Kip学伸のブログ



3×5と5×3、どっちが正解?子どもがつまずく意外な理由

カテゴリー:勉強方法2025.10.24

どちらの主張が正しいの?

動画はこちら 

こんにちは。本日は、いつもと少し異なるお話をしたいと思います。みなさんは、Xなどで次のような投稿を見たことがありませんか?

 

【問題】

1人にミカンを5個ずつ3人に配ります。全部でミカンはいくつ必要でしょうか?

 

この問題の解答を導く式は、5×3=15 となりますが、これに対して、3×5=15  と書いてしまうと、小学校では×をつけられることになります。SNS上で、その採点に対して、学校の指導、あるいは採点基準が間違っているというコメントが多く寄せられているのを見ることがあります。批判をしているのは一般人だけではなく、数学者も入っているため、余計に話がややこしくなり、どちらが正解なのかが分かりづらくなっています。

 

そもそも5個ずつを3人に配るのだから5個×3人=15個が正解であり、反対に3人×5個=15個 というのが間違いとなるのは当たり前ではないかと思う人もいるかもしれません。たとえば、速さの問題でいえば、速さ×時間=距離であって、時間×速さ=距離としないというのも同じ感覚から言えるものだと思います。

 

ところが、中学校に入るとかけ算の順序に関してはそのようなことは言われなくなります。円の面積もπr2と習い、小学生のように半径×半径×3.14のようには習いません。それは、最初に「交換法則」というものを習うからです。交換法則というのは、かけ算や足し算は順序を変えても答えは一緒という法則です。

 

かけ算の順序にこだわる必要がないと主張する人たちは、こうした中学以降の数学で学んだことを踏まえて、小学生の指導の仕方を批判しているわけです。より抽象的になる数学で正解とされることが、なぜ小学校では間違いだとされるのだという主張です。実際、かけ算の順序というものに正解がある、という主張にはかなり無理があります。上記のリンゴの問題でいえば、3人に配るのであれば、一人にひとつずつ配れば一回で3個が必要で、それを5個配るのであれば、3×5になるとも考えられるわけです。

 

では、小学校の指導法は間違っているのでしょうか?

小学校と中学校での指導法の違い

そもそも小学校での算数を指導する目的「計算の意味理解」をすることにあります。ですから、数式を「記号の並び」としてではなく、具体的な場面と対応させて理解することに重きをおくため、現実に即したような「りんごを人に配る」という問題設定にしているのです。小学生は、順序を意識することで、数量の構造を視覚的・意味的にとらえる訓練になるわけです

一方で、中学以降の数学としての「かけ算」は、交換法則(a×b=b×a)を認めています。したがって、「計算の意味をつかませる初期段階」では順序を重視し、「形式的な計算ができるようになったら柔軟にする」という段階的指導が妥当です。

要は小学校と中学校以降では重視していることがまったく異なるのです。

かけ算の順番に無頓着な子ほど意味理解が不十分な可能性

さて、今回この問題について書いた理由は上記のような話をしたいと思ったからではありません。20年の指導歴で、小学生には計算の順序というものが大切なのではないかと思ったことが最大の理由です。というのも、数学の苦手な人はほぼ必ずといっていいほど、かけ算の順序に無頓着だからです。

たとえば、算数の苦手な人は、二つの数字が出てくれば、かけ算をすれば良いのではという発想で問題を解いて、数式を記号としてしか捉えておらず、「場面をイメージする力」が弱いような印象があるのです。したがって、「順序にこだわること=式と意味を対応させる練習」としては有効ではないかと考えています。

こうしたことが顕著になるのが、5年生で学ぶ「割合」という単元です。整数、小数、分数のかけ算、割り算が出てくるので、意味をしっかりと把握していないと、かけ算をするべきなのか、割り算をするべきなのかがあやふやで、とにかくかけ算をする、というような現象が起きてしまいます。そうしたことを防ぐためにも、式に意味づけをしていく訓練が重要になっているのだと思うようになりました。

結論

おそらく児童の発達を考慮したうえで、学校のカリキュラムが組まれており、そのために順番を重視した指導になっているのだと思います。

中学1年生 期末テストで悪かった人はこうすれば良い!

カテゴリー:勉強方法2025.07.11

中学一年生はようやく新しい学校生活に慣れたころでしょうか。私立中学に通っている人は、なんとか中学受験で合格したのだから、もうしばらくは勉強したくないと保護者の方を含めて思っている人は多いでしょう。小学4年生、場合によってはもっと前から塾に入り、勉強を最優先してきた日々。私立中学に入った以上、しばらくはのんびりと過ごしたいと思うのも、むべなるかなと言えるでしょう。

ところが、そういった思いとは裏腹に学校の学習は容赦なく進んでいきます。のんびりしている暇もありません。特に進学校の場合は、速く進むだけではなく難しさも加わります。

とはいえ、一学期の中間テストは、公立中学であっても私立中学であってもさすがにそこまで学習進度が進んでいないこともあり、壊滅的な点数をとる人はそこまで多くありません。問題は一学期の期末と二学期の定期テストです。数学で言えば「一次方程式の利用」、英語で言うと「三単現」の単元が出題されるときが、一気に平均点が下がるときです。

一度悪い成績をとった場合に、すぐに修正ができれば良いのですが、多くの場合は「次頑張る」と言ってあまり変化がないまま進みます。これはすでに一歩、負のスパイラルに足を踏み入れています。

科目の中でも、理科や社会であれば、各単元に必ずしもつながりがあるわけではないので、次のテストの範囲のみを少し頑張れば、点数に結びつくことも多いのですが、英語や数学はそうはいきません。be動詞と一般動詞の区別がつかないままですと、どこまでいっても英語が苦手なままです。

私立中学に進学した人にとって、中学1年生と2年生で大事なことは学習習慣がついているかどうかです。公立中学生は、中1で習慣をつけないと中3の時点で受験態勢に入っていくのは難しくなります。

英語・数学は

予習をする⇒授業を聞いて復習をする⇒定期テスト前に復習をする

という流れを作るのです。これができれば、無理することなく一つの単元を三回学習することになるので、結果として学んだことが身につくのです。

反対に

授業でよく理解できなかった⇒テスト前に慌てる⇒テストで点数がとれない⇒改善されない

という流れに乗ってしまうと、完全に負のスパイラルにはまってしまいます。その最初の分岐点が中1の一学期期末、もしくは二学期の中間なのです。ここで思ったほどの点数がとれていなければ、学習スケジュールを見直したほうが良いでしょう。この時点であれば間に合います。特に夏休み前に気づけば、塾に入るなり、夏の課題を与えるなどして、取り戻せるでしょう。学習スケジュールをつくっていくポイントはまず、数か月単位で作ることです。

新学期であれば4月~7月といった一学期すべて、次は7月~8月の夏休み。その次は、二学期といった感じです。

その数か月でどこまで進めるかの予定を立てて、それを月割りにし、さらに週単位に落としていくのです。そうすれば、毎週何をしなければいけないのかが分かってきます。

しかし、流れに乗れていないことにも気づいていないまま進んでしまいますと、次に手を打つ時期はだいたい中3になってからになってしまいます。

中1に成績が悪い⇒叱るけど改善されず⇒中2も同じ状況⇒中3で「なんとかしなければ大変」と家族みんなが気づく

このような流れになってしまう人が一定数います。ここから流れを作り直すことができないとは言いません。頑張れば何とかなるからです。しかし、大変であることは強調しても強調しきれません。

たとえば、九九でつまずいた人が小3、小4の算数でうまくいくと思いますか?小4の段階で九九を覚え直しながら、学校で学んでいることも同時並行で進めなければいけない状況を想像すればその大変さは理解してもらえるのではないでしょうか。

すべての科目を頑張るというのは、一部の人を除いて現実的ではありません。ある程度の流れに乗るために、英語と数学の先取り学習をできるような学習スケジュールを作りましょう。

もう一度言いますが、一学期の期末、もしくは二学期の中間が分かれ目になりますので、そのときの点数を見て、手を打たなければならないのであれば、すぐに手を打つようにしましょう。

【中学受験 国語・説明文の解き方】

カテゴリー:勉強方法2025.04.04

今日は中学受験の国語で説明文が苦手な人向けに、点数を上げるためのコツを解説します。説明文のカギは「筆者の主張」を正しく読み取ること。そのためのヒントを3つ紹介します。

 

ポイント1:選択問題は消去法で!

基本的に説明文の選択問題は筆者の主張の言い換え問題です。ですから、設問の大半が「下線部の説明として最も適切なものを次のア~オから選びなさい」というような問になっています。ここでのポイントは、選択肢問題は正しい物を選ぶのではなく、間違いのあるものを排除していく、と考えることです。

解き方のコツ

  • 選択肢をスラッシュで区切る

例:現在の日本人の食生活は / 日本と欧米の料理を組み合わせて理想的な栄養バランスを保っているが、/ 今後より欧米化すれば、栄養状態が悪化する可能性がある。

 

このようにすると文の内容が三つに分かれるため、何となく考えるのではなく、それぞれ分けたところのことが本文に書かれているかどうかのチェックとなります。細かく見ると、一つ目は何も言っていないに等しいので実質二つの文章を確認する選択肢問題となります。まず、日欧の組み合わせ料理が理想的な栄養バランである、ということが書かれているかどうかのチェックをします。書かれていればOK.書かれていなければ、その時点で×をつければ良いのです。次に、今後欧米化が進むと、栄養状態が悪化する可能性があると書かれているかどうかのチェックをすれば良いのです。

要するに、説明文の問題とは結局「つまり・・・筆者の主張」ということになります。

 

◆対策法

 使用しているテキストの段落要約をする。

 

ポイント2:対比を読みこめ!

説明文の文章には、必ず筆者の主張が書かれています。たとえば、「日本人の他者とのかかわり方」について書かれている文であれば、下記のようなことが書かれています。

 例:「日本人の他者とのかかわり方」についての説明文

・日本人は他人とこのようにつきあう傾向がある。

・その原因は~だ。

一方で、他のアジア圏の人々は~のように人とつきあう。

・今後は~のように人とかかわることが重要だ

 

ここで重要視したいのは、三番目の「一方で他の~」という箇所です。ここは、対比を使った文になっています。「日本人の他者とのかかわり方」がテーマである以上、「日本人以外は?」という疑問が生じるのはもっともなことですから、対比が使われるのです。こうした対比を読み解くことで、筆者の主張がより明確になります。そのためには、毎回「しかし」「一方で」「ところが」などといった対比を示す言葉を探す癖をつけることが重要です。接続詞にチェックするのが簡単な方法です。

 

◆対策法

文章を「A○○だが、B△△である」という対比の形で簡潔にまとめる。

 

ポイント3:接続詞に印をつけろ!

中学受験において説明文はある程度、難しい語彙が使用される文章が意図的に使われる傾向があります。当然、語彙力が高いことが望ましいのですが、それでも分からない語彙にぶつかることになるでしょう。そうした場合の対策としては、文全体の流れをつかむことが良いでしょう。語彙が難しかったとしても、文の流れが分かれば、筆者の主張に沿ったことが書かれているのか、あるいは反対意見が書かれているのがつかめるからです。そのために、重要なのが接続詞の使われ方です。接続詞を意識することで文の流れを把握できます。

 

例:文章に出てくる接続詞を種類ごとに記号を変えて印をつける。

 

    • 順接(だから、そこで)→
    • 逆接(しかし、だが)→ <  >
    • 並列・追加(また、さらに)→ __
    • 例示(たとえば、つまり)→

 

◆対策法

文章内の接続詞に印をつけ、種類ごとに整理する。さらに、接続詞を使った短文を作る練習をすると理解が深まります。

 

説明文の得点を上げるには、「筆者の主張をつかむ」ことが最も重要です。今回の3つのポイントを意識しながら、日々の学習に取り入れてみてください!

 

【小学生】英語学習の落とし穴

カテゴリー:勉強方法2024.06.23

 

英語教育の重要性がますます高まり、いつの頃からか、英語ができれば大学受験でも高校受験でも、そして中学受験でさえも有利であるようになりました。そのため、小学生から英語を学ぶ人も増えています。そしてそれに伴い、英検を早いうちから取得する人も多いのではないでしょうか。

 

早いうちから学習したほうが語学の習得は良いとされていますから、当然早い段階から始めることは良いことです。実際、小学生のうちから英語を学んでいる人は、中学時代に良い成績をとることができ、英語が得意科目になることもめずらしくありませんただし、ここに落とし穴があるので、その落とし穴について今日は話をしていきます。

 

小さいときから英語を学習する最大のメリットは、「自然に学ぶことができる」ことです。それはちょうどわれわれが日本語を自然に学んだように英語を学ぶという考え方です。この「自然に学ぶことができる」というのは、感覚的に英語が分かることとも言えます。

 

ですから、小学生のうちから英語に触れることで、大人が学ぶのとは違った方法で学べます。自然に学ぶことができることで、特にスピーキングやリスニングはかなり上達すると言えるでしょう。もちろん、週に1度程度の学習ではネイティブスピーカーのようになれませんが、それでも英検でいえば3級程度の単語や言い回しは自然に覚えられると思います。中学に入っても英語が得意科目となり、中学時代はうまく進みます。

 

こんな良いことばかりありそうな小学生からの英語教育ですが、弱点がないわけではありません。というのも、このような学習をしてきた人の多くが、高校の勉強が始まったくらいから、「あれ、何かうまくいかない」と思うことが多くなり、覚える単語が多くなり、しだいに良い成績をとることが難しくなってくるからです。

 

というのも高校英語あたりから、文法事項が細かくなってくるので、基本的な文法が頭に入っていないと、次のステップにうまく進められないのです。感覚的に分かっていた人は、理屈が分かっていないので、自分の感覚外にあるものが理解できなくなります。たとえば、日本語の助詞の「が」と「は」の違いを説明できる人はあまり多くないでしょう。しかし、その違いを説明できなくても、我々は自然に区別できます。

 

「机の上にペンがある。そのペンは私のものだ」

「机の上にペンはある。そのペンが私のものだ」

 

では明らかに後者がおかしいのに、おかしい理由を説明するのは、我々にとって難しいものです。こうしたことからもお分かりいただけるように、いったん感覚で身についたものをレベルアップされるために、後付けで理屈を入れるのは難しいことです。

 

もちろん、ネイティブのように生まれたときから毎日英語を浴びていれば、理屈抜きでも習得できるのでしょう。ちょうど我々が「が」と「は」の使い分けを間違えないように。が、小学生くらいから週に何度か英語を習うくらいですと同じようには習得できるはずがありません。

 

たとえば、次のような英語の違いが分かるかどうかが一つの指標です。

 

I found the book easy.

I found the book easily.

 

単語そのものは中1・中2で学習する簡単なものです。感覚的に英語を身につけたひとは、この違いが分からないことが多いのです。しかし、文法事項をしっかりと身につければ、何も難しいことはありません。

 

I /  found /  the book /  easy.

S    V         O          C

 

これはⅤ文型と呼ばれるもので、O=C となり、その本=簡単 となります。要するに、「私はその本が簡単であることが分かった」となります。一方の文は次のようになります。

 

I /  found /  the book /  easily.

S    V         O         M

 

最後のeasilyは副詞です。この文ではfoundという動詞を修飾するので、「私は、その本を簡単に見つけた」となります。

 

つまり、二つの文は最後の単語の語尾が違うだけなのですが、意味としてはまったく異なるものとなります。感覚で英語を捉えている人は、下記のことを理解していません

 

・「easy」、「easily」のそれぞれの品詞を分かっていない。

・「find」は三文型と五文型を作ることができる動詞。

 

 

文法を学んだ人は、単語を品詞で考え、また文型を考えるため文の構造が見えるのです。もちろんこの文は、中学一年で学ぶ単語しか入っていないので、感覚的に分かってしまう人もいるでしょう。ただし、単語がより難しくなったり、関係詞が入った複雑な構造になったりすると、感覚だけでは捉えられなくなってきます。

 

要は、単語を単に覚えていくような勉強法では限界がくるのです。文章の構造を読み解くには、文の要素を分けて構造を読み取れなければなりません。

 

何度でも強調したいのは、小学生のときに英語が得意な人ほど、後に英語で伸び悩み苦しむことになることが多いのです。

 

とはいえ、小学生のときから文法事項をしっかりと学ぶのは楽しいことではありません。嫌いになってしまえば元も子もありませんから、楽しみながら進めていくことも小学生にとっては重要です。

 

最良の方法は、そうした感覚的に英語を捉えることから始めつつも、いずれそれでは通用しなくなることを保護者の方が分かっており、そのことを踏まえたうえでどこかの段階で、きちんと文法事項も学ばせることです。

勉強を始めるまでに時間がかかる人はどうすれば良いの?

カテゴリー:勉強方法2023.06.06

「宿題する時間でしょ」

そんな自分のセリフを何度も言った後に、ようやく机には座ったものの、まったく勉強を始める様子がないわが子・・・。そういう姿を見て、イライラされている保護者の方も多いでしょう。

こういうときはどうすれば良いのでしょうか?

 

そもそも、取り組むまでに時間がかかる人は、気持ちが次の状況に追いついていないので、その気持ちを換えるきっかけをつくってあげることができれば状況は少し改善されます。外出したくなくても、メイクをしたことで、外に出たという経験をお持ちのお母様もいらっしゃるでしょう。会社に行きたくないが、ネクタイを締めることで気持ちが変化するお父様もいらっしゃるでしょう。人は、決まった儀式をすることで、いつもの行動にスムーズに移ることができます。勉強を始めるときも同様です。

こうした人の習性を利用して、今から勉強をするというときに、スイッチが変わるような儀式をすることをお勧めします。その儀式は、「歌を歌う」ことでも、「踊る」ことでも「特定の音を鳴らす」ことでも、「目をつぶってゆっくりと10秒かぞえること」でも何でも良いでしょう。

ポイントは、たとえ集中が長く続かなかったとしても「良し」とすることです。とにかく、学習を始めるまでの時間を早くすることが目的だということを意識することです。

やる気の盲点

カテゴリー:中学受験2022.06.01

 小学生のわが子の学力がどこまで伸びるのか。低学年であればあるほどみなさん期待が大きいのではないでしょうか。

ましてや初めの塾探しをしようかなと考えられる方にとって、我が子の学習に向かう姿勢が劇的に変わり、勉強量も増え、結果として成績が上昇していけば、こんな嬉しいことはありません。そんな淡い期待を胸にみなさん塾に入ろうと思われるのではないでしょうか。

たしかに、何かがきっかけで劇的に変わる人はいます。子どもに限らず大人でも短期間で急激に変化する人はいます。そのきっかけは誰かの一言かもしれませんし、何かを読んだり見たりしたことかもしれませんし、ひょっとすると塾に入ったことがきっかけかもしれません。

やる気になったとたんに、親が何も言わなくとも机に向かって勉強をするようになった。隙間時間があれば、ゲームをしたりタブレットを見たりするのではなく、勉強をするようになった。やる気にさえなれば、親が何かを言わなくても進んで勉強をする。実際にこうしたお子さんは一定数います。こんなことになれば、ご両親にとっては天国でしょう。おそらく周りの知り合いのお子さんに一人はこういうタイプの人がいるはずです。

こんな魔法のような「やる気」、一つだけ問題があります。

それは、確実にやる気になるという方法がないことです。これは方法論としては、失敗でしょう。

もちろん、塾ではやる気が起きるよう、モチベーショントークをしたり、咤激励をしたりします。受験生であればなおさらです。しかし、そうした話がきっかけでやる気になることもあれば、残念ながらその場で終わってしまうこともあります。ましてや、小学生中学年くらいですとなおさらです。

本来の目的がわが子の学力を上げることであるのであれば、そうした偶然に委ねるよりも確実な方法を考えたほうが良いとは思いませんか。

もう一度念を押しますと、何かがきっかけで劇的に人は変わります。大人も子どもも変わります。ところが、何がきっかけでそうなるのかは誰にも分かりません。あるいは、そのようなきっかけと出会えないかもしれません。であるならば、「やる気」という偶然に期待するより確実に学力がつく方法のほうが効果的です。

では、確実に学力を伸ばす方法とは何でしょうか?

残念ながら楽をして確実に学力を伸ばす方法はありません。特に小学生の場合は、ご両親が何もせずに学力が自然と伸びていくということに期待をしないほうが良いでしょう。学力に限らず、何事も力をつけようとおもったら地味な作業を続けることが最短で確実な方法です。また、そうした方法を小学生のうちに学ぶことにも意味があります。

まずは、何のための勉強なのかをしっかりと家族で共有する。
目標も家族で共有する。
一週間の学習スケジュールをつくる。
決して「宿題は終わったの?」の一言で終わらせない。
さぼらずに勉強を続ける仕組みをつくること。
ズルができないようにする・・・・・

挙げればきりがありません。「大変だなあ」という感想はごもっともです。しかし、楽をしてわが子の学力を伸ばす方法はありません。こうした地味な作業を一つひとつ進めていくことで、正しい勉強法で勉強することが当たり前になり、そこから成績が上がるようになります。もちろん、塾に入るということはこうした作業をご家族と共同でおこなっていくということでもあります。

何より、確実に力をつけるには「楽をする」という発想から入らない、ということが重要な教育ではないでしょうか。

点数で叱らない!(動画)

カテゴリー:ブログ2022.01.07

宿題をする際に解答を見て写してしまう人、分からない問題を放置してしまう人、できないことを隠してします人・・・・そうした勉強法が正しいはずがありません。だからこそ、お母さんが何度も言う。それでも変わらない・・・なぜでしょうか。

定期テストで点数を上げる方法(動画)

カテゴリー:勉強方法2021.09.10

中学生や高校生で定期テストで点数を上げるために、どうすれば良いのか悩んでいる人のための動画です。

想像力がある人は頭が良い!?(動画)

カテゴリー:勉強方法2021.05.28

東大に合格した人がどんなノートの使い方をしたのか。想像力ある人の思考をぜひ知ってみてください。

高校英語 品詞を覚えろ!(動画)

カテゴリー:勉強方法2021.05.25

高校英語の最初に、文型を学びますが、その重要性を自覚する機会は受験生になってからの人が多いようです。文型で登場するS,V,O,Cがそれぞれ品詞でいうと何なのかを知っていると理解が深まります。それを解説した動画です。

高校英語は動詞を覚えろ!(動画)

カテゴリー:ブログ2021.03.25

高校生になって英語の点数がしだいに下がっていっている人に向けて撮った動画です。英語の重要性が言われる一方で、勉強の仕方が分からない人も多いように感じます。

文法事項をどのように学習していくのかを何回かに分けて動画で撮っていきます。

究極の教育は教えないこと???

カテゴリー:勉強方法2019.01.16

「懇切丁寧にわかるまで教えます!!!」

個別指導塾や家庭教師センターでよく見かけるキャッチコピーです。

新規面談等でも、丁寧に教えてもらえることを望む保護者の方は多いものです。

 

しかしながら、丁寧に教えれば教えるほど、こどもは自分で悩み思考することを

奪われるので、ひとりで問題が解けなくなってしまいます。

 

予備校に君臨するカリスマ講師の鮮やかでテンポのいい解説をきいていると

楽しいし、なんか理解でできたような気がするものですから不思議です。

教える側も、高揚感もあり、充実した授業になるので、多くの塾の講師は教えることが大好きです。

 

ただ、分かった気になるのと、問題をとけることとは、全く違います。

解説もみず、講師のサポートもなく、自分ひとりで解くことで本物の学力が見につきます。

 

ベテランの先生は、必要以上に教えません。

なぜなら、何から何まで教えていると、こどもの「依存心」ばかりが育ってしまい、自分自身で考えることが面倒になってしまうからです。

ご家庭でも、何か質問をされたら、「あなたはどう思うの?」と必ず

本人が自分で考えるように仕向けてください。

思考力の養成は、自分自身で考えさせる以外に方法はないのですから。

 

 

GTECって何?

カテゴリー:勉強方法2018.03.29

ところで、GTEC ってなんでしょうか?

GTECとは、「Global Test  Of  English  Communication」

ビジネス英語の能力を測定する検定試験のことで、試験場の用意されたPCを

利用して全試験をオンラインで実施するのが特徴です。

聞く・読む・話す・書く の4技能を測るためのスコア型

英語4技能検定試験のことです。

GTEC for Students   中高生対象の検定試験もあります。

入試で必要な英語力だけでなく、留学時や高校卒業後にも

使える英語力を育みます。。

 

 

ラインナップは「CBT」

Advanced/ Basic /Core

 

例 Advancedの場合

1.Reading(45分。320点)

2.Listening (25分、320点)

3 Writing (20分、320点)

4.Speaking (25分。320点)

Total    1280

 

話す力・コミュニケーション能力に力をいれるようになってきています。

大学受験や就職試験に効力を発揮しますので、どんどん受験しましょう。

 

 

M

 

間違いの癖

カテゴリー:勉強方法2017.08.28

ロシアの文豪トルストイは、あるとき、刑務所に見学に行き、受刑者を見て、「幸福な人の顔はみな一緒だが、不幸な人の顔はそれぞれだ」と言った。

幸福な人は、概ね状況が似通っているため顔の表情も似ているが、不幸にはさまざまな形があるため、顔の表情もさまざまであるという意味だ。この考えをもう少しおしすすめると、人の個性は、幸福時より、不幸な状況のときのほうが出やすいと言えるのかもしれない。

学習においても、正解の仕方よりも間違え方の方が、その人の性格や個性がよくでる。

正解は、誰であっても同じだが、間違い方は千差万別だ。ケアレスミスが多いが、難問はできるという人と、ケアレスミスはないが難問は解けないという人では、対策の仕方がまるで異なる。

学力をつけたければ、この間違い方に注目しよう!

普段の学習、定期テスト、模試・・・・自分の間違いを見つめ、その癖を把握しよう。できるところは、いくら学習してもこれ以上の点数には繋がらない。できないところができるようになることで、点数に結び付く。

そのためには、間違いをしっかりと直して、どうして間違えたのか、なぜ分からなかったのかを普段の学習時から意識していこう。

 

文章を書くということ

カテゴリー:勉強方法2017.08.17

夏期講習も8月に入り、塾生も朝から夜遅くまで勉強をしています。

毎年の光景ですが、うだるような暑さの中、がんばっている子どもたちを見ていると
努力が結果に結びつくことを願わずにはいられません。
受験勉強は大変ですが、こどもたちにとっては、大きく成長していく時期でもあります。
いろいろなことを我慢しながら、一つの目標に向かって自身と闘っていくわけですから。
成長しない子はいません。

結果云々でなく。チャレンジしていく過程で、親が考える以上に子どもたちは
逞しくなっていきます。
今夏は特に、夏休みに入ってからのお問い合わせが急増しています。
大学受験生の小論文対策です。

論文を書くということは、大変難しいことです。
多分、すべての科目の中で一番難しいかもしれません。
文章を書かせると、学力、知識力、思考力、等々・・・本人自身の人格を含めた
総合的な人間力が垣間見えるものです。

課題を与えて、論文を書かせても、課題に対する知識がなければ何も書けません。
まずは、知識をつける、情報を得る。という作業からスタートします。

たくさん、関連の本を読み、基本的な知識を得てからが、スタートラインです。
プロに添削をしてもらえば、簡単に書けるというふうに安易に考えている人もいますが、
それは間違いです。

何回も何回もディベートを繰り返し、悩み、書き直しをし続けるなかで
少しずつその子らしい文章が出来上がっていくものです。

 

継続する方法ってあるの?

カテゴリー:勉強方法2017.08.07

継続は力なんて誰でも知っている。

それができないから悩むし、落ち込むし。

「なにをやっても中途半端!!」な自分。

どれだけ自己嫌悪に陥ったことだろう。

サッカー部員が毎日リフティングを100回とか
野球部員の素振り500回・・・。
陸上部員のランニング6キロ・・・結構やっている人いるでしょ?
なんでも継続している人を見ると、それだけで落ち込む!!

自分は何で継続ができないのか?
罪悪感に苛まれる。

ここで終わると永遠に何も達成できない自分のままだ。
脳は同じことを永遠に繰り返すのを嫌がる。
だから、続かない。
とっても科学的なんだね。

継続するためには、脳が嫌がらないようにするしかない。
だから、息抜き・気分転換を上手にいれることが
大切。
「人間の集中力は90分」と言われている。

無理な計画を立てない。

まず、始める前に全体の学習量を頭にいれておく。

試験の範囲でもOK.

次に、どこまでで終了するかを決めてスタートする。
例えば、英語の試験範囲が200ページあるとする。
4週間後の定期テストまでに、すべてクリアーしたい。

1週間で50ページ。

今日は10ページやろう。
今から5ページを60分でやりきろう!

というように、スタートする前に、学習する量と時間をきちんと決めれば
飽きることはない。
何をやっても、終わりが見えないと疲れてしまうものだ。
同じように勉強をしていても、脳の仕組みを知って、
行動することで、効率よく学習ができるものだ。

 

M

 

東大への道・・・1(kip講師の体験)1~17

カテゴリー:勉強方法2016.11.12

あまり普通のことではありませんが、僕は中学高校大学大学院とすべて一般受験(内部進学などではなく)をしました。もちろん、その都度受験勉強をしましたが自分でも一番勉強をしたなと思うのは大学受験で、逆にあまりしなかったなと思うのは中学受験と大学院の受験です。試験の内容など、理由は色々とあるようにおもいますが今考えてみるとある一つの原因が思い浮かびました。


 僕は静岡県出身ですが、静岡では東京のように中学受験がそれほど盛んではありません。そのため、中学進学時に公立を選ばずに受験する人は学校でも数人という状況でした。仲のよかった友達で受験をする人は一人もおらず(かくいう自分も、引越しで違う中学にいくことになるのでせっかくだからと受験を決めたのですが)、中々受験勉強をするという雰囲気でもありませんでした。中学受験のための塾もほとんどなく、かなり家から遠いところにひとつあったので週に一回だけそこに通っていましたが、モチベーションをあげるのは難しい状況だったと思います。



大学院のときも似たような状況で、自分の大学の学部から僕のいった大学院に進む人はおらず、勉強も一人でやっていました。

受験では周りはライバルでもありますが、やる気のある人や頑張っている人が周りにいるのは、むしろ自分のためにもなりますし、逆の関係も成り立ちます。

東京に出てきて、塾で子供たちを見るようになって、そのような環境が少し羨ましく思えました。

東大への道・・・2

カテゴリー:勉強方法2016.11.12

大学を選ぶ時に、将来を考えて、といいますが実際には高校で自分の将来の姿を思い浮かべるのはなかなか難しい部分もあります。

僕は理数系の高校に通っていたので、周りには医学部を志望している友人も多かったのですが、そのように目標を定められるのはすごいことだなと当時思いました。

僕は結局決めることは出来ずに、大学に入ってから学部を決める制度(進学振り分け制度)がある東大にいって、理系で受験しましたが最後は文学部を卒業しました。

進学振り分けの話をたしか、高校一年生のときにはじめて先輩から聞いたのですが、その時はどうとも思いませんでした。が、いざ高校三年生で進路選択の時になるとなかなか魅力的な制度に思えてきます。

受験をするということは中学にしても大学にしても、一気に自分の進むことのできる範囲が拡がるわけですから、よく調べると自分にあった校風や制度がある学校にめぐり合うこともあるように思います。

東大への道・・・3

カテゴリー:勉強方法2016.11.12

どのくらい勉強すれば~に受かりますか?と、時折質問されます。


明確な答えはもちろんありませんし、個人差もあります。

勉強の「量」は必ずしも実力に100%結びつくわけではないのです。しかし自分自身の経験としてはこんなことがありました。


僕は高校1,2年の時に、高校の数学科においてある数学の問題集を端から全てやってやろうと決めました。受験生でなければ、理科や社会にはそれほど時間をかける必要はないので数学ばかりやっていたというわけです。

それで大体のテキストをやり終えて、高2の終わり頃に東大の過去問をやってみたら十分合格点に届いたのでその後は他の科目の勉強に集中することができました。

過去問の結果もそうですが、とにかくがむしゃらにやった問題集の量は「質」がどうだったかは別として、その後の自信になったことは間違いありません。

どのくらいやれば、というのも情報としては重要かもしれませんが、まずは目の前にあるものを全て一生懸命やってみることで、むしろ自分に必要なものが見えるのだろうと思います。