東大附属推薦入試で合格を勝ち取る4つのポイント
カテゴリー:中学受験2024.10.09
東大附属は国立の小学校で、昔から入試の倍率が高く、推薦に至っては10倍を超えるのが当たり前とされている。さらに、合格基準も明確ではないため、一般的な学校と異なり対策がしづらく、塾業界からは疎まれてきた。確かにそういう一面はあるものの、ここ10年ほどで何名か推薦合格した生徒を思い返すと、それなりに合格へのヒントがあるのではないかと思い、そのことについて語ってみたい。
コロナの影響で、数年前より推薦入試は、二段階入試になった。流れは下記のとおり。
10月末より11月頭にかけて書類を提出
小学校と保護者とそれぞれに作成する書類がある。
学校の先生には、
・報告書
・推薦書
を書いてもらう
保護者は、
・志願理由書・誓約書
を350字程度で書く。
11月の下旬に上記の書類をもとに推薦第一次合格発表が行われる。
合格者は、
・適性検査
・面接
・書類審査
がある。
適性検査は科目横断的なものと、作文が出題される。面接は集団面接でおこなわれ、東大附属のHPによると「他者の意見に耳を傾け、自分の意見を述べる力を重視する」とある。
さて、上記のなかで合否が決まるのだから、合格のヒントはこのなかにあることになる。以下、合格のための四つのポイントを語っていくが、学校がそもそも合格の基準を発表していないので、すべて独断と偏見による見解になることをあらかじめ申し上げる。
まず、東大附属の教育目標は以下のようなものだ。
「未来にひらく自己の確立」を掲げ、そのために「ことばの力」「論理の力」「身体・表現の力」「関係の力」「情報の力」という《5つの力》を養おうとしています。
こうした目標・能力の実現のために、「探究的・協働的な深い学びを通して豊かな市民性を育む」ということに重点を置いて実践を積み重ねています。
要するに「ことば」をつかって自らを表現する力をつけていくというのが教育目標である。実際、卒業時には16,000字以上の卒論が課せられる。16,000字というのは原稿用紙に換算すると40枚以上であり、受験をひかえた高3生にとっては相当ハードルが高い卒論であることが分かる。
こうしたことを踏まえると、「書く力」が重視されるのは当然のことと思わる。そのためには、作文の対策が必須である。出題される作文の形式も昔と比べると変わってきており、最近は二つの違う意見をまとめて、それを踏まえたうえで自分の意見を書く形式が多い。そうすると、作文だけではなく要約も重要になる。当然ながら私立の受験勉強とは異なるため、それ専用の学習をしたほうが良い。作文が上手になるコツは添削をしてもらうことである。書いて直すという作業をしなければ上達はしない。しかし、反対に丁寧に書いて直すという作業を続ければ必ず文章力はアップする。
次に、東大附属が東大の教育学部の研究機関であることも重要な要素として考えられる。研究機関であるため、わりと個性の強い受験生が合格する確率が高いように感じられる。一般的な学校であると「学力の高い受験生」が合格する確率が高いが、東大附属の場合は、研究対象として魅力のある「個性のある受験生」をとりたいのではないだろうか。これはどちらかというと、対策でどうにかなるものではなく、生まれついての性格や資質の問題である。とはいえ、保護者があまり子どもを型にはめずに、その個性を伸ばすような教育方針をもつことはできるであろう。ちなみに去年自塾で合格した生徒は、メイキャップアーティストになりたい男の子であった。彼は面接にメッシュの入った髪形で受験をしに行った。
保護者の書く志願理由も重要な要素の一つであろう。ここでのポイントは、東大附属の方針とわが子がいかに合っているのかをアピールすることである。また、研究機関である東大附属をサポートするという姿勢もポイントにつながるだろう。コツは具体的に書くことである。学校のどういったところに魅力を感じ、またわが子のどういったところが学校に合うのかを具体的に書くのである。塾の先生が添削をしてくれればそれがいちばん良い方法ではあるが、無理であれば夫婦間で何度も確認するのが良い。文章は推敲を練ればその分だけ練られた文章になる。
最後に挙げるポイントとしては、学校の先生の書類である。もちろん、先生が書くことに対しては何もできないので、それ以外のこと、たとえば委員会や学校での活動、また出席日数などについて、何かできることはあるはずだ。特に欠席や遅刻が多いと、それだけでおそらく合格は遠のく。ということは、受験を考えるのであれば4年生くらいから小学校にどういう態度で臨むべきかについても親子で話し合うほうが良いだろう。
以上合格のための4つのポイントについて語ってみた。上記の四つのポイントを押さえることができれば合格へ近づくであろうと思われるが、実際のところは分からない。あくまでもヒントとして考えていただければ幸いである。
都立中高一貫校 人気に陰り なぜ?
カテゴリー:中学受験2024.09.22
以前は非常に受検倍率の高かった都立中高一貫ですが、昨年度の受検ではほとんどの学校でその倍率が下がりました。その要因を探るために、都立中高一貫の受検者数推移をグーグルで調べてみました。するとAIによる概要が以下のように出てきます。
- 2019年(コロナ禍以前)の一般枠の受検倍率は4.5~6.7倍でしたが、2024年は2.5~4.5倍に低下し、4倍以下の学校が増加しました。
- 2024年の都立中高一貫校10校の一般枠募集では、募集人員1,574人に対して6,009人が受検し、平均倍率は前年度比0.4ポイント減の3.82倍となりました。
- 男子で一番の高倍率は両国高校附属中の4.39倍、女子は三鷹中等教育学校の5.05倍でした。
三つのポイントが出てきましたが、最初のものが最大のポイントで、コロナ禍を挟んでそれまで5倍前後であった都立中高一貫の受験率3倍程度になったということです。そこにはいくつかの要因が考えられるので、本日はそのことについて話をしていきたいと考えています。
大きく分けて二つポイントがあると思います。一つは経済的な側面、もう一つが教育観です。詳細を見ていきましょう。
- 経済的な側面
そもそも公立中高一貫の最大の魅力は学費が安いことです。これまで私立高校授業料無償化には年910万円未満の所得層に限られていましたが、この所得制限が24年よりなくなります。そうすると、学費が安いというのが魅力ではなくなり、無理に中学受検をする必要がなくなってしまったのです。私立の高校も無償化されるとなると、これまでライバルになかった私立校と天秤にかけられるようになり、結果として受検する人が減ってしまったということです。
蛇足となりますが、東京に住んでいるお子さんをお持ちの多くの方はもちろんこういう高校の授業料無償化を喜ばれているとは思いますが、個人的にはあまり良い政策だとは思えません。ほとんど義務教育に近いといえるような高校の授業料が住んでいる都道府県によって大きく異なるというのは、公平性の観点から首をかしげざるを得ないと思うからです。
- 教育観
コロナ禍が始まったときに、これまで誰も経験しなかったことというのもあり、各学校がいかに対応するかはマチマチでした。しかし、かえってそういう状況であったからこそ、保護者の目線では、頼りになる学校であるかどうかが見えたのではないでしょうか。公立の学校は中高一貫校を含めて、対応が遅かったように感じます。それに比べると私立は、オンライン授業への切り替えが早かったように感じます。もちろん各学校によって異なるので一概には言えませんが、同様の感想をもたれた方も多いのではないでしょうか。わが子を6年預けるという選択で、やはり頼りになる学校というのは大きな魅力になったのだと思います。
また、コロナの対応だけでなく、ここ数年新しい教育観というものがしだいに保護者の間に広がってきています。たとえば、
・ICTの導入
・アクティブラーニングを始めとした新しい授業
・海外研修を含めたグローバル教育の拡大
・海外大学への進学
といったこれまでなかった教育観を打ち出す私立の学校が増えてきました。それに比べると都立中高一貫は公立の学校ですから古い教育観がそのまま残っているように映ります。どちらが良いかというのは分かりませんが、社会が多様化しているわけですから、価値観も当然多様化していきます。偏差値の高さだけが学校の魅力ではなくなり、これからの社会を生き抜くのに、大切な6年間にわが子に何を教育してくれるのか、これまでの教育になかったものを提供してくれるのかというところまでをも保護者の方は求めているのです。その結果、公立中高一貫の魅力が下がったのではないでしょうか。
その他にも、学校のHPの違いもあるかもしれません。インターネットで検索するのが当たり前の今、更新を頻繁にすることは当然のことですが、中には更新があまりされていない学校も散見されます。それに加え、説明会などの頻度も私立のほうが多く、保護者の方にとって学校を知る機会がしぜんと増えるのだと考えられます。当然、認知する機会が増えれば、その分親近感も増します。
このようなことが原因となって、昨年度は都立中高一貫校の受検率が下がったのではないでしょうか。特にこの数年は、保護者の方が学校に求めるものが以前とは変わってきたように感じます。こうした変化に敏感になることが、人気の秘密を保つ秘訣ではないでしょうか。
【中学受験】小6の夏期講習で成績が伸びるタイプとは?
カテゴリー:中学受験2024.08.23
夏期講習も終盤になってきました。
毎年、9月頭の模試や10月の模試で成績が伸びる生徒が必ずいます。これはおそらくどこの塾でもそうでしょう。しかし、一方で伸びない人もいるというのもどこでも一緒だと思います。一体成績の伸びる人と伸びない人は何が異なるのでしょうか?
天王山の戦いを制するために、特に保護者の方は夏期講習で偏差値を1でも伸ばすのに必死だと思いますので、そのヒントになることがあれば幸いです。
ふだんから長時間の学習時間が必要とはいえ、中学受験でもっとも学習時間を確保できるのは、小6の夏休み、そう夏期講習です。この小6の夏期講習は物理的に長時間であるということだけではなく、小4や小5とは勉強に向かう気持ちも大きく異なります。
長時間の学習時間が確保できれば、その時間を弱点補強や復習にあてることができ、結果として成績が伸びるというのはだれでも分かることです。要するに時間をうまく使えれば誰だって成績が上がるという話です。
ところが、実際はそうはなりません。だからといって、学習時間が大きく異なるわけでもありません。というのも、学習時間の確保は特殊な例を除いて全員に平等に与えられているからです。したがって、みんなが上手に夏を過ごすことができれば、全員学力がつくことになり、偏差値に変化は生じないことになります。
もちろん、現実はそんなことはありません。学力差は開く一方である、というのが毎年の結果を見ての感想です。
差が広がる最大の理由は、長時間確保できる勉強時間をどうやって過ごしているかが大きく異なるから、というしごくシンプルな理由です。最大のポイントは集中力です。
自塾では小6生は週に5日、毎日6時間~8時間授業がありますが、集中して取り組めている生徒とそうでない生徒とでは取り組む姿勢が、そもそもまったく異なります。ほとんど金太郎飴のように、集中している生徒はどこの時間帯をとっても集中している一方で、集中できない生徒はいつも気が散漫の状態です。時間が長くなるため、学習の進みも2倍3倍といったものではなく、大げさではなく本当に10倍、20倍の違いが生じます。それが40日前後続くわけですから、その差はかなり大きくなります。当然、夏休み後の模試に大きな差が生じるようになるのです。
ところで、集中できる人とそうでない人との違いというのは、集中力があるかどうかとは実は別問題だと思います。というのも、集中できない人が必ずしも、集中力がないわけではないからです。勉強に集中して取り組めなくても、自分の好きなことであれば集中できる人は多いことは分かると思います。ゲームをすると多くの男の子はとんでもない集中力を発揮するでしょう。
ですから問題はそうではなく、好き・嫌いにかかわらず、しなければならないことに対して集中できるかどうかではないでしょうか。
このことに関しましては、長年講師として小学生とかかわってきて思うことがあります。それは、能力うんぬんとは違った気質的なことが大きくかかわっているのではないかということです。長時間にわたって集中力を発揮できる人には次の2パターンあるのではないかと思っています。もちろん、すべて当てはまるとは思いませんが、小6の夏期講習で集中力が持続して結果を出す人はおよそこのどちらかに当てはまると思っています。
- 負けず嫌い
とにかく人に負けたくない、という気持ちが強く、その気持ちですべてを乗り切る。勉強に対する集中というよりも、負けたくないという気持ちが前面に出ている。
- 内弁慶
内弁慶の人は外地蔵であることが多く、塾でおとなしくしながら淡々と勉強ができる人が多い。外交的でだれとでも話せる人は、すぐに友達を作って話をするので、淡々と勉強することができない傾向が強い。内弁慶の人も家では話し相手がいるために集中して取り組めないが、外では話さない分、集中して取り組める。
過去の生徒を振り返って夏期講習で劇的に成績が伸びたのは上記の二つのどちらかのパターンが多かったと記憶します。
ただし、この二つはどちらかというと気質的なことですので変えることはできないと思っています。そういうとガッカリされる方も多いかもしれませんが、これはあくまでも小学6年生の話です。高校受験や大学受験では話がまた変わってきます。また、今お話した二つの気質に当てはまらない場合でも、成績が伸びる人はいると思いますので、諦めることなくできることをしていきましょう。
入試後だからこそできること
カテゴリー:中学受験2024.03.07
入試が終わりました。志望校に合格した人、残念ながらあと一歩届かなかった人、それぞれ結果を受けとめていると思います。
いつまでも喜びや悲しみにひたっていられませんから、気持ちを切り替えて次に進むことは重要ですが、せっかくですので、この時期に入試を含めた受験勉強の過程を一度振り返ることをしてみることをお勧めします。
その理由をいくつか挙げてみましょう。
- 入試というのは本気を出さなければならない。そのうえで結果が出る。だからこそ自分の性格、特に弱いところが出るので、そういう自分の弱点と向き合える良い機会。
- そもそも、人間というのは、失敗の原因を掘り下げていくと、およそ同じ原因にいきつく。ゆえに、その原因の根本と向き合うことができれば、同じ失敗はしないようになる。
要するに普段であればごまかせるような弱い部分があっても、勝負のときにはその弱さが全面的に出るのです。だからこそ、入試直後というのは、その弱さと向き合う良い機会ではないかと思うのです。
たとえば、入試がうまくいかなった人を考えてみましょう。その失敗の原因にはどういうものがあるのか、いくつか挙げてみます。
A 惜敗のケース
志望校に合格はできなかったものの、かなりおしいところでの勝負となった。あと少しで合格できたであろうケース。こうした場合は、受験態勢に入るのが遅かったことや、詰めの甘さなどが原因であることが多い。往々にして情報不足の状態で始めたということが原因になっていたことが多いので、次は情報収集を早い段階からすることで、同じ過ちをせずにすむ。
また、反省とともに自分の強みも分かったはずなので、何が自分の強みなのか(本番に強いとか、根性があるとか、スイッチが入ると別人になれるとか)を分析できているとなお、次の機会にいかせるようになる。
B 惨敗のケース
志望校に合格できず、滑り止めと思っていた学校にも落ちた場合。こういうケースの場合は、自分の学力を客観的に見ることができていないことが多い。「何とかなるだろう」「自分なら受かるだろう」と楽観的に考えている。「自分ならできる」と自分を信じることは重要だが、一方で自分の学力と志望校との距離を冷静に見ることのできる客観的な視点も重要。そもそも保護者のほうでも、志望校が高い方がモチベーションに繋がると思い込み、家族で暴走していなかったかどうかの確認が必要。
また、この惨敗のケースは、プライドの高さゆえに高めの学校ばかりを狙うということも多い。このケースの場合は、自分の性格を(つらいことではあるが)分析することが次につながる。学習の仕方や塾云々よりも、なぜ自分がこの志望校を選んだのかについて深く考えることが重要。現実の自分と、自分が思っている自分の乖離が大きいと、何をしてもいつも同じ失敗になりやすいので要注意。
C 学力が伸びなかったケース
受験期に猛勉強をしたにもかかわらず、思ったほど学力が伸びなった人は、何が原因で伸びなかったのかを考えるべき。
たとえば、
・学習の要領が悪い
要領の悪い学習方法の場合は、終わらせた参考書やテキストが少ない場合が多い。どれくらいの 量のテキストを終わらせたのかを数えてみて、他の受験生と比較をしてみれば良い。また、要領が悪い人の場合は、分からない問題の対処の仕方もよくないケースが多く、極端な例では、放置したり、あるいは反対にすべて先生に聞こうとしたりする。暗記系は、時間をかけずに自分ですぐに覚え、解答解説を見ても分からない問題のみを先生に聞くなどする。成績の良い人をまねると良い。
・心が弱い
途中で気持ちが折れていた。この場合は、自分が強くなるか、自分の弱さを受け入れ、弱いなりにできることを考える。最悪なのは、弱い自分という自覚がないこと。弱い自分が受け入れられないと言い訳ばかりを言うようになり、他責思考になる。
D 頼れる人がいなかったケース
受験は最後には一人になるとはいえ、一人で過酷な受験を乗り越えることは難しい。であるからこそ、周りの協力が重要。学校や塾の先生だれか一人でも良いので、本心から相談ができるようにしておく。あるいはその反対に、本当のことを言ってくれる人を探すこと。それができないと、自分のことが客観的に見られなくなることが多い。予備校や塾に通えない人は、今はYouTubeもあるので心の支えを見つけておく。頼れる人がいない状態で受験をし、うまくいかなかった人は、どうすれば人に頼れるのかを次の課題として考える。
分析をしていけばもっともっと出てくると思いますが、受験がうまくいった人もそうでなかった人も、受験というものを通して、自分の強みや弱みを冷静に見つめて次のときにその分析をいかせるようにすれば、次はもっと良い結果にめぐまれると思います。
【合格体験記】東大付属推薦合格
カテゴリー:ブログ2024.02.16
個性で勝負!
昨年度東大付属に推薦で合格したO君は、とても個性的な男の子でした。
将来は、メイクで人を幸せにしたいと言っていました。
最近、自宅にこもってふさぎこんでいるというおばあちゃんの家に行って、メイクを施してあげると、おばあちゃんの顔に笑顔が戻ったと書いた作文は印象に残りました。自分でもメイクをし、お母さんの話によると、コスメ関連はお母さんよりもずっと詳しいそうです。
そんな彼がkip学伸に入塾したのは5年生の秋とかなり遅めでした。ただ、入塾当初からマックスで塾に通い、ものすごいスピードで後れを取り戻していき、最終的には通常カリキュラムに追いついたので、短期間で相当の努力をしたのは事実です。
作文は、目の付け所の良いものが多く、切り込む視点も一風変わっているため、それが彼の個性となってより印象に残りました。
推薦入試前にはお母様が書いた推薦書の添削を数回行い、彼の個性を押さえつけることなく伸ばしてくれそうな東大付属に、志望理由を書きました。添削されるのを嫌がる保護者の方が多い中、積極的に提出していただきました。
推薦入試日も、いつもどおりに長髪の中にメッシュの入った髪形で受験をし、見事に合格をいただきました。
入試当日だからといって、彼の表現である髪形を変えることもなく、堂々と自分を出せた彼の勝利です。
おめでとうございます!
【中学受験】成城学園合格!
カテゴリー:中学受験2024.02.03
Hさんから成城学園合格の連絡がありました!
おめでとうございます!!
模試では厳しい判定ばかりだったので、見事な逆転合格です。
本当におめでとう♪
【中学受験】多摩大聖ヶ丘中学合格!
カテゴリー:中学受験2024.02.01
先ほど、Mさんより多摩大付属聖ヶ丘中学に合格しましたと報告がありました。おめでとうございます!!
お母様もお疲れさまでした!
【中学受験】学校選びのヒント!
カテゴリー:中学受験2024.01.21
中学受験で学校を選ぶとなりますと、みなさんは何を基準にされるでしょうか?多くの方は、志望する学校の偏差値や進学実績それから当然通学時間、それに加えて学費なんかを参考にされるのではないでしょうか。
今挙げたようなものは、基本的に調べればすぐに分かることですので、今日はそうしたこととは少し違って視点で学校選びについて話をしたいと思います。
そもそも義務教育である中学にわざわざ高い学費を払って行かせる意味とは何でしょうか?もちろん、答えは一つではなく、各家庭で違ったものとなるでしょう。しかし、究極的に言えば、それは「より良い環境でわが子を学ばせる」という一言につきないでしょうか?
たとえば、多くの人にとって学校選びの基準となる偏差値や進学実績というのは、「良い環境」の定義にあてはまるとも言えるでしょう。そして、十代という人生の黄金期に、より良い環境で学ぶことで、わが子が社会に出たときに活躍する人材となることを考えられていると思います。
ただ、現在は社会が激変しています。とりわけ日本の凋落が言われるようになって久しく、何かを変えなければいけないとずっと言われ続けています。こういう時代ですと、教育において何が正解なのかは分かりづらいですが、だからこそ保護者の方に考えていただくことが重要であると思うのです。
大雑把な話をしますと、昭和から平成の時代は、日本は欧米を目指していました。「追いつけ、追い越せ」の精神です。こうした場合は、前を走っている欧米に正解がありますので、その正解を参考にしてきました。そうした社会を反映して、その結果として、我々の教育が作られてきました。入試はその一つです。
しかし、気づけば日本の地位は国際的に下がっており、浮上する気配はまだまだ見られません。何とかしなければならないとは言われていますが、どうなるかは誰にも分かりません。日本を取り巻く環境が今後どうなっていくのかは分かりませんが、一方でおそらくこのような変化は生じるであろうと分かることもあります。
たとえば、今後の社会は、デジタル化が進みAIの性能がますます上がっていくことが必至です。そうしますと、人間に求められるのは当然AIにできないことになりますので、「コミュニケーション力や行動力」が求められるでしょう。
また、グローバル化が進めば当然社会も多様化し、その結果としてこれまでにはなかった問題もたくさん出てくるでしょう。それらに対する解決方法は一つとは限りません。何が正解であるかというより、どうやって他の人に納得してもらえる答えを提示できるかというのが重要になるでしょう。
こうした社会の変化に対して学校は何をわが子に教育してくれるのだろうか?という視点で、学校選択をすることはできるはずです。
コミュニケーション力や行動力といったものを育てる教育は、これまであまり重視されてきませんでしたが、今後は変わってくるでしょう。学校はそれに対してどういうカリキュラムを用意してくれるでしょうか?
あるいは、答えが一つとは限らない問題に対して、どうやって粘り強く答えを出していくのか。こうした課題解決型の学習をどうやっておこなっていくのか?
グローバル社会における多様性や異文化理解をどうやって育むのか?
昔と同じようにただただ先生が、教場で生徒に知識を伝えるだけでは上記のような能力は育まれないでしょう。だからといって、「これが正解」というものがあるわけでもありません。だからこそ、学校の個性も見える時代になったとも言えるのではないでしょうか。
このように、今後起こるであろう社会的な変化を考慮して、そうした変化に学校がどう向き合っているのかという姿勢を見るだけでも、大学進学実績や偏差値だけではない学校選びが見えてくると思います。
そのためには、当然保護者の方の社会に対する考え方や学校に求めるものというのが軸としてあることが求められます。
わが子が受験をしたいと言いだしたら
カテゴリー:ブログ2024.01.14
今年度も中学受験率が過去最高を更新しそうです。昨年の23区の受験率がほぼ20%でしたので、今年度も五人に一人は受験をすることになりそうです。もっとも受験率の高い文京区に至ってはその割合は50%近いようです。
受験率が高まった原因はいくつか挙げられると思うのですが、たとえば受験率が3割程度になってきますと、友達の影響が原因で受験を始める人が増えてくるのではないでしょうか。要するに、保護者の方の方針としては中学受験をするつもりはなかったのに、友達の影響で受験をするという現象です。
こうしたケースの場合は、残念ながら保護者の方がそもそも受験をするつもりがなかったために、情報不足であったり、学習の習慣がうまくつけられなかったりというところからの受験勉強スタートとなり、結果として、年が進むごとに大変さを実感し、受験を止めようかどうかで悩むというところまで至ることが多々あります。当然、その最大の理由は成績です。成績が上がらないどころか下がる一方で、改善の兆しが見られなくなるのです。
要は、よく分からないまま、受験勉強を始めたもののうまく勉強の波に乗れずに、成績が上がらず、到底志望校合格が望めそうになく、どうしようかと悩まれるのです。
こうしたケースは大変多いのですが、この悩みから抜け出すのは簡単です。まず保護者の方の認識を改めることです。こうしたケースの方の多くは
- 志望校がそもそも難関校である
- とりあえず大手の塾に入れてみた
- 保護者の情報収集が少ない
といった特徴があります。
まず、①に関して言いますと、たとえば偏差値65というのをどうとらえるのかという問題がありますが、中学受験における偏差値65は(これも模試の種類によって大きく異なりますが)、非常にレベルが高く、高校受験でいう75以上と言えます。要するに最難関です。
お父さんやお母さんが受験した高校の偏差値を思い返してみてください。偏差値65を目指すということは、かなりレベルの高いところを準備もなく目指すということになります。野球を始めたいと言いだしたお子さんが、ご両親の協力なくして甲子園に行けることはありません。小学生のうちから目指している人の中でも一握りの人のみが行けるのが甲子園です。
要するに甲子園に行く人は、行くべくして行くのです。勉強も同様に、難関校を目指す人は、そのための準備をお子さんが小さいころからしてきたということです。こうした認識がないために、志望校の偏差値とお子さんの偏差値に乖離が生じるのです。
確かに以前であれば中学受験というと
・難しい
・勉強のできる人の世界
というイメージをもたれるかたも多かったと思いかもしれませんが、これだけ受験者数が増えているのですから、すべてが難しい学校のはずがありません。重要なことは、とりあえず、お子さんが言いだした受験とはいえ、「わが子が受験をする意味」ということをまずは保護者の方が考えることが第一です。
そもそも私立中学に行くメリットとして、
・自分が気に入った学校に行ける
・勉強する環境が整っている
・新しい時代の教育が受けられる
・好きなことに打ち込める
というようなことが挙げられます。こうした視点で学校を調べるだけで、見方が変わってきます。また、最終学歴が大学であることを考えますと、どこの中学に行くかというのは、スタート地点に立つということに過ぎません。中学受験までの数年よりも、その後の6年のほうが重要なのは言うまでもありません。だからこそ、「わが子にはこういう教育を受けてほしい」と思わせる学校はどこなのかという視点で学校を選んでほしいと思います。
次に②の塾の問題が挙げられます。確かに受験のことが分からなければ、周りのママ友に聞いてよく名前の挙がる駅前にある大手の塾に通うことから始まるのは当然のことかもしれません。しかし、いざ入塾してみると、授業についていって、模試を受け続けることの大変さに閉口する保護者の方も多いでしょう。親子で疲弊してしまうことも少なくありません。
大手の進学塾の多くは、難関中学の合格者数を競っています。だからこそ、開成中学何名合格といった宣伝をするのです。そうすると、大手の塾の場合クラス分けがされているとはいえ、そもそも目指すべき志望校が高く設定されていることが少なくありません。
そうしますと、最初の①の話に戻りまして、そもそも塾が設定しているゴールが高いために無理が生じるということになります。塾によって対応の差がありますが、基本的には大手の塾は競争原理が働き、その競争にうまく乗った人には熱心に指導してくれますが、乗れていない人に対して熱心に働きかけてくれるということはありません。
こうした状況が続くことで、受験を諦めようかなとなってくるのです。そうしたときに、保護者の方からよく出てくる言葉が、
・本人の自主性が出てきたら
・自覚するようになったら
なのですが、先のことは分からないとはいえ、先延ばしをしたからといって、お子さんの自主性が数年後に芽生えるとは限りません。受験勉強を続けることがベストな選択かどうかはもちろん分かりませんが、一度走り始めたのであれば、保護者の方の認識を改めることで、良い方向に受験をもっていける可能性は十分にあると思います。
「勉強しなさい!」に効果はあるのか?
カテゴリー:中学受験2023.10.20
勉強をしないわが子を見て、ついつい口から出てしまうセリフ「勉強しなさい!」。おそらく、ほとんどの人が日常的に発していることでしょう。
この言葉は効果あるのでしょうか?
行動経済学では、どういうセリフをどういうタイミングで言えば、より学力向上に効果的であるのか、すでに膨大な数の実験結果から答えを得ています。
まず、大前提として教育投資というのは非常に効率が良いということを頭に入れてください。当然、大人は教育の効果というのを知っているので、そのことをわが子に伝えようとするのです。
ただし、ここに一つ問題が生じます。教育投資に効果があるとはいえ、それを実感できるのは数十年後です。人間は(人間に限らず、すべての動物)、遠くの利益よりも目の前の利益を優先します。これを「双曲割引」と言います。
双曲割引(そうきょくわりびき、英: Hyperbolic discounting)は、行動経済学の用語で、「遠い将来なら待てるが、近い将来ならば待てない」という、今までの経済学理論では説明できない非合理的行動を説明する概念として注目されている。時間経過をx 軸、割引率をy 軸とした時のグラフが、時間とともに減少する双曲線(反比例のグラフ)になることから名づけられた。ジョージ・エインズリーテンプル大学教授(臨床精神医学)が唱えた。
「今日と明日の違いは明日と明後日の違いより大きい」と説明されている。例えば1年後のダイエットの成果より、目の前のケーキの誘惑に負けたり、1年後のローンの負担より今のキャッシングの買い物が嬉しいということである。これを人間やその人の弱さとしてではなく、動物(人間を含む)の基本的性質として捉える。
経済学を心理的・精神医学的基盤の上に乗せようとする努力の一環である。今までの経済学は「合理的人間」仮定の上に立っていたが、人間は本来非合理的なものであるということと矛盾するという根本的な問題と、経済理論と現実との不整合が目立ってきたため、それを解決するかも知れない理論と言うことで注目されている。
ウィキペディアより引用
とすると、遠い未来のご褒美では意味がありませんから、その場合は目の前にご褒美をぶら下げるしかありません。これは、日常的に多くの親がしていることです。
「80点以上とったら、新しいゲーム買ってあげる」
会社でも結果を出すと報酬が出ることは珍しくないでしょう。
実はご褒美を上げるということ自体は、何もしないことよりも効果があることが実証されています。もちろん、「ご褒美をもらうために勉強をする」という考え方が好きではないというのも、教育の一つのあり方です。あくまでも、ご褒美がある場合とない場合ではある場合のほうが学力が伸びたという実験結果があるということです。
では、ご褒美を差し出すとして、どういうことに対してあげるのが効果てきなのでしょうか?
ノーベル経済学賞を受賞した米ハーバード大学のフライヤー教授は以下のような実験を行いました。
結果(アウトプット)⇒「学力テストや通知表の成績がよくなったら報奨金を出す」というもの。つまり「いい成績」というアウトプット(成果)に対して報酬を出した。
行動(インプット)⇒「本を読む、宿題を出す、きちんと出席する、制服を着る」といったインプット(投入)に対して報酬を与えた。
意外なことに上記の実験の結果、アウトプットよりもインプットのほうが学力が伸びたそうです。
なぜでしょうか?
それは、インプットのほうが指示が具体的だからだと考えられます。成績をとるというのは具体的な指示ではありませんが、毎日宿題をするというのは具体的な指示です。これが、結果として学力の向上につながるのです。
よくある「結果を褒めるか」「過程を褒めるか」でも同じです。この場合も、結果よりも過程を褒めるべきです。
過程を褒める場合、必ずその過程を見ておかなくてはなりません。お父さんがお子さんを褒める場合を想定してみましょう。
結果で褒める場合は、テストが返ってきてその点を見たときのみで完結しています。一方、過程を褒めようと思ったら、途中の努力している姿をお父さん自身が見ていなければなりません。それだけ、お子さんの学習に関わっているとも言えます。
まとめますと、ご褒美がないよりもあるほうが効果がある。ご褒美は遠い未来に設定せずに、こまめに、具体的な行動によってあげる。結果よりも過程を見て上げる。これが行動経済学の実験で出た、より学力があがるための行動です。
ちなみに、最初の問いである「勉強しなさい」というセリフはまったく効果がないそうです。
最も効果的だったのは、母親の場合は「勉強する時間を決めて守らせている」こと、父親の場合は「勉強を見ている」ことでした。
小6の模試の結果が全員過去最高!
カテゴリー:中学受験2023.10.06
本日、首都圏模試の結果が閲覧可能となりましたが、六人全員が過去最高の成績となりました。全員の成績が上がるというのは珍しいことですが、今回は全員が上がりました。
もっとも上がった生徒さんで偏差値が前回よりも14、上がらなかった生徒さんでも過去最高の偏差値と同じ結果でした。
去年の12月よりカリキュラムを完全に変更し、基礎固めに徹底してきました。その成果がここにきて出てきているのを感じています。
難しい問題にいくら時間を費やしても基礎ができるようにはなりません。成績を上げたいのであれば、まずは基礎を固めてから。中学受験は、難問を解く傾向になりがちですが、実際の受験で難問があまりでない中学もたくさんあります。
難しいテキストを止めて、中学受験の基礎問題に徹底的に取り組んだことの成果が出てきて講師一同非常に嬉しく思います。
私立中学受験 出来ない子に模試を受けさせる意味はあるのか?
カテゴリー:中学受験2023.09.10
中学受験をする人にとって模試の受験は避けて通れません。たとえば首都圏では、四大模試といって、「サピックスオープン」「四谷大塚の合不合判定テスト」「日能研全国公開模試」「首都圏模試」と1万人前後の受験者がいる模試が四つもあります。こうした模試に加えて、各塾で行うテストなども加えると、中学受験期というのは、常にテストに追われていると言っても過言ではないでしょう。
中学受験に慣れている保護者の方であれば、「そういうものだ」と思えるかもしれませんが、初めての方にとっては「こんなに試験ばっかりして意味あるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。
最初に私自身の考えを言うと、模試や小テストの意味は当然認めているものの、頻繁な模試や受験直前の模試、あるいは1月のお試し受験などはあまり推奨していません。その理由はおいおい話をしていきます。
そもそも模試を受ける意味は何でしょうか?
・自分の学力が客観的なデータで分かる
・試験会場に慣れる
・広い範囲からの出題に慣れる
・自分の解くスピードの確認、ペース配分を学べる
・問題の解く順番
・何ができていないかを確認できる
・成績が出ることでモチベーションにつながる
模試を受ける意味は上記のように数多くあります。しかし、こうした模試から得られるものは、ある程度の条件が必要です。
・出題範囲をすでに学んでいる
・自分が目指している学校のレベルと模試のレベルが合っている
・成績に一喜一憂しない(成績の悪い場合にモチベーション低下につながらない)
・返却されたデータをきちっと分析できる
上記のような条件を満たしていなければ、模試にあまり意味がなくなります。たとえば、基本的に小6の夏以降ですと、全単元終わった状態になっていますので、出題範囲の問題はなくなりますが、それまでは塾によって学習進度や単元の学ぶ順番など異なりますので、まったく習っていない範囲が模試に出るということもしばしばあります。中学受験用の算数をまったく学んでいなければ、成績がとれるはずありませんから、返却される成績に意味はありません。出題範囲があまりにも学習している範囲と異なるようでしたら受験の必要はないでしょう。
また、成績が良くない人によくあるケースが次のようなものです。それは、成績が返却されたときに、成績が悪いために保護者の方がキレるというケースです。「こんな成績だと意味がないから受験をやめろ」というようなケースです。あるいは、ご本人自身が、「こんな成績しかとれないなら無理だ」と思うようなケースです。模試を受験することでやる気がそがれるようなら、模試など受験しないほうが良いでしょう。
塾が模試を受験させたり小まめにテストを実施したりするのは、理解の程度を測るという意味もありますが、競争心を煽ってモチベーションを高めるという意味もあるからです。というのも成績が良い人に共通していることは、モチベーションが高いことが挙げられるからです。やる気がないのに成績が良いということはありえません。ですから、競争によって「負けたくない」と強く思える人は、模試を受験することで自分の成績を上げようと思えます。
反対にこうした競争が嫌であれば、競争のない個別塾に行けば良いのです。ただし、この場合競争しなくても自分でモチベーションを高いまま保てなければ意味がありません。
自分のペース=楽ができる
では意味がなくなってしまいます。
もう一度確認をしましょう。そもそも学力の高い生徒はモチベーションが高いのです。ということは、モチベーションを高められれば成績が上がる(もしくは上がるであろう)と考えられます。そして、塾にとって生徒のモチベーションを上げるもっとも楽なの方法が競争をさせることなのです。その是非はともかく、一定の割合で良い成績をとりたいという一心で勉強に打ち込める人がいるのです。そういう人は模試やテストに向いているといえるでしょう。最難関中学にもっとも合格者を輩出しているサピックスが小まめにテストを実施し、その成績でクラスを分けることをしていることを考えれば想像できると思います。
このことを裏返すと、成績の悪い人はモチベーションを模試によっては高められないのです。あまり競争したくないともいえるでしょう。だからといって、自分のペースでゆっくりと楽をしながら学習をしたところで学力が高まるわけではありません。そうした人の場合は、別の方法でモチベーションを高めていく必要があります。
そうした人の場合は、模試よりも、自分が習った範囲のテストを小まめにして、自分が理解できているかどうかに重点を当てるがお薦めです。要は、人との競争ではなく、自分の実力がついているかの確認です。全体の中での自分の立ち位置よりも、習ったことがしっかりと分かっているかどうかの確認を通して、自信をつけていき、モチベーションを高めるのです。こういう人の場合は、4年生から定期的に模試を受ける必要はないと思います。むしろ、先ほど述べたような復習テストを中心におこない、模試は必要性を感じたときだけで良いでしょう。ただし、小6の夏から秋にかけては自分の立ち位置をしっかりと認識するためにも、3度、4度の大きな模試を受けてみてください。
最後になりますが、12月は模試よりも志望校の過去問対策に力を注いだほうが良いでしょう。模試というのはその性質上、どうしても最大公約数的な問題になります。最初に述べた四大模試は受験者数が一万人前後となります。そうすると、一万人の受験生の実力を測れ、なおかつ採点に差が生じないようにしなければならないので、実際の入試(受験生が数百人で偏差値も10前後の差しかない)とはそもそもの性質が異なるものです。
受験直前は、偏差値を上げるというよりは、志望校の対策に重点をおいて学習をしたほうが、はるかに効率的です。また、12月、1月はインフルエンザが猛威を振るう時期でもありますから、わざわざ人が密集しているところに行く必要もないでしょう。1月入試も同様のことが言えます。直前の貴重な日曜日一日を、行くことのない学校の試験に費やすのはもったいないと言えるでしょう。そもそも入試や模試というのは学校や塾が利益を出すためにおこなっているという側面もありますので、みんなが受験するからといって、わざわざ受験する必要はありません。
学力を伸ばすために for小学生
カテゴリー:中学受験2023.05.27
学力を伸ばすには勉強をするほかありません。このたった一言で終わってしまう「勉強をする」という言葉も、よくよく考えてみると奥が深いものです。
勉強をするには机に向かう必要がありますが、机に向かっているからと言って勉強をしているとは限りません。勉強はもちろん一定時間を費やさなければなりませんが、長時間テキストを開いて椅子に座っていたからと言って、真剣に勉強に向かっていたとも限りません。こうしたことを踏まえると、いくら「勉強をしなさい」と言っても、「勉強をする」ということがどういうことを意味するのかを理解していないと、その言葉は空回りするだけになってしまうことが分かると思います。
正しく勉強をするには、多くのステップが存在します。その詳細をここですべて書くことはできませんが、まずは以下の二点だけでもご留意ください。
- まず、何のための勉強なのか?
これが明確にされていないと、いつまでも受け身の姿勢のままです。「言われたから勉強をする。」「言われなかったからしなかった・・・。」受験を考えている人は、何のために受験をするのかをもう一度話し合ってください。受験をするべきかどうかを迷っている人や、お子様にどうやって伝えたら良いか分からない人は、ご相談いただければ、ご家族で面談をいたします。あるいは、お子様に直接面談を実施いたします。
また、勉強というのは必ずしも今年の受験のためだけにするものではありません。5年後の高校受験に向けて、まずは勉強をする習慣をつけるというのも大きな目的と言えるでしょう。どんなことでも構いませんので、何のための勉強なのかを今一度話し合ってみてください。
- 勉強をする準備はできていますか?
勉強をするには、少なくとも筆記用具やテキストが必要です。そうした筆記用具は勉強をするのに適しているでしょうか?たとえば、丸い鉛筆を持って、勉強をしている最中に何回も鉛筆を落とす人は、鉛筆を落とすたびに集中力を切らしていることに鈍感になっています。集中して学習に取り組むということは、集中力が途切れそうなものを学習環境から排除することから始まります。
忘れ物をしていないかどうか、鉛筆が削られているかどうか、宿題ができているかどうか・・・こうした確認は物理的な準備です。物理的な準備ができるからこそ、心の準備もできます。勉強をする気持ちをつくるためにも、こうした確認事項を改めて作ってみてください。