Kip学伸のブログ



2027年度中学受験  安全志向が止まらない理由

カテゴリー:中学受験2026.07.07

 

みなさん、こんにちは。本日は「2027年度中学受験、”安全志向”が止まらない理由」

というテーマで話をしていきたいと思います。

 

「うちは無理に難関校を狙わず、合格できそうな学校を第一志望にします」

 

おそらくここ10年くらいでしょうか、こういう方針の保護者がすごく増えています。何となく中学受験のイメージも変わってきたと思いますが、それに比例するように、最初から偏差値の高い学校を狙わない人が増えてきました。

 

ただし、ここで立ち止まって考えていただきたい。

 

その「安全志向」は本当に安全なのでしょうか

 

今日はこの問いを軸に、2027年度中学受験で起きていることをじっくり解説します。

 

 本編①:まず「昔の中学受験」の常識を振り返る

 

話の出発点として、ひと昔前の中学受験がどういうものだったかを振り返ってみましょう。

 

かつての中学受験、特に首都圏では、こういう構図がありました。

 

「目標は御三家。しかし、現実は厳しいから、少し下の学校を受ける」

 

御三家、つまり開成・麻布・武蔵(男子)、桜蔭・女子学院・雙葉(女子)といったトップ校を目標に据えて勉強する。あるいはそれらの学校を狙う。しかし、実際の合格可能性は低い、あるいはそこまで届かないから、本番では偏差値的に少し下の学校を受ける。

 

これがいわば「標準的な受験ストーリー」でした。

 

要するに、目線は高いところに置いたまま、現実とのバランスをとって着地するパターンです。チャレンジ精神が前提にあって、そこから現実に合わせていくイメージですね。

 

この時代、中学受験をする家庭はまだ少数派で、参加する家庭のほとんどは「難関校を狙う意欲のある層」でした。だからこそ、全体的に「上を目指す」文化が根付いていたのです。ですから、中学受験=勉強ができるというイメージがあったのだと思います。

 

 

本編②:受験人口が増えて何が変わったか

 

ところが、首都圏の中学受験率はここ10〜15年で大きく上昇しました。いまや東京都内の小6生の約3人に1人が中学受験をすると言われています。

 

これだけ裾野が広がると、参加者の層が変わります。昔は「意識の高い一部の家庭」が中心でしたが、今は「とりあえず公立じゃない方がいいかな」「せっかく塾に通っているから受けてみよう」という、ある意味ライトな動機で参入する家庭が増えています。さらに、受験する割合が増えてきますと、「友達が受験するから自分も受験したい」というお子さんも増えてきます。

 

この層に共通しているのは、「御三家を目指すつもりはそもそもない」という姿勢です。

 

昔のように「上を目指して、現実に合わせて着地する」のではなく、最初から「手が届く範囲」を第一志望に設定する。

 

これが今の安全志向の本質です。

 

昔の受験生が「御三家を狙って、落としどころとして偏差値60台の学校を受ける」としたら、今の受験生は「最初から偏差値55〜60の学校を本命として狙う」。要するに、出発点が違ってきているのです。

 

本編③:安全志向の受験生は、具体的にどこを狙うのか

 

では、安全志向の保護者が今どこを狙っているのか。大きく2つのパターンがあります。

 

パターンA:MARCHレベルの大学附属・準附属校

 

まず人気が急上昇しているのが、MARCHレベルの大学附属・準附属校です。

 

明治・青山学院・立教・中央・法政、いわゆるMARCH。これらの大学の附属・系列中学は、「中学受験で入れれば、大学までのレールが敷かれる」という安心感から、今非常に人気があります。

 

具体的な学校を挙げると——

 

中央大学附属横浜中学校(神奈川)は、中央大学への内部進学枠を持ちながら、他大学への受験も可能という「いいとこ取り」の設計が評価されています。「最悪MARCHに行ける、でも頑張れば早慶も狙える」という保険的な発想で選ぶ家庭が増えています。

 

法政大学第二中学校(神奈川)も同様で、大学附属でありながら面倒見のよさと通いやすさが評価され、「6年間見通せる安心感」を求める家庭の人気を集めています。

 

これらの学校は、御三家のように偏差値70超は要求されません。四谷大塚の合不合判定テスト・Aライン80偏差値(合格可能性80%に必要な偏差値)で見ると、開成が71桜蔭が70。それに対して中央大学附属横浜は59、法政大学第二は58です。10ポイント以上の開きがあります。「御三家よりワンランク、ツーランク下げた現実的な目標」として映るわけです。

 

※偏差値の数字は模試によって大きく異なります。今お伝えしたのは四谷大塚基準ですので、お子さんが通われている塾の模試と見比べる際はご注意ください。

 

パターンB:「入口は易しく、出口が良い」学校

 

もう一つのパターンが、附属ではないけれど、「進学実績がよくて、かつ入試の難易度が比較的低め」な学校を狙うケースです。いわゆる「コスパのいい学校」という選び方ですね。

 

栄東中学校(埼玉)はその代表格です。1月入試で受けられるという地の利もあり、首都圏全域から受験生が集まります。偏差値的にはそこまで高くないのに、東大・早慶への進学実績が出ていて、「入口と出口のギャップが大きい学校」として注目されています。

 

芝浦工業大学柏中学校(千葉)は、理系に強く、大学推薦枠も活用しやすい。「将来理系に進ませたいけど、無理に難関校を目指さなくていい」という家庭にとって魅力的な選択肢になっています。

 

この2パターンに共通しているのは、「御三家という高い目標から逆算するのではなく、最初から「確実に届く、かつ納得できる学校」を探す」という発想の転換です。

 

本編④:なぜ今この発想が広がっているのか

 

この安全志向が広がる背景には、いくつかの要因があります。

 

一つはコスト意識です。小4から始まる塾費用は3年間で200〜300万円にのぼることもある。これだけ投資して不合格では、という心理が「確実に受かる学校を選ぶ」方向に働きます。

 

もう一つは「偏差値至上主義」の崩れです。かつては「偏差値が高い学校=いい学校」という価値観が支配的でしたが、今は「面倒見がいい」「大学実績が安定している」「推薦・総合型に強い」「通学しやすい」といった軸で学校を選ぶ保護者が増えています。

 

偏差値という「縦の物差し」から、「うちの子に合っているか」という「横の物差し」への転換。これが、安全志向と良い学校を選ぶことが矛盾しない時代を作っています。

 

そしてSNSの影響も無視できません。「チャレンジ校を受けて全滅した」「偏差値60あったのに不合格だった」——こうした失敗の情報がリアルタイムで流れてくる。成功の情報より失敗の情報に人間は強く反応しますから、じわじわと「安全策をとらないと」という心理が広がっていくわけです。

 

本編⑤:ここが落とし穴——「安全校」は本当に安全か

 

さて、ここからが今日もっともお伝えしたいことです。「安全だと思って選んだ学校が、実は全然安全じゃなかった」

 

これが今、静かに起きている問題です。

 

先ほど紹介したような、MARCHレベルの附属校や「入口易しく出口よい」学校。これらは確かに御三家よりは偏差値が低いと言えます。しかし、同じことを考える家庭が一気に増えた結果、受験生が集中して倍率が上がり、難化しているんです。

 

中央大学附属横浜も、法政大学第二も、栄東も——数年前と比べて合格難易度は上がっています。

 

「去年の偏差値データを見て、うちの子なら余裕で合格できると思っていた。でも実際は不合格だった」

 

こういうケースが増えています。

 

さらに構造的な問題もあります。安全志向の受験生が「確実に受かる学校」として同じゾーンの学校に集中すると、そのゾーン全体の倍率が上がります。すると「安全」のラインがどんどん上にずれていく。追いかければ追いかけるほど、安全地帯が遠くなっていく、というパラドックスが生まれるのです

 

さらに言えば、塾の偏差値データには必ずタイムラグがあります。昨年・一昨年の入試結果をもとに出されているデータが、来年の受験に適用されている。その間に人気が急上昇した学校は、データよりも実際の入試が難しくなっている可能性が高い。

 

つまり、「この偏差値なら合格圏」という判断が、すでに古い情報に基づいているかもしれないのです。

 

そしてもっとも大きな要因としては、実は中学受験の偏差値は低めに出るということです。たとえば、ご両親が中学受験をしていない場合は、偏差値の感覚が大学受験だったり、高校受験だったりします。

高校受験の偏差値は数値が高くでやすく、先ほど挙げた四谷大塚の中学受験とは同じ50でもまったくレベルの違う話になってきます。そうした前提を知らずに、「中堅校」と思って、受験を始める方が多いのですが、実際は中学受験の偏差値50がいかに大変なことかを、塾に入ってから知るようになっていきます。

 

 

本編⑥:では保護者はどう動けばいいか

 

こういう状況を踏まえて、保護者の方に意識してほしいことを3つお伝えします。

 

① 志望校の「最新の倍率・難易度トレンド」を必ず確認する

 

塾の偏差値表だけを見て安心しないこと。学校説明会や塾の個別面談で、「この学校、ここ2〜3年で難易度は上がっていますか?」と直接聞くのが一番確実です。

 

② 「安全校」にも複数校受けるプランを立てる

 

安全圏だと思っていた学校が不合格になることは、十分ありえます。「ここは絶対受かる」という前提でスケジュールを組むのは危険です。同じ偏差値帯でも複数校受けて、リスクを分散させましょう。

 

③ 「安全志向=楽な受験」ではないと理解する

 

御三家を目指さないからといって、勉強の手を抜いていいわけではありません。安全圏の学校も、きちんとした準備をしなければ受からない時代になっています。「目標を下げた分だけ楽になる」は今や幻想です。まずは、お子さんの実力を測ってみることをお勧めします。スタート地点を知ることでゴールの設定もしやすくなるでしょう。

 

まとめ・エンディング

 

今日お伝えしたことを整理します。

 

昔の中学受験は「御三家を目指して、現実に合わせて着地する」のが標準でした。

 

受験人口が増えた今は、最初から御三家を目指さず、MARCHレベルの附属校やコスパのいい学校を本命にする安全志向の受験が主流になりつつある。

 

でも、同じことを考える家庭が一斉に集まった結果、その安全校が安全ではなくなってきている。

 

「安全志向」という言葉に安心してはいけません。どの学校を選ぶにしても、最新の難易度トレンドをきちんと把握して、しっかりした準備をすることが不可欠です。

 

受験は「どの学校を選ぶか」ではなく、「選んだ学校に合格できるだけの準備ができているか」で決まります。

 

志望校選びの参考にしてみてください。

 

 

中学受験 スポーツとの両立は可能なのか?

カテゴリー:ブログ2026.05.31

本日のテーマは、中学受験を考えているご家庭から本当によく相談される話題です。それは、スポーツと受験の両立についてです。小学校時代に勉強だけをすればよいと考えている保護者の方は実際のところ少ないはずです。勉学に励むだけではなく、スポーツをとおして、健全な肉体も同時に育成したいと考えられている方は多いでしょう。また、中学校以降のことを考えたときに、せっかく小学校のときに始めたスポーツなのだから、中学以降も続けてほしい、あるいはご本人が続けたいという意志を持っているというご家庭も多いでしょう。

 

本日はこのテーマについて、耳の痛いこともはっきりお伝えしながら、現実的な考え方をお話ししていきます。結論から言うと、「両立できる場合」と「できない場合」がはっきり分かれます。そしてその分かれ目は、お子さんのスポーツへの向き合い方によって決まります。今日の動画を最後まで見ていただくと、ご家庭の判断がかなりクリアになると思います。

 

【第1章】まず現実を知ってほしい

スポーツをしながら受験している人の現状

スポーツと受験の両立が「うまくいっているケース」は、思っているよりずっと少ないです。特に学年が上がるにつれて、両立は難しくなります。勉強は当然大変になってきますので、片手間でできるということはありません。またスポーツのほうでも団体スポーツであれば、責任ある立場になってくるので自分の一人の都合で練習を休むことも難しくなるでしょう。土日の試合や練習で、塾の授業を休む。平日も練習で帰宅が夜7時、8時になる。宿題すらままならない。6年生になっても「引退できない」「大事な試合がある」と、勉強に本腰が入らない。そして最終的に、「もう少し早く切り替えていれば…」と後悔するご家庭は毎年たくさんあるはずです。

 

なぜ「両立できている」と思いがちなのか

保護者の方がよくおっしゃるのが、「知り合いが両立できていると聞きました」というお話です。なるほど、知り合いの人にできあるのであれば、わが子ができない理由などありません。しかし、冷静に考えてみてください。その人は、もともとの学力が高かったかもしれない。スポーツの活動量が実は少なかったかもしれない。志望校のレベルを下げて調整していたかもしれない。うまくいった話は表に出やすく、うまくいかなかった話は出にくい。これが現実です。現実問題として、学受験との両立は、かなり難しいことを覚悟してください

【第2章】「志望校の部活に入りたい」

もっともよくある、そしてもっとも危険な動機

「○○中学の野球部に入りたいから、○○中学を受験したい」この動機、一見すごく前向きに聞こえます。目標があって素晴らしい、と思いたいところです。でも、ここには大きな落とし穴があります。特に、スポーツの強豪校を目指す場合には。

野球の強豪校を例に考えてみましょう

仮に、野球の強豪として知られる中高一貫校に入学したとします。中学では確かに部に入れます。練習もできます。試合にも出られるかもしれない。しかし、高校に上がるタイミングで何が起きるか、ご存知でしょうか。

多くの強豪校では、高校の野球部は、監督推薦で外部からスカウトされた選手が中心になります。つまり、中学から内部で頑張ってきた人たちよりも、外から来た有望選手が優先的にレギュラーになる構造になっています。これは野球に限りません。サッカーでも、バスケでも、本気で全国を目指しているような強豪校では同じ構造になっています。

 

お子さんはそれでもいいですか?

「その学校の部活でやりたい」という動機で入学して、高校では外部からきた子にレギュラーを取られる。もちろんそれでも頑張る人はいます。しかし、多くの場合はモチベーションが大きく下がります。しかも受験勉強を頑張って入った学校で、そういう現実に直面する。保護者の方には、志望校の部活の在り方を入試前にきちんと調べることを強くお勧めします。学校説明会で直接聞いてみてください。「内部進学の生徒はレギュラーになれますか?」と。その答え方で、かなりのことがわかります。

 

【第3章】では、どう判断すればいいのか

まず問うべき1つの問い

お子さんのスポーツへの向き合い方を、まず正直に見てみてください。「このスポーツで本気でやっていきたいのか、それとも楽しみとしてやっているのか」これを、お子さん自身に問うのではなく、まず保護者の方が客観的に見て判断してください。子どもは「やめたくない」と言いがちです。でもそれは「本気でその道を極めたい」という意味ではなく、「今の仲間や環境が好き」という意味であることが多いのです。

 

本気でスポーツを続けていくなら

もし本当にスポーツで上を目指したいのであれば、スポーツで推薦が取れる学校を目指すルートや、受験よりもスポーツのキャリアを優先するという選択肢も、しっかり視野に入れてあげてほしいと思います。受験をやめると、基本的には公立中学に進むことになります。そして今、特に野球やサッカーといった競技では、部活動よりもクラブチームに所属するのが主流になっています。本気でスポーツをやっていく子は、ほぼクラブチームに入ることになるでしょう。

クラブチームに入ると何が起きるか。高校進学は、監督推薦で決まることがほとんどです。これは一見、進路が保障されているように見えますが、裏を返すと途中でやめることが非常に難しくなるということでもあります。怪我をした、モチベーションが下がった、別のことに興味が出てきた——そういった場合でも、簡単には退団できない。そういう状況に追い込まれるケースが少なくありません。

さらに、スポーツ推薦で高校に入学した場合、一般の生徒とはカリキュラムが異なることが多く、学業に力を入れることが構造的に難しい環境になりがちです。スポーツで大学まで進めれば問題ないかもしれませんが、そのキャリアが途切れたときに、学力という武器がない状態になってしまうリスクも考えておく必要があります。

つまり「スポーツを選ぶ」というのは、聞こえはシンプルですが、その後の進路がスポーツの結果に大きく左右される人生を選ぶということでもあります。しかもそれが、場合によっては小学校のときの選択で決まってくるのです。お子さんとご家族で、そこまで覚悟して話し合えているかどうか、ぜひ確認してみてください。

 

楽しみ・趣味としてやっているなら

ここが今日のメインメッセージです。趣味・楽しみとしてスポーツをやっているお子さんであれば、小学5年生の夏を一つの目安にしてください。できれば小5の夏までに、今の活動ペースを終わらせることをお勧めします。チームスポーツであれば、区切りをつけて退団する。個人競技であれば、大きな大会に一区切りをつける。そして受験が終わるまでの間は——目安として週1回程度の活動にとどめることを勧めます。

 

 

【第4章】「週1回」という選択肢について

やめさせることへの罪悪感

「やめさせるのがかわいそう」というお気持ち、よくわかります。特にチームスポーツは仲間との絆もありますし、急にやめると子どもが傷つくかもしれない。でも週1回というのは、「完全にやめる」ではありません。つながりは保ちながら、受験に集中できる環境を作る、という現実的な妥協点です。

週1回のメリット

気分転換ができる。体を動かす習慣が維持できる。仲間との関係が切れない。「頑張れば戻れる」というモチベーションになる。受験が終わった後に、また本格的に再開すればいい。そういう人も実際にいます。

大事なのは「仕組みを作ること」

週1回にする、と決めたら、それ以外の日は勉強の環境を整えることがセットです。スポーツを減らしただけで、空いた時間をだらだら過ごしていては意味がありません。塾のスケジュールと合わせて、勉強の「型」を作ることが大切です。

 

【まとめ】

今日のポイントを整理します。

① スポーツと受験の両立は、思っているよりうまくいかないケースが多い

② 「志望校の部活に入りたい」という動機には要注意。強豪校では内部生がレギュラーになれない構造がある

③ 本気でスポーツを続けたいなら、受験との両立より別のルートを検討する

④ 楽しみ・趣味として続けているなら、小5の夏を目安に活動量を落とし、受験期間中は週1程度に

 

スポーツを頑張っているお子さんを見ていると、本当にやめさせたくない気持ちになります。しかし、中学受験という選択をするからには、どこかで「選ぶ」ことが必要です。

その「選ぶ」という経験自体が、お子さんにとっての大きな成長になるのではないでしょうか。

 

 

首都圏模試(ONETES)偏差値53以下の学校リスト

カテゴリー:中学受験2026.05.26

千歳船橋駅から電車・乗換1回以内の概算所要時間(待ち時間・徒歩除く)1時間以内の学校リストです。

掲載校はONETESアップロードファイルに登場する私立学校のみです。

 

※偏差値は最高値→最低値の幅で記載。入試回・年度により変動しますので、必ず各校公式サイトでご確認ください。

 

 

 

塾なしで中学受験は可能?AI時代のリアル

カテゴリー:中学受験2026.04.19

昨年くらいから、生成AIの普及が加速して多くの人が使うようになりました。もちろん、教育現場でもその使用頻度は高まるばかりです。この記事をご覧になってくださる多くの方も、日常的に使用されているでしょう。そうしますと、当然このような疑問がわきませんか?

それは、「塾に行かなくても、中学受験ができるかどうか」ということです。

というのも、AIは、問題の解説を何度でもしてくれるうえに、質問にも答えてくれる。場合によっては記述の添削までしてくれる。そうなると、当然、「もしかして、塾はこれからいらないんじゃないか?」と思う方が増えるでしょう。

今日はこの問いに対して、考えていきたいと思います。

 

まず結論から言います。塾なしで中学受験は、可能です。ただし、ほとんどの家庭にはおすすめしません。というのも、中学受験は「勉強ができるかどうか」(地頭が良いかどうか)の問題ではなくて、設計と管理ができるかどうか」の問題だからです

ここから、その理由を具体的に説明していきます。

 

■ AIで何が変わったのか

まず前提として、AIによって何が変わったのかを知っておきましょう。

たとえば、AI前は、

・分からない問題があったらそのまま止まる
・解説が分かりにくい
・質問できる環境が限られている

 

つまり、教えてもらえるかどうか」が大きな差であったといえます。ところが、今は違います。AIを使えば、

・その場で質問できる
・分かるまで説明してくれる
・別解も出してくれる

 

つまり、「教える機能」は、ほぼ誰でも手に入る時代になったということで、これはかなり革命的です。たとえば、理科の学習をしていると、テキストには書かれていないことでの疑問はたくさん出てくるはずです。たとえば、昆虫の単元を学べばきっと多くの小学生は次のような疑問を抱くはずです。

「昆虫はどうしてあんなに小さいのに力が強いの?」

理科の教科書では、昆虫の体の仕組みの説明はありますが、なぜそのような形になったのかの説明はほとんどありません。こうした疑問もAIを使えば一瞬で解決します。

 

■ ではなぜ塾がなくならないのか

そうすると、当然、「もう塾は必要ないのではないか」という疑問が出てきますよね。ところが、実際はそうなっていません。なぜでしょうか?

それは――塾の本質は「教えること」ではないからです。塾がやっていることは、大きく4つあります。

・カリキュラム設計
・ペース管理
・モチベーション管理
・情報提供

つまり、塾は「勉強の仕組み」を提供しているのです。AIは確かに優秀です。しかし、

「毎日どうやって勉強をさせるか」
「この子に今必要なレベルはどこか」
「どの順番でやるべきか」

こういう 戦略と管理の部分は、まだ人間の領域なのです。

 

■ 塾なしで成功する家庭の条件

とはいえ、塾なしでもきっと中学受験で成功するご家庭はあるでしょう。

 

親がカリキュラムを組める
学習の進捗を管理できる
子どものモチベーションを維持できる

 

上記三つができるようでしたら、うまくいくと思います。ただし、これらは、かなり難易度が高いです。

 

たとえば、

・どの教材を使うか
・いつまでに何を終わらせるか
・志望校に対して今の位置はどこか

 

これらをすべて判断し続けるには、多くの経験が必要です。たとえば、AIは日本全国の中学校の偏差値や、合格した生徒像を説明することはできると思いますが、目の前にいる生徒を叱咤激励しながら勉強をさせ続けることはできません。また、親が子を叱ると、基本的には親子喧嘩に発展するだけです。

 

つまり

親が半分プロじゃないと厳しい

 

■ これからの中学受験

とはいえ、AIを使用しない手はありません。そうしますと、

AI × 塾のハイブリッド

・理解 → AI
・管理 → 塾

この組み合わせが今後の主流になるかもしれません。そうしますと、これからは、

「塾に行くかどうか」ではなくて「塾をどう使うか」の時代になるかもしれません。

 

■ 締め

最後に一つだけお伝えしたいことがあります。中学受験は過酷です。家族皆さんにとって過酷です。どういった方法を使ったとしてもその過酷さは変わらないでしょう。ひょっとするとAIをご家庭で使用するとなると、負担はますます増える可能性はあります。もちろん、うまく使えば最強の武器になります。

このあたりも含めて、これからの受験はかなり変わっていきます。今後もそのあたりを具体的に発信していきたいと思います。

 

2026年度 中学受験 五大ニュース 〜保護者・受験生必見!今年の中学入試を総まとめ〜

カテゴリー:中学受験2026.03.29

 2026年度の中学受験が終わりました。今年はさまざまな意味で「節目の年」となりました。11年ぶりのサンデーショック大学付属校の新設共学化ラッシュ、そして受験者数が微減に転じるなど、話題の尽きない入試シーズンでした。

本日は、2026年度中学受験における五大重大ニュースを厳選してお届けします!来年以降の受験を考えている方も、ぜひ最後までご覧ください。

 

【第1位】11年ぶり「サンデーショック」直撃!

◆ ニュースの概要 

2月1日が日曜日にあたるため、キリスト教系の難関女子校が軒並み入試日を変更

2026年度の最大のニュースといえば、11年ぶりに発生した「サンデーショック」です。

キリスト教系の学校は日曜日に入試を行わない慣習があるため、2月1日が日曜日となる年は入試日程が大きくずれ込みます。今年はまさにその「サンデーショック年」でした。

 

▶ 女子学院・立教女学院・東洋英和女学院・横浜共立学園などが2月2日に入試日を移動

▶ 2月1日の試験実施校が減り、2月2日に超過密スケジュールが集中

▶ 例年と全く異なる「併願戦略」が求められ、塾・家庭とも対応に追われた

 

【特筆すべきポイント】

プロテスタント系のフェリス女学院は、過去のサンデーショック時には日程変更していましたが、2026年度はあえて2月1日に入試を実施すると発表しました。その結果、例年は併願不可能だった「桜蔭とフェリス女学院の同日受験」が、受験史上初めて実現!受験関係者の間で大きな話題を呼びました。

 

【第2位】明治大学付属世田谷(旧・日本学園)が共学化で誕生!

 

◆ ニュースの概要 

100年以上の歴史を持つ男子校「日本学園」が、明治大学の系列校として共学化・改名

 

2026年度から「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」として新たなスタートを切った旧・日本学園の変貌ぶりは、今年の中学受験界で最も注目されたトピックのひとつです。

 

もともとは1885年創立の男子校「日本学園」が前身

2026年度より男女共学化+明治大学付属校として生まれ変わる

明大への推薦枠を持つ大学付属校として、女子受験生を中心に出願が殺到

▶ 難易度(偏差値)も急上昇し、「お得校」から一気に「人気難関校」へ

 

大学の系列化・共学化によって学校の難易度や人気が劇的に変わる——その典型例となった学校として、今後も注目が続きそうです。

 

【第3位】共学化・校名変更ラッシュ!学校改革の波が加速

 

◆ ニュースの概要 

複数の学校が一斉に共学化・校名変更を実施し、受験地図が塗り替えられた

 

2026年度は、明大世田谷だけでなく複数の学校が同時期に大きな変革を迎えました。

 

▶ 鎌倉国際文理中学校(旧・鎌倉女子大学中等部)が共学化・校名変更

▶ 北里大学附属順天中学校(旧・順天中学校)が大学系列入りで医療系進路に強みをアピール

▶ 理系・医療系・国際系を打ち出した学校が軒並み出願者増

 

「校名が変わっただけ?」と思ったら大間違いです。カリキュラム・指定校推薦枠・校風まで変わるケースも多く、来年以降の受験生は必ずリサーチが必要です。

 

【第4位】受験者数が微減——中学受験ブーム、転換点か?

 

◆ ニュースの概要 

首都圏の受験者数は4年連続5万2000人超も、前年比250人減と微減に転じた

 

ここ数年「空前の中学受験ブーム」と言われてきましたが、2026年度は一つの節目を迎えました。

 

▶ 首都圏受験者数:5万2050人・受験率18.06%(過去3番目の高水準)

▶ しかし総受験者数は前年から250人減——4年間で初めての減少

▶ 埼玉県では1月の出願者数が前年比5,285人減と大幅減少

▶ 東京・茨城は受験者増、その他の地域は減少傾向

 

「ブームが終わった」と断言するのは早計ですが、少子化の進展や高校授業料無償化の影響もあり、「わざわざ中学受験する必要があるのか」という問い直しが家庭に広がり始めているとも言われています。この潮流は今後の受験動向を読む上で非常に重要な変化です。

 

【第5位】御三家・難関男子校の苦戦——難易度にも変化の兆し

 

◆ ニュースの概要 

開成・麻布・筑波大駒場など最難関男子校の志願者数が軒並み前年割れ

 

長年「中学受験の頂点」として君臨してきた御三家をはじめとする難関男子校に、異変が起きています。

 

▶ 開成中:前年比98%・筑波大駒場:96%・麻布中:88%(志願者数)

▶ 特に麻布は2024年度の東大合格者数の落ち込みが志願者離れに直結したとも

▶ 実倍率は2倍前後まで低下する可能性も指摘される

▶ 一方で広尾学園・渋渋など「自由・グローバル系」難関校は人気継続

 

「東大合格者数=学校の価値」という時代から、「子どもの個性・将来に合った学校選び」へと価値観がシフトしつつある動きが、受験者数にも如実に現れています。

 

【まとめ】2026年度を一言で言えば?

「変革と転換点の年」——これが2026年度中学受験の本質です。サンデーショックという特殊環境の中、新設・共学化校が注目を集め、受験者数が微減に転じるなど、中学受験の「当たり前」がいくつも変化した年でした。来年以降の受験を検討している方は、学校選びの視点そのものを見直すきっかけにしてみてください。

 

【 中学受験】 出来ない子に模試を受ける意味はあるのか?

カテゴリー:ブログ2026.02.09

中学受験をする人にとって模試の受験は避けて通れません。たとえば首都圏では、四大模試といって、「サピックスオープン」「四谷大塚の合不合判定テスト」「日能研全国公開模試」「首都圏模試」と1万人前後の受験者がいる模試が四つもあります。こうした模試に加えて、各塾で行うテストなども加えると、中学受験期というのは、常にテストに追われていると言っても過言ではないでしょう。

 

中学受験に慣れている保護者の方であれば、「そういうものだ」と思えるかもしれませんが、初めての方にとっては「こんなに試験ばっかりして意味あるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。

 

最初に私自身の考えを言うと、模試や小テストの意味は当然認めているものの、頻繁な模試や受験直前の模試、あるいは1月のお試し受験などはあまり推奨していません。その理由はおいおい話をしていきます。

 

そもそも模試を受ける意味は何でしょうか?

 

・自分の学力が客観的なデータで分かる

・試験会場に慣れる

・広い範囲からの出題に慣れる

・自分の解くスピードの確認、ペース配分を学べる

・問題の解く順番

・何ができていないかを確認できる

・成績が出ることでモチベーションにつながる

 

模試を受ける意味は上記のように数多くあります。しかし、こうした模試から得られるものは、ある程度の条件が必要です。

 

・出題範囲をすでに学んでいる

・自分が目指している学校のレベルと模試のレベルが合っている

・成績に一喜一憂しない(成績の悪い場合にモチベーション低下につながらない)

・返却されたデータをきちっと分析できる

 

上記のような条件を満たしていなければ、模試にあまり意味がなくなります。たとえば、基本的に小6の夏以降ですと、全単元終わった状態になっていますので、出題範囲の問題はなくなりますが、それまでは塾によって学習進度や単元の学ぶ順番など異なりますので、まったく習っていない範囲が模試に出るということもしばしばあります。中学受験用の算数をまったく学んでいなければ、成績がとれるはずありませんから、返却される成績に意味はありません。出題範囲があまりにも学習している範囲と異なるようでしたら受験の必要はないでしょう。

 

また、成績が良くない人によくあるケースが次のようなものです。それは、成績が返却されたときに、成績が悪いために保護者の方がキレるというケースです。「こんな成績だと意味がないから受験をやめろ」というようなケースです。あるいは、ご本人自身が、「こんな成績しかとれないなら無理だ」と思うようなケースです。模試を受験することでやる気がそがれるようなら、模試など受験しないほうが良いでしょう。

 

塾が模試を受験させたり小まめにテストを実施したりするのは、理解の程度を測るという意味もありますが、競争心を煽ってモチベーションを高めるという意味もあるからです。というのも成績が良い人に共通していることは、モチベーションが高いことが挙げられるからです。やる気がないのに成績が良いということはありえません。ですから、競争によって「負けたくない」と強く思える人は、模試を受験することで自分の成績を上げようと思えます。

反対にこうした競争が嫌であれば、競争のない個別塾に行けば良いのです。ただし、この場合競争しなくても自分でモチベーションを高いまま保てなければ意味がありません。

 

自分のペース=楽ができる

 

では意味がなくなってしまいます。

 

もう一度確認をしましょう。そもそも学力の高い生徒はモチベーションが高いのです。ということは、モチベーションを高められれば成績が上がる(もしくは上がるであろう)と考えられます。そして、塾にとって生徒のモチベーションを上げるもっとも楽な方法が競争をさせることなのです。その是非はともかく、一定の割合で良い成績をとりたいという一心で勉強に打ち込める人がいるのです。そういう人は模試やテストに向いているといえるでしょう。最難関中学にもっとも合格者を輩出しているサピックスが小まめにテストを実施し、その成績でクラスを分けることをしていることを考えれば想像できると思います。

 

このことを裏返すと、成績の悪い人はモチベーションを模試によっては高められないのです。あまり競争したくないともいえるでしょう。だからといって、自分のペースでゆっくりと楽をしながら学習をしたところで学力が高まるわけではありません。そうした人の場合は、別の方法でモチベーションを高めていく必要があります。

 

そうした人の場合は、模試よりも、自分が習った範囲のテストを小まめにして、自分が理解できているかどうかに重点を当てるがお薦めです。要は、人との競争ではなく、自分の実力がついているかどうかの確認です。全体の中での自分の立ち位置よりも、習ったことがしっかりと分かっているかどうかの確認を通して、自信をつけていき、モチベーションを高めるのです。こういう人の場合は、4年生から定期的に模試を受ける必要はないと思います。むしろ、先ほど述べたような復習テストを中心におこない、模試は必要性を感じたときだけで良いでしょう。ただし、小6の夏から秋にかけては自分の立ち位置をしっかりと認識するためにも、3度、4度の大きな模試を受けてみてください。

 

最後になりますが、12月は模試よりも志望校の過去問対策に力を注いだほうが良いでしょう。模試というのはその性質上、どうしても最大公約数的な問題になります。最初に述べた四大模試は受験者数が一万人前後となります。そうすると、一万人の受験生の実力を測れ、なおかつ採点に差が生じないようにしなければならないので、実際の入試(受験生が数百人で偏差値も10前後の差しかない)とはそもそもの性質が異なるものです。

 

受験直前は、偏差値を上げるというよりは、志望校の対策に重点をおいて学習をしたほうが、はるかに効率的です。また、12月、1月はインフルエンザが猛威を振るう時期でもありますから、わざわざ人が密集しているところに行く必要もないでしょう。1月入試も同様のことが言えます。直前の貴重な日曜日一日を、行くことのない学校の試験に費やすのはもったいないと言えるでしょう。そもそも入試や模試というのは学校や塾が利益を出すためにおこなっているという側面もありますので、みんなが受験するからといって、わざわざ受験する必要はありません。

【小3保護者向け】学校選びの前に知っておいてほしい教育の変化

カテゴリー:中学受験2026.01.25

ここ数年で、学校教育が大きく変わり始めていることを、皆さんは感じていらっしゃるでしょうか。少し前までは、私立の進学校であっても、公立の学校であっても、進度や使う教材の難しさに違いはあっても、「教えている中身」そのものは、そこまで大きく変わることはありませんでした。ところが、ここ数年で、これまでとは明らかに性格の違う、新しいタイプの学校が次々と出てきています。特に世田谷周辺では新設校も増え、その変化を実感されている保護者の方も多いのではないでしょうか。たとえば、近年注目を集めている学校として、

三田国際科学学園中学校・高等学校
サレジアン国際学園世田谷中学校・高等学校
などが挙げられます。は、このようなタイプの学校には、どのような特徴があるのでしょうか。

 
・英語に非常に力を入れていて、教科によっては授業そのものを英語で行う
・探究学習を重視し、先生が一方的に教える授業ではなく、生徒同士が協働して調べ、考え、まとめ、発表する授業が多い
・その過程で、プレゼン資料の作り方や、動画編集などのスキルも自然と身につけていく
・総合型選抜入試を強く意識したカリキュラムになっている
・デュアルディプロマプログラムを導入し、日本の高校卒業資格と海外の高校卒業資格を同時に取得でき、海外大学への進学もしやすい

 

 

こうした特徴を持つ学校が増え、しかも人気を集めているという事実を見ると、今後、この流れはさらに加速していくと考えられます。私たち保護者世代の中高時代を振り返ってみると、スマートフォンもなく、AIもなく、インターネットさえありませんでした。社会はこの数十年で、想像以上のスピードで大きく変わりました。ところが、教育の中身に目を向けると、今でも「昔とほとんど変わらないこと」を教えている学校が多いのも事実です。

 

社会はこれだけ変化しているのに、教育はなかなか変わらない。その間にも、社会はさらに先へ進んでいく。こうした状況に、不安を感じる保護者の方が多いのは、決して不思議なことではありません。これから先の社会がどうなるのかを、正確に予測できる人はいません。AIの進化、グローバル化、働き方の多様化など、10年後には、今とはまったく違う価値観が当たり前になっている可能性もあります。

だからこそ、これまでのように「みんなと同じ道を歩ませていれば安心」という考え方は、通用しにくくなってきています。不確実な時代だからこそ、保護者の皆さま一人ひとりが、自分なりの「教育観」を持つことが、これまで以上に大切になっています。偏差値が高いかどうか、合格実績がどうか、といった情報だけに振り回されるのではなく、

 

「自分の子どもには、どんな力を身につけてほしいのか」

「どんな大人になってほしいのか」
このような軸を持って学校や学びの場を選ぶことが、これからの時代の教育には欠かせません。社会がどれだけ変わっても、自分の頭で考え、他者と協力し、状況に応じて柔軟に行動できる人は、どんな時代でも、自分の道を切り拓いていくことができます。

 

小学3年生という時期は、受験のために何かを急いで決める段階ではありません。だからこそ、「これからの教育をどう考えるか」を、ゆっくり整理し始めるには、とても良いタイミングだと言えるでしょう。この動画が、「わが子にとって、どんな学びが必要なのか」を考える、ひとつのきっかけになれば幸いです。

 

【中学受験】1月の学校は休ませるかどうか

カテゴリー:中学受験2026.01.07

本日は、中学受験を直前に控えた受験生に向けた動画となります。東京の場合は、受験が2月1日から始まるため、最近では冬休み明けの1月は学校に行かない、という人が増えてきています。クラスの半分以上がいないことも珍しくありません。10年ほど前はそこまでではなかったように記憶しますが、最近ではけっこう休む人が増えています。

 

そういう話を聞いて、「うちもそうしよう」と思う保護者の方もいれば、そもそも「そんなことする必要あるの?」と疑問に持たれる方もいるでしょう。しかし、もっとも多い意見としては、「何を基準に判断すれば良いの?」ということではないでしょうか。本日はそういった方のためにお話をしていきたいと思います。

 

結論としまして、「自分の子にとっての正解」を見つけるのが良い、となります。「なんだ当たり前のことか」と思われるかもしれませんが、最後の期間だからこそ、お子さんの「性格的なもの」がでてくる時期です。ですから、そうしたお子さんの性格・気質に合った判断をされるのが最良だと思います。まずは、「休むメリット」と「休むデメリット」についてから話をしましょう。

 

休ませるメリット:

・感染症リスク(インフルエンザ・コロナ)の回避

・本番と同じリズムを作れる

・過去問演習時間や苦手単元の補強時間の確保

 

休ませるデメリット:

・生活リズムの崩れ(朝寝坊)

・運動不足による体力低下

・遊ばないことによるストレス

 

メリット・デメリットはだいたい上記のようなものだと思います。感染症に関しては、確かにかなりのリスク回避になるかとは思いますが、勉強面に関して言いますと、最後の数週間で劇的に何かが変わるということはあまりありません。むしろ、学校に行かないとその前の冬期講習からの期間で考えると長い間、友達と遊ばない期間が続くことになりますからストレスがたまるデメリットも当然考えられます。このあたりの判断がもっとも重要で、基準はお子さんの「気質」となります。もちろん、「本人の意志」が大きいことは言うまでもありません。加えて、「休むつもりはなかった」のに、いざ学校に行くと、思いのほか欠席者が多くて、不安になって休むという方も意外に多いものです。

 

「休ませたほうが良い子」と「休ませないほうが良い子」の判定基準

  • 休ませたほうが良い子:

・自宅で時間割を決めて自走できる

・塾の自習室を活用できる

・気持ちが強い

・自己管理ができる

 

  • 休ませないほうが良い子:

・一人では頑張れない

・親が仕事で不在(スマホやゲームをしてしまう)

・リズムが狂う

・学校がストレス発散になっている

 

だいたい上記で判断していただければ間違いないと思います。こうしたことを踏まえて、どちらのほうが良いのかを判断されると良いでしょう。せっかく学校を休んだのに、家でダラダラして結果として勉強はせずに、生活リズムだけ乱れたではまったく意味がありません。また、お母さんが自宅にいる場合は、お子さんが学校に行かずに、家にいることで、お母さんにとってもストレスになることがあります。こうしたことも考慮にいれたほうが良いでしょう。

 

また、休ませるとなった場合でも、以下のようなことを守ったほうが良いでしょう。

 

休ませる場合の「鉄の掟」

  • 学校と同じ時間に起きて着替える
  • 午前中は本番と同じ時刻に過去問をする
  • 昼食も本番と同じ時刻に合わせてとる
  • 夜は必ず早く寝る

 

「休む」となった場合でも、こうしたことが重要になります。

 

さて、メリットとデメリットの両方を挙げましたが、現実的には、「ずっと休む」「まったく休まない」というのは難しい判断だと思います。私が思う最良の方法は「休む。でも、期間を重視する」というものです。

 

要はこれまで話したメリットやデメリットを踏まえたうえで、直前は休ませるが、どれくらい休むのかを慎重に考えるというものです。

 

実際、時期が時期なだけに感染症のリスクは低く見積もらないほうが良いでしょう。だからといって、自宅で学習するとは思えないというのであれば、「最後の三日は休む」といった形や、「最後の一週間だけ休む」などにするのがベストではないでしょうか。

 

 

本日は、「中学受験 1月は学校を休むべきかどうか」について話をしました。良かったら参考にしてみてください。

 

 

中学受験の直前期、親が不安になる理由とその対処

カテゴリー:中学受験2025.12.28

いよいよ年が終わろうとして、受験生がいる保護者の方は、不安が大きくなってきているのではないでしょうか。のんきに構えているお子さんをご覧になってますます「この子、大丈夫?」と不安が増している方も少なくはないでしょう。要するに、中学受験の直前期にもっとも不安になっているのは、お子さんではなく保護者の方なのです。

 

・成績が上がらない
・点数が安定しない
・本人にやる気がない
・何をすればいいかわからない
・過去問の点が突然落ちる

 

こうした不安は「正常」です。今日は、直前期に保護者が不安になる理由と、その正しい対処法を、塾で見てきた実例とともにお話しします。

 

第1章:なぜ直前期に「親だけが」不安になるのか

子どもより「未来」を想像してしまうから

大人は「落ちたらどうする?」「このあと何校受ける?」「併願校は?」など未来のリスクを具体的に想像してしまいます。その一方で、子どもは「今日の勉強」しか見ていないため、温度差が生まれます。こうした認識の違いはイライラを増大させますがしょうがないことでしょう。

 

SNS・ブログ・周囲の声で焦りが倍増する

Xやインスタなどの他の受験生の情報、あるいは過去問の合格者最低点を見ると、焦りが生じます。特に、ママ友に色々と言われると、焦りは募るばかりになります。最良の方法は、そうした不要な情報は遮断することです。

 

第2章:親の不安が悪影響を与える理由

 親の表情で子どもが緊張する

特に敏感な子ほど、親の顔色を読み取る。

 不安は過干渉に変わる

  • 点数を確認しすぎる
  • スケジュールに口出ししすぎる
  • ミスを責めてしまう
    → これがやる気喪失につながる。

 子どもが「自分はダメなんだ」と誤解する

大人の「焦りの声かけ」は、子どもには否定として伝わる。

 

第3章:直前期の不安を軽減する方法

  過去問の点数は平均値だけ見ればOK

点数は基本的に上下するので、「ここ4〜5回の平均」を見る決して1回の失敗に反応しないこと。毎回毎回のテストの結果に一喜一憂しても疲れていくだけ。

 

「できたところ」だけ言葉にする(褒めるのではなく事実を伝える)

例:
×「よくできたね」
〇「ここ、前より5点伸びてるね」

評価ではなく事実を伝えると、子どもが落ち着く

 

  勉強内容に口出ししない

直前期の「何をやるか」は、本人と塾に任せる。船頭多くして船山に上るになります。

 

親は「生活マネジメント担当」に徹する

  • 体調管理
  • 睡眠
  • 朝型にする
  • 温度管理
  • 食事
  • インフル対策
    これが最も価値がある。

 

併願校を早めに確定し、不確実性を減らす

スケジュールが見えた瞬間、親の不安が激減する。

 

第4章:直前期に「親が言ってはいけない言葉」

「なんでミスしたの?」「本当に間に合うの?」

→ 子どもを責めるような言葉を言っても、追い詰めるだけ。

「友だちの○○ちゃんはもう〜」

→ 比較は逆効果。

 

第5章:直前期に「親が言うと効果が高い言葉」

「体調崩さないよう気をつけようね」

→ 安心感が出る。

「今日やることは、もう自分で決まっているよね」

→ 自尊心を刺激する。

「応援しているよ」

→ もっとも効果的。

 

受験直前は保護者が不安になるのが普通です。しかし、不安が表情や言動を通して、お子さんに伝わると、悪影響が出ます。

今日お話しした

  • 点数の見方
  • 声かけの仕方
  • 生活管理のポイント
    を意識するだけで、お子さんのコンディションは大きく変わります。

 

中学受験 塾に問い合わせるのは何月がベスト?多くの家庭が「出遅れる」理由とは?

カテゴリー:中学受験2025.11.16

本日は、中学受験のために塾に通おうとしている方、あるいは転塾しようかなという方に向けての動画となります。「まだ3年生だし、もう少ししてから塾を探そう」と思っている方もいらっしゃると思うのですが、実は、集団指導塾個別指導塾では、問い合わせの「ベストなタイミング」が異なります。授業形態が違うからです。実際最初の塾への入塾のタイミングが悪かったことで、ゆくゆくは転塾を余儀なくされる方は想像以上に多いと思います。しかし、多くの方はそのことに気づかないまま、「学力不足」や「やる気の不足」のせいだと思っています。本日は塾に問い合わせをするベストな時期について話をしていきたいと思います。

 

特にタイミングを間違う典型パターン3つを紹介したいと思います。

 

お子さんが初めて塾に通うという方の場合は、塾の一年の大まかな流れを知らないことが多いしょう。もちろんお子さんのタイミングで塾を探すことも大切なことではありますが、塾の流れを知っていると、より良いタイミングで入塾できると思います。まずは、塾の一年の流れを見てみましょう。

 

【中学受験塾の場合】

 

2月        新年度スタート

3月下旬~4月上旬 春期講習

4月~7月     上半期

7月下旬~8月   夏期講習

9月~12月中旬  下半期

12月下旬~1月初旬 冬期講習

1月        受験直前 新年度生募集

 

大まかには上記のようになります。まず、2月がスタートとなるのは、入試が2月(東京の場合)だからです。小6生は1月いっぱいでいなくなるので、2月が新年度スタートとなるのです。これがまず、学校との大きな違いとなります。

 

ここでまず一つ目の典型パターンを紹介します。それは、「新年度(2月)に始まるから、1月に問い合わせればいい」というものです。確かに上記のような一年の流れでしたら、新学期スタート直前がベストのような気がします。しかし、実は、塾が新年度の準備を始めるのは11月〜12月で、1月には「席も時間」もほぼ決まっていることが多いでしょう。特に集団塾の場合、次年度のクラスなど事前に決まっているので10月~12月までには問い合わせたほうが良いでしょう。個別の場合は、座席に空きがあるのであればいつでも大丈夫だと言えますが、個別の場合は、新年度の学生講師の確保がありますで、これもやはり2月より早いほうが良いでしょう。ただし、集団ほど早くない12月~1月くらいがベストだと思います。もしくは反対に、受験が終わった時期を見ての問い合わせもありかもしれません。受験生がいなくなった後が、塾はいちばん空くからです。

たとえば、3月になって、春休みが見えてきた段階での問い合わせはどうでしょうか?集団塾の場合は、スタートがずれますとついていくのが大変ですが、春期講習までに入れれば、春期講習で追いつける可能性は高いでしょう。特に、復習に力を入れるカリキュラムがあるのであれば、問題ないでしょう。

 

ここで二つ目のパターンを紹介します。「体験してから決めたいから、講習の直前に動く」という流れです。これは春期講習に限りません。というよりむしろ、夏期講習の直前でこのような理由で問い合わせをする人が多いと言えます。ただし、ここにも問題があります。講習が始まりますと、塾は忙しくなり、場合によっては受けつけてくれないこともあるでしょう。それだけ講習期間は忙しく、体験学習や面談を設けるのが難しいのです。そもそも入塾までに

 

面談⇒体験学習⇒入塾の手続き

 

のような一連の流れだけで数週間の時間がかかります。教材を追加で注文しなければならないといったらなおさらです。

なかには講習が始まってから問い合わせる方もいらっしゃいますが、定められたコマ数が消化できないと判断される場合は、断られることになるでしょう。また、集団授業の塾の場合は、入れたとしてもついていくのが大変になります。とりあえず、これまでの話をまとめますと以下のようになります。

 

 

 

観点 集団塾 個別塾
カリキュラム 固定(2月始まり) 柔軟(途中調整可)
席確保 早い者勝ち 講師枠・曜日次第
問い合わせ時期 10〜12月が理想 11〜1月が理想

 

しかし、ここにもやはり落とし穴があります。

それは、塾も「人気塾とそうでない塾」との格差が拡がっているということです。昔と違って現在はSNSを使えば多くの情報が集められます。飲食店でも「インスタ映え」するようなお店は行列ができていますが、その横にまったく並んでいないお店もあるのとまったく同じことです。塾の業界でも人気のある塾とそうでない塾の差は、明確にあります。人気のある塾は、次年度の募集をだいぶ前に行っています。これは個別の塾であっても集団の塾であっても変わりません。要するに、人気の塾はすぐに埋まるから入りづらいが、人気のない塾は空いているからいつでも入りやすいと言えます。

 

当然、いつでも入れるからといって、あまり人気のない塾を求める人は少ないでしょう、人気のある塾に入りたい、と思われるのであれば、事前にSNSやHPなどをフォローして、いつ募集をしているのかに注視するのがいちばんでしょう。塾の方針によって、満席の定義は異なります。集団塾の場合は、学年ごとに定員がありますが、個別の場合はむしろ講師の数と、座席の数によって決まります。

特に最近は、特定の強みを持つ塾の人気が高まっている傾向があります。入試が多様化したことで、オーダーメイドで見てくれる塾が求められるようになってきているということです。こういう要望を持たれている方は、特に早めの連絡が良いと思います。特に希望がなく、学校の勉強についていくための塾ということであれば、そんなに困ることはないでしょう。

「AI時代の中学受験、求められるのは記述力」

カテゴリー:中学受験2025.11.10

本日は、中学受験の入試形態のここ最近の変化について話をしてみたいと思います。その変化とは「記述問題」の増加です。もちろん、すべての学校が変わったというようなことはありませんが、全体的に「記述力」を測るような問題が増えました。記述といっても、単に国語の問題の記述問題が増えたというだけではなく、「要約」や「自分の意見」を書かせるような問題も増えています。また、国語だけでなく、社会や理科といった科目にも、理由や原因を書かせるような問題が増えました。要は考えたことを「自分の言葉で表現することができるかどうか」というような問題す。こうした記述力が求められる理由について三つの視点から話をしていきます。

 

  • 時代の変化

「ググる」という言葉が一般に流布されるようになってどれくらい経ったのでしょうか。それくらい、何かを調べる際に、グーグルで検索をかけるということが一般的なこととして認知されるようになりました。だれでも情報にアクセスできる時代になると、何かを知っているということに関する価値が下がります。だれでもその情報を得ることができるからです。そうしますと、当然「暗記」のような能力に対する社会的な評価が下がってきます。

加えて、ここ数年で、ChatGPTのような生成AIが普及し、文章作成や計算をだれでも一瞬でこなす時代になってしまいました。その変化は多くの人が考えていたよりもはるかに大きなものだと言えるでしょう。そして、こうしたAIの活躍が今後さらに進むことはだれの目にも明らかです。当然、そのような社会では、暗記や単純計算ではAIに勝てないことになります。そのような社会変化の中で、「考えて説明できる力」や「自分の言葉で表現する力」が評価される流れになっています。そうした能力を小学生のうちからつけている人がより望ましいということで、入試において記述の問題が増えてきたのだと思います。

 

  • 学校教育の変化

文部科学省の新学習指導要領では「思考力・判断力・表現力」がキーワードになっています。公立小学校でも探究学習やプレゼンの機会が増加していますが、私立の学校はよりいっそう力を入れています。たとえば、東京都立小石川中等教育学校渋谷教育学園渋谷中学校は、入学後にディスカッションやプレゼンを重視するカリキュラムを前面に押し出しています。現在の流れとして、学校教育全体が「答えを知っている子」より「自分の言葉で説明できる子」を育てる方向に進んでいると言えるでしょう。それは、価値観の多様化と対応しています。社会において、たとえば価値観が少ない社会では、何が正解なのかが決まっています。価値観が少ないからです。そうすると、その正解を知っているかどうかが重要になりますが、価値観が多様な社会では必ずしも正解は一つになりません。その場合、何が重要になるかというと、「これが重要である」と主張するときに、いかに根拠があるかというのを相手に伝える能力になってきます。こうした力が重要になってきたからこそ、中学受験においても、「表現する力」を重視するようになってきたのです。

 

  • 大学入試の変化

中学受験で記述力が重視される背景の三つ目は、大学入試の変化です。実はここ10年で、大学入試の姿は大きく変わりました。かつては一般入試(学力試験)で入学する学生が大多数でしたが、現在では「推薦入試」や「総合型選抜(旧AO入試)」で入学する学生が大きな割合を占めています。文部科学省のデータによれば、2024年度入試では私立大学における推薦・総合型選抜の入学者は全体の約55%に達しており、一般入試を上回っています。さらに国立大学でも、推薦・総合型選抜の割合は20%を超え、今後さらに拡大していく見通しです。

こうした入試方式では、単なる知識問題だけではなく、小論文やプレゼンテーション、面接でのやり取りが重視されます。そこでは「与えられた資料を読み取り、自分の考えを筋道立てて説明する力」が問われるのです。つまり「考えたことを自分の言葉で表現できる力」が合否を分ける最大のポイントとなっています。

この大学入試の潮流は、中学・高校の教育現場にも影響を与えています。実際、中学入試においても、ただ暗記した知識を答えるのではなく、文章を要約したり、自分の意見を根拠とともに書いたりする問題が増えてきました。大学入試の選抜方式が大きく変わりつつある今、その力を小学生段階から育てようという意識が学校側に広がっているのです。

 

まとめの結論

 このように、①AIの進化によって「暗記より思考力」が重視されるようになったこと、②学校教育全体が「自分の言葉で説明できる子」を育てる方向に進んでいること、③そして大学入試において推薦・総合型選抜が半数を超え、「表現する力」を直接的に評価する仕組みが広がっていること。これら三つの流れが重なり合って、いま中学受験において「記述力」がこれまで以上に求められるようになっています。

単なる知識量や計算力だけではなく、「読んで考える」「自分の言葉で説明する」「相手に伝わるように書く」といった力を育てることこそが、これからの中学受験に挑む子どもたちに必要な準備だと言えるでしょう。

 

ちなみに、小学生中学年で訓練できる「記述力強化」のヒントを2つだけ最後に述べておきます。

 

・まずは、主語と述語のねじれの確認

⇒長い文章を書かせる必要はありません。一文で良いので、注意するのは、主語と述語の対応を必ず意識させるということです。

まちがった例:ぼくは、運動会で一番になったことがうれしかったです。

これでは、「うれしかった」という述語に対して、「ぼくは」と「ことが」の主語が二つあることになってしまいます。

正しい例:ぼくは、運動会で一番になれてうれしかったです。

 

・同じ接続詞を続けて使わない

⇒小学生に限らず、同じ接続詞を続けて使う人は思った以上に多くいます。小学生の場合は、「そして」が何度も続く文章が多く見られるので、そうならないよう注意するのです。

まちがった例:昨日は運動会がありました。そして かけっこをしました。そして ぼくは一番になってとてもうれしかったです。そして 給食もおいしくて、いい一日になりました。

 

正しい例:昨日は運動会がありました。かけっこでは一番になり、とてもうれしかったです。さらに、給食もおいしくて、いい一日になりました。

 

上記二つだけでも、意識して文を書くようになると、見違えるくらいよくなります。

「AI時代の中学受験、求められるのは記述力」

カテゴリー:中学受験2025.10.19

本日は、中学受験の入試形態のここ最近の変化について話をしてみたいと思います。その変化とは「記述問題」の増加です。もちろん、すべての学校が変わったというようなことはありませんが、全体的に「記述力」を測るような問題が増えました。記述といっても、単に国語の問題の記述問題が増えたというだけではなく、「要約」や「自分の意見」を書かせるような問題も増えています。また、国語だけでなく、社会や理科といった科目にも、理由や原因を書かせるような問題が増えました。要は考えたことを「自分の言葉で表現することができるかどうか」というような問題す。こうした記述力が求められる理由について三つの視点から話をしていきます。

 

  • 時代の変化

「ググる」という言葉が一般に流布されるようになってどれくらい経ったのでしょうか。それくらい、何かを調べる際に、グーグルで検索をかけるということが一般的なこととして認知されるようになりました。だれでも情報にアクセスできる時代になると、何かを知っているということに関する価値が下がります。だれでもその情報を得ることができるからです。そうしますと、当然「暗記」のような能力に対する社会的な評価が下がってきます。

加えて、ここ数年で、ChatGPTのような生成AIが普及し、文章作成や計算をだれでも一瞬でこなす時代になってしまいました。その変化は多くの人が考えていたよりもはるかに大きなものだと言えるでしょう。そして、こうしたAIの活躍が今後さらに進むことはだれの目にも明らかです。当然、そのような社会では、暗記や単純計算ではAIに勝てないことになります。そのような社会変化の中で、「考えて説明できる力」や「自分の言葉で表現する力」が評価される流れになっています。そうした能力を小学生のうちからつけている人がより望ましいということで、入試において記述の問題が増えてきたのだと思います。

 

  • 学校教育の変化

文部科学省の新学習指導要領では「思考力・判断力・表現力」がキーワードになっています。公立小学校でも探究学習やプレゼンの機会が増加していますが、私立の学校はよりいっそう力を入れています。たとえば、東京都立小石川中等教育学校や渋谷教育学園渋谷中学校は、入学後にディスカッションやプレゼンを重視するカリキュラムを前面に押し出しています。現在の流れとして、学校教育全体が「答えを知っている子」より「自分の言葉で説明できる子」を育てる方向に進んでいると言えるでしょう。それは、価値観の多様化と対応しています。社会において、たとえば価値観が少ない社会では、何が正解なのかが決まっています。価値観が少ないからです。そうすると、その正解を知っているかどうかが重要になりますが、価値観が多様な社会では必ずしも正解は一つになりません。その場合、何が重要になるかというと、「これが重要である」と主張するときに、いかに根拠があるかというのを相手に伝える能力になってきます。こうした力が重要になってきたからこそ、中学受験においても、「表現する力」を重視するようになってきたのです。

 

  • 大学入試の変化

中学受験で記述力が重視される背景の三つ目は、大学入試の変化です。実はここ10年で、大学入試の姿は大きく変わりました。かつては一般入試(学力試験)で入学する学生が大多数でしたが、現在では「推薦入試」や「総合型選抜(旧AO入試)」で入学する学生が大きな割合を占めています。文部科学省のデータによれば、2024年度入試では私立大学における推薦・総合型選抜の入学者は全体の約55%に達しており、一般入試を上回っています。さらに国立大学でも、推薦・総合型選抜の割合は20%を超え、今後さらに拡大していく見通しです。

こうした入試方式では、単なる知識問題だけではなく、小論文やプレゼンテーション、面接でのやり取りが重視されます。そこでは「与えられた資料を読み取り、自分の考えを筋道立てて説明する力」が問われるのです。つまり「考えたことを自分の言葉で表現できる力」が合否を分ける最大のポイントとなっています。

この大学入試の潮流は、中学・高校の教育現場にも影響を与えています。実際、中学入試においても、ただ暗記した知識を答えるのではなく、文章を要約したり、自分の意見を根拠とともに書いたりする問題が増えてきました。大学入試の選抜方式が大きく変わりつつある今、その力を小学生段階から育てようという意識が学校側に広がっているのです。

 

まとめの結論

 このように、①AIの進化によって「暗記より思考力」が重視されるようになったこと、②学校教育全体が「自分の言葉で説明できる子」を育てる方向に進んでいること、③そして大学入試において推薦・総合型選抜が半数を超え、「表現する力」を直接的に評価する仕組みが広がっていること。これら三つの流れが重なり合って、いま中学受験において「記述力」がこれまで以上に求められるようになっています。

単なる知識量や計算力だけではなく、「読んで考える」「自分の言葉で説明する」「相手に伝わるように書く」といった力を育てることこそが、これからの中学受験に挑む子どもたちに必要な準備だと言えるでしょう。

 

ちなみに、小学生中学年で訓練できる「記述力強化」のヒントを2つだけ最後に述べておきます。

 

・まずは、主語と述語のねじれの確認

⇒長い文章を書かせる必要はありません。一文で良いので、注意するのは、主語と述語の対応を必ず意識させるということです。

まちがった例:ぼくは、運動会で一番になったことがうれしかったです。

これでは、「うれしかった」という述語に対して、「ぼくは」と「ことが」の主語が二つあることになってしまいます。

正しい例:ぼくは、運動会で一番になれてうれしかったです。

 

・同じ接続詞を続けて使わない

⇒小学生に限らず、同じ接続詞を続けて使う人は思った以上に多くいます。小学生の場合は、「そして」が何度も続く文章が多く見られるので、そうならないよう注意するのです。

まちがった例:昨日は運動会がありました。そして かけっこをしました。そして ぼくは一番になってとてもうれしかったです。そして 給食もおいしくて、いい一日になりました。

 

正しい例:昨日は運動会がありました。かけっこでは一番になり、とてもうれしかったです。さらに、給食もおいしくて、いい一日になりました。

 上記二つだけでも、意識して文を書くようになると、見違えるくらいよくなります。

私立中学 学費インフレが止まらない!

カテゴリー:中学受験2025.10.11

①首都圏の話

本日は、私立中学の学費インフレについて話をしていきたいと思っております。中学受験は合格すれば終わり……と思いきや、実は「入学後の学費」がじわじわ上がっているのをご存じですか?コロナ明け頃から、日本にもインフレの波が押し寄せてきて、生活用品を含めたあらゆる物の物価が上がってきました。当然、私立の学費もその波と無縁ではありません。東京都の調査によれば、令和7年度の初年度納付金(授業料・入学金・施設費・その他を含む)の平均額は 1,033,387円 となっています。(都庁総合ホームページより)

東京都生活文化局の資料によりますと、2015年度入学(=2014年12月発表)の平均 初年度納付金は、936,679円であることから、ここ10年ほどで金額にして約7万円、率にして約7.5%上がったことになります。

塾代の負担が終わったと思ったら、今度は学費が年々上がっていく状況では、家計は苦しくなるばかりです。

②慶應と恵泉の話

まずは、二つの学校の今年度と2016年度の比較を見てもらおうと思います。一つ目は、慶應義塾中等部です。慶應義塾中等部の場合は下記のとおりとなっております。

慶應中等部

  • 2016年度
    入学金:34万円
    授業料:86万円
    その他:20万8,390円
    合計:140万8,390円
  • 2026年度
    入学金:34万円
    授業料:93万円
    その他:48万5,000円
    合計:175万5,000円

10年間で+34万6,610円(約24.6%増)

 

かなりの増加率であることが分かると思います。次に、小田急の経堂にある恵泉女学園を見てみましょう。

 

恵泉女学園(経堂)

  • 2016年度
    入学金:30万円
    授業料:45万6,000円
    その他:29万6,400円
    合計:105万2,400円
  • 2026年度
    入学金:30万円
    授業料:54万円
    その他:43万9,815円
    合計:127万9,815円

10年間で+22万7,415円(約21.6%増)

 

 

慶應が10年で約25%増だったのに対して、恵泉は21%です。違いはあるものの、どちらも20%を超える増加率ですから、ブランド校か否かにかかわらず、幅広い私立中学校で「学費インフレ」が進んでいるといえるでしょう。

 

上記をふまえますと、ここ10年で、私立中学の初年度納入金は平均して数万円〜十数万円率にして20%強上がっていると言えますが、よく見ると入学金はどちらの学校も上がっていません。上がっているのは授業料と、「その他」の項目です。そして、この傾向は多くの学校に共通しています。

③分析・背景

学費インフレの背景には以下のようなことが考えられます。

    • 教員人件費の上昇
    • 光熱費・維持費の高騰
    • ICT化・1人1台タブレット導入
    • 施設改修や新校舎建設
    • 海外研修
    • 英語教員の増加

 

これは、単純な「物価上昇のしわ寄せ」ということが原因なだけでなく、「受験生に選ばれる学校」として注目を集めるために、海外研修や英語教育の強化といった「投資型の値上げ」も含まれていることを意味していると言えるでしょう。人件費の上昇だけでなく、英語教育の強化、資材の高騰は今後も続きそうですので、学費や「その他諸経費」が今後も上がることは避けられないと思います。

 ④保護者へのアドバイス

当然、みなさんもされていると思いますが、志望校を選ぶときは「偏差値」だけでなく「学費」も比較しましょう。さらにその学費やその他の諸経費も今後も上がっていくと想定していたほうが良いでしょう。6年ありますから、6年後ではだいぶ変わっている可能性もあります。特に初年度納入金だけでなく、3年間・6年間の総費用をシミュレーションしてみてください。下記に三つのアドバイスを記します。

 

〇 学校説明会で確認すべきポイント
初年度納入金以外に、タブレット代・研修費・寄付金などの「隠れコスト」がどれくらいになるのかを必ず質問しましょう。」

〇  長期的な視点
6年間でいくらかかるかを見積もるだけでなく、大学まで私立に進む場合は10年間の教育費もイメージしておくと安心です。

〇  学費対策の工夫
奨学金や自治体の助成制度が利用できるか調べておくと、家計の見通しが立ちやすいです。」

 

 

2026年度首都圏中学受験に起こる大変化3つを解説!

カテゴリー:中学受験2025.09.28

 

夏も終わり、ついに2学期が始まりました。受験生は緊張感が高まっていると思いますはここから一気に受験まで時間が過ぎそうな感じがしますが、実は意外と年内が長く感じられるはずです。9月10月はすぐに過ぎるのですが11月後半くらいから少しダレ始める人がいますので、要注意です。

 

本日は、2026年度の首都圏中学受験で起こるであろう3つの大変化を解説したいと思います。

 

  • サンデーショック

サンデーショックというのは、2月1日が日曜日だった場合に、ミッション系女子校が宗教上の理由で入試を実施しないことで、併願の組み合わせが大きく変わることを指します。

 

【例】

女子学院(千代田区)

東洋英和女学院(港区)

立教女学院(杉並区)

横浜共立学園(神奈川・山手)

横浜雙葉 など

 

一方で、フェリス女学院(横浜・元町)は、2026年度も例年通り 2月1日に実施 を表明しました。これにより、これまで「フェリスと女子学院」のどちらかしか受けられなかった女子が、両方受験可能になることになり、女子学院志望者の一部が2月1日にフェリスを受験する流れが出てくる可能性が増えるでしょう。ということは、「フェリス第一志望」層にとっては、例年以上にライバルが増える可能性が増えるということです。

 

 

  • 安全志向の強まり

昨年度は、東京や神奈川の御三家(開成・麻布・武蔵/桜蔭・女子学院・雙葉)全校で志願者が前年より減少しました。一方で一時人気の低迷が見られた大学付属の人気が再燃しています。おそらく、新しい大学入試制度に対する不安があるのでしょう。

また、難関ではないが特色ある教育を行う学校が注目されています。特に「共学」「国際教育」「STEM系教育」に力を入れている学校への関心が目立ちました。その結果、知名度より教育内容で選ぶ保護者が増え、選択肢の多様化が加速しています。

 

【例】STEM教育に注力して人気上昇中の中学校

・工学院大学附属中学校

・駒込中学校・高等学校

・埼玉平成中学校

 

国際教育に力を入れて人気のある学校

 ・三田国際学園中学校 ⇒三田国際科学学園

 ・サレジアン国際世田谷

 ・広尾学園中学校

 

  • 共学化・校名変更・新設校

近年の首都圏中学受験の特徴のひとつに、女子校・男子校から共学への転換、そして校名変更や新設校の登場があります。これは単なる名称変更ではなく、学校の教育方針やブランド戦略の刷新と直結しているのがポイントです。

まず、女子校・男子校から共学化すると、単純に志願者層が倍増し、人気が上昇する傾向があります。また、進学の安定性を重視する層と、国際教育を重視する層の双方に刺さるMARCH附属+国際志向はまさに時代のニーズに合っていると言えるでしょう。STEAM、探究、PBL(課題解決型学習)、デュアルディプロマなど、これまでにない教育手法を掲げる学校が、特に保護者に対して、偏差値以上の魅力を持ち始めています。

 

  • 明治大学付属世田谷(旧・日本学園)、芝国際(旧・東京女子学院)サレジアン国際学園世田谷中学校(旧・目黒星美学園)など、ここ数年共学化・改称が続く。
  • 羽田国際中や浦和学院(仮称)など、新設校への期待も高い。
  • 特に「共学でグローバル教育」路線が人気。
  • 偏差値ではなく「新しい学びの形」を打ち出す学校に注目。

 

以上となります。2026年度は「日程の変化」「受験生の志向の変化」「学校側の変化」が同時に重なる年となり、大きな変化を迎えるでしょう。ここから導き出せる結論としては、

 

  • 受験戦略は“去年と同じ”では通用しない

ということです。そのためには、併願計画と学校研究を早めに始めることが合格の鍵になります。

 

中学受験 秋からの戦略!

カテゴリー:中学受験2025.08.31

みなさん、こんにちは。

本日は「6年生の秋、9月10月の模試とその後の学習戦略」についてお話しします。夏休みが終わり、受験まで残り5か月を切りました。この時期になると、多くのご家庭で「模試の結果をどう受け止めるか」「志望校をどう絞るか」で悩まれます。
実は、9月・10月の模試は単なる実力テストではなく、志望校決定と過去問学習への橋渡しという、大きな役割を担っています。本日はそういった話をしていきたいと思います。

本日の話の流れ

  1. 9〜10月の模試の位置づけ
  2. 志望校選抜
  3. 11月以降の過去問学習
  4. 志望校決定へ

 

 

  1. 9〜10月の模試の位置づけ

春や夏の模試は「伸びる途中の段階」を測るものです。あるいは出題範囲が決まっているので、出題範囲単元が理解できているかどうかを測るものとも言えるでしょう。それに比べますと、9月・10月の模試は、 入試本番に近い位置での実力を示すものです。出題範囲もこれまで学習してきた範囲すべてとなります。要は総合力が測られるのです。

基本的にどこも夏までには中学受験の出題範囲の学習を終わらせるので、秋以降がもっとも数値としてあてになるのです。
もちろん、まだここから伸びる可能性はありますが、急激に偏差値が10上がるというようなことはまずありません。そもそも夏期講習での頑張りの結果が出るのも9月10月ですから、そこで頑張れなかった人が秋以降頑張るというのは現実的には難しいと言えます。

だからこそ、この時期の模試の結果は「自分の立ち位置」を知るための最終確認になるのです。

  • A校は安全圏
  • B校はチャレンジ
  • C校は滑り止め候補

 

といった受験校のポジション分けが、秋の模試を通じてはっきりしてきます。保護者としては「うちの子は今どの位置にいるのか」を冷静に受け止めることが大切です。

 

  1. 志望校選抜

模試の偏差値を確認したら、次は 志望校の選抜に入ります。

ここでポイントになるのは:

  1. 偏差値だけでなく「子どもが行きたい学校かどうか」
  2. 通学の負担(距離・交通)
  3. 校風や教育方針に保護者が納得いっているかどうか

です。

模試の数字は現実を映しますが、数字だけで決めると「合格したけれど学校生活が苦しい」ということも当然あり得ます。だから、保護者の方には「この偏差値帯ならこの学校が候補になる」という冷静なリスト作りと同時に、「子どもの気持ち」を尊重する姿勢を持っていただきたいのです。志望校を9月・10月で固めると、11月以降の過去問学習が非常にスムーズに進みます。

 

  1. 11月以降の過去問学習

そしていよいよ、11月以降は 過去問演習を中心に据える時期に入ります。候補が多めでもこの段階では良いでしょう。

ここでの狙いは二つ。

  • 各学校の出題との相性
  • その学校特有の出題傾向に慣れること
  • 合格最低点との距離を把握し、戦略を立てること

 

たとえば…

  • 「この学校は算数の大問1と2で点数がとれる」
  • 「国語は記述が多い」
  • 「理科は計算より知識重視」

 

といった特徴が見えてきます。また、模試の偏差値が合っていても、過去問を解かないまま本番を迎えると「傾向が違った」となり、力を発揮できません。そもそも模試は母数が1万を超えるため、最大公約数的な問題になりますが、学校の過去問は、「こういうのが解ける生徒に来てほしい」という学校のメッセージが込められた癖のあるものです。

保護者の方ができるサポートは、結果を見て右往左往、あるいは一喜一憂することではなく、何ができていて何ができていないかの確認と、その学校の問題の傾向と相性が良いかどうかの確認です。

 

4. 志望校決定へ

過去問を解いていく中で傾向や相性の良し悪しが見えてくるでしょう。そこで初めて志望校が決定します。自分の偏差値と近い学校であったとしても、点数がとれないこともあれば、反対に本来であればチャレンジ校なのに点数が合格最低点を大きく上回ることも珍しくありません。こればかりは、実際に過去問を解いていくことでしか分かりません。

 

 

5.まとめ

まとめますと、

  • 9月・10月の模試は偏差値の最終確認
  • 模試をもとに志望校を考える
  • 11月以降は過去問演習を中心にする
  • それを踏まえての志望校の決定

 

この流れを押さえることで、残り数か月の学習がぐっと実りあるものになります。模試はあくまで通過点ですが、秋の模試は「受験校を決めるための最重要データ」になります。ぜひ冷静に受け止め、お子さんと一緒に「ここから何をすべきか」を考えていただければと思います。何も良いことがありませんから、フォームの始まり間違っても結果を見て一喜一憂しないことです。

【中学受験】共学校のメリット・デメリット!

カテゴリー:中学受験2025.06.11

 以前に男子校・女子校に通うメリットとデメリットについて話をしたことがありました。今回はその流れで、中学受験で共学を選ぶメリットとデメリットについて、受験生の保護者の視点で分かりやすく説明します。

まず、近年の傾向として、共学校の人気が高まっています。AIを使って調べたところ東京都の男子校、女子校、共学校の2010年と2020年の割合は以下のようになっています。

 

 

年度 総数 男子校 女子校 共学校
2010年 435校 41校 (9.4%) 90校 (20.7%) 302校 (69.4%)
2020年 428校 33校 (7.7%) 81校 (18.9%) 310校 (72.4%)

(出典: サピックス

 

変化のポイント:

  • 男子校: 2010年の41校から2020年には33校へと、8校減少しています。
  • 女子校: 2010年の90校から2020年には81校へと、9校減少しています。
  • 共学校: 2010年の302校から2020年には310校へと、8校増加しています。

 

上記のような傾向は東京だけではなく全国的にも同様です。男子校や女子校が共学化するケースが増加しており、その背景には少子化や男女平等意識の高まりによる共学へのニーズの増加が挙げられるでしょう。実際、共学化により受験者数が増加する傾向も見られます。あるいは共学化によって偏差値が上がる傾向も見られます。

 

メリット

  1. 自然な環境で成長できる

まず、最大のメリットとしては中高の六年間、自然な環境で成長ができることが挙げられると思います。社会に出れば、基本的には異性がいる環境に身を置くことになるため、男子だけ、あるいは女子だけという環境はそれだけ特殊であると言えます。男女が同じ空間で生活することで、偏りのない自然な社会性を育むことができ、当然、異性との接し方に慣れることで、中高時代を通じてバランスの取れた成長が期待できます。男子校や女子校よりも自然な形での恋愛が育まれやすいとも言えるでしょう。

2.バランスのとれた価値観が築ける

男子校や女子校であれば、良くも悪くも「男らしさ」や「女らしさ」が強調される環境になりやすいと言えますが、男女が一緒に学ぶことで、偏ったジェンダー観にならない環境と言えるでしょう。小学生のときとは異なり、中学、高校生になるにつれ男女差というものが身体的に顕著になっていきますが、そういうときに、異なる価値観や意見を交わすことで、異性に対する理解が深まり、将来の職場や社会生活で必要なコミュニケーション能力が養われます。グループ活動などをする際に、特に男子だけ、女子だけよりは男女が混じったほうが多くの意見が飛び交うのではないでしょうか。ただし、バランスをとるのが苦手な人にとっては、バランスのとれた価値観よりも、もっと「尖った価値観」のほうが良いと感じるでしょう。

3.受験や教育方針の選択肢が広がる

何といっても共学校の方が学校の数が多いですから、学校を選ぶ際の選択肢が豊富になります。最初にお伝えしたとおり、共学校は増加の傾向ですから、選択肢はさらに増えていくのではないでしょうか。また、学校の選択だけではなく、共学であるがゆえに特定の性別をターゲットにした教育ではなく、全体的にバランスの取れたカリキュラムとなる傾向が強いと言えるでしょう。たとえば女子校では、どうしても「女子教育」が良くも悪くも強調されることが多いですが、共学はそういう偏りは少ないと言えるでしょう。

 

要するに、メリットとして挙げられることは、偏りが少なくバランスのとれた環境に身を置けるということです。

 

デメリット

  1. 学校の特色が薄れる可能性

共学は男女どちらにも対応できる教育方針を取るため、男子校や女子校のように特色が際立たない場合もあります。男子だけだから、あるいは女子だけだからできる個性あるカリキュラムやイベントがどうしても共学の場合は作りづらいという側面があります。ただし、最近はそういうジェンダーとは関連しないことで学校の特色を出す学校が増えてきていますから、今後はあまりデメリットにならないかもしれません。

2.異性とのつながりが学校生活の充実度と結びつきやすい

学校での立場を表す「スクールカースト」という言葉があります。これはおそらく共学であろうが、男子校であろうが、女子校であろうが存在すると思うのですが、共学の場合はそれが「異性からの評価」という点が大きく加わるという点で、男子校や女子校とは異なると言えるでしょう。容姿や運動能力といったことだけでなく、異性とのコミュニケーション能力が高いとスクールカーストの上位に位置づけられる傾向が高いと言えるでしょう。ただし、これ自体がデメリットかどうかは分かりません。異性とのコミュニケーションが苦手な人にとってはデメリットに映るでしょうが、そうでない人にとってはメリットになるでしょう。このあたりはお子様の個性や性格とかかわってくる話です。

 

さて、今回は共学のメリット三つとデメリット二つを挙げました。ただし、公立小学校が共学であるため、共学はスタンダードな環境と言えることもあり、男子校や女子校ほど際立ったメリットやデメリットが挙げづらいというのが正直な感想です。特にデメリットは、あまりデメリットと言えないかもしれません。

前回や前々回の話を踏まえますと、学校を選ぶヒントとしては、まずは「男子校・女子校に通いたい(通っても良い)か否か」が重要かなと思います。共学よりも特徴が際立っている可能性が高いからです。

とはいえ、今回の話もあくまでも参考にしていただく程度に考えていただき、大事なのは、「お子さんの性格を考慮する」ということです。そのうえで志望校の候補となる学校に足を運び、説明会やイベントに参加をすることで実際の雰囲気が分かり、お子さんに合う学校かどうかが見えてくるのではないでしょうか。

 

 

 

フォームの始まり

 

「塾に行かない中学受験」 ~本当に可能?戦略と注意点~

カテゴリー:中学受験2025.06.05

プライベートで私の職業が塾講師であることを伝えると、ときどき、「塾に行かずに中学受験ってできるんですか?」という質問を受けることがあります。本日はその話をしたいと思います。

結論から言えば、理屈のうえでは可能です。ただし、現実には越えなければならないハードルがいくつもあります。今日は塾に通わずに受験をすることのメリット・デメリットを整理しながら、実際のところはどうなのかについて一緒に考えてみたいと思います。お話は

①塾に行かないメリット
②家庭学習を支える道具は整っている
③ただし、現実はそう簡単ではない
④まとめ

の順で話をしていきます。

【1】塾に行かないメリット

まず、塾に行かないことのメリットについて見ていきましょう。一つ目は、経済的な負担が軽くなることです。中学受験塾は、年間で100万〜150万円ほどかかることもあります。それを自宅でまかなえるなら、大きな節約になります。塾の費用は、授業料だけではありません。以前に動画でも挙げましたが、教材費や模試代、さらには交通費や食費など思わぬ出費も多いのです。

二つ目は、家族の時間を犠牲にしなくてすむことです。
夜遅くまでの通塾、土日のテスト…塾通いは、どうしても家族全体が塾中心の生活になりますよね。それがないだけでも、生活リズムが安定します。夜遅くまでの塾通いなどさせたくない、と考えている保護者の方も意外と多いのではないでしょうか。

三つ目は、「100%自分たちの責任で進められる」という感覚が持てることです。
自分たちで計画を立てて、自分たちで子どもの理解を見ながら学習を進める。その過程自体に意味がある、と感じる方もいると思います。また、自分たちだけで受験勉強をしたのであれば、入試結果も受け入れやすいのではないでしょうか。

【2】家庭学習を支える道具は整っている

しかも今は、市販の教材が非常に充実しています。たとえば、みくに出版の『ウイニングステップ』など、塾に通わなくてもしっかりと中学受験対策ができるテキストも増えています。さらに、情報もネットで手に入る時代です。
学校説明会の動画、過去問、体験記、合格者インタビュー…。グーグルやYouTubeで検索すれば、たいていの情報は見つかるようになりました。

また、学習面においてもご夫婦で分担をすれば比較的楽になります。すべての科目をお母さんが見るとなるとお母さんの負担が大変ですが、たとえば、お母さんが国語や社会などの文系科目を、お父さんが算数や理科の理系科目を担当するという形で協力すれば、負担は大きく減ると思います。

【3】ただし、現実はそう簡単ではない

ここまで聞くと、「あ、意外とイケるんじゃない?」と思うかもしれませんが、実際はそう簡単ではありません。家庭で中学受験を完結させるのには、いくつかの大きなデメリットがあります。まずひとつ目は、情報不足です。学校ごとの出題傾向や、志望校の校風・文化は、塾に通っている子たちから自然に流れてくる情報も多く、それを家庭だけで拾うのは意外と難しいんです。あるいは、過去問も過去数年のものは手に入りますが、もっと古い物となると塾に行かないと手に入らないケースもあります。二つ目は、モチベーションの維持が難しいということ。塾に行っていれば「まわりの子ががんばっている」という空気のなかで自然とやる気が出るのですが、家庭学習ではその刺激がありません。

そして三つ目。これがいちばん大きいと思うのですが、親がイライラしがちになること。教える側にとって、子どもが分からないときに感情的になってしまう…これは本当によくあることです。特に高学年になると、思春期にも入り始めて、親子でぶつかりやすくなる時期。家庭がギスギスする危険性もあります。

また、子どもが自走できるタイプでない場合、常に親が隣で勉強を見ていなければならないことになります。これはかなり大変です。夏休みのような学校がない期間は一日中一緒にいなければなりません。

【4】まとめ:理屈では可能。でも、現実には難しい。

ということで、まとめです。「塾に行かずに中学受験は可能か?」と聞かれたら――理屈の上では可能。でも、現実には相当な覚悟と準備が必要、というのが正直なところです。どうしても塾の費用が厳しい…という場合は、塾と家庭学習をうまく組み合わせる方法(たとえば、必要な教科だけ通塾する、短期講習だけ参加するなど)も検討してみると良いかもしれません。大事なのは、「どのスタイルが子どもに合っているか」を見極めることです。塾に行く・行かないは、正解・不正解ではなく、その子に合うかどうかなんです。

ということで、今日は「塾に行かない中学受験は可能か?」というテーマでお話ししました。

【2025年首都圏中学受験 総括】

カテゴリー:中学受験2025.05.14

2025年首都圏中学受験

 どう変わった?5つのポイント!

 

こんにちは!今日はちょっと時間が経ってしまいましたが、「2025年の首都圏中学受験の総括」についてお話しします。今年の中学受験には、例年とは違う動きがたくさんありました。今回は、特に注目すべき5つのポイントを、具体的な学校名も交えてご紹介します!

 

  少子化なのに、受験率は過去最高水準!

2025年の首都圏中学受験者数は約6万2,200人と減少しましたが、受験率は15.2%と非常に高い水準でした。東京ではここ数年20%前後の受験率で、「中学受験をするのが当たり前」という環境が続いています。

 

「御三家」信仰が変化!学校選びが多様化

これまで男子なら「開成」、女子なら「桜蔭」といった御三家が圧倒的な人気を誇っていましたが、最近は「偏差値だけでなく校風や教育内容で選ぶ」家庭が増えています。

 

例:

  • 広尾学園 や 三田国際 のような先進的なカリキュラムを持つ学校
  • かえつ有明 のように探究型学習を重視する学校
  • 渋谷教育学園渋谷(渋渋) のようなグローバル教育

 

こうした特徴をもった学校が注目されるようになり、必ずしも「御三家一択」ではなくなっています。実際、多くの面談をしていて感じるのは、新しいタイプにまず保護者の方が反応しているということです。

 

中堅校の人気が急上昇!現実的な選択へ

2025年は、いわゆる中堅校の人気がさらに高まりました。

 

例:

  • 世田谷学園(落ち着いた校風+安定した進学実績)
  • 東京都市大学付属(理系教育+自由度の高い校風)
  • 恵泉女学園(探究・国際教育に力)

 

こうした学校は、落ち着いた校風や、無理なく大学進学を目指せる環境が評価されています。「難関校にこだわらず、確実に合格できる学校を選びたい」という、現実的な受験戦略が広がっています。加えて、難関校にない「面倒見の良さ」や一人ひとりの生徒に寄り添う校風が評価されているという側面もあるようです。

 

英語入試の拡大!グローバル志向の学校が人気

2025年は英語入試を実施する学校が113校に達しました。

代表的なのは、

 

  • 広尾学園
  • 三田国際学園
  • 開智日本橋学園
  • 文京学院大学女子
  •  

これらの学校は、英語教育に力を入れており、帰国子女や英語が得意な子にとって人気の選択肢です。英語を武器に、偏差値とは違う軸でチャレンジする受験生が増えています。小学生から英語をしっかりと習わせるという家庭が増えていますので、今後も英語入試を導入する学校は増加すると思われます。

 

受験スケジュールがより戦略的に!

2月1日の午前から始まり、午後、2日の午前午後、3日・・・という連日受験のスタイルから、2月4日・5日受験を活用する家庭が増加しました。入気には、学校側が入試日程のかぶりを避けるために後ろにずらしたことが挙げられます。


たとえば

 

  • 広尾学園小石川 東京都市大学付属 の後半日程を狙うケースも目立ちました。

 

「第一志望がダメでも、次で確実に押さえる」という計画的な受験が浸透しています。

 

 

まとめ

2025年の中学受験は、


偏差値重視から“校風・教育内容重視”へ
中堅校や英語入試を活用した多様な受験戦略が進化

 

来年以降も同様の傾向は続くといっても良いでしょう。

東大附属合格!

カテゴリー:中学受験2025.02.05

先ほどO君から東大付属合格の報告がありました!おめでとうございます!

これで三年連続東大付属合格者輩出となりました。