遅くまでの塾通いなどさせたくない、と考えている保護者の方も意外と多いのではないでしょうか。

三つ目は、「100%自分たちの責任で進められる」という感覚が持てることです。
自分たちで計画を立てて、自分たちで子どもの理解を見ながら学習を進める。その過程自体に意味がある、と感じる方もいると思います。また、自分たちだけで受験勉強をしたのであれば、入試結果も受け入れやすいのではないでしょうか。

 

【2】家庭学習を支える道具は整っている

しかも今は、市販の教材が非常に充実しています。たとえば、みくに出版の『ウイニングステップ』など、塾に通わなくてもしっかりと中学受験対策ができるテキストも増えています。さらに、情報もネットで手に入る時代です。
学校説明会の動画、過去問、体験記、合格者インタビュー…。グーグルやYouTubeで検索すれば、たいていの情報は見つかるようになりました。

また、学習面においてもご夫婦で分担をすれば比較的楽になります。すべての科目をお母さんが見るとなるとお母さんの負担が大変ですが、たとえば、お母さんが国語や社会などの文系科目を、お父さんが算数や理科の理系科目を担当するという形で協力すれば、負担は大きく減ると思います。

 

【3】ただし、現実はそう簡単ではない

ここまで聞くと、「あ、意外とイケるんじゃない?」と思うかもしれませんが、実際はそう簡単ではありません。家庭で中学受験を完結させるのには、いくつかの大きなデメリットがあります。まずひとつ目は、情報不足です。学校ごとの出題傾向や、志望校の校風・文化は、塾に通っている子たちから自然に流れてくる情報も多く、それを家庭だけで拾うのは意外と難しいんです。あるいは、過去問も過去数年のものは手に入りますが、もっと古い物となると塾に行かないと手に入らないケースもあります。二つ目は、モチベーションの維持が難しいということ。塾に行っていれば「まわりの子ががんばっている」という空気のなかで自然とやる気が出るのですが、家庭学習ではその刺激がありません。

そして三つ目。これがいちばん大きいと思うのですが、親がイライラしがちになること。教える側にとって、子どもが分からないときに感情的になってしまう…これは本当によくあることです。特に高学年になると、思春期にも入り始めて、親子でぶつかりやすくなる時期。家庭がギスギスする危険性もあります。

また、子どもが自走できるタイプでない場合、常に親が隣で勉強を見ていなければならないことになります。これはかなり大変です。夏休みのような学校がない期間は一日中一緒にいなければなりません。

 

【4】まとめ:理屈では可能。でも、現実には難しい。

ということで、まとめです。「塾に行かずに中学受験は可能か?」と聞かれたら――理屈の上では可能。でも、現実には相当な覚悟と準備が必要、というのが正直なところです。どうしても塾の費用が厳しい…という場合は、塾と家庭学習をうまく組み合わせる方法(たとえば、必要な教科だけ通塾する、短期講習だけ参加するなど)も検討してみると良いかもしれません。大事なのは、「どのスタイルが子どもに合っているか」を見極めることです。塾に行く・行かないは、正解・不正解ではなく、その子に合うかどうかなんです。

 

ということで、今日は「塾に行かない中学受験は可能か?」というテーマでお話ししました。

 

【2025年首都圏中学受験 総括】

カテゴリー:中学受験2025.05.14

2025年首都圏中学受験

 どう変わった?5つのポイント!

 

こんにちは!今日はちょっと時間が経ってしまいましたが、「2025年の首都圏中学受験の総括」についてお話しします。今年の中学受験には、例年とは違う動きがたくさんありました。今回は、特に注目すべき5つのポイントを、具体的な学校名も交えてご紹介します!

 

  少子化なのに、受験率は過去最高水準!

2025年の首都圏中学受験者数は約6万2,200人と減少しましたが、受験率は15.2%と非常に高い水準でした。東京ではここ数年20%前後の受験率で、「中学受験をするのが当たり前」という環境が続いています。

 

「御三家」信仰が変化!学校選びが多様化

これまで男子なら「開成」、女子なら「桜蔭」といった御三家が圧倒的な人気を誇っていましたが、最近は「偏差値だけでなく校風や教育内容で選ぶ」家庭が増えています。

 

例:

  • 広尾学園 や 三田国際 のような先進的なカリキュラムを持つ学校
  • かえつ有明 のように探究型学習を重視する学校
  • 渋谷教育学園渋谷(渋渋) のようなグローバル教育

 

こうした特徴をもった学校が注目されるようになり、必ずしも「御三家一択」ではなくなっています。実際、多くの面談をしていて感じるのは、新しいタイプにまず保護者の方が反応しているということです。

 

中堅校の人気が急上昇!現実的な選択へ

2025年は、いわゆる中堅校の人気がさらに高まりました。

 

例:

  • 世田谷学園(落ち着いた校風+安定した進学実績)
  • 東京都市大学付属(理系教育+自由度の高い校風)
  • 恵泉女学園(探究・国際教育に力)

 

こうした学校は、落ち着いた校風や、無理なく大学進学を目指せる環境が評価されています。「難関校にこだわらず、確実に合格できる学校を選びたい」という、現実的な受験戦略が広がっています。加えて、難関校にない「面倒見の良さ」や一人ひとりの生徒に寄り添う校風が評価されているという側面もあるようです。

 

英語入試の拡大!グローバル志向の学校が人気

2025年は英語入試を実施する学校が113校に達しました。

代表的なのは、

 

  • 広尾学園
  • 三田国際学園
  • 開智日本橋学園
  • 文京学院大学女子
  •  

これらの学校は、英語教育に力を入れており、帰国子女や英語が得意な子にとって人気の選択肢です。英語を武器に、偏差値とは違う軸でチャレンジする受験生が増えています。小学生から英語をしっかりと習わせるという家庭が増えていますので、今後も英語入試を導入する学校は増加すると思われます。

 

受験スケジュールがより戦略的に!

2月1日の午前から始まり、午後、2日の午前午後、3日・・・という連日受験のスタイルから、2月4日・5日受験を活用する家庭が増加しました。入気には、学校側が入試日程のかぶりを避けるために後ろにずらしたことが挙げられます。


たとえば

 

  • 広尾学園小石川 東京都市大学付属 の後半日程を狙うケースも目立ちました。

 

「第一志望がダメでも、次で確実に押さえる」という計画的な受験が浸透しています。

 

 

まとめ

2025年の中学受験は、


偏差値重視から“校風・教育内容重視”へ
中堅校や英語入試を活用した多様な受験戦略が進化

 

来年以降も同様の傾向は続くといっても良いでしょう。

東大附属合格!

カテゴリー:中学受験2025.02.05

先ほどO君から東大付属合格の報告がありました!おめでとうございます!

これで三年連続東大付属合格者輩出となりました。

【中学受験】女子校のメリット・デメリット!

カテゴリー:中学受験2025.01.21

 

  前回は男子校に進学するメリットとデメリットを話しましたが、本日は女子校に通うメリット三つとデメリット二つについてお話をしてみたいと思います。ふつうに考えると男子校におけるメリットとデメリットと同じではないかと思われると思います。確かにそういう側面もありますが、最大のメリットとデメリットは男子のそれとは大きく異なるように感じますので、今日はそのあたりを中心に話をしてみたいと思います。

 

メリット

  1. 推薦枠が多い

現在の大学受験は、高校受験や中学受験と異なり、一般的な筆記による入試の割合が減っています。一般入試が減った分、総合型選抜入試や帰国子女、指定校推薦やその他の推薦入試が増えています。ということは、そうした入試に対応した学校が望まれるのは当然です。女子校の場合は、特に指定校推薦枠が充実していることが多いと言えるでしょう。伝統的な女子校は長い歴史を持ち、特に有名大学や名門女子大学とのつながりが強いことがあります。その結果、指定校推薦の枠が充実しており、生徒の進学先の選択肢が広がります。また、女子校は学習環境が整っており、大学側からの信頼も厚いことが多いため、推薦枠が維持されやすいです。卒業生の進学後の実績や大学時代の学習態度が評価されて、さらに推薦枠が増えることもあります。

そもそも私大にとって重要なことは4年間、学生が学校を辞めることがないことです。私立の女子校に通っていたとなると、経済的な問題で大学を辞める理由が低く、また成績が優秀な生徒であれば大学時代も真面目に学問に取り組むだろうということも挙げられるでしょう。こうした二点を女子校出身者はクリアしていると思われている、あるいはその確率が高いためか、評価されているのだと思います。

 

  1. 学びやすい環境

共学の学校に比べ、女子校では性別による役割分担や偏見が少なく、自由に発言や行動がしやすい環境が整っています。たとえば、男子がいないことで、理系科目やスポーツなどで活躍する女子生徒が増えやすいと言われています。また、周囲が同性ばかりのため、外見や異性との関係に対するプレッシャーが軽減され、内面的な成長に集中でき、自己肯定感が育みやすい側面があり、その結果、自分に自信を持つ生徒が多く育つ傾向があるとも言われています。

小学生の高学年の特定の男子は、おそらく特定の女子生徒にとって信じられないくらいがさつな存在です。そうしたことを感じる人にとっては、そういうがさつな人がいない環境は居心地が良いと言えるでしょう。

 

3.女子特有の活動の充実

部活動において、演劇や茶道、華道など、女子が好むとされている文化的活動が充実している学校もあります。また、運動部であっても女子だけでの活動となりますので、男子の目を気にせずのびのびと活動しやすいと思う方も多いでしょう。

 

デメリット

  1. 面倒な人間関係

小学校や幼稚園からあるような女子校に通っている生徒が共通して言うのが、「人間関係が面倒臭い」ということです。クラスメイトや友達に配慮しなければならないという点では女子の大変さは、男子とは比較にならないでしょう。特に小学校の高学年くらいからその大変さはどこにいても増してきます。女子校の場合、女子だけの環境となるため、そうした人間関係が大変になります。ただし、ピークは中3の途中くらいまでで、そこからはしだいに落ち着いてくることが多いでしょう。学年が上がるにつれ、だれが面倒な人なのかが分かるようになり、自然にそうした面倒を起こす人とは距離をとるようになり問題が発生しなくなるためです。

 

2.異性との接触が少ない

男子校同様、同性同士の環境のため異性との自然な交流が減る点が挙げられます。中高の多感な時期に異性と接する機会が少ないと、大学入学後以降、異性との距離のとり方が分からず、極端に近かったり極端に遠かったりしてしまうことがあります。恋愛をする際などに難しさを覚えることがあるかもしれません。ただし、学校以外の活動や習い事などで、コミュニケーションを図る機会は得られます。

 

3. 学校文化と合わない

同性のみという環境ですと、必然的に内輪の価値観が強まり生徒同士の関係性が密接になるぶん、トラブルが深刻化するケースがあります。また、女子校特有の「女子だけの世界」での暗黙のルールや期待が強調されることがあります。たとえば、服装や言葉遣い、振る舞いに厳しい目が向けられることがあり、同調圧力を感じる場合があります。こうしたことから、グループ内のトラブルやいじめが深刻化しやすいと言われます。特に小さなことが大きな問題に発展する場合もあります。こうした女子校で顕在化しやすい慣習や学校の雰囲気・文化などが自分に合わないと感じる場合、居心地の悪さを感じることがあるでしょう。

 

まとめ

以上、女子校のメリット・デメリットを挙げてきました。男子校同様、環境に偏りがあることでメリット・デメリットが生じますが、女子校の場合は、メリットとして推薦枠が多い点、デメリットとしては人間観関係が難しい点が挙げられるのが特徴でしょう。

とはいえ、あくまでも一般論を述べただけですので、各学校や通われている生徒の個性によって、学校はそれぞれ異なります。学校説明会や文化祭に足を運び、実際の雰囲気を感じ取ることが大切です。また、共学と女子校の両方を視野に入れ、お子さんの性格や希望に合った学校選びをすることが成功の鍵です。どちらが良いとか悪いと考えるよりは、お子さんにより合った環境探しという視点で考えられると良いと思います。大切は6年間を過ごす場所探しですから、時間をかけてそれぞれメリットとデメリットを吟味したうえで検討してみてください。

 

 

【中学受験】男子校のメリット・デメリット!

カテゴリー:中学受験2025.01.15

男の子のお子さんをもつ保護者の方にとって、私立中学受験を考えているのであれば男子校のほうが良いのか、共学のほうが良いのかで迷われるケースが多いと思います。本日は男子校に通うメリット三つとデメリット二つについてお話をしてみたいと思います。

 

メリット

  1. 男子ならではの教育環境

男子校は、男子生徒の特性に合わせた教育を行うことができる点が特徴です。たとえば、以下のような効果が期待できます:

  • 授業で積極的に発言しやすい:女子の目を気にする必要がなく、自分の意見を率直に表現しやすい環境があります。
  • 男子特有のエネルギーを活かした活動:体育祭や文化祭などで、大規模でダイナミックな活動を行う学校が多いです。

 

両極端ではありますが、たとえば「女子が怖い」という人にとっては理系に力を入れた男子校などは居心地が良いことが多いと思いますし、反対に運動や学校行事などに力を入れたいという人にとっても男子だけの環境は思い切りエネルギーを発散できる場所となるでしょう。

 

  1. 強い仲間意識と人間関係

男子校では、同性だけの環境のため友人関係が非常に深まりやすいです。

  • ライバル意識と協力のバランス:学業や部活を通じて切磋琢磨する仲間ができ、一生ものの友情を築くケースが多いです。
  • ストレートなコミュニケーション:お互いに率直に話しやすく、悩み事も相談しやすい環境があります。

 

気の置けない友達は年を取るほど作るのが難しく、多感な時期であるからこそ作りやすいと言えるでしょう。増してや男子だけの環境であれば、本音で話すことがしやすく、生涯の友達をつくるには適している環境ではないでしょうか。

 

  1. 進学実績や特色ある教育

男子校の中には、進学実績に強い学校や独自の教育方針を掲げる学校が多くあります。

  • 高い学業レベル:男子校は進学校として知られる学校が多く、大学受験を見据えた指導が充実しています。
  • 理系への進路サポート:理系志向の男子に特化したカリキュラムや、理系進学者の割合が高い学校もあります。

 

たとえば東大合格者数全国1位の開成や、灘や筑駒といった全国トップの進学校は男子校です。学校の中が男子だけであることによって学習に向き合いやすい環境を作りやすいのだと言えるでしょう。

 

 

デメリット

  1. 異性との接触が少ない

男子校では女子生徒がいないため、異性との自然な交流が減る点が挙げられます。

  • 異性とのコミュニケーション能力の不足:高校卒業後や大学進学時に、女子との付き合い方に戸惑うことがあると言われます。
  • 視野が偏る可能性:異性の意見や価値観に触れる機会が少なく、柔軟な視点が育ちにくい場合があります。

 

インフルエンサーとして有名なホリエモンこと堀江貴文さんは、久留米大学附設の中高出身なのですが、久留米大附属は当時男子校でした。彼は東大で初めて女子に「堀江君」と声をかけられたときに、緊張して顔も見ずに逃げたというエピソードがあるそうです。要は、思春期の多感な時期に異性と出会わないことによって、異性との接し方が分からないまま大学生になってしまう可能性もあるということです。

 

  1. 偏った環境での育成

英語のHomosocialという単語をご存じでしょうか。社会学用語で、男性同士の緊密な結びつきや関係性を意味します。日本の会社社会によく見られる現象で、たとえば海外で出張中の男性が数名一緒に行動し、そこに女性がいないような状況はまさにhomosocialと言えるでしょう。Homosocialな環境では、ミソジニー(女性嫌悪)やホモフォビア(同性愛嫌悪)が生じやすいと言われています。

  • 同じタイプの友人が集まりやすい:多様な価値観や考え方を知る機会が少なくなる場合があります。
  • 特定の行動や文化が強調されやすい:例えば、男子ならではの「やんちゃな雰囲気」や「競争意識」が強まりすぎるケースがあります。
  • 特定の行動様式への適応が必要:男子特有の「ノリ」や「勢い」が苦手な子どもにとってはストレスになることがあります。

 

まとめ

これらの点を踏まえると、男子校は男子生徒にとって学業面でも精神面でも多くのメリットを提供する選択肢といえます。もちろん、学校ごとに特徴が異なるため、見学や説明会を通じてお子さんに合った学校を見つけることが大切です。一方で、異性との交流不足や多様性の欠如などの課題が考えられます。

どちらが良いとか悪いと考えるよりは、お子さんにより合った環境探しという視点で考えられると良いと思います。大切は6年間を過ごす場所探しですから、時間をかけてそれぞれメリットとデメリットを吟味したうえで検討してみてください。

 

 

 

後悔しないための中学受験

カテゴリー:中学受験2024.12.18

中学受験における後悔とはそもそも何でしょうか?

パターンが三つあります。

①受験の過程で家族が疲弊してしまい受験までたどりつけなかった。

②受験はしたものの志望校に入れなかった。受験をしなければ良かった。

③受験はうまくいったが、その後まったく勉強しなくなり結果として受験をしなかったほうが良かったと思うようになった。

それぞれ事情も後悔する時期も異なるものの、結果として受験をしなければ良かったという思いにおいては同じです。

こうした後悔を避けるために重要なのは、受験勉強を始めるにあたって、まず何のための中学受験なのかを家族で話し合って明確にすることです。当然、家族で話し合うわけですから、中学受験の目的や意義を家族間で共有することになります。

受験を始めるきっかけはいくらでもあります。

・どうしても行きたい中学がある

・保護者の教育方針に合った学校に行かせたい

・公立中学は嫌だ

・大学の付属へ行かせたい

・子どもが受験をしたいと言いだした

いくらでもきっかけはあるでしょう。重要なことは、スタートするのであれば、何のために受験をするのかを家族間で共有し、保護者を含めて各自が覚悟を決めることです。いくらお金を払ってプロを雇っても、やはり一緒にいる時間が長い家族の影響力が最大です。塾に任せきりにせず、家族のサポート体制を整えて、本人の自主性に任せないようにすることです。これはとても重要なことです。もちろん、以下のような反論もあるでしょう。

・自分で受験をしたいと言いだした

・自己管理ができると言った

ごもっともです。しかし、受験をすると家族で決めたのであれば、やはり家族のサポートは必要です。小学生のお子さんだけの決意でうまくいくのであれば、中学受験がこんなに大変だと言われるはずがありません。自主性に任せてみたからこそ、多くの失望や怒りなどの声が上がるのです。ちなみに、「わが子はまだその年齢ではなかった」はサポート不足であるケースがほとんでです。自主性がないのであれば、自主性がないことを前提としたサポートを最初から構築していくことが重要です。

とはいえ、ご家庭ですべてを抱える必要はありません。最終的な判断は保護者にあるとはいえ、塾に相談できることがあれば相談したほうが良いでしょう。というよりも、後悔しない中学受験の第一歩は塾探しから始まっているといっても過言ではないでしょう。塾なしに受験をすることが、不可能とは言えないまでもあまり現実的ではないからです。

 

基本的に塾の講師は毎年何人も受験生を見ているので、うまくいったケースもそうでないケースも数多く知っているので、相談をすれば必ず何かアドバイスをくれるはずです。ここでのポイントは自分の悩みを解決することを塾がサポートしてくれるのかどうかです。

たとえば、有名中学に何名合格しました、ということを宣伝にしている塾の場合は、そうした中学校に一人でも多くの生徒を行かせることが使命です。

しかし、受験生の保護者がみな、有名中学に行ってほしいと願っているとは限りません。こうしたところで溝があると、なかなか相談しても思ったような返答がもらえなくなります。両者の思いにギャップがあるのですから当然の帰結です。ですから、相談できないと思えば、転塾を考えれば良いのです。そもそも相性というのもありますし、環境が変わることで心境が変わり、結果として学習状況が大きく変わるということがあるからです。

次に挙げられることとして、保護者が学校を調べられる限り調べたかどうかということです。受験生や保護者の中には一校しか受験しないということを宣言する人が一定数いるのですが、そういう人こそもっともっと調べたほうが良いのでは?と思ってしまいます。たとえば、受験する学校を一校に絞るのであれば、それで合格できなかったら家族でどういう思いを共有することになるのかを想像してみてください。たとえ行かないとしても、一校でも合格していた場合とそうでない場合では、受験の受け止め方も変わるでしょう。合格をもらった瞬間に考えが変わるかもしれません。そういう人もたくさん見てきました。誰も未来のことは分かりません。分からないから考えないのではなく、分からないからこそ調べるだけ調べ、そこからベストの選択を考えるのです。

特に中高6年は、大切な6年間です。そして中学受験をする人にとってはゴールのように見える中学も、大学受験をゴールに見据えると、スタート地点に過ぎないことが分かるはずです。

何となく家族の誰かが中学受験を強く希望するだけでは、うまくいきにくいものです。そのためにも、保護者や受験生本人の見栄のための受験になっていないかどうかの確認は必要です。誰かの見栄のために膨大な時間と労力を費やして受験をしてしまうと後悔する確率が高まります。

 

 

 

【中学受験】受験直前の冬期講習に気をつけること6選

カテゴリー:中学受験2024.12.14

中学受験直前の小6生が冬期講習に何を意識すれば良いのかについて話をしていきたいと思います。参考にしてみてください。

 

  1. 精神面の強化

意外に思われるかもしれませんが、小6生は秋から冬にかけてダレてくるケースが多いのです。気持ちにもムラが生じやすく、結果として最後の模試があまりよくないなんてケースも珍しくありません。夏期講習くらいから学習時間や塾での拘束時間が長くなることを考慮すればむべなるかな。こうした気持ちを一新し、受験に向けてのラストスパートをかけていくために、冬期講習で気合を入れることは非常に重要だと思います。最後は気持ちの戦いですから、気持ちで負けないことが重要です。こうした気持ちを強化することを最優先すると、やるべき学習とやらなくても良い学習が見えてくると思います。

 

2.志望校対策の強化

当然ですが、志望校の過去問を毎日進めていきましょう。2周は当然のこと、3周しても良いでしょう。何周もすると答えを覚えている問題も出てくるかもしれませんが、それが自信につながるのであればまったく問題ないと言えます。各教科で、「間違いノート」を作って間違えた問題を張り出し、直しをすることを薦めます。国語の場合、読解問題は張り出しができないので、語句や漢字の問題だけで良いでしょう。算数などノートをつくっておけば、入試直前の1週間はそのノートだけを解きなおせば良いことになります。

 

3.苦手分野の克服は最低限に

苦手分野を克服し、自信をつける!と保護者のかたは気負ってしまうかもしれませんが、苦手な単元は基礎問題だけにしましょう。そもそもここまでの段階で苦手なわけですから、最後のひと月で急にできるようになるということは期待しないほうが良いでしょう。それよりは、苦手な単元であっても、基礎の問題であればまだまだ覚えられることも多いと思いますから、そこに集中したほうが良いと思います。

 

. 生活ペースを維持する

年末年始は学校のみならず塾の授業がないことも多いので、家庭での学習ペースが乱れがちです。入試が9時に始まるのであれば、その3時間まえの6時起床が望ましいので、その習慣をつけましょう。朝早くに目覚めて、夜は早くに寝るのが良いリズム作りにつながります。冬期講習は、受験直前期の生活リズムを整えることで、集中力を保つ上で役立ちます。お薦め方法は50分の学習+10分の休憩をセットにすることです。漢字や計算といったものは朝一に取り組み、その後は過去問(4科受験の人は4教科、2科受験の人は2教科)にかかり、午後はその直し、さらに過去問を進めるのが良いでしょう。どこまで終わったら休憩という形よりも、時間で区切りましょう。

 

5.問題集を増やさない

入試が近づいてくると不安のためか、あれもこれもやらないととなり、急に問題集を買う人がいますが、あまり得策だとは思えません。それをするのであれば、これまで使用してきたテキストを復習するほうが効果的です。過去にできなかった問題ができるようになることは自信につながりますから、新しい問題に取り組むよりはこれまで取り組んできた問題をもう一度解き直してみましょう。

 

6.気分転換も

いくら受験が近いからといって一日中勉強だけに励むことは多くの小学生にとっては無理難題です。気分転換のタイミングや方法を考えるのも保護者のかたの役目です。毎日に必ず気分転換をする時間を作っていきましょう。

中学受験直前の冬期講習に気をつけること6選

カテゴリー:中学受験2024.12.11

中学受験直前の小6生が冬期講習に何を意識すれば良いのかについて話をしていきたいと思います。 

  1. 精神面の強化

意外に思われるかもしれませんが、小6生は秋から冬にかけてダレてくるケースが多いのです。気持ちにもムラが生じやすく、結果として最後の模試があまりよくないなんてケースも珍しくありません。夏期講習くらいから学習時間や塾での拘束時間が長くなることを考慮すればむべなるかな。こうした気持ちを一新し、受験に向けてのラストスパートをかけていくために、冬期講習で気合を入れることは非常に重要だと思います。最後は気持ちの戦いですから、気持ちで負けないことが重要です。こうした気持ちを強化することを最優先すると、やるべき学習とやらなくても良い学習が見えてくると思います。

 

2.志望校対策の強化

当然ですが、志望校の過去問を毎日進めていきましょう。2周は当然のこと、3周しても良いでしょう。何周もすると答えを覚えている問題も出てくるかもしれませんが、それが自信につながるのであればまったく問題ないと言えます。各教科で、「間違いノート」を作って間違えた問題を張り出し、直しをすることを薦めます。国語の場合、読解問題は張り出しができないので、語句や漢字の問題だけで良いでしょう。算数などノートをつくっておけば、入試直前の1週間はそのノートだけを解きなおせば良いことになります。

 

3.苦手分野の克服は最低限に

苦手分野を克服し、自信をつける!と保護者のかたは気負ってしまうかもしれませんが、苦手な単元は基礎問題だけにしましょう。そもそもここまでの段階で苦手なわけですから、最後のひと月で急にできるようになるということは期待しないほうが良いでしょう。それよりは、苦手な単元であっても、基礎の問題であればまだまだ覚えられることも多いと思いますから、そこに集中したほうが良いと思います。

 

. 生活ペースを維持する

年末年始は学校のみならず塾の授業がないことも多いので、家庭での学習ペースが乱れがちです。入試が9時に始まるのであれば、その3時間まえの6時起床が望ましいので、その習慣をつけましょう。朝早くに目覚めて、夜は早くに寝るのが良いリズム作りにつながります。冬期講習は、受験直前期の生活リズムを整えることで、集中力を保つ上で役立ちます。お薦め方法は50分の学習+10分の休憩をセットにすることです。漢字や計算といったものは朝一に取り組み、その後は過去問(4科受験の人は4教科、2科受験の人は2教科)にかかり、午後はその直し、さらに過去問を進めるのが良いでしょう。どこまで終わったら休憩という形よりも、時間で区切りましょう。

 

5.問題集を増やさない

入試が近づいてくると不安のためか、あれもこれもやらないととなり、急に問題集を買う人がいますが、あまり得策だとは思えません。それをするのであれば、これまで使用してきたテキストを復習するほうが効果的です。過去にできなかった問題ができるようになることは自信につながりますから、新しい問題に取り組むよりはこれまで取り組んできた問題をもう一度解き直してみましょう。

 

6.気分転換も

いくら受験が近いからといって一日中勉強だけに励むことは多くの小学生にとっては無理難題です。気分転換のタイミングや方法を考えるのも保護者のかたの役目です。毎日に必ず気分転換をする時間を作っていきましょう。

失敗しない塾選び!

カテゴリー:中学受験2024.11.03

 塾で年間に100ほどの面談をおこなっていますので、これまで多くの保護者の悩みを聞いてきました。そうした中には次のような事例がわりとあり、不思議に思っていました。

 

 一つは、小学生の低学年からずっと塾には通っているものの、転々と塾を換えている人が意外に多いこと。次に、転塾されてきた方の中には、転塾前の塾が明らかにお子さんに合っていないというケースが意外に多いこと。

 

 都市部に住まわれていれば、どこかの段階でお子さんを塾に通わせることは一般的なことだと思います。もちろん通塾期間が短い人もいれば、小学生から高3までと長い期間に渡って塾に通い続ける人もいるでしょう。多くの人にとって身近な存在である塾ですが、どうやってわが子にあった塾を探すのかを知らない人も多いのではないでしょうか。だからこそ、冒頭に挙げたような事例が多いのだと思います。

 

まず、このような事例が多い理由は、塾が合っていないからだと言えるでしょう。そこで今日は、失敗しない塾選びをするためのポイントは三つ挙げていきます。

 

 1・家庭の教育方針

まず、重要なことはお子さんに対する保護者の方の教育方針と、塾の方針が合っているかどうかということです。たとえば、今日は家族でお寿司を食べに行こうとなり、近所の回転寿司か行きつけの寿司屋に行くつもりで家を出たのに、間違えて値段の書いていない時価のお寿司屋さんに入ってしまうというようなことはあまり起こりません。家族で行く寿司屋の方針(この場合は予算)がしっかりとしているからです。

 

同じように、塾に通う場合も、保護者の方の方針と、塾の方針が合っていることが重要です。そのためには、まずご家庭での教育方針がどういったものであるかを保護者の方が考えることが重要です。中学受験をするか、しないか。する場合はどういう学校があるのか。しない場合はどういう高校があるのか。どういった大学に行ってほしいのか等々。

 

もちろん、分からないことのほうが多いでしょうから、そういったことを含めて相談できる場所が塾です。ただし、目指すべき方向が分からなければ、塾のほうでもアドバイスすることは難しいのです。典型的なのは、「先生、お薦めの学校ありますか?」です。

学校の数が二つや三つしかない場合は判断材料が少ないわけですから、まだお薦めすることができるかもしれません。しかし、東京のように選択できる学校が膨大な数になると、何か条件を絞っていただかなければ、お薦めできるかどうかも分からないのが実情です。

 

そうはいっても、受験をするかどうかが今の段階で分からないという人もいるでしょう。その場合は、現時点で分からないが、どういった条件になるかによってするかどうかが決まるのかを考えておく必要があります。ただし、「うちの子がやる気になったら受験します」ということを言われる人もいるのですが、あまり良い方針だとは思えません。保護者の方の方針が見えづらいからです。

小学生というのは、受験をする意味が分かるには早すぎます。そもそも「やる気」という曖昧なものを根拠にすること自体が、教育上あまり良いとは思えません。もちろん、お子さんのほうから「受験をしたい」と言ったことがきっかけでも良いと思います。これは「やる気」という曖昧なものではなく、お子さんの意志だからです。上の二は、同じことのように思えるかもしれませんが、まったく異なることです。お子さんが「やる」と言ったからといって、実際に行動がついてくるかどうかは分かりません。保護者の方の多くは、「やる」と言った以上、お子さんが実際に勉強をみずからすることを望むのですが、そう簡単にいくものではないのです。お子さんが「やる」と言ったことがきっかけで、受験をするという方針をとるのであれば、本人のする、しないに関わらず、受験に向けて全力で応援をするというのが保護者の方針であるということです。

 

2・塾の方針

次に重要になってくるのが塾の方針です。どんなに素晴らしい合格実績を誇っている塾であったとしても、そうした学校に進学する気のない人にとっては合った塾とは言えないからです。反対に難関校の受験を目指しているのに補習塾に通っても意味がありません。ご家庭の教育方針が決まると、おのずと合う塾かどうかは見えてきますただし、塾の方針は必ずしも明確でないことがあります。

3・塾の方針を知ることができる面談

皆さんはどうやって塾を知るのでしょうか?近所のママ友でしょうか?チラシでしょうか?グーグルマップでしょうか?それとも検索エンジンで調べるのでしょうか?

 

何で知ったにせよ、HPがありSNSを発信している塾であれば、連絡をする前にどういう塾であるかある程度分かるはずです。大手の塾であれば、HPにあまり何も書かれていなかったとしても、進学塾であるのか、補習塾であるのかなどなんとなく分かるはずです。問題は個人塾です。個人塾の場合は、なんらかの発信をしていないところは情報が足りません。その際に重要になってくるのが面談です。

 

ほとんどの塾には、面談という制度があります。まずは、入塾するかどうかの判断材料として行かれることでしょう。また通塾中も定期的に面談があると思います。塾の面談がどのようなものなのかは、塾の面談に対する姿勢によって大きく異なると思います。自塾では、新規の場合でも内部生の場合でも平均で一時間程度の面談をおこなっています。塾のよっては10分くらいで終わるところもあるらしいので、人によっては一時間も何を話すのか?と疑問に思うかもしれません。自塾の話をしますと、何らかの悩みをもっていて、そうした悩みの解決方法を検索エンジンで調べていくうちに、自塾の存在を知ったという方が多くいます。たとえば、

 

現在大手の塾に行っているが、成績が伸び悩んでいる。やる気がないわけではなく、単純に学習内容が難しいうえに進度が速い。だからついていけずに、ますます成績が下がるという負のスパイラルにはまっている。どうすれば良いのか?

 

といったご相談です。こうしたご相談に対して、自塾であればこうした解決方法をもっていますというお話をするのです。どうしたって一時間はかかります。もちろん、面談時間が長いから良いという話でもありません。当然問題はどういう話をするかだと思います。しかし、大半のケースではしっかりと話ができる時間がまずは確保されているかどうかは重要だと思います。

 

こうして、わが家の教育方針と塾の教育方針が合うかどうかがある程度分かれば、不幸な出会いは減るでしょう。もちろん、長く通塾していると最初は見えなかったダメな部分もあるかもしれませんが、少なくともまったく合っていないことはないはずです。

 

要するに、塾探しをする前に「わが家の教育方針」について考えること。それがある程度決まれば、次にそれに合った塾を探し、面談で本当に合っているかどうかを話し合ってみることが重要だということになります。

東大附属推薦入試で合格を勝ち取る4つのポイント

カテゴリー:中学受験2024.10.09

東大附属は国立の小学校で、昔から入試の倍率が高く、推薦に至っては10倍を超えるのが当たり前とされている。さらに、合格基準も明確ではないため、一般的な学校と異なり対策がしづらく、塾業界からは疎まれてきた。確かにそういう一面はあるものの、ここ10年ほどで何名か推薦合格した生徒を思い返すと、それなりに合格へのヒントがあるのではないかと思い、そのことについて語ってみたい。

 

コロナの影響で、数年前より推薦入試は、二段階入試になった。流れは下記のとおり。

 

10月末より11月頭にかけて書類を提出

 

小学校と保護者とそれぞれに作成する書類がある。

 

学校の先生には、

・報告書

・推薦書

を書いてもらう

 

保護者は、

・志願理由書・誓約書

を350字程度で書く。

 

11月の下旬に上記の書類をもとに推薦第一次合格発表が行われる。

 

合格者は、

 

・適性検査

・面接

・書類審査

 

がある。

適性検査は科目横断的なものと、作文が出題される。面接は集団面接でおこなわれ、東大附属のHPによると「他者の意見に耳を傾け、自分の意見を述べる力を重視する」とある。

 

さて、上記のなかで合否が決まるのだから、合格のヒントはこのなかにあることになる。以下、合格のための四つのポイントを語っていくが、学校がそもそも合格の基準を発表していないので、すべて独断と偏見による見解になることをあらかじめ申し上げる。

 

まず、東大附属の教育目標は以下のようなものだ。

 

 

「未来にひらく自己の確立」を掲げ、そのために「ことばの力」「論理の力」「身体・表現の力」「関係の力」「情報の力」という《5つの力》を養おうとしています。

 こうした目標・能力の実現のために、「探究的・協働的な深い学びを通して豊かな市民性を育む」ということに重点を置いて実践を積み重ねています。

 

要するに「ことば」をつかって自らを表現する力をつけていくというのが教育目標である。実際、卒業時には16,000字以上の卒論が課せられる。16,000字というのは原稿用紙に換算すると40枚以上であり、受験をひかえた高3生にとっては相当ハードルが高い卒論であることが分かる。

こうしたことを踏まえると、「書く力」が重視されるのは当然のことと思わる。そのためには、作文の対策が必須である。出題される作文の形式も昔と比べると変わってきており、最近は二つの違う意見をまとめて、それを踏まえたうえで自分の意見を書く形式が多い。そうすると、作文だけではなく要約も重要になる。当然ながら私立の受験勉強とは異なるため、それ専用の学習をしたほうが良い。作文が上手になるコツは添削をしてもらうことである。書いて直すという作業をしなければ上達はしない。しかし、反対に丁寧に書いて直すという作業を続ければ必ず文章力はアップする。

 

次に、東大附属が東大の教育学部の研究機関であることも重要な要素として考えられる。研究機関であるため、わりと個性の強い受験生が合格する確率が高いように感じられる。一般的な学校であると「学力の高い受験生」が合格する確率が高いが、東大附属の場合は、研究対象として魅力のある「個性のある受験生」をとりたいのではないだろうか。これはどちらかというと、対策でどうにかなるものではなく、生まれついての性格や資質の問題である。とはいえ、護者があまり子どもを型にはめずに、その個性を伸ばすような教育方針をもつことはできるであろう。ちなみに去年自塾で合格した生徒は、メイキャップアーティストになりたい男の子であった。彼は面接にメッシュの入った髪形で受験をしに行った。

 

保護者の書く志願理由も重要な要素の一つであろう。ここでのポイントは、東大附属の方針とわが子がいかに合っているのかをアピールすることである。また、研究機関である東大附属をサポートするという姿勢もポイントにつながるだろう。コツは具体的に書くことである。学校のどういったところに魅力を感じ、またわが子のどういったところが学校に合うのかを具体的に書くのである。塾の先生が添削をしてくれればそれがいちばん良い方法ではあるが、無理であれば夫婦間で何度も確認するのが良い。文章は推敲を練ればその分だけ練られた文章になる。

 

最後に挙げるポイントとしては、学校の先生の書類である。もちろん、先生が書くことに対しては何もできないので、それ以外のこと、たとえば委員会や学校での活動、また出席日数などについて、何かできることはあるはずだ。特に欠席や遅刻が多いと、それだけでおそらく合格は遠のく。ということは、受験を考えるのであれば4年生くらいから小学校にどういう態度で臨むべきかについても親子で話し合うほうが良いだろう。

 

以上合格のための4つのポイントについて語ってみた。上記の四つのポイントを押さえることができれば合格へ近づくであろうと思われるが、実際のところは分からない。あくまでもヒントとして考えていただければ幸いである。

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都立中高一貫校 人気に陰り なぜ?

カテゴリー:中学受験2024.09.22

以前は非常に受検倍率の高かった都立中高一貫ですが、昨年度の受検ではほとんどの学校でその倍率が下がりました。その要因を探るために、都立中高一貫の受検者数推移をグーグルで調べてみました。するとAIによる概要が以下のように出てきます。

 

  • 2019年(コロナ禍以前)の一般枠の受検倍率は4.5~6.7倍でしたが、2024年は2.5~4.5倍に低下し、4倍以下の学校が増加しました。

 

  • 2024年の都立中高一貫校10校の一般枠募集では、募集人員1,574人に対して6,009人が受検し、平均倍率は前年度比0.4ポイント減の3.82倍となりました。

 

  • 男子で一番の高倍率は両国高校附属中の4.39倍、女子は三鷹中等教育学校の5.05倍でした。

 

三つのポイントが出てきましたが、最初のものが最大のポイントで、コロナ禍を挟んでそれまで5倍前後であった都立中高一貫の受験率3倍程度になったということです。そこにはいくつかの要因が考えられるので、本日はそのことについて話をしていきたいと考えています。

 

大きく分けて二つポイントがあると思います。一つは経済的な側面、もう一つが教育観です。詳細を見ていきましょう。

 

 

  • 経済的な側面

そもそも公立中高一貫の最大の魅力は学費が安いことです。これまで私立高校授業料無償化には年910万円未満の所得層に限られていましたが、この所得制限が24年よりなくなります。そうすると、学費が安いというのが魅力ではなくなり、無理に中学受検をする必要がなくなってしまったのです。私立の高校も無償化されるとなると、これまでライバルになかった私立校と天秤にかけられるようになり、結果として受検する人が減ってしまったということです。

蛇足となりますが、東京に住んでいるお子さんをお持ちの多くの方はもちろんこういう高校の授業料無償化を喜ばれているとは思いますが、個人的にはあまり良い政策だとは思えません。ほとんど義務教育に近いといえるような高校の授業料が住んでいる都道府県によって大きく異なるというのは、公平性の観点から首をかしげざるを得ないと思うからです。

 

  • 教育観

コロナ禍が始まったときに、これまで誰も経験しなかったことというのもあり、各学校がいかに対応するかはマチマチでした。しかし、かえってそういう状況であったからこそ、保護者の目線では、頼りになる学校であるかどうかが見えたのではないでしょうか。公立の学校は中高一貫校を含めて、対応が遅かったように感じます。それに比べると私立は、オンライン授業への切り替えが早かったように感じます。もちろん各学校によって異なるので一概には言えませんが、同様の感想をもたれた方も多いのではないでしょうか。わが子を6年預けるという選択で、やはり頼りになる学校というのは大きな魅力になったのだと思います。

 

また、コロナの対応だけでなく、ここ数年新しい教育観というものがしだいに保護者の間に広がってきています。たとえば、

 

・ICTの導入

・アクティブラーニングを始めとした新しい授業

・海外研修を含めたグローバル教育の拡大

・海外大学への進学

 

といったこれまでなかった教育観を打ち出す私立の学校が増えてきました。それに比べると都立中高一貫は公立の学校ですから古い教育観がそのまま残っているように映ります。どちらが良いかというのは分かりませんが、社会が多様化しているわけですから、価値観も当然多様化していきます。偏差値の高さだけが学校の魅力ではなくなり、これからの社会を生き抜くのに、大切な6年間にわが子に何を教育してくれるのか、これまでの教育になかったものを提供してくれるのかというところまでをも保護者の方は求めているのです。その結果、公立中高一貫の魅力が下がったのではないでしょうか。

 

その他にも、学校のHPの違いもあるかもしれません。インターネットで検索するのが当たり前の今、更新を頻繁にすることは当然のことですが、中には更新があまりされていない学校も散見されます。それに加え、説明会などの頻度も私立のほうが多く、保護者の方にとって学校を知る機会がしぜんと増えるのだと考えられます。当然、認知する機会が増えれば、その分親近感も増します。

 

このようなことが原因となって、昨年度は都立中高一貫校の受検率が下がったのではないでしょうか。特にこの数年は、保護者の方が学校に求めるものが以前とは変わってきたように感じます。こうした変化に敏感になることが、人気の秘密を保つ秘訣ではないでしょうか。

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【中学受験】小6の夏期講習で成績が伸びるタイプとは?

カテゴリー:中学受験2024.08.23

夏期講習も終盤になってきました。

 

毎年、9月頭の模試や10月の模試で成績が伸びる生徒が必ずいます。これはおそらくどこの塾でもそうでしょう。しかし、一方で伸びない人もいるというのもどこでも一緒だと思います。一体成績の伸びる人と伸びない人は何が異なるのでしょうか

天王山の戦いを制するために、特に保護者の方は夏期講習で偏差値を1でも伸ばすのに必死だと思いますので、そのヒントになることがあれば幸いです。

 

ふだんから長時間の学習時間が必要とはいえ、中学受験でもっとも学習時間を確保できるのは、小6の夏休み、そう夏期講習です。この小6の夏期講習は物理的に長時間であるということだけではなく、小4や小5とは勉強に向かう気持ちも大きく異なります

 

長時間の学習時間が確保できれば、その時間を弱点補強や復習にあてることができ、結果として成績が伸びるというのはだれでも分かることです。要するに時間をうまく使えれば誰だって成績が上がるという話です。

 

ところが、実際はそうはなりません。だからといって、学習時間が大きく異なるわけでもありません。というのも、学習時間の確保は特殊な例を除いて全員に平等に与えられているからです。したがって、みんなが上手に夏を過ごすことができれば、全員学力がつくことになり、偏差値に変化は生じないことになります

 

もちろん、現実はそんなことはありません。学力差は開く一方である、というのが毎年の結果を見ての感想です。

 

差が広がる最大の理由は、長時間確保できる勉強時間をどうやって過ごしているかが大きく異なるから、というしごくシンプルな理由です。最大のポイントは集中力です。

 

自塾では小6生は週に5日、毎日6時間~8時間授業がありますが、集中して取り組めている生徒とそうでない生徒とでは取り組む姿勢が、そもそもまったく異なります。ほとんど金太郎飴のように、集中している生徒はどこの時間帯をとっても集中している一方で、集中できない生徒はいつも気が散漫の状態です。時間が長くなるため、学習の進みも2倍3倍といったものではなく、大げさではなく本当に10倍、20倍の違いが生じます。それが40日前後続くわけですから、その差はかなり大きくなります。当然、夏休み後の模試に大きな差が生じるようになるのです。

 

ところで、集中できる人とそうでない人との違いというのは、集中力があるかどうかとは実は別問題だと思います。というのも、集中できない人が必ずしも、集中力がないわけではないからです。勉強に集中して取り組めなくても、自分の好きなことであれば集中できる人は多いことは分かると思います。ゲームをすると多くの男の子はとんでもない集中力を発揮するでしょう。

 

ですから問題はそうではなく、好き・嫌いにかかわらず、しなければならないことに対して集中できるかどうかではないでしょうか。

 

このことに関しましては、長年講師として小学生とかかわってきて思うことがあります。それは、能力うんぬんとは違った気質的なことが大きくかかわっているのではないかということです。長時間にわたって集中力を発揮できる人には次の2パターンあるのではないかと思っています。もちろん、すべて当てはまるとは思いませんが、小6の夏期講習で集中力が持続して結果を出す人はおよそこのどちらかに当てはまると思っています。

 

  • 負けず嫌い

 とにかく人に負けたくない、という気持ちが強く、その気持ちですべてを乗り切る。勉強に対する集中というよりも、負けたくないという気持ちが前面に出ている。

 

  • 内弁慶

内弁慶の人は外地蔵であることが多く、塾でおとなしくしながら淡々と勉強ができる人が多い。外交的でだれとでも話せる人は、すぐに友達を作って話をするので、淡々と勉強することができない傾向が強い。内弁慶の人も家では話し相手がいるために集中して取り組めないが、外では話さない分、集中して取り組める。

過去の生徒を振り返って夏期講習で劇的に成績が伸びたのは上記の二つのどちらかのパターンが多かったと記憶します。

ただし、この二つはどちらかというと気質的なことですので変えることはできないと思っています。そういうとガッカリされる方も多いかもしれませんが、これはあくまでも小学6年生の話です。高校受験や大学受験では話がまた変わってきます。また、今お話した二つの気質に当てはまらない場合でも、成績が伸びる人はいると思いますので、諦めることなくできることをしていきましょう。

入試後だからこそできること

カテゴリー:中学受験2024.03.07

入試が終わりました。志望校に合格した人、残念ながらあと一歩届かなかった人、それぞれ結果を受けとめていると思います。

いつまでも喜びや悲しみにひたっていられませんから、気持ちを切り替えて次に進むことは重要ですが、せっかくですので、この時期に入試を含めた受験勉強の過程を一度振り返ることをしてみることをお勧めします。

 

その理由をいくつか挙げてみましょう。

  • 入試というのは本気を出さなければならない。そのうえで結果が出る。だからこそ自分の性格、特に弱いところが出るので、そういう自分の弱点と向き合える良い機会。
  • そもそも、人間というのは、失敗の原因を掘り下げていくと、およそ同じ原因にいきつく。ゆえに、その原因の根本と向き合うことができれば、同じ失敗はしないようになる。

 

要するに普段であればごまかせるような弱い部分があっても、勝負のときにはその弱さが全面的に出るのです。だからこそ、入試直後というのは、その弱さと向き合う良い機会ではないかと思うのです。

たとえば、入試がうまくいかなった人を考えてみましょう。その失敗の原因にはどういうものがあるのか、いくつか挙げてみます。

 A 惜敗のケース

志望校に合格はできなかったものの、かなりおしいところでの勝負となった。あと少しで合格できたであろうケース。こうした場合は、受験態勢に入るのが遅かったことや、詰めの甘さなどが原因であることが多い。往々にして情報不足の状態で始めたということが原因になっていたことが多いので、次は情報収集を早い段階からすることで、同じ過ちをせずにすむ。

また、反省とともに自分の強みも分かったはずなので、何が自分の強みなのか(本番に強いとか、根性があるとか、スイッチが入ると別人になれるとか)を分析できているとなお、次の機会にいかせるようになる。

 

B 惨敗のケース

志望校に合格できず、滑り止めと思っていた学校にも落ちた場合。こういうケースの場合は、自分の学力を客観的に見ることができていないことが多い。「何とかなるだろう」「自分なら受かるだろう」と楽観的に考えている。「自分ならできる」と自分を信じることは重要だが、一方で自分の学力と志望校との距離を冷静に見ることのできる客観的な視点も重要。そもそも保護者のほうでも、志望校が高い方がモチベーションに繋がると思い込み、家族で暴走していなかったかどうかの確認が必要。

また、この惨敗のケースは、プライドの高さゆえに高めの学校ばかりを狙うということも多い。このケースの場合は、自分の性格を(つらいことではあるが)分析することが次につながる。学習の仕方や塾云々よりも、なぜ自分がこの志望校を選んだのかについて深く考えることが重要実の自分と、自分が思っている自分の乖離が大きいと、何をしてもいつも同じ失敗になりやすいので要注意。

 

C 学力が伸びなかったケース

受験期に猛勉強をしたにもかかわらず、思ったほど学力が伸びなった人は、何が原因で伸びなかったのかを考えるべき。

たとえば、

・学習の要領が悪い

要領の悪い学習方法の場合は、終わらせた参考書やテキストが少ない場合が多い。どれくらいの      量のテキストを終わらせたのかを数えてみて、他の受験生と比較をしてみれば良い。また、要領が悪い人の場合は、分からない問題の対処の仕方もよくないケースが多く、極端な例では、置したり、あるいは反対にすべて先生に聞こうとしたりする。暗記系は、時間をかけずに自分ですぐに覚え、解答解説を見ても分からない問題のみを先生に聞くなどする。成績の良い人をまねると良い。

・心が弱い

途中で気持ちが折れていた。この場合は、自分が強くなるか、自分の弱さを受け入れ、弱いなりにできることを考える。最悪なのは、弱い自分という自覚がないこと。弱い自分が受け入れられないと言い訳ばかりを言うようになり、他責思考になる。

 

 

D 頼れる人がいなかったケース

受験は最後には一人になるとはいえ、一人で過酷な受験を乗り越えることは難しい。であるからこそ、周りの協力が重要。学校や塾の先生だれか一人でも良いので、本心から相談ができるようにしておく。あるいはその反対に、本当のことを言ってくれる人を探すこと。それができないと、自分のことが客観的に見られなくなることが多い。予備校や塾に通えない人は、今はYouTubeもあるので心の支えを見つけておく。頼れる人がいない状態で受験をし、うまくいかなかった人は、どうすれば人に頼れるのかを次の課題として考える。

 

分析をしていけばもっともっと出てくると思いますが、受験がうまくいった人もそうでなかった人も、受験というものを通して、自分の強みや弱みを冷静に見つめて次のときにその分析をいかせるようにすれば、次はもっと良い結果にめぐまれると思います。

 

 

【合格体験記】東大附属推薦合格

カテゴリー:ブログ2024.02.16

個性で勝負!

 

昨年度東大付属に推薦で合格したO君は、とても個性的な男の子でした。

将来は、メイクで人を幸せにしたいと言っていました。

最近、自宅にこもってふさぎこんでいるというおばあちゃんの家に行って、メイクを施してあげると、おばあちゃんの顔に笑顔が戻ったと書いた作文は印象に残りました。自分でもメイクをし、お母さんの話によると、コスメ関連はお母さんよりもずっと詳しいそうです。

そんな彼がkip学伸に入塾したのは5年生の秋とかなり遅めでした。ただ、入塾当初からマックスで塾に通い、ものすごいスピードで後れを取り戻していき、最終的には通常カリキュラムに追いついたので、短期間で相当の努力をしたのは事実です。

作文は、目の付け所の良いものが多く、切り込む視点も一風変わっているため、それが彼の個性となってより印象に残りました

推薦入試前にはお母様が書いた推薦書の添削を数回行い、彼の個性を押さえつけることなく伸ばしてくれそうな東大付属にと志望理由を書きました。添削されるのを嫌がる保護者の方が多い中、積極的に提出していただきました。

推薦入試日も、いつもどおりに長髪の中にメッシュの入った髪形で受験をし、見事に合格をいただきました。

入試当日だからといって、彼の表現である髪形を変えることもなく、堂々と自分を出せた彼の勝利です。

 

おめでとうございます!

 

【中学受験】成城学園合格!

カテゴリー:中学受験2024.02.03

Hさんから成城学園合格の連絡がありました!

おめでとうございます!!

模試では厳しい判定ばかりだったので、見事な逆転合格です。

本当におめでとう♪

【中学受験】工学院大学付属中学合格!

カテゴリー:中学受験2024.02.01

R君から工学院大学付属中学合格の合格の連絡が届きました!

おめでとうございます!!

お母様も一安心!

【中学受験】多摩大聖ヶ丘中学合格!

カテゴリー:中学受験2024.02.01

先ほど、Mさんより多摩大付属聖ヶ丘中学に合格しましたと報告がありました。おめでとうございます!!

お母様もお疲れさまでした!

【中学受験】学校選びのヒント!

カテゴリー:中学受験2024.01.21

中学受験で学校を選ぶとなりますと、みなさんは何を基準にされるでしょうか?多くの方は、志望する学校の偏差値や進学実績それから当然通学時間、それに加えて学費なんかを参考にされるのではないでしょうか。

 

今挙げたようなものは、基本的に調べればすぐに分かることですので、今日はそうしたこととは少し違って視点で学校選びについて話をしたいと思います。

 

そもそも義務教育である中学にわざわざ高い学費を払って行かせる意味とは何でしょうか?もちろん、答えは一つではなく、各家庭で違ったものとなるでしょう。しかし、究極的に言えば、それは「より良い環境でわが子を学ばせる」という一言につきないでしょうか?

 

たとえば、多くの人にとって学校選びの基準となる偏差値や進学実績というのは、「良い環境」の定義にあてはまるとも言えるでしょう。そして、十代という人生の黄金期に、より良い環境で学ぶことで、わが子が社会に出たときに活躍する人材となることを考えられていると思います。

 

ただ、現在は社会が激変しています。とりわけ日本の凋落が言われるようになって久しく、何かを変えなければいけないとずっと言われ続けています。こういう時代ですと、教育において何が正解なのかは分かりづらいですが、だからこそ保護者の方に考えていただくことが重要であると思うのです。

 

大雑把な話をしますと、昭和から平成の時代は、日本は欧米を目指していました。「追いつけ、追い越せ」の精神です。こうした場合は、前を走っている欧米に正解がありますので、その正解を参考にしてきました。そうした社会を反映して、その結果として、我々の教育が作られてきました。入試はその一つです。

 

しかし、気づけば日本の地位は国際的に下がっており、浮上する気配はまだまだ見られません。何とかしなければならないとは言われていますが、どうなるかは誰にも分かりません。日本を取り巻く環境が今後どうなっていくのかは分かりませんが、一方でおそらくこのような変化は生じるであろうと分かることもあります。

 

たとえば、今後の社会は、デジタル化が進みAIの性能がますます上がっていくことが必至です。そうしますと、人間に求められるのは当然AIにできないことになりますので、「コミュニケーション力や行動力」が求められるでしょう。

 

また、グローバル化が進めば当然社会も多様化し、その結果としてこれまでにはなかった問題もたくさん出てくるでしょう。それらに対する解決方法は一つとは限りません。何が正解であるかというより、どうやって他の人に納得してもらえる答えを提示できるかというのが重要になるでしょう。

 

こうした社会の変化に対して学校は何をわが子に教育してくれるのだろうか?という視点で、学校選択をすることはできるはずです。

 

コミュニケーション力や行動力といったものを育てる教育は、これまであまり重視されてきませんでしたが、今後は変わってくるでしょう。学校はそれに対してどういうカリキュラムを用意してくれるでしょうか?

 

あるいは、答えが一つとは限らない問題に対して、どうやって粘り強く答えを出していくのか。こうした課題解決型の学習をどうやっておこなっていくのか

 

グローバル社会における多様性や異文化理解をどうやって育むのか?

 

昔と同じようにただただ先生が、教場で生徒に知識を伝えるだけでは上記のような能力は育まれないでしょう。だからといって、「これが正解」というものがあるわけでもありません。だからこそ、学校の個性も見える時代になったとも言えるのではないでしょうか。

 

このように、今後起こるであろう社会的な変化を考慮して、そうした変化に学校がどう向き合っているのかという姿勢を見るだけでも、大学進学実績や偏差値だけではない学校選びが見えてくると思います。

 

そのためには、当然保護者の方の社会に対する考え方や学校に求めるものというのが軸としてあることが求められます。