Kip学伸のブログ



上智大学はなぜ「国際系学部乱立」の中でも埋もれなかったのか

カテゴリー:ブログ2026.09.13

こんにちは。以前、中央大学法学部を取り上げて話をした際に、1990年代以降、各大学が次々と国際系学部を新設し、伝統ある学部の相対的な地位が下がっていったという話をしました。法政大学の国際文化学部明治大学の国際日本学部立教大学の異文化コミュニケーション学部青山学院大学の地球社会共生学部・・・。今や「国際系学部」は、どこの大学にもある、いわば当たり前の存在になっています。

では、この「国際系学部ブーム」の中で、本家本元とも言える大学はどうなったのでしょうか。今日はその大学、上智大学について解説していきます。

第1章:上智は「国際系学部の元祖」なのか?

上智大学は1948年に新制大学として発足し、その翌年の1949年、駐留米軍の関係者などを対象とした夜間プログラム「国際部」を開設しました。これが現在の国際教養学部の前身です。なお、現在の外国語学部が独立した学部として設置されたのは1958年のことで、それまでは1955年に文学部の中に設置された外国語学科という位置づけでした。

「国際系学部」というカテゴリー自体に明確な定義があるわけではないので、上智大学を「元祖」と断定するのは難しいところがあります。ただし、大学自身が「日本の国際教育の先駆者」と位置づけているように、他大学が国際系学部を新設し始めた1990年代から2000年代にかけて、上智大学はすでに40年以上、国際教育のノウハウを蓄積していたことは事実です。

第2章:上智は「国際系学部が強い大学」ではない

「国際系の大学」と聞くと、特定の学部だけが目立っているようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、上智大学が公式に公表しているデータを見ると、それは正確ではないことが分かります。

上智大学の公式サイトによると、

  • 全科目のうち70%以上が40人以下の少人数授業
  • 全体の約18%にあたる990科目が、外国語のみで行われる授業
  • 開講されている語学科目は22言語
  • 他学部・他学科の科目を履修した経験がある学生の割合は85.9%(2023年度実績)

このように、国際色特定の学部だけでなく、人文科学系から理工学系まで、大学全体に行き渡っています。「国際系学部が強い大学」ではなく、「国際系ではない学生も含めて、大学全体で外国語・異文化・他学部との交流にアクセスできる大学」というのが実態に近いといえます。その背景には、四谷キャンパスに9学部29学科のすべてが集まる「ワンキャンパス」という構造があります。物理的に学部同士が分かれていないからこそ、他学部の授業を取る、異なる分野の学生と交流する、といったことが自然に起きやすくなっているのです。

第3章:後発大学が真似できなかったもの

法政大学のグローバル教養学部立教大学の異文化コミュニケーション学部など、後発の国際系学部は、いずれも単独の学部として高い人気を集めています。しかし、これらの大学と上智大学の違いは、「一つの学部を国際化したか」「大学全体を国際化したか」にあります。

上智大学の国際性は、1990年代に突然作られたものではありません。イエズス会という世界的なネットワークを持つ母体のもとで、建学の当初から国際的な教育・交流の思想があり、それが70年以上かけて少人数教育・ワンキャンパス・22言語の語学教育といった具体的な仕組みとして大学全体に組み込まれてきました。一学部だけを国際化するのと、大学全体の設計として国際化するのとでは、後発の大学が追いつくまでにかかる時間がまったく違います。これが、上智大学が模倣されにくい理由だと考えられます。

第4章:「推薦なら入りやすい」という時代も終わった?

上智大学には、一般選抜以外にも、公募制の推薦入学試験や、カトリック系高校出身者を対象とした「カトリック高等学校対象特別入学試験」といった、独自の入試ルートがあります。これらの特別入試は、以前から入試倍率が低いことで知られており、1.5倍を下回ることも珍しくないとされています。その意味では、今も一般選抜よりは狭き門ではありません。

ただし、「誰でも入りやすい」というわけではなくなってきています。カトリック高等学校対象特別入学試験については、2021年度入試から、それまであった学校指定枠が廃止され、日本カトリック学校連合会に加盟するすべての高校から出願できるようになりました。受験できる高校の対象が広がったことで受験者数が増加し、結果として合格の難易度が上がったとされています。

また、この入試は志望理由書に加えて、小論文や面接、学科によっては学科試験も課されており、「推薦だから学力試験がない」という単純な入試ではありません。

つまり、「以前は一般選抜とは違う選択肢として推薦を利用する受験生もいたが、現在は推薦も決して簡単な入試ではなくなっている」というのが実態です。

第5章:それでも上智は安泰なのか?

もっとも、上智大学が今後も安泰かというと、そうとも言い切れません。早稲田大学国際教養学部立教大学異文化コミュニケーション学部明治大学国際日本学部法政大学グローバル教養学部青山学院大学地球社会共生学部など、後発の国際系学部は、いずれも独自の強みを打ち出しながら実績を積み上げています。これらの大学が学部単位での実績を積み重ねていけば、上智大学との相対的な位置づけも、今後変わっていく可能性は否定できません。

ここまで見てきたことをまとめると、こうなります。後発の大学は、国際系学部を新設することはできます。しかし、上智大学が持っている「大学全体の国際性」は、一つの学部を作っただけでは再現できません。上智大学が国際系学部乱立の時代でも埋もれなかった最大の理由は、国際系学部を持っているからではなく、大学そのものが70年以上かけて「国際性を前提とした大学」として設計されてきたからではないでしょうか。

そしてこれは、日本大学のケースとも重なる論点です。日本大学の動画で見たように、志願者数という「量」は施策次第で比較的短期間で動かせます。しかし、上智大学の国際性のように、大学の仕組みそのものに組み込まれた「質」は、一朝一夕には作れませんし、簡単には失われません。数字だけを見ていると、大学の本当の強さは見えてこないと言えるでしょう。

 

日大は復活した?なぜ「日東駒専」の序列は戻らないのか?

カテゴリー:ブログ2026.09.06

こんにちは。本日は日本大学についての話となります。日大は日本最大規模の大学であり、知名度も抜群です。ただし、ここ10年で考えると、何度かの不祥事があり、人気に陰りが見られる、というのが一般的な見方ではないでしょうか。 一時は減少傾向にあった日本大学の一般選抜志願者数(学部・短期大学部)ですが、2026年度入試で11万2312人となり、11万人台まで回復しました。一見すると、これで日本大学は「完全復活」したように見えます。

ところが、ここで一つ不思議なことがあります。志願者数は戻ったのに、以前とまったく同じ状態に戻ったとは言い切れないのです。いったい何が起きているのでしょうか。今日はそのからくりを、公表されているデータをもとに検証していきます。

第1章:志願者数の推移

最初の転機は、2018年に起きたアメリカンフットボール部の悪質タックル問題でした。試合中の危険なプレーとその後の対応の稚拙さが大きく報じられ、大学のガバナンスに疑問符がつきました。さらに2021年には、当時の理事長が脱税容疑で逮捕される事態に発展します。もっとも、このときは志願者数への影響は限定的で、2021年度9万7948人に対し、2022年度は9万3770人と、大きくは減少しませんでした。

さらに事件は続きます。2023年夏、アメリカンフットボール部員による違法薬物事件が報道されます。同じ部活動での二度目の不祥事という事実が、受験生や保護者に与えた印象は深刻でした。この事件を受けて、志願者数は次のように推移しています(日本大学発表・大学通信オンラインのデータをもとにしています。なお短期大学部を含むかどうかなど集計範囲の違いにより、年度間の数字が完全には接続しない場合があります)。

  • 2021年度 9万7948人
  • 2022年度 9万3770人(理事長逮捕後も大きくは減少せず)
  • 2023年度 約9万9千人
  • 2024年度 7万5839人(薬物事件発覚後、前年度比2万人以上減)
  • 2025年度 9万2506人(前年度比21.5%増、2年ぶりの9万人台回復)
  • 2026年度 11万2312人(前年度比21.4%増、2020年度以来6年ぶりの11万人台)

数字だけを見ると、日本大学は2024年度をどん底に、2年連続で大きく志願者数を伸ばし、不祥事前の水準にほぼ並んだことになります。

第2章:偏差値は、志願者数ほど激しくは動いていない

ここで、志願者数とは別のデータを見てみます。大手予備校・東進ハイスクールの分析(ダイヤモンド編集部の特集記事で紹介されたもの)によると、日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)のうち二校に合格した「ダブル(W)合格者」が、実際にどちらへ進学したかを追跡したデータがあります。

この分析によると、日本大学は、かつて日東駒専の中で『筆頭』とされてきた地位を、2019年以降じわじわと東洋大学に明け渡し、直近のダブル合格データでは東洋大学を選ぶ受験生が8〜9割を占めるまでになっている、とのことです。

ただし、この「ダブル合格者の進学先」というデータは、大学全体のブランド力そのものを直接測定したものではなく、あくまで一つの指標です。したがって、「日東駒専の序列そのものが入れ替わった」と断定するより、「少なくともダブル合格者の進学先という指標で見る限り、日本大学より東洋大学を選ぶ受験生が増えた」というくらいの表現が実態に近いといえます。

ここまで志願者数の乱高下を見てきましたが、偏差値についても同じように語れるかというと、そうではありません。日本大学は16学部を抱える大規模校であり、学部・学科ごとに難易度も志願動向も大きく異なります。

そのため「日本大学の偏差値が○○から○○になった」と大学全体を一括りに語るのは、実態を見誤らせる可能性があります。むしろ正確に言えば、日本大学は大学全体の偏差値が大きく動いたというより、学部・学科ごとの志願者数や実質倍率に大きな変化が生じた、と捉えるべきでしょう。

事実、法学部(第一部)は2026年度に前年度比4314人増の1万3765人と、学部単体で突出した志願者増を記録しており、増加分は学部によってかなり偏っています。

日本大学の学務部入学課は、志願者数が11万人台に増えた背景として、ブランドイメージの改善に向けた取り組みや積極的な広報活動、併願割引の適用拡大、外部英語資格試験の導入拡大を挙げています。つまり、この回復は自然に起きたものではなく、大学側の意図的な施策によって押し上げられた面が大きいということです。一方で、前述のダブル合格データで見る限り、日東駒専内で失ったポジションについては、いまだ取り戻せていないと指摘されています。

第3章:「量」は戻っても「質」は別問題

ここまでの流れを整理すると、次のようになります。

不祥事の発生

志願者数の急減(2024年度)

ダブル合格データに見る「日東駒専」内ポジションの陥落

広報施策による志願者数の回復(2025〜2026年度)

それでもダブル合格データ上のポジションは未回復

 

志願者数という「量」の指標は、大学側の施策次第で比較的短期間で回復させることができます。しかし、ダブル合格者の進学先という、受験生が実際に選んだ結果を映す指標には、依然としてズレが残っています。数字が戻ったからといって、大学の評価全体がすぐに元通りになるとは限らない。志願者数の回復とダブル合格データという、性質の異なる二つの指標を並べて見えてくるこのギャップこそ、本日もっともお伝えしたかったことです。

 

【学校対決シリーズ】② 「渋渋× 広尾」 自調自考の自由な探究vsコース制の手厚い面倒見  グローバル・共学系対決

カテゴリー:学校紹介2026.08.23

  1. 導入

 

先週に続き今回も「学校対決シリーズ」となります。今回は共学・グローバル教育系の対決として注目度の高い2校、渋谷教育学園渋谷(渋渋)広尾学園を取り上げます。

 

どちらも共学・国際教育に力を入れ、人気のある学校です。現在の流行りの学校の流れを作ってきた学校といっても過言ではないかもしれません。人気を引っ張ってきた二つの学校ではありますが、実は校風はかなり対照的です。渋渋は「自調自考(自ら調べ自ら考える)」を教育理念に掲げ、生徒の自主性に任せる探究型の校風です。一方の広尾学園は本科・医進サイエンス・インターナショナルという明確なコース制を敷き、コースごとに手厚く面倒を見るスタイルが特徴です。

 

今回も「自由度」「面倒見」「進学実績」「学習環境」「通学のしやすさ」「学費」の6項目で点数化し、それぞれのご家庭にどちらが向いているかを一緒に考えていきましょう。

 

※なお、今回の点数はあくまで一般的な公開情報をもとにした一つの見方であり、絶対的な評価や優劣を示すものではありません。お子さんに合うかどうかは、ぜひ実際に学校見学や説明会に足を運んで確かめてみてください。

 

 

  1. 軸の説明

 

比較する前に、今回の軸を整理します。

 

自由度:校則の有無、生徒の裁量の大きさ、探究学習の自由度

面倒見:先生からのサポート体制、コース別指導や進路指導の手厚さ

進学実績:東大・難関大学、海外大学を含めた合格実績

学習環境:グローバル教育、ICT教育、探究学習の充実度

通学のしやすさ:立地、アクセス、周辺環境

学費:6年間でかかる総額の目安(国際教育プログラムの費用込み)

 

この6項目を5点満点で採点していきます。なお、前回の女子学院×桜蔭と同じ軸となっています。

 

  1. 渋谷教育学園渋谷(渋渋)の評価

 

良い点・特長

「自調自考」を掲げ、生徒が自ら課題を見つけて探究する校風。中学段階からの探究学習・レポート指導が充実

– 2025年度は東大に50名合格するなど、共学校のなかでもトップクラスの進学実績。早慶上智への進学者数も多い

渋谷駅から徒歩圏内という都心一等地に立地し、通学のアクセスは抜群

海外大学への進学や海外研修にも力を入れており、グローバル志向の強い生徒に向いている

 

 良くない点(向かない家庭)

自主性重視の校風のため、「手取り足取り管理してほしい」というご家庭にはやや物足りない可能性

– 2026年入試は第1回・第2回・第3回とも高倍率で、特に第2回は偏差値・合格最低点が最も高くなりやすい

コース制ではなく全員共通カリキュラムのため、明確な目標別(医学部特化など)の手厚い指導を求める家庭には向かない場合がある

 

 点数

| 項目 | 点数 |

| 自由度 | ★★★★☆ (4) |

| 面倒見 | ★★★☆☆ (3) |

| 進学実績 | ★★★★★ (5) |

| 学習環境 | ★★★★★ (5) |

| 通学のしやすさ | ★★★★★ (5) |

| 学費 | ★★★☆☆ (3) |

 

  1. 広尾学園の評価

 

良い点・特長

本科コース・医進サイエンスコース・インターナショナルコース(AG/SG)という明確なコース制で、目標に応じた手厚い指導が受けられる

医進サイエンスコースは医師・研究者を志すマインドの育成に重点を置き、理系志向の生徒に強い

インターナショナルコースは海外帰国子女教育研究指定校としての実績があり、多 国籍で多様性のある学習環境

– ICT教育や1人1台端末の活用など、先進的な学習環境が整っている

 

 良くない点(向かない家庭)

コースごとに校風や雰囲気が異なるため、「広尾学園らしさ」が一枚岩ではなく、入学後のコース選択・コース変更を見据えた検討が必要

広尾・白金台エリアに立地しており、渋谷や新宿など主要ターミナル駅からのアクセスはやや遠く感じる家庭もある

渋渋と比較すると東大現役合格者数はやや少なめで、超難関国立大学突破を最優先する場合は渋渋の方が実績で優位

コース制のため面倒見の手厚さには差があり、選抜コースや成績上位層には手厚い一方、そうでない層は「放置されている」と感じる生徒もいるとの声もある

 

点数

| 項目 | 点数 |

| 自由度 | ★★★☆☆ (3) |

| 面倒見 | ★★★★☆ (4) |

| 進学実績 | ★★★★☆ (4) |

| 学習環境 | ★★★★★ (5) |

| 通学のしやすさ | ★★★☆☆ (3) |

| 学費 | ★★★☆☆ (3) |

 

  1. レーダーチャート

 

6項目を並べると、渋渋は「進学実績」「通学のしやすさ」で優位、広尾学園は「面倒見」で優位という対比になります。どちらも「学習環境(グローバル教育)」は最高評価ですが、全体を通してみると、渋渋のほうがチャートの面積は広くなりました。共学校として見てみると、両校とも素晴らしい学習環境だと言えるでしょう。

 

 ※点数はあくまで一つの見方であり、主観を含みます。優劣ではなく「相性」として見てください。

 

  1. 結論

本日の話をまとめますと、

 

自分で考えて動ける自主性があり、都心アクセスと進学実績を重視したいご家庭→ 渋谷教育学園 渋谷

医学部志望やインターナショナル進学など目標が明確で、コースに応じた手厚いサポートを求めるご家庭→ 広尾学園

 

どちらも共学・グローバル教育のトップ校であり、「自主性に任せるか、コースで手厚く導くか」という校風の違いが最大の分かれ目です。偏差値の近さだけで選ばず、ぜひ文化祭や学校説明会でお子さん自身の反応を見てあげてください。

 

出典・

– 偏差値・進学実績データは森上教育研究所、日能研、各校公式サイトの進路実績ページ等を参考(2025〜2026年時点の公開情報)

 

 

【学校対決シリーズ】① 「女子学院 × 桜蔭」 「自由な自主性」vs「規律ある学力」— どちらがお子さんに合うか

カテゴリー:学校紹介2026.08.16

  1. はじめに

こんにちは。今回から新しい「学校対決シリーズ」という企画を始めていきます。初回は女子御三家の中でも特によく比較される二校、女子学院桜蔭を取り上げます。

 

どちらも全国最難関の女子校ですが、偏差値だけ見ると「桜蔭の方が上」です。しかし、実際にわが子をどちらかの学校に通わせるとなると偏差値以上に大事なのが「校風がお子さんに合うかどうか」です。

 

女子学院は「自由の女子学院」と呼ばれ、校則がほとんどなく、生徒の自主性に任せる校風となっています。一方の桜蔭は「学業を究める」という言葉が象徴するように、規律と学力を重視する校風です。

 

本日は「面倒見」「自由度」「進学実績」「学習環境」「通学のしやすさ」「学費」6項目で点数化し、それぞれのご家庭にどちらが向いているかを一緒に考えていきましょう。

 

  1. 軸の説明

比較する前に、今回の軸を整理します。

 

自由度:校則の有無、制服、生徒の裁量の大きさ

面倒見:先生からのサポート体制、補習や進路指導の手厚さ

進学実績:東大・難関大学、特に医学部を含めた合格実績

学習環境:授業のスタイル、探究学習やグローバル教育の有無

通学のしやすさ:立地、アクセス、周辺環境

学費:6年間でかかる総額の目安

 

この6項目を5点満点で採点していきます。あくまで「傾向」としての採点で、優劣をつけるものではない、という前提でご覧ください。なお、今回の点数はあくまで一般的な情報をもとにした一つの見方であり、絶対的な評価や優劣を示すものではありません。お子さんに合うかどうかは、ぜひ実際に学校見学や説明会に足を運んで確かめてみてください。

 

  1. 女子学院の評価

 

良い点・特長

– 校則がほぼ存在せず、制服も基本自由。生徒の自主性・自立心を育てる校風が最大の特徴

– 「これしなさい」ではなく「自分で考えて動く」文化が根付いており、行事も生徒主体で運営され る

– 立地は一番町、各国大使館が並ぶ閑静で治安の良いエリア

– 進学実績も極めて高く、2025年の東大合格者は28名(現役25名)。早慶上理には451名が合格しており、進路の幅が広い

 

良くない点(向かない家庭)

– 自由度が高い分、「手取り足取り管理してほしい」というご家庭にはやや物足りなく感じる可能性

– 校則や制服がない分、公式説明会などで「うちの子は自分で管理できるか」を見極める必要がある

– 2026年入試からキリスト教主義の礼拝を優先し、試験日が2月2日に変更(サンデーショックの影響)。併願戦略の見直しが必要

 

点数

| 項目 | 点数 |

 

| 自由度 | ★★★★★ (5) |

| 面倒見 | ★★★☆☆ (3) |

| 進学実績 | ★★★★★ (5) |

| 学習環境 | ★★★★☆ (4) |

| 通学のしやすさ | ★★★★☆ (4) |

| 学費 | ★★★★☆ (4) |

 

「※点数はあくまで一つの見方であり、主観を含みます」

 

 

  1. 桜蔭の評価

 

良い点・特長

– 女子最難関の学力層が集まり、進学実績は女子校トップクラス。理系・医学部志向の生徒にも強い

– 「知的な刺激」に溢れた本郷エリアに立地し、東大が近く、勉強への意識が自然と高まる環境

– グローバル教育や探究教育、感性表現教育にも力を入れており、単なる詰め込みではない学びを提供

– 同じ目標に向かう仲間の質が高く、勉強面での相乗効果が期待できる

 

良くない点(向かない家庭)

– 校風としては規律や学業重視の色合いが強く、「もっと自由にのびのび過ごしてほしい」というご家庭には合わない可能性

– 偏差値・入試難易度が女子校の中でも最高峰(四谷大塚基準で偏差値70)のため、入試そのもののハードルが非常に高い

– 学力面での競争が激しい環境になじめるかどうか、お子さんの性格を見極める必要がある

 

点数

| 自由度 | ★★☆☆☆ (2) |

| 面倒見 | ★★★★☆ (4) |

| 進学実績 | ★★★★★ (5) |

| 学習環境 | ★★★★★ (5) |

| 通学のしやすさ | ★★★☆☆ (3) |

| 学費 | ★★★★☆ (4) |

 

「※点数はあくまで一つの見方であり、主観を含みます」

  1. レーダーチャート

 

jg_oin_radar_chart

6項目を並べると、女子学院「自由度」で突出し、桜蔭「学習環境」「面倒見」でやや優位という、きれいな対比になります。進学実績はどちらも高水準でほぼ互角で、特長の異なるまさに対決にふさわしい二校です。

 

 

  1. 結論

本日の話をまとめますと、「自主性を伸ばしたい、自分で考えて行動できるタイプのお子さん」であれば、女子学院。「学業への集中力が高く、規律ある環境で切磋琢磨したいタイプのお子さん」であれば、桜蔭となるでしょうか。一般的な評価とほぼ一致していると思います。

どちらも最難関の女子校であり、「どちらが上か」ではなく「どちらがお子さんの性格に合うか」で選ぶことがもっとも大切です。偏差値だけで決めず、ぜひ文化祭や学校説明会に実際に足を運んで、お子さん自身の反応を見てあげてください。

 

補足:出典・注意事項

– 偏差値・進学実績データは四谷大塚、SAPIX等の公開情報および各校公式サイトを参考(2026年時点の情報)

 

 

【衝撃】芝浦工業大学がここまで難しくなった理由

カテゴリー:ブログ2026.08.02

みなさんは、芝浦工業大学と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか。保護者世代の方であれば、「理工系では有名だけれど、MARCHより少し下くらいかな」というような印象をおもちの方も多いのではないでしょうか。

 

そのようなイメージしか持たれていない方は、現在の芝浦を知ると、驚くかもしれません。レベルが上がっているからです。芝浦工業大学は近年、受験生からの人気が高まり、難化が続いています。しかし、今日お話ししたいのは、「偏差値が上がった」ということではありません。

 

じつは、昔から企業は芝浦工業大学を高く評価しており、受験生がその価値に気づくまで時間がかかった大学だということです。

 

今日はその理由について、データを交えながら解説していきます。

 

1.偏差値は原因ではなく結果

最初にお伝えしたいことがあります。それは、偏差値というのは、当然ですが、大学の価値そのものではなく、人気が高くなれば上がる数字だということです。

つまり、企業から評価されると、その情報が受験生に伝わり、志願者が増え、その結果として、偏差値が上がるのです。芝浦工業大学は、この流れがここ10年ほどで一気に進みました。

 

実は企業評価は昔から高かった

では、本当に企業から評価されていたのでしょうか。じつはそれを示すデータがあります。大学通信が毎年発表している「有名企業400社実就職率ランキング」によると、

 

2024年度卒業生の実績(2025年7月発表)では、全国総合ランキング

 

5位慶應義塾大学 46.7%

6位東京理科大学 43.6%

7位芝浦工業大学 41.2%

9位早稲田大学 39.1%

 

となっています。 上位には国公立大学や豊田工業大学のような小規模私大も入っているため、私立大学だけに絞ってみると、芝浦工業大学はおおむね3〜4位という結果です(豊田工業大学を私立枠に含めるかどうかで順位が変わります)。

 

もちろん、この数字だけで大学の良し悪しが決まるわけではありませんが、「有名企業への就職」という観点では、芝浦工業大学は全国トップクラスの実績を持っていることが分かります。つまり、企業は以前から芝浦工業大学を評価していたのです。

 

2.「最近良い大学になった」は少し違う

「芝浦工業大学は最近急に良い大学になった」というような声を聴くことがありますが、じつは、この表現は少し誤解があるように思います。というのも、企業は昔から芝浦工業大学の学生を採用してきました。

 

製造業

自動車メーカー

建設会社

インフラ企業

IT企業

 

上記のような企業で多くの卒業生が活躍しています。つまり、企業側はずっと芝浦工大生の優秀さを知っていたのです。一方で、受験生の評価はそこまで高くありませんでした。このズレが長い間存在してきたのが、最近になってなくなってきたのではないでしょうか。

 

ズレがなくなってきたがゆえに、受験生の評価も上がり、結果として偏差値が上がったのです。

 

3.なぜ受験生は気付いたのか

では、なぜここ数年で人気が高まったのでしょうか。理由は大きく三つあります。

 

  • 就職情報が見える時代になった

昔は、「大学名」だけで大学を選ぶ人も少なくありませんでした。しかし今は、

 

就職率

就職先

有名企業就職率

大学院進学率

などが簡単に調べられます。受験生自身が卒業生の進路に関してアクセスしやすくなったのです。

 

  • 理系人気の上昇

また、それだけでなく

AI

半導体

DX

情報工学

 

などの分野が注目され、理工系全体の人気が高まっています。その中でも、就職実績が強い大学として芝浦工業大学が選ばれるようになってきたのでしょう。

 

  • 都心キャンパス

それらに加えて、現在の豊洲キャンパスを中心とした学習環境も人気の理由の一つです。保護者世代が持っている芝浦工業大学のイメージとは、ずいぶんと変わったと言えるでしょう。

 

4.現在の就職力も非常に高い

実際に現在の数字を見ても、芝浦工業大学生の就職は非常に好調です。大学が公表している直近の数字(2024年度卒業生=2025年3月卒業生の実績)では、就職率は99.3%。有名企業400社への実就職率も41.2%と、着実に高い水準を維持しています。こうした数字を見ると、企業からの評価が一時的なものではなく、継続して高いことが分かります。

5.結論

ここまで見ていただくと分かるように、芝浦工業大学は、偏差値が先に上がって評価された大学ではありません

 

企業評価

就職実績

受験生の人気

偏差値

この順番だったのです。つまり、偏差値は原因ではなく、結果だった。これが本日、もっともお伝えしたかったことです。

 

 

中央大学法学部はなぜ偏差値が下がったのか

カテゴリー:学校紹介2026.06.28

本日は中央大学法学部について話をしていきたいと思います。話をするにあたって、かつては、「法科の中央」と呼ばれたという事実をまずは押さえておきましょう。

昭和の時代、中央大学法学部は司法試験の合格者数で東京大学と1位を争い、早稲田大学を上回る実力を誇っていました。1951年から1970年までの実に20年間、旧司法試験の出身大学別合格者数で1位を獲得し続けた記録は、今も破られていません。

偏差値の面でも、1980年代のMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の中で偏差値70を超えていたのは中央大学法学部、ただ一校、一学部だけでした。

ところが現在は、その評価は大きく揺らいでいます。「中央法が明治法と並んだ」「中央法はMARCHでも下位になった」――そんな声がネット上にあふれるようになりました。というより、むしろ現在の受験生は中央の法がそんなに高かった時代があること自体が想像しづらいかもしれません

なぜ、あれほどの名門学部が、ここまで評価を落としたのか。今回はこのテーマを、30年というスパンで、事実をもとに掘り下げていきます。

第1章:栄光の時代――「法科の中央」とは何だったのか

まず、中央大学法学部がどれほどの存在だったかを振り返ります。

中央大学の起源は1885年、明治18年に設立された「英吉利法律学校」です。早稲田大学(東京専門学校)、明治大学(明治法律学校)、法政大学(東京法学校)、専修大学などとともに、当時「五大法律学校」と呼ばれた法律専門学校の一つでした。

中央大学法学部が際立っていたのは、なんといっても司法試験です。旧司法試験の時代、1951年から1970年までの20年間、出身大学別合格者数で1位を守り続けました。「法科の中央」というブランドは、伊達ではなかったのです。

この実績を背景に、1980年代の偏差値ランキングでも、中央大学法学部はMARCHの中で頭一つ抜けた存在でした。当時、MARCHの中で偏差値70を超える学部は中央大学法学部しかなく、明治大学の看板学部である法学部でさえ、当時は60台後半だったとされています。

つまり「中央といえば法学部」「法学部といえば中央」という構図が、長く受験界の常識として定着していたわけです。

 第2章:分岐点①――1978年、多摩キャンパスへの移転

この栄光に最初の影を落とした出来事が、1978年の多摩キャンパスへの移転です。

中央大学はもともと、東京・神田駿河台という都心の一等地にキャンパスを構えていました。しかし1960年代後半、「神田カルチェ・ラタン闘争」と呼ばれる学生運動が激化し、当時の中央大学はその中心的な存在の一つでした。学生が校舎を占拠し、授業や試験の実施さえ困難になる事態が頻発したのです。

加えて、高度経済成長期の入学者増加で校舎が手狭になっていたこと、そして都心部の大学を郊外へ移転させる政策的な誘導(いわゆる工場等制限法など)があったことも背景にあります。

1973年12月、評議員会は法学部・経済学部・商学部・文学部の昼間部を多摩キャンパスへ移転する方針を決議。当初はオイルショックによる建設資材の高騰や、都心の土地売却額が見込みを下回るといった財政的な誤算にも見舞われながら、最終的に1978年4月、文系4学部すべてが東京・八王子の多摩キャンパスで授業を開始しました。

この移転は、学生運動から大学を切り離すという意味では一定の効果があったとされています。しかし、受験生からの評判は決して芳しいものではありませんでした。都心の利便性を失ったことが、入学希望者の減少や、長期的な偏差値の伸び悩みにつながったという指摘が、関係者の間で繰り返しなされています。

第3章:分岐点②――他大学の「追い上げ」と国際化の波

中央大学法学部自体が大きく失速したというより、むしろ「周りが伸びた」という側面も見逃せません。

1990年代以降、MARCH各大学は軒並み偏差値を上げていきます。週刊東洋経済の分析によれば、明治大学の看板学部である法学部は、1980年代まで偏差値60台後半だったのが、1990年代には70を突破。明治大学商学部も1982年の偏差値63から、2019年には71まで上昇しました。MARCHはどの学部も、1980年代から10ほど偏差値が上がっているのです。

さらに大きな変化が、国際系学部の新設ラッシュです。法政大学の国際文化学部(1999年)、明治大学の国際日本学部(2008年)、立教大学の異文化コミュニケーション学部(2008年)、青山学院大学の地球社会共生学部(2015年)など、各大学が次々と国際系・グローバル系の新学部を設置していきました。

そしてこれらの学部は、軒並み高い偏差値を記録するようになります。2008年に開設された立教大学の異文化コミュニケーション学部は、2012年に中央大学法学部の偏差値と並び、2017年にはついに逆転しました。法政大学でも、グローバル教養学部が偏差値73で全15学部中トップ、国際文化学部も71と、伝統ある法学部や文学部を上回る人気を集めています。

かつてMARCHの中で1980年代に偏差値70を超える学部は中央大学法学部しかなかったのに対し、2019年時点ではMARCH全54学部のうち半分以上の28学部が偏差値70以上になっていました。つまり、「中央法だけが頂点」という時代が終わり、複数の学部が乱立する「多極化」が進んだということです。

英語での議論やリポート作成、必須の留学制度などを通じて、グローバル社会で働く力を身につけられる――という打ち出し方は、資格試験という単一の出口に頼らない中央大学法学部とは異なる魅力として、受験生に強く訴求しました。

第4章:分岐点③――司法制度改革と「弁護士余り」

中央大学法学部のブランドの核は、なんといっても法曹(裁判官・検察官・弁護士)養成にありました。そのコア部分が、2000年代の司法制度改革で大きく揺らぎます。

2004年に法科大学院(ロースクール)制度が導入され、2006年には現行の新司法試験がスタート。これにより、司法試験合格者数を年間3000人規模まで増やす方針が打ち出されました。

その結果起きたのが、いわゆる「弁護士余り」です。司法制度改革によって弁護士の数が大きく増え、以前のように「資格を取れば食べていける」職業ではなくなったとされています。これにより、学力上位層が法曹を目指すルートから離れていく現象が起きました。

中央大学法学部にとって、これは痛手でした。2006年に現行の司法試験制度が導入されてからしばらくは、変わらぬ名門ぶりを発揮し、2015年には法科大学院別の合格者数で全国トップになっています。しかしそれ以降は低迷が続き、2022年には合格者数50人で、ついにトップ5からも転落し、8位という結果になりました。

令和4年度の司法試験合格者ランキングでは、1位の京都大学が119人、東京大学が117人、慶應義塾大学と早稲田大学がいずれも104人で続く中、中央大学は50人で全体8位、私立大学の中では3位という結果でした。かつて東京大学と1位を争った大学とは思えない順位です。

背景には、東京大学や早稲田大学が司法試験の指導に本格的に力を入れ始めたこと、バブル崩壊後には京都大学や慶應義塾大学も参入してきたことがあるとされています。「司法試験といえば中央」という独占的な地位が、competitiveな市場へと変わっていったのです。

法学部出身の弁護士も、こうした状況を率直に語っています。「今の司法試験になって弁護士が大幅に増えた。弁護士になっただけでは差別化ができないので、ネームバリューのある大学に行かないと、と考える受験生が増えた」という指摘もあります。つまり、「資格が取れるなら大学のブランドは二の次」という発想から、「同じ資格を取るなら、より知名度の高い大学で」という発想へのシフトが起きたわけです。

第5章:受験生の選択肢が増えた30年

ここまでの要因を整理すると、中央大学法学部の偏差値が「下がった」というより、こう表現するほうが正確かもしれません。

「中央大学法学部の価値は大きくは変わっていないが、周囲の選択肢が大きく増え、相対的な位置づけが変化した」

1980年代、大学に進学する目的、特に文系で「手に職」を求める受験生にとって、司法試験という出口を持つ法学部の魅力は絶大でした。しかし90年代以降、

– グローバル化を背景にした国際系学部の人気上昇
– 司法制度改革による「弁護士という資格の絶対的価値」の低下
– 他大学(明治・立教・法政など)の看板学部の偏差値上昇

といった複数の要因が重なり、「法学部一強」だった構図が崩れていきました。さらに、1978年の多摩移転による都心からのアクセス低下が、長年にわたるボディブローのように影響したと指摘する声も少なくありません。

実際、2018年の週刊ダイヤモンドの特集では、中央大学法学部を卒業した男性が、近年の偏差値が明治大学法学部と並んだことについて「プライドが許さない」と憤る様子が紹介されています。かつてMARCHで断然トップだった法学部が、格下と見られていた明治大学と肩を並べる状況に、OBたちが複雑な思いを抱いていたことがうかがえます。

第6章:反転攻勢――2023年、45年ぶりの都心回帰

しかし、ここで物語は終わりません。中央大学はこの状況に手をこまねいていたわけではないのです。

2018年12月、中央大学は看板学部である法学部を、2023年に都心キャンパスへ移転すると発表しました。そして2023年4月、ついに法学部は東京都文京区に新設された「茗荷谷キャンパス」に移転します。1978年に多摩へ移転して以来、実に45年ぶりの都心回帰でした。

移転の狙いについて、中央大学の佐藤信行副学長(当時)は、「実学教育において社会と連携しやすくなる」ことを挙げています。都心に立地することで、自治体や法律事務所で働く実務家による教育を受けやすくなり、都心にある法科大学院の教員による授業も開設しやすくなるとしています。さらに法学部を3年で早期卒業して法科大学院に進学する「5年一貫」の法曹養成課程を充実させる狙いもあるとされています。

この移転の効果は、データにはっきりと表れています。ある進学情報サイトの分析によれば、移転前に60.0だった法学部の偏差値が、移転後には62.5まで上昇したとされ、2025年度の志願者数は前年比112%増と、MARCHの中で最大の伸び率を記録したとも報じられています。志願者数の推移を見ても、2023年の約1万2000人台から、2026年には1万5000人を超える水準まで増加が続いているというデータもあります。

もちろん、これらは個別の進学情報サイトが集計した数値であり、予備校の公式発表とは異なる場合がある点には注意が必要ですが、「都心回帰によって受験生からの人気が回復しつつある」という方向性については、複数の情報源で一致しています。

まとめ:偏差値の変動が教えてくれること

中央大学法学部の30年は、一つの大学・一つの学部の浮き沈みであると同時に、日本の大学受験そのものの構造変化を映す鏡のような存在でもあります。

– 学生運動を背景にした1978年の多摩移転で、都心からのアクセスという「立地のアドバンテージ」を失ったこと
– 1990年代以降、グローバル化を背景に国際系学部が次々と新設され、受験生の選択肢が多様化したこと
– 2000年代の司法制度改革によって、「資格を取れば食べていける」という法曹志望の動機そのものが揺らいだこと
– そして2023年、45年ぶりの都心回帰によって、再び評価が上向きつつあること

偏差値というのは、大学の実力そのものというより、「その時代の受験生が何を求めているか」を映す鏡でもあります。中央大学法学部の30年の軌跡は、まさにそのことを物語っていると言えるのではないでしょうか。

今後、都心回帰を果たした中央大学法学部が、かつての「法科の中央」と呼ばれた地位をどこまで取り戻していくのか。引き続き注目していきたいテーマです。

奈良女子大学――日本に2校しかない、国立女子大学の一つ

カテゴリー:学校紹介2026.05.10

本日は先週のお茶の水女子に続き、国立の女子大である奈良女子大学についてお話しします。

最初に、一つ重要な前提をお伝えしたいと思います。日本の国立大学の中で、女子大学はたった2校しかありません。東京のお茶の水女子大学と、奈良の奈良女子大学。この2校だけです。私立の女子大学は全国にいくつもありますが、国立に絞ると、この2校だけという非常に希少な存在です。このチャンネルではこれまで、神戸女学院・津田塾・白百合女子・お茶の水女子大学を取り上げてきましたが、奈良女子大学はお茶の水と並んで「国立女子大」という唯一無二のカテゴリーに属しています。この時点で、私立女子大とは全く異なる話になります。

 

お茶の水女子大学との違い

よく「東のお茶の水、西の奈良女」と並べて語られます。同じ国立女子大でありながら、この2校はかなり異なる性格を持っています。まずお茶の水女子大学は、東京という立地もあり、全国から優秀な女子学生が集まる「全国区のエリート女子大」という性格が強い大学です。偏差値帯も高く、外部との競争も激しい、いわば「ハイレベル競争型」の大学です。

一方で奈良女子大学は、歴史的に「関西圏の優秀な女子の安定した進学先」という役割を担ってきました。全国区というよりは関西圏における信頼感、競争よりも蓄積と継続に強い環境、これが奈良女子大学の本質的な立ち位置です。ただしここで、単純に「お茶の水の方が上」と結論づけるのは浅い見方です。この2校は、そもそも向いている人が違います。

 

奈良女子大学が2022年にやったこと

奈良女子大学について語る上で、近年の大きなトピックに触れないわけにはいきません。2022年度、奈良女子大学は女子大学として日本で初めて工学部を新設しました。これは単なる学部追加ではありません。「女子大のまま工学部を作る」という選択に、明確な意図があります。

共学の大学では工学部生の8割以上が男性です。そういった環境では、女性はどうしてもマイノリティーになりやすい。そこで女子大に工学部を置くことで、女性が心理的な負担なく工学を学べる環境を作ろうというわけです。実際に初年度の入試では工学部の倍率は平均6倍と、非常に高い関心を集めました。志望動機のアンケートには「共学だったら工学部に行くつもりはなかったが、女子大に工学部ができると聞いてエンジニアを目指す気になった」という声が複数あったといいます。

興味深いことに、お茶の水女子大学も同様の動きをしています。2024年度に共創工学部を開設しており、2校とも「女子大×工学」という方向性を選んでいます。国立女子大2校が揃って工学系を強化しているという事実は、時代の要請として非常に示唆的です。

 

奈良女子大学の3つの強み

話を戻して、奈良女子大学そのものの強みを整理します。

一つ目は、環境の落ち着きです。 奈良という土地柄、コンパクトなキャンパス、歴史ある静かな雰囲気。これは単に地味ということではなく、学習に集中できる環境が整っているということです。お茶の水女子大学が「都会型の競争環境」だとすれば、奈良女子大学は「蓄積型の学習環境」と言えます。

二つ目は、少人数教育の密度です。 規模が小さいぶん、教員との距離が近く、研究指導が丁寧という特徴があります。大規模大学ではなかなか実現しにくい、学部教育の質の安定感があります。

三つ目は、進路の安定性です。 教員・公務員・地元優良企業といった堅実な進路への実績が積み重なっています。派手な実績は出にくいかもしれませんが、確実に力をつけて社会に出ていく。これが奈良女子大学の一貫したスタイルです。

 

どんな人に向いているか

以上を踏まえて整理すると、奈良女子大学に向いているのは次のような人です。

落ち着いた環境でじっくり学びたい人、競争よりも自分のペースで積み上げていきたい人、堅実な進路を見据えている人、そして工学・理系に興味があるが共学環境に抵抗を感じている人。

逆に、全国トップ層と切磋琢磨したい、都市型の刺激的な環境で学びたいという人には、お茶の水女子大学の方が合っているでしょう。

 

まとめ

奈良女子大学は、日本に2校しかない国立女子大学の一つです。お茶の水女子大学とよく比較されますが、この2校は「どちらが上か」ではなく「どちらが自分に合っているか」で選ぶべき大学です。そして奈良女子大学は、女子大として日本初の工学部を新設するという形で、静かに、しかし確実に進化を続けています。キラキラした派手さはないかもしれませんが、「確実に力をつけて堅実に社会に出ていく大学」としての価値は、今も変わっていません。

大学選びでは、偏差値だけでなく「どの環境で自分が伸びるか」を見ることが大切です。その意味で、奈良女子大学は今でも非常に有力な選択肢の一つです。

本日は奈良女子大学についてお話しました。ありがとうございました。

 

お茶の水女子大はオワコン?

カテゴリー:学校紹介2026.05.03

english_writing本日は、お茶の水女子大学についてお話をしていきたいと思います。これまで、津田塾大学白百合女子大学、そして神戸女学院大学といった、いわゆる伝統的な女子大学について、「昔と今」を比較することをしてきました。いずれの大学も、かつては非常に高い評価を受けていた一方で、現在は当時と比べると立ち位置が変わってきている、というお話をしてきました。

そうした流れもあって、「女子大はもう厳しいのではないか」「女子大はオワコンなのではないか」といった声を耳にすることも増えてきています。しかし、ここで一つ重要なことがあります。それは、すべての女子大学が同じように変化しているわけではないという点です。

本日取り上げるお茶の水女子大学は、そうした中でもかなり特殊な存在です。結論から申し上げますと、お茶の水女子大学は、昔から現在に至るまで、大きく評価を落としていない数少ない女子大の一つです。なぜこの大学だけが、他の女子大と違う動きをしているのか。
本日はその点を、歴史と現在の状況を踏まえながら整理していきたいと思います。

まず、お茶の水女子大学とはどのような大学なのか、簡単に確認しておきます。お茶の水女子大学は1875年に設立された、東京女子師範学校を前身とする国立大学です。現在は文教育学部、理学部、生活科学部などを持つ、女子の総合大学となっています。ここで重要なのは、「国立大学である女子大学」という点です。日本には女子大学が数多く存在しますが、その多くは私立大学です。その中で、お茶の水女子大学は数少ない国立の女子大学であり、この点がまず大きな特徴になります。

では、昔のお茶の水女子大学はどのような位置づけだったのでしょうか。1980年代から90年代にかけて、お茶の水女子大学は、女子の進学先としては最上位クラスの一つでした。

当時はまだ、東京大学をはじめとする難関国立大学において、女子の割合が現在ほど高くはありませんでした。そのため、学力の高い女子受験生の中には、お茶の水女子大学を第一志望、あるいは有力な選択肢とする層が一定数存在していました。

また、教育・研究志向の強い学生が集まりやすく、教員や研究者、公務員といった進路に強い大学としての評価も確立されていました。いわば「女子エリートのための国立大学」という位置づけだったと言えるかと思います。

【1980年代後半~90年代】

  • 偏差値:60~65前後
  • 位置づけ:
  • 上位国立(筑波・横国あたりと近い)
  • 女子では最上位クラス

では現在はどうなっているのでしょうか。結論から言えば、お茶の水女子大学は現在も難関国立大学としての地位を維持しています。学部や学科によって差はありますが、偏差値帯としてはおおむね55~65前後で推移しており、地方の国立大学と比較しても上位に位置する水準です。

また、特に理学部や生活科学部といった分野では、現在も安定した人気があります。他の女子大学が大きく偏差値を落としてきた中で、この安定感はかなり特徴的です。

【2000年代】

  • 偏差値:58~63前後
  • 特徴:
  • やや下がるが大きな崩れなし
  • 東大・早慶への流出が少しずつ増加

【現在(2020年代)】

  • 偏差値:55~65程度(学部差あり)
  • 文教育:55~60
  • 理・生活科学:60前後~上振れ

※偏差値は目安です。模試や時代によって異なります

では、なぜお茶の水女子大学だけが、このように「崩れなかった」のでしょうか。ここが本日の一番重要なポイントです。理由はいくつかありますが、まず一つ目は、国立大学であるという構造的な強さです。私立大学の場合、人気が下がるとそのまま志願者数の減少につながり、結果として偏差値も下がりやすくなります。一方で国立大学の場合、学費の安さや入試制度の特性から、一定数の受験生が必ず受験します。そのため、人気の変動があったとしても、極端に難易度が崩れにくいという特徴があります。

お茶の水女子大学はこの「国立」という枠組みの中にあるため、他の女子大とはそもそも前提条件が異なっています。

二つ目は、大学の価値が「ブランド」ではなく「中身」にあることです。津田塾や白百合などは、かつては「女子大ブランド」そのものが大きな価値を持っていました。つまり、「その大学に通っていること」自体が評価につながる側面が強かったわけです。一方でお茶の水女子大学の場合は、

  • 研究実績
  • 教育内容
  • 進路実績

といった、より実質的な部分に評価の軸が置かれてきました。そのため、時代の変化によって「女子大ブランド」が弱まったとしても、大学そのものの価値が大きく揺らぐことがなかったと考えられます。

三つ目は、共学志向の影響を受けにくい層が受験していることです。近年は「できれば共学に行きたい」という受験生が増えていますが、お茶の水女子大学を志望する層は、もともと学問志向や環境志向が強い傾向があります。そのため、「女子大だから避ける」というよりも、「この環境で学びたいから選ぶ」という動機で受験する学生が多く、共学化の流れの影響を比較的受けにくかったと言えます。

とはいえ、お茶の水女子大学が全く変化していないわけではありません。たとえば、東京大学に進学する女子学生の割合は年々増えて、かつてでおりあればお茶の水女子大学に進学していた層の一部が、より上位の共学大学に流れているという側面はあります。また、「女子大」というカテゴリーそのもののブランド力が下がっていることもあり、昔ほどの特別感が薄れているというのも事実です。つまり、大学そのものの実力は維持しているが、社会の中での位置づけは変化しているというのが、現在のお茶の水女子大学の姿だと言えるでしょう。

ここまでをまとめます。これまで見てきた女子大学の中には、

  • 偏差値が大きく下がった大学
  • ブランドイメージが変化した大学

が多くありました。しかしその一方で、お茶の水女子大学のように、構造的に崩れにくい大学も存在しています。女子大という括りで一括りにしてしまうのではなく、「その大学がどのような仕組みで成り立っているのか」という視点で見ることが、これからの大学選びにおいては非常に重要になってくるのではないでしょうか。最後に一言付け加えるとすれば、

お茶の水女子大学は、

  • 派手さはない
  • しかし非常に堅実
  • 長期的に見て安心できる進路につながりやすい

そういった特徴を持つ大学です。

華やかさやブランドだけではなく、
「何を学び、どのような進路につながるのか」
という観点で大学を選びたい方にとっては、今もなお有力な選択肢の一つであると言えるでしょう。

本日は、お茶の水女子大学について、「昔と今」という観点からお話をさせていただきました。

次回は、同じ国立の女子大学である奈良女子大学についても取り上げていきたいと思います。

ありがとうございました。

お嬢様大学はオワコン? ~白百合の今と昔~

カテゴリー:学校紹介2026.04.05

english_writing本日は、白百合女子大学について話をしていきたいと思います。保護者の方々、あるいはその世代より上の方にとっては、白百合女子大学といえば「カトリックの名門お嬢様大学」というイメージが強くあるのではないでしょうか。実際、一定の年齢より上の世代には、白百合といえば聖心・清泉と並ぶ「カトリック三大女子大」として、別格の存在感を持つ大学というイメージがあるはずです。

ところが今の受験生やその親御さんの中には、「白百合って、正直今どのくらいの大学なの?」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

実は、保護者世代が持つイメージと、現在の入試における立ち位置には、非常に大きなギャップが生まれています。そのギャップは、津田塾や聖心といった他の伝統女子大と比べても、特に大きいと言えるかもしれません。

今回は、白百合女子大学がかつてどのような存在だったのか、そしてなぜ・どのように変わったのかを、データと時代背景をもとに丁寧に見ていきたいと思います。

【1】偏差値の変化

【約40年前(1980年代前半~中盤)】

  • 白百合女子大学(文学部・仏文学科など)
    • 偏差値:62~65
    • 聖心・清泉と並ぶ「カトリック三大女子大」として別格の存在感
    • 上智大学とのカトリック人脈的つながりもあり、「品格のある難関女子大」として保護者世代に絶大な信頼
    • 「白百合=良家の子女が行く大学」という明確なブランドイメージ

レベルとしましては、現在のMARCH~上智下位程度の難易度帯に位置していたと考えていただければ想像しやすいかもしれません。

【現在(2025年入試)】

  • 白百合女子大学(文学部・英語英文学科など)
    • 偏差値:42~48(河合塾・駿台・ベネッセなど各模試平均)
    • 大東亜帝国~日東駒専下位と重なる

※偏差値は目安です。模試や時代、また学部によって異なります。

まとめると
→ 偏差値で約15~20ポイント近くダウン!
→ 「名門カトリック女子大」から「中堅女子大」へ
→ 保護者世代と受験生世代で、大学イメージが最もズレやすい大学のひとつ

【2】昔の白百合

白百合女子大学の源流は1878年、フランスのシャルトル聖パウロ修道女会が来日したことにさかのぼります。1965年に現在の大学として設立。カトリックの精神に基づく厳格で品格ある教育で知られ、長らく「上流家庭の子女が通う憧れの女子大」として別格の地位を持っていました。

当時の白百合の強み

  • カトリック系の三大女子大(聖心・清泉・白百合)の一角として圧倒的ブランド力
  • 「お嬢様大学」としての社会的ステータスが就職・縁談にも直結
  • 上品さ・知性・信仰心を兼ね備えた「理想の女性像」の象徴
  • 少人数制・丁寧な教育が保護者世代に深く信頼されていた
  • 受験生より「親が行かせたがる大学」として圧倒的支持

【3】人気低下の理由

1990年代以降、白百合を取り巻く環境は大きく変わります。なぜ「別格の女子大」だった白百合が、今の位置になったのでしょうか?

偏差値低下の理由

  • 「お嬢様ブランド」の相対的低下 ⇒かつては「白百合卒=育ちが良い」が社会的なお墨付きになった時代があった。しかし現代では、大学ブランドよりも個人のスキルや実績が重視されるようになり、「お嬢様ブランド」の実利的メリットが薄れた。
  • 学部の少なさ・実学系の弱さ ⇒文学部・人間総合学部中心の構成で、ビジネス・情報・看護・国際系など現代的な人気学部が手薄。「何を学べるの?」という受験生の疑問に答えにくい状況が続いた。
  • 立地の問題 ⇒調布市仙川というキャンパス立地は、都心アクセスの良い大学群と比べると不利。渋谷・新宿まで出やすい大学と比較され、特に首都圏以外からの受験生には選ばれにくい。
  • 共学志向・総合大学志向の拡大 ⇒女子大そのものへの需要が縮小する中、同じカトリック系でも共学の上智大学への集中が加速。「カトリック系で国際的な教育を受けたい」層が上智・ICUに流れた
  • 入試方式・広報力の差 ⇒積極的な入試改革やSNS広報に乗り出した他大学と比べ、伝統校ゆえの保守的な姿勢が受験生へのリーチを弱めた面もある。

【4】そして、現状

では、白百合はただ衰退するだけなのでしょうか。実は近年、変革の動きが出てきています。

変革ポイント

  • データサイエンス教育の導入(文系女子にも数理・情報の力を)
  • 英語教育の強化(少人数・実践重視のカリキュラムへ刷新)
  • キャリア支援の充実(少人数ならではのきめ細かい就職サポート)
  • 初等教育・心理・保育系の強み継続(資格取得・教育系就職に強い)
  • カトリックの建学精神を活かした倫理・人間教育(AIや多様性の時代に逆に注目)

規模の小ささをデメリットではなく、「一人ひとりに向き合える大学」という強みとして打ち出す方向へ進化しようとしています。

【5】まとめ・これから

白百合女子大学は、偏差値という数字だけ見れば、確かに昔とは大きく変わりました。しかし、それは「女子大の時代」が終わりつつある中での構造的な変化でもあり、白百合だけの話ではありません。

白百合が今も向いている人は、

  • 少人数で丁寧な教育を受けたい
  • 教育・保育・心理系の資格・就職を目指したい
  • カトリックの価値観・倫理観を大切にしたい
  • 落ち着いた環境でじっくり学びたい

そんな人にとっては、今もなお「合う大学」と言えるでしょう。大学選びは偏差値だけではない。ひょっとすると白百合はその最たる例かもしれません。

成城学園が人気復活!偏差値が回復した本当の理由

カテゴリー:学校紹介2026.03.18

english_writing最近、中学受験の中で再び注目を集めている学校の一つが成城学園です。

ここ数年で人気が回復し、偏差値も上昇傾向にあります。

しかし、少し前を振り返ると、実は一度「低迷期」を経験している学校でもあります。
本記事では、なぜ成城学園の偏差値が再び上昇したのかを、データと背景から整理していきます。

偏差値の推移から見る「復活」

まずは偏差値の変化を確認してみましょう。

※首都圏模試(男子・合格率80%)

  • 2026年:62
  • 2016年:55(谷の底)
  • 2013年:57

この10年で偏差値が7ポイント上昇しています。

一般に、伝統校は一度人気が落ちると回復が難しいと言われますが、成城学園は例外的に見事な復活を遂げました。

■ 偏差値回復の理由は「複合要因」

では、なぜここまで評価が回復したのでしょうか。
結論から言うと、一つの理由ではなく、複数の要因が重なった結果です。

① 中学受験市場そのものの回復

2015~2016年は、首都圏の中学受験者数が底を打った時期でした。

  • 2013年:約45,000人
  • 2015年:約43,000人(底)
  • 近年:50,000人超

この時期は、受験者数の減少に加え、
早慶附属・MARCH附属といったブランド志向の強まりがあり、中堅校は相対的に埋もれやすい状況でした。

しかしその後、

  • 少子化にもかかわらず受験熱は上昇
  • 受験者数はむしろ増加

という流れになり、中堅校全体の評価が押し上げられたことが、成城学園の回復にもつながっています。

② 「進学の自由がない」という誤解の解消

成城学園の評価を大きく下げていた要因の一つが、
「外部大学を受験できない学校」という誤解です。

実際には、

  • 成城大学への内部進学を基本としつつ
  • 外部大学の受験も可能
  • Aコースでは推薦権を保持したまま受験可能

という柔軟な制度が以前から存在していました。

しかし、2010年代半ばまではこの制度が十分に知られておらず、
難関大学志向の層から敬遠されていたのです。

つまり、

制度の問題ではなく「情報の伝わり方の問題」

でした。

現在ではこの点が広く認知され、

「内部進学の安心」と「外部挑戦の自由」を両立できる学校

として再評価されています。

個人的には、これが最大の要因だと考えています。

③ 総合型選抜との相性の良さ

三つ目の理由は、大学入試制度との相性です。

近年主流になりつつある総合型選抜では、

  • 評定平均
  • 課外活動
  • 探究活動
  • 人間関係・表現力

といった多面的な評価が重視されます。

成城学園はもともと、

  • 学業一辺倒ではない
  • 豊かな学校生活を重視する

という教育方針を持っています。

つまり、

総合型選抜に強い土壌がある学校

と言えます。

保護者側もこの点を理解し始め、
「どの学校に行くか」が
「どの入試で有利になるか」に直結するという認識が広がってきました。

■ 補足①:保護者・塾業界の評価の変化

もう一つ重要なのが、第三者評価の変化です。

かつては
「外に出られない学校」
というイメージもありましたが、

現在では

「安心の内部進学 × 自由な外部受験」

というバランスの良さが評価されています。

特に塾業界では、

  • 難関志向一辺倒ではない家庭
  • 子どもの個性を重視する家庭

に対して、成城学園を薦めるケースが増えています。

この評価の変化は、志望者の「量」と「質」の両方に影響を与えています。

■ 補足②:「どんな子に合うか」が明確

成城学園が支持される理由として、

向いている生徒像が明確であることも挙げられます。

例えば、

  • 競争に追われず自分のペースで学びたい
  • 将来の進路をじっくり考えたい
  • 内部進学も外部受験も両方視野に入れたい

といったタイプの生徒には非常に相性の良い学校です。

■ まとめ:復活の本質は「誤解の解消と時代適応」

成城学園の復活は、

  • 市場の回復
  • 制度の再認識
  • 入試制度との適合

といった複数の要因が重なった結果です。

特に大きいのは、

本来あった強みが正しく理解されるようになったこと

でしょう。

現在の成城学園は、
「昔ながらの一貫校」ではなく
柔軟で時代に合った進学環境を持つ学校へと再評価されています。

今後もこの流れが続けば、
さらに人気が高まる可能性は十分にあると言えるでしょう。

「ぽんきんかん」から「早慶近?」へ なぜ近畿大学は人気が出たのか?

カテゴリー:学校紹介2025.12.04

近畿大学の人気が出た三つの要因を徹底解説

048_02こんにちは。今日は、近畿大学について話をしていきたいと思います。「国際バカロレアIB広場」というところのサイトによりますと、「大学受験者数11年連続日本一」とのことです。受検者数が増えただけではなく、偏差値も年々上がっており、名実ともに上昇中の大学だと言えるでしょう。

ところが、昔から人気があったというわけではありません。昔は、「ぽんきんかん」(日本大学・近畿大学・関西大学)」などと揶揄され、大学は大きいが、実力はそこまではない、などと言われていました。

では、なぜ人気がそこまででたのでしょうか。話をしていく前に、下記のポスターを見てください。ここに大きく書かれた 「早慶近」。コピーの中では、最新の世界大学ランキング(THE)で私立総合大学の上位を頭文字でくくると「早慶近」になるという挑発的なメッセージが添えられ、広告の締めには「早々に慶(よろこ)びが近(ちか)づきますように」というダジャレも入っている。こうした「攻めの姿勢」が、近大の人気急上昇の象徴と言えるでしょう。

では、なぜここまで伸びたのでしょうか?今日は 近畿大学が人気を獲得した三つの要因 に絞って解説します。

  • 攻めの広報戦略が完全に刺さったから

近畿大学の快進撃の最大の特徴は、大学とは思えないレベルのブランディング力 にあります。

▼代表的な広告例

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  • 「早慶近」
  • 富士山が割れて、中からマグロが飛び出す迫力広告
  • SNSでの強烈なコピー、Web戦略
  • オープンキャンパスの演出、動画のクオリティ

これらは「話題づくり」というよりは、大学イメージの刷新を明確に狙ったものでしょう。

親世代の「普通の総合大学」「中堅」という固定観念を壊し、子ども世代には「今一番ノリに乗っている大学」という印象を植え付けることに成功したのだと思います。

  • 学部・研究分野で「全国的に通用する強み」が生まれたから

もちろん、広報だけで人気は伸びません。近大は 研究・教育の中身も大きく評価され始めました。

▼特に強い代表分野

  • 水産研究(近大マグロ)
  • 生物・理工系分野の実績
  • 医療系・農学・工学の応用研究
  • 情報系の成長

近大の強みは、「わかりやすく強い研究」を複数持っていること。特にマグロの養殖は有名で、専門の飲食店が大阪と東京にあります。これが全国の受験生に刺さるのだと思います。総合大学でありながら、「この分野なら近大で学びたい」という選ばれる理由がはっきりしてきたことが大きいです。

③キャンパス改革 → 女子学生の取り込み

近畿大学のキャンパス改革は、「綺麗になった」「設備が最新」という表面的な改善ではなく、結果として 女子からの評価を一気に高める構造改革 でした。

ここがおそらくポイントです。

「安全・清潔・明るい」環境の整備

大学選びで女子が特に重視すると言われているのが、キャンパスの雰囲気の良さ、安全性、清潔感です。

近大はここを徹底改革しました。

  • 新校舎のデザイン性が高い
  • 動線が明るく広い
  • カフェやラウンジの充実性
  • トイレ・休憩スペースなど細部まで綺麗

特に、キャンパス内に滞在できる場所を多く作ったことで、「授業がない時間も快適に過ごせる環境」があるとなり、結果として、「行ってみたくなるキャンパス」→「女子人気の上昇」という流れを作りました。

まとめ:なぜ近畿大学は人気が出たのか?

■人気の三要因

① 広報の成功
→ 「早慶近」広告に象徴される“攻めのブランド戦略”
② 研究・学部の強み
→ わかりやすい実学系の強み
③ キャンパス改革 
→ 女子学生が行きたいと思う環境づくり

この3つが同時に揃ったことで、
ぽんきんかんの中堅 → 全国区の人気大学へと急上昇したわけです。

お買い得度ナンバー1中学!富士見丘中学とは?

カテゴリー:学校紹介2025.07.19

本日は東京都渋谷区笹塚にある女子校、富士見丘中学の紹介をしていきたいと思います。場所柄、kip学伸から過去に何人もの生徒が合格して入学してきました。時に、受験生にお薦めすることもあります。

じつはこの富士見丘中学、最大の特徴は「お買い得度が高い!」ということです。まずはそこから話をしていきたいと思います。

①偏差値が低い学校は行く必要がないという意見

中学受験をするかどうかで悩んでいる保護者の方と面談をすると、一定の割合で「一定以下の偏差値であれば受験させずに公立中学に行かせます」と言われる方がいらっしゃいます。不思議なことにお母さんよりもお父さんからこの意見が出ることが多いですが、おおむね下記のような理由からそのようなことを言われるのだと思います。

  • 低い偏差値の学校に通わせる意味はない
  • わが子はまだ受験をする時期ではない

確かに、偏差値40台と聞くと、本当に大丈夫なのか不安になるのは当然です。高いお金を払って私立の中学に行かせる意味などない、と思われるのは、むべならざることです。しかし、こうした考えはあることを見落としていると言わざるをえません。

というのも、私立の中学に通わせる最大の理由は、「地元中学に行って高校受験するよりも、良い教育が受けられる。良い大学に行ける確率が高い」ということだからではないでしょうか。そのことを吟味したうえで、上記の意見を改めて考えますと、以下のような疑問が湧きます。

  • 入口の偏差値は見るのになぜ、出口(大学進学実績)を見ないのか?
  • 低い偏差値の私立中学よりも地元の中学のほうが良い授業を提供してくれるのか?
  • 今成績が伸びていないのに、なぜ数年後本人がやる気になって偏差値が伸びると思うのか?

結構辛辣な意見かもしれませんが、重要なことです。ほとんどの人は、中学受験をゴールに設定して今を考えていることが多いのですが、大学受験をゴールに設定することで見えてくるものは異なります。「出口を見る」というのもそうですし、「どんな授業をしてくれるのか」というのも中学に入ってからの話です。こうした視点が抜けたまま、「受験をするべきかどうか」と悩んでいる人が多いのです。

これは私の持論ですが、都会に住んでいるのであれば、勉強が苦手な人、偏差値が上がらない人ほど中学受験をして私立中学に行ったほうが良いということです。そして、その見本となる学校がまさに富士見丘中学なのです。

②富士見丘に対する評価

まずは、富士見丘中学の偏差値を見てみましょう。

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一般入試 43

です。お世辞にも高い偏差値とは言えません。ところが、大学の進学先を見ると、早稲田、上智に各10名以上、MARCHも10名前後、しかもすべて現役で合格しています(2026年版の『中学受験案内』から参照)。これは、かなりの進学実績だと言えるでしょう。要は6年の教育でかなり伸ばしてくれる学校なのです。

実際、『週刊ダイヤモンド』によりますと、「中高一貫校レバレッジ度総合ランキング」で富士見丘中学は首都圏で1位を獲得しています。レバレッジ度というのは、簡単に言うと、 6年間でどれだけ伸びるかということです。

③富士見丘が“1位”である理由

❶ 少人数制×学びの密度

  • 教師との距離が近い/質問しやすい環境
  • 英語・数学などで習熟度別/個別サポートあり

⇒要は面倒見が良い。実際、合格した生徒は通塾しない。

❷ 探究×グローバルの両立

  • 探究型学習・模擬国連・SGH(スーパーグローバル)などの実践
  • WWL拠点校として世界規模の課題に挑む教育

⇒要は新しいタイプの教育を提供してくれる。結果として推薦や総合型選抜入試での合格者が増える。

❸ 進路指導の徹底

  • 中3?高1でキャリア教育→自己理解
  • 推薦・総合型選抜・海外進学にも精通した指導体制

⇒進学校にありがちな国立の一般受験目指す指導オンリーとならず、今の時代に合った新郎指導をしている

結果として、国内であれば、早慶上智、国際基督教、東京外国語、京都大などに合格者を輩出して、海外大学も、UCLA、クイーンズランド大学などに合格者を出しています。

こうした進学実績を地元中学⇒公立高校で実現することは難しいでしょう。そもそも6年かけてより良い大学を目指すという目標を掲げられないのですから。

さて、今日のお話を踏まえますと富士見丘中学は、下記のような魅力のある学校であると言えるでしょう。

  • 偏差値が低くても大学進学実績は良い!
  • 英語や探求学習に力を入れた新しいタイプの学校!
  • 今の多様な受験に対応してくれる進路指導!
  • 海外の大学も視野に入れてくれる!

興味のある人は、是非学校のHPに飛んでみてください。

「名門・神戸女学院大学の現状は?」 今と昔を比べてみた!

カテゴリー:学校紹介2025.06.26

先日、「津田塾の今」という動画を出したところ、とても反響がありました。津田塾が「東の名門」であるなら「西の名門」は神戸女学院!

ということで、本日は、神戸女学院の今と昔について話をしていきたいと思います。現在の親御さんが神戸女学院に対して持たれているイメージと現実とでは随分と異なると思います。ひょっとするとショックを受ける人もいるかもしれません。お母さん世代ですと「女子大の最高峰」というイメージを持たれている人も多いかと思いますが、それが実際はどうなのかについて本日は話をしていきたいと思います。

①神戸女学院大学とは? 歴史と伝統

  • 創立1875年、関西最古の女子大学の一つ
  • ミッション系(キリスト教主義)
  • リベラルアーツ教育の伝統
  • 英語教育の名門としても知られていた
  • かつては関西女子トップ層が目指す大学
  • 関西財界・文化人家庭の子女が通うことも多かった

②昔の偏差値・難易度・ブランドイメージ

1980年代後半(バブル期前後)

大学・学部 偏差値目安(当時)
同志社(文学部英文学科) 62~65
関学(文学部英文学科) 60~62
神戸女学院(英文学科) 58~61
立命館(文学部) 58~62
関大(文学部) 55~60

→ 神戸女学院の 英文学科は同志社・関学と併願が成立するレベル

立命館・関大の一部学部よりはむしろ神戸女学院のほうが難しい場合もあった

女子だけに限定すれば「神戸女学院を第一志望にして関関同立を併願」する人もいた

1990年代前半(女子大がまだ強かった時代)

大学・学部 偏差値目安
同志社(文学部) 62~65
関学(文学部) 60~63
神戸女学院(英文学科) 57~60
立命館(文学部) 58~62
関大(文学部) 55~59

③現状はどうなっている? 偏差値・人気

  • 現在の偏差値(最新データ例)
    → 学科にもよるが50台前半~中盤くらいが中心
  • 関関同立との距離がかなり開いた
  • 併願層の変化
    → 関西外大・京都女子・武庫川女子あたりとの競合が目立つ
  • 受験者数の推移 → ここ10年はやや減少傾向

④就職状況はどうなっている?

  • 大手企業への就職は減少傾向
  • ただし教育系・医療福祉系・文化系の職業志向は今も強い
  • 英語力を活かして航空系を目指す学生も(近年は厳しいが)
  • 女子大ならではのきめ細かいキャリア支援は健在
  • 昔はアナウンサー出身大学ランキングの常連

特に 1980年代後半~1990年代初めは、「女子アナ御三家」 → 慶應/津田塾/神戸女学院 みたいな扱われ方が一部メディアにも出ていました。

しかし、近年では2000年代以降は女子アナの出身校がほぼ共学化し、早慶・上智・青学・法政・明治などのミスコン出身女子アナが主流になり、 神戸女学院は上位から外れるようになりました。

※ 2020年代現在 → ランキングにはほぼ登場せず

⑤ブランド価値は残っているのか?

  • 親世代には「名門女子大」のイメージはまだ根強い
  • 関西圏では「品のよさ」「文化的教養」のイメージも健在
  • 首都圏では知名度が低下している
  • 国公立併願層の減少が大きな課題

⑥まとめ・今後どうなる?

  • 女子大復権の流れをうまくつかめるか?

たとえば:

  • 東京女子大・日本女子大が「リベラルアーツ×キャリア教育」路線で 人気回復中

人気を回復している東京女子大や日本女子大はリベラルアーツの良さを活かしつつ「現代的キャリア教育(ICT、PBL、STEAM教育、女性のライフデザイン)」を整備して 受験生にわかりやすい進路像 を示せている一方で、神戸女学院や津田塾は歴史ある本格的リベラルアーツ校として 学問的には高い質 を維持しているものの、「キャリア教育との接続」が弱いため、職業志向の高い現代受験生には訴求力がやや低いといえる。

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【津田塾の今】かつての憧れ女子大は、どう変わった?

カテゴリー:学校紹介2025.05.25

【1】偏差値の変化

保護者の方々、あるいはその世代より上の方にとっては、おそらく津田塾といえば、女子大の最高峰といったイメージがあるのではないでしょうか。ひょっとすると今もそのイメージを持たれているかたも多いかもしれません。しかし、随分と前から昔とは世間的な評価がだいぶ異なるようになってきました。津田塾がどう変わったのかをまずは偏差値の変化を通して見てみましょう。

【約40年前(1980年代前半~中盤)】

  • 津田塾大学(学芸学部・英文学科など)
    • 偏差値:65~68
    • 旧帝大レベルの共学の難関学部に迫る高偏差値
    • 津田塾大学は、早慶(特に早稲田の文系)に次ぐ最上位の女子大という位置づけ
    • 共学が当たり前でない時代、「女性エリートの象徴」だった

【現在(2025年入試)】

  • 津田塾大学(学芸学部・英語英文学科など)
    • 偏差値:52~56(河合塾・駿台・ベネッセなど各模試平均)
    • 偏差値はMARCHより明確に下がり、成蹊・成城・獨協あたりと並ぶ位置に。

※偏差値は目安です。模試や時代によって異なります

まとめると

偏差値で約10~15ポイントダウン!
大学ランク感覚で言うと、旧帝大クラスから中堅私大上位クラスへ
→ 「かつては超難関、今は一般的な上位私大」という位置づけに変化

【2】昔の津田塾

津田塾大学は1900年、津田梅子によって設立されました。まだ女性が自由に教育を受けられない時代に英語とリベラルアーツを重視する超先進的な教育を行い、“女子の東大”とも呼ばれる存在になりました。そしてバブル期までは、『津田塾ならどこにでも就職できる』というような神話すらありました。

【当時の津田塾の強み】

  • 日本初の本格的女子英語学校(当時は「英語といえば津田塾」)
  • 海外留学者を多数輩出
  • 知性と品格の象徴だった
  • 就職にも直結していた(大手企業が津田塾女子を取り合った)
  • 女子の進学先自体が少なかった時代背景もある(東大や国立大学がまだ男子中心)

【3】人気低下の理由

ところが1990年代以降、時代は変わります。かつては偏差値65以上で早慶と並び称されるほどの超名門だった津田塾大学が、なぜ今、偏差値は50台になったのでしょうか?そして、本当に津田塾は衰退したのでしょうか?

【偏差値低下の理由】

  • 共学志向の拡大

    ⇒女子だけの環境よりも、男女共学の大学を選ぶ受験生が増加。早慶、上智・ICU・MARCHの共学化された人気学部に流れる傾向が強まった。

  • 実学・キャリア志向の台頭

    ⇒ビジネス・国際・情報・看護などの実学系学部がある大学が人気に。津田塾は学芸学部中心で、学部の選択肢が少ないのが弱み。

  • 女子大人気の低下

    ⇒少子化とともに、女子大学全体のブランド力が低下。保護者世代と違い、「女子大安定・安心」のイメージが若年層では薄れている。

  • 入試方式の柔軟性の差

    ⇒MARCHや共立女子などは多様な入試方式(共テ利用・英検利用・総合型)で広く受験生を集めている一方、津田塾はやや保守的で受験の間口が狭い

上記のよう原因があてはまる津田塾をはじめとした多くの伝統女子大は、苦戦を強いられました。当然、それにともなって偏差値も、かつての『超エリート校』から、いわゆる“中堅校”の位置へと変わっていきます。

【4】そして、現状

しかし、このまま凋落が続くのでしょうか。津田塾はただ衰退していったわけではありません。今では時代に合わせて、大きな変革を進めています。

【変革ポイント】

  • 総合政策学部を新設(文理融合型)
  • データサイエンス教育の強化
  • ICT・英語教育のアップデート
  • キャリア支援の充実(少人数制・きめ細かいサポート)

もともとの英語教育の強みを生かしながら、現代のリーダーシップ教育に進化しようとしています。今、津田塾は“小さいけれど個性の強い女子大”へと生まれ変わっていると言えるでしょう。

【5】まとめ・これから

こうした変化を遂げた津田塾は、昔のブランドにしがみつくのではなく、“これからの時代に必要な女性”を育てる大学へと変わっています。背景には、大学選びは、単なる“偏差値”だけでなく、『どんな力をつけたいか』で選ぶ時代に変わってきたということもあるでしょう。
津田塾は、

  • 英語を伸ばしたい
  • 世界で活躍したい
  • 少人数できめ細かい教育を受けたい

そんな人にとって、今も間違いなく魅力的な選択肢だと言えるでしょう。

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学校紹介【昭和女子大附属昭和中学校・高等学校】

カテゴリー:学校紹介2025.04.22

昭和女子大学附属昭和中学校は、東京都世田谷区太子堂に位置する私立の中高一貫の女子中学校です。 アクセスは、東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋駅」から徒歩7分と便利な立地にあります。学校の設立は、大正9年でもともと文京区にありました。

高校は募集をしていない完全な六年一貫教育となっています。

入試においては、2科目、4科目、3科目から選択でき、英語資格を持つ受験生には試験免除の制度も設けています。 英語資格が利用できる入試というのは、今のはやりにのっていると言えるでしょう。

 

昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校では、生徒の多様な興味や将来の目標に応じて、以下の3つのコースを設けています。

 

  1. 本科コース:基礎的な学力を養い、多様な進路に対応する一般的なカリキュラムを提供しています。
  2. グローバル留学コース:英語力やコミュニケーション能力を高めることを目的とし、高校2年次にカナダでの10か月間のホームステイと現地校への通学を通じて、国際的な視野を広げます。
  3. スーパーサイエンスコース:理数分野に興味を持つ生徒を対象に、STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育を推進し、高度なサイエンスプログラムを展開しています。

 

英語と数学に力を入れているという意味では今のはやりにしっかりと乗っていると言えるでしょう。また、昭和⼥⼦⼤学の推薦を得たまま、他⼤学受験の準備をし進学することもでき、そういったことが理由となってか、偏差値も12年前に比べると上がっているようです。

 

2013年

卒業生 226名

首都圏模試偏差値 53と53 四谷大塚偏差値 45と47

 

 

2025年

卒業生 179名

首都圏模試偏差値 59と61  四谷大塚偏差値 46と49

 

偏差値は上がっていますが、注意が必要です。首都圏模試では偏差値が6~8上がっていますが、四谷大塚模試ではそうでもありません。大学進学実績を見ても、2013年に比べて良くなっているわけではないなぜ、首都圏模試だけ偏差値が上がったのでしょうか?背景には「模試の特性」と「受験層の違い」が関係しています。ポイントを整理します。

 

首都圏模試の偏差値が上がった理由としては、中学受験率の上昇(地元人気)が最大の理由だと思います。要は昔であれば受験しなかった人も中学受験をするようになった結果、偏差値があがったのです。一方の四谷大塚は首都圏模試よりも難しい模試であるため、受験者の顔ぶれがあまり変わってないから偏差値は大きく動かないと言えるでしょう。

 

分かりやすく言うと、

四谷大塚の偏差値は →「御三家や早慶レベルを受ける子が併願で受けたときの昭和女子の立ち位置」

首都圏模試は →「地元の子・公立併願の子が本命で受けたときの昭和女子の立ち位置」

このズレが今回の現象の正体です。

 

 

また学校の最大の特徴として、五修⽣制度というものがあります。

 

「五修生制度」は、高校3年生(6年生)の1年間に、在籍を維持しながら昭和女子大学の授業を受講できる独自の制度です。​この制度により、高校卒業後に昭和女子大学へ進学する場合、受講した大学の授業が単位として認定され、大学生活を1年早く開始することが可能となります 。​

 

主な特徴とメリット

  • 中高一貫教育の早期修了:​中高の5年間で高校卒業に必要な単位をほぼ修得し、6年生で大学の授業に参加します 。
  • 大学単位の先取り:​昭和女子大学に進学した場合、6年生で受講した大学の授業が正式な単位として認定されます 。
  • 進路の多様性:​大学生活を1年早く始めることで、留学や研究、大学院進学、就職活動などに余裕を持って取り組むことができます 。​昭和女子大学附属学校
  • ダブルディグリー制度との併用:​五修生制度とダブルディグリー制度を組み合わせることで、5年間で昭和女子大学と海外協定大学の2つの学位を取得することも可能です

この制度は、昭和女子大学附属校ならではの特色であり、生徒にとって多様な進路選択や早期の専門的学習の機会を提供しています。

 

八雲学園中学校高等学校

カテゴリー:学校紹介2024.11.17

所在地は、東横線都立大駅から徒歩10分弱の住宅地の真ん中にあります。1938年に女子校として創立されましたが、2018年度より女子校から共学になりました。

首都圏模試の偏差値は、2024年で男女ともに47です。これは国・算の二科受験での数字です。共学化前の2017年は、4科で54、2科で51でしたから、若干下がったということになります。150名いた卒業生も89名まで減っていますので、人気が下降気味と言えるでしょう。ただし、大学進学率は78%から87%に上がっています。

合格実績としては、以前に比べMARCHを始めとした日本の大学は下がっていますが、海外大学の合格者数は増えているようです。海外協定大学推薦制度(UPAA)というのもあり、高校の成績・英語力を基準として、アメリカ・イギリス・オーストラリアの協定大学に推薦入試で受験できるそうです。今後はもっと海外大学が増えるのではないでしょうか。

さて、八雲学園の最大かどうかは分かりませんが、大きな特徴の一つに初年度納入金の高さが挙げられます。女子校時代の2017年は初年度納入金が103万でしたが、2024年は179万になっています。そうなのです。これはかなり高額でして、八雲はお金がかなりかかります。首都圏の私立中学初年度納入金の高さランキングでいいますと、3位です。ただし、学費や入学金が高いわけではなく学費以外のものが高いようです。

納入金が高いこともあって設備は豪華なものが多く、たとえば、トイレは帝国ホテルのものと同じものを使用しているようで、ものすごく綺麗なようで音楽も流れているようです。学校のHPも拝見しましたが、本当にホテルのようです。また、陸上レーンは、国際大会が行われる陸上競技場と同様のタータンレーンが2本あり、本番さながらのスタート練習ができるようになっています。また、足元を照らすライトも設置され、暗くなっても練習に励むことができるようです。さらにすべての教室には毎月生花が生けられるようです。以前、私は八雲に住んでいたのですが、もっとも印象に残っているのは、クリスマスのときに学校に電飾がされていたことでした。建物全体がデコレーションされています。

学習カリキュラム最大の特徴は、英語に力を入れていることです。近年は、受験の段階で英語が得意な生徒を集め、あたかも英語が得意になるかのような印象をつくる学校もありますが、八雲はそうではなく、全員英語ができるように一から鍛えてくれるようです。

共学になった2018年より、世界50か国の私立校が交流する「ラウンドスクエア」のグローバルメンバー校の一つになりました。「ラウンドスクエア(Round Square)」は、世界50カ国から約200校が加盟している私立学校を結ぶ大きなネットワークです。国連の会議さながらに、世界中から加盟国の生徒たちが集まり、環境や国際問題などをテーマに、ディスカッションや研究発表、奉仕活動、アドベンチャーなど様々な活動をおこなっています。また、中3生になると全員がカリフォルニアにある「八雲レジデンス」という学校施設で研修を行います

こうしたグローバル教育以外にも文化体験にも力を入れているようで、月に一度文化体験の日を設け、美術鑑賞、ミュージカル、映画鑑賞をはじめ、さまざまな場所に出かけて文化や歴史を探求します。ただし、コロナ以降はその回数は減っているようです。また、部活動にも力を入れており、空手部は世界大会で金メダルをとったそうです。他にも女子バスケっと部が全国大会に出場しています。

さて、英語や文化体験に力を入れているという話からは近年の流行の学校のような印象を受けますが、そういった学校は人気が高くなり、年々偏差値が上がる傾向にあります。しかし、八雲は受験者数が減っており、偏差値も下がっています。なぜでしょうか。いくつか考えられることを挙げてみます。

一つは、校則が厳しいことです。髪型や服装に関してかなり厳しいらしいのですが、校則が厳しいことそのものよりも、英語や文化体験に力を入れているということと校則が厳しいことが、保護者や受験生にとって合わないのではないでしょうか。

また、在校生に話を聞きますと女子校時代からいる先生たちはずっと在籍されていても、新しい先生は出入りが激しいようです。そうしたことに加えて、朝礼などで話される先生たちの話もかなり昭和感があり、今の時代と合わないことが多いと言っていました。こうした学校の空気が、イメージとあまりにも合わないのだと思います。

おそらくこうしたイメージギャップが原因で、人気が下がっているのではないかと考えられます。学校の教育方針は、もっとも重要な要素ですから、人気をとるために方針を変えるということが良いことかどうかは分かりませんが、人気校にしていくには、自由な校風にしていくことかもしれません。

>合格を目指す方は「私立中学受験対策コース」もご覧ください!

 

青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科ってどんなところ?

カテゴリー:学校紹介2024.08.27

卒塾生の美咲さんが出演してくれました。青学の理工学部情報テクノロジー学科について色々と聞いてみました。

動画はこちらから

上智大学法学部地球環境法学科の学生に聞いてみた!【動画】

カテゴリー:学校紹介2024.04.23

現在Kip学伸で講師を務めているO先生に上智大学法学部地球環境法学科の実情について話を聞いてみました。

 

動画はこちら

恵泉女学園

カテゴリー:学校紹介2023.03.18

恵泉女学園は、小田急線の経堂駅から徒歩10分ほどにある、プロテスタントの女子校です。河井道さんが戦前に創設し、「広く世界に向かって心の開かれた女性を育てなければ戦争はなくならない」という理念を持っています。

最近の特徴としては、偏差値が伸びていることです。2013年の53から2023年には65まで上昇し、(すべて首都圏模試の2月1日合格率80パーセントを参照)鴎友学園(偏差値70)に迫る勢いとなっています。高校では募集をしていないため、入学したい人は中学受験をする必要があります。進学実績は近年良くなっており、特にMARCHへの進学者数が増えています。2013年と23年の合格者数を見てみると下記のようになります。

 

明治 5⇒27

青学 17⇒14

立教 9⇒17

中央 6⇒8

法政4⇒22

ただし、早慶国立はあまり変わっていないところを見ると、学習カリキュラムがMARCHレベルなのだと言えるでしょう。実際、進度もそこまで速いわけではなく、内容ももちろん公立中学よりは難しいのですが、バリバリの進学校ほどではありません。

 

教育方針は、主体性・多様性・協働性を育むことで、聖書(主体性)を用いて自己肯定感や自分自身と向き合う力を育み、国際(多様性)を学び、英語力と世界観を広げ、園芸(協働性)を通じて「いのち」の尊さや感謝の気持ちを養います。

 

園芸に力を入れており、園芸の授業があるのは、特徴と言えるでしょう。英語に力を入れていますが、帰国子女に対してはそこまで積極的であるとは言えず、10名弱の合格に留まっています。

恵泉女学園は少人数制で、学習習慣を確立することに力を入れ、昨今注目されているような学習にも積極的に取り組んでいます。授業料は、初年度の納入金額は112万円で、10年前に比べて20万円ほど上がっています。

 

授業スタイルは少人数制で、学習習慣を確立することに力を入れており、昔からディベートや小論など昨今注目されているような学習にも力を入れてきました。

 

また、成績が明確にでないため、自分の学力的な位置が分かりづらく、高3時の指定校推薦をとるかどうかのときに、情報がオープンではないことによって、受験生が大変な思いをする可能性があります。さらに、成績が良いと指定校推薦ではなく、一般で国立・早慶を目指すよう促されます。